第63回国際反戦集会海外へのアピール |
<プーチンの戦争>粉砕! <ネタニヤフの戦争>粉砕! 全世界人民の団結で世界大戦の 勃発を阻止しよう! 2025年7月1日 第63回国際反戦集会実行委員会(全学連・反戦青年委員会・革マル派) 戦争と圧政をこの地球上から一掃することをめざして日々たたかっている全世界の同志諸君! 労働者・学生・知識人のみなさん! 第二次世界大戦の終結から八十年――いま世界の至る所で、ヒトラーと同様の独裁者どもが侵略戦争をひきおこし、他国をおのれの「帝国」のもとに組みこむという暴挙をほしいままにしている。そして、「わが国を再び偉大に」を共通の標語にした核大国が、時に正面衝突し時に合従連衡しつつ相互に国家エゴイズムをむきだしにして角逐している。このゆえに、いま世界は、三たび世界的大戦が勃発するその前夜というべき様相を呈しているのである。 この世界を覆う戦争的危機を突破するために、今こそ全世界の労働者人民は団結してたたかおう! われわれ日本の労働者と学生は・そしてわが革共同革マル派は、八月三日に東京を始め全国七ヵ所で第六十三回国際反戦集会を開催する。この時にあたり、われわれは、戦争を肯んじない世界の仲間との連帯をもとめて、この海外への訴えを送る。 (1) いま世界は、核戦力を誇示する力あるものが、「力による平和」などという欺瞞の旗を掲げて弱者の命運を決めるという「弱肉強食の時代」に突入したかのごとくである。 イスラエルのシオニスト政権によるガザ人民・パレスチナ人民へのジェノサイドを見よ! この一年十ヵ月、彼らはガザの住宅・病院・学校などを破壊しつくし多くの人民を殺戮してきた。あまつさえこの殺人鬼政権は、「ガザは住民を追い出して中東のリビエラにする」などという悪徳不動産屋のごとき言辞を弄するトランプと共謀し、国連を追い出してアメリカ主導の食糧配給所なるものをたった四ヵ所だけつくり、そこにやって来る人民に銃弾を浴びせているのだ。これがはたして人間の所業であろうか! しかもこの政権は、自身は核兵器を所有していながらこれを認めないままに、イランが核兵器を開発している疑惑があることを口実に、イランへの空爆を強行し、イラン政権幹部だけでなく多くの人民を虐殺したのだ。 さらに、こうして始まったイスラエル・イラン戦争の真っただなかの六月二十二日、軍国主義帝国アメリカのトランプ政権は、反米国家イランの核施設三ヵ所にたいして、地中貫通爆弾十四発と巡航ミサイル三十発を撃ちこむという攻撃をおこなった。「中東戦争を止める」と称してトランプがおこなったこの攻撃は、自国に逆らう国にたいしては有無を言わさず一方的に攻撃するというものであり、まさしく「アメリカ・ファースト」をむきだしにした国家テロリズム以外のなにものでもない。 全世界の労働者人民は、こうした「二十一世紀のヒトラー」どもの狂気にみちた蛮行を止めるために、世界の各地で反戦の闘いをくりひろげよう! (2) 中東におけるネタニヤフ政権とトランプ政権によるこうした相次ぐ戦争放火は、核兵器を有する国が「武力による平和」の名において、おのれに楯突く国を力ずくで屈服させるという暴挙が、いよいよ常態化していることを告げ知らせている。「暗黒の二十一世紀」における戦争的危機は、ますます深まっているのである。 そして、こうした時代への推転の結節点となったもの――それは言うまでもなく、今から三年半前にロシア帝国皇帝プーチンが開始し、今も続くウクライナへの残虐きわまりない侵略戦争にほかならない。 大統領就任直後にトランプは言った――「ウクライナは負け戦をするべきではなかった」「ロシアとウクライナは馬鹿げた戦争をやめ、ディールをせよ」と。このトランプ帝王の頭にあるのは、ロシアを国際政治の舞台に復帰させることとひきかえに北極圏に眠る資源の開発などをめぐって取り引きすること、あわよくば中露の「同盟的結託」に楔を打ちこみ中国の対米挑戦を弱めること、そして、ウクライナ戦争を止めた「平和の大統領」としておのれをおしだし、そうすることによって来年の建国二五〇年には歴代第一位の偉大な大統領というレガシーを残すこと、だといえる。 だからこそトランプは、ウクライナ支援を拒み防空システムの売却にも応じようとはしていない。しかも気まぐれで飽きっぽいこの三歳児的大統領は、つい先頃は「戦争の終結は米露二つの大国で決める」と言っていたにもかかわらず、その舌の根も乾かぬうちに、「もともと俺の戦争ではない。当事者のあいだで話がつかないなら仲介は降りる」ということをしばしば口にしているのである。 まさにこうしたトランプの対応のゆえに、プーチンは、停戦交渉においては「紛争の根本原因を除去することが必要だ。ウクライナの非ナチ化・非軍事化、およびNATOへの非加盟が停戦の条件だ」などと盗っ人猛々しくもうそぶいている。そして、みずからが勝手に併合を宣言した東部・南部四州だけでなく、スムイ州やドニプロペトロウシク州などにもさらに侵略の凶手を伸ばそうとしている――ウクライナの全土に連日ミサイルと無人機による大規模な無差別攻撃を仕掛けながら。 ロシア皇帝プーチンが、すでに一〇〇万人ものロシア兵死傷者を生みだしながらも、そしてGDPの七%超の軍事費をつぎ込む「死の経済」の破産に脅えながらも、まるで狂ったようにおしすすめているウクライナ侵略戦争――その本質は何か? プーチンは、今から三十数年前の「社会主義」(実はニセ・マルクス主義としてのスターリン主義)ソ連邦の自滅的自己解体をば「二十世紀最大の地政学的悲劇」と称しつつ、かつてのソ連邦の版図の回復をめざし・それだけでなくあわよくばかつての東欧ソ連衛星国家群のようなソ連勢力圏の再興さえめざして、西方への膨張をはかっているのであって、これがウクライナ侵略戦争の本質をなすのだ。 このプーチンと彼の率いるロシアFSB強権型支配体制による歴史的な暴挙は、第二次世界大戦においてかのヒトラーとスターリンのそれぞれが――最初は結託し後には激突しつつ――近隣の西欧・東欧諸国を次々に占領し併合していったこの犯罪と、そのやり方において瓜二つなのだ。 全世界の労働者人民は、こうした「今ヒトラー」どもの<世紀の蛮行>を断固として打ち砕くために、起ちあがろうではないか! (3) 「暗愚の帝王」トランプは――二十世紀後半の米ソの熾烈な角逐をまったく知らず・ただ「コストに見合った利益が得られるかどうか」だけを対外政策の判断基準にする、たとえば副大統領バンスのような「ミレニアル世代」に取り囲まれていることもあって――いまや「アメリカ・ファースト」を丸出しにした傲岸きわまりない対外政策をとっている。そしてこのトランプと意気投合してウクライナの町や村を焦土と化し占領地を拡大するとともに、「ウクライナの次」をも虎視眈々と狙っているのがプーチンなのである。 この二人の独裁者に挟撃されて、いまや戦々恐々となっているのが西欧の権力者たちである。 六月下旬に開かれたNATO首脳会議では、NATO事務総長ルッテをはじめとしてトランプにたいし歯の浮くようなお世辞を並べ立てつつ彼の要求する軍事費のGDP比五%を丸呑みしたのであった。もっともこの合意には、トランプが大統領を辞める「二〇二九年に見直す」という一文が書き込まれているのであるが……。こうしてNATO首脳宣言においては、侵略者ロシアへの批難は削られ「ウクライナ支援」の文言も消えてしまった。 この欧州権力者による軍事費の巨大な増額は、もちろん基本的にウクライナのためではなく、それ自体が欧州の独占資本の生き残りのためにほかならない。欧州各国の政府=独占資本はいまや「グリーンな経済」を棚上げにして核軍事力増強競争の最前線に躍りでた。こうして世界は大軍拡時代に突入したのである。 そして、こうした事態をまえにして欧州左翼のなかには、「ウクライナ戦争は代理戦争だ」とか、「欧州の軍拡に反対することとウクライナを支援することとは矛盾する。ゆえにウクライナ支援に反対する」とかと主張する者が、ほんの一部にせよ現れている。 だが、こうした主張をする者に欠けているのはなによりもまず、突如としてロシアに侵略され既に三年半にわたって戦いぬいているウクライナの人々の苦しみに想いを馳せ、彼らに心からの連帯を届けることではないのか! ウクライナは今や全土の二割がロシアに占領され、占領支配された四州にはウクライナの人口の一割、約五〇〇万人の同胞がいる。彼らに移動の自由はなく、州内に閉じこめられている。ロシアに従順でない者は、地下室に押しこまれ拷問され虐殺されレイプされている。やむなくパスポートの取得などに応じた者は、ロシア兵として戦場に駆りだされウクライナの同胞と戦うことを強いられている。そして二万人以上の子供たちがロシアに連れ去られ、ウクライナの言語や文化を忘れるだけでなく親や祖国を憎むようにさえ日々教育されている。ロシアは子供たちを戦利品とみなし、「子供は返さない」と言い切っているのだ。 占領地にロシアが建設しつつあるそのビルの下には、家族・同胞・民族・祖国の明るい未来を信じて戦場に倒れた多くの戦士が眠っている。われわれは、捕虜交換によって返された息子や夫の遺体と相対することとなった家族たちの悲しみを忘れてはならない。帰還できた捕虜たちに写真をかざして、戦場に赴いた愛する者の消息を知ろうとする女性たちの姿を忘れてはならない。 だからこそウクライナの労働者たちは、ロシアの侵略を打ち砕くために、一〇〇万を超える人々が戦場に赴き、それを上回る人々が重要インフラ部門に従事し、またさらに多くの人々がボランティアに参加して、レジスタンスを闘ってきたのだ。かの「クモの巣作戦」の成功はこうした人々の協力なしにはありえなかったにちがいない。 いまウクライナの真の左翼は、トランプとプーチンによる耐えがたい「和平」の押しつけに反対して、「真に公平で永続的な和平」の実現のために闘っている。そして彼らは、米欧からのウクライナ支援の縮小のなかで・みずからの力でなんとしても侵略を阻止することを決意し、「オリガルヒと占領者のいないウクライナのために」を掲げ「民主的な社会主義政策だけがウクライナの持続可能な未来への道を導く」として、新たな決意で不屈の闘いを開始しているのだ。 経済的困窮に苦しむ自国の労働者に寄り添うためであろうが、ウクライナ支援に反対する者たちにわれわれは問いたい。ウクライナの人々やガザの人々のような、歴史の傍らに押しやられつつあるかのような虐げられた人々の怒り・悔しさ・悲しみを共有することなしに、プロレタリア・インターナショナリズムは創造しうるのか、と。そしてプロレタリア・インターナショナリズムを創造することなしに、未来社会をきりひらくことはできるのか、と。今ここで、ウクライナの労働者のために闘わない者は、パレスチナ人民のために闘わない者は、自国の労働者階級を階級的に組織していく道をみずから閉ざし、将来の世代に取りかえしのつかない負の遺産を送ることになるのではないか、と。 「日々充実した無から絶対無へと突き落とされている」(マルクス)われわれ労働者は、国境を超え人種を超え言語や文化や精神的風土を超えて、こうした特殊性の底にある普遍的なもの、すなわち賃金奴隷としての自己存在の普遍性を自覚し・国境を超えた階級的団結を創造し、そして資本家階級とその権力および「市場社会主義」の旗を掲げたネオ・スターリン主義中国の権力にたいしてたたかわなければならない。そうしてこそはじめて、米(・欧・日)対中・露の激突によって迫り来る熱核戦争勃発の危機、貧困と飢餓による・また地球の荒廃による人類滅亡の危機をうち破ることも可能となるのだ。 ウクライナの労働者よ! パレスチナの労働者よ! あなた方のためにわれわれができることがあまりにも少ないことを、われわれは心から申しわけなく思う。ただわれわれもまたあなた方とともに、虐殺者どもへの階級的憎しみを燃やし、怒りも悲しみも・時には絶望も希望も共にして、どこまでも・いつまでも一緒に歩むことを誓う。 (4) 戦争と抑圧と貧困と地球の荒廃に覆われたこの「暗黒の二十一世紀世界」はいま、あたかも歴史の歯車が逆回転するかのように、二度の世界大戦を経験した二十世紀世界へと回帰しつつあるかのごとくである。 今から約三十数年前のかの「ソ連型社会主義」(実は反マルクス主義としてのスターリン主義)の自滅をば「共産主義の壮大な実験の失敗」と喧伝しつつ、「資本主義の勝利」などと謳歌したのが、世界のブルジョア階級とその権力であった。だが、驕り高ぶり「一超」世界支配をほしいままにしたアメリカ帝国主義は、アフガニスタンやイラクへの軍事侵略とその泥沼化によって墓穴を掘り、「資本主義を恐れることなく利用」した「市場社会主義国」中国の台頭を招いた。しかもアメリカ帝国主義が世界に押しつけたグローバリズムとは、実はアメリカナイゼイションにほかならず、これこそが世界とりわけグローバルサウスの労働者たちに貧困と格差を強制するとともに、アメリカ自身の産業の空洞化を招いたのである。 こうして「一超」軍国主義帝国アメリカは没落の急坂を転げ落ちた。そしてこの<米中対決>の前面化の間隙をぬって、「亡国ロシア」が、「社会主義」という世界を欺く看板は取り下げたとはいえ、スターリン時代と瓜二つの統治形態を築き、「強いロシアの復活」を掲げてその鎌首をもたげた。そしてついに、「使える核兵器」を携え、旧ソ連邦の版図の復活をめざして現実に動きだした――それがウクライナという民族と国家を丸ごとロシアに組みこもうとする<世紀の蛮行>なのである。 このことは、二十世紀の総括が、とりわけ今にしてその実態が暴かれているとはいえ、なぜ世界の人民が「ソ連=労働者の母国にして平和の砦」という神話に翻弄されてしまったのかが、今なお問われていることを意味する。この二十一世紀に真に平和で人間的な社会を実現するためには、「戦争と革命の世紀」といわれた二十世紀の階級闘争のうち続く敗北の根拠が深く掘りさげられ、これにふまえてわれわれは前進しなければならないのだ。 世界の労働者・学生諸君! われわれ日本の労働者・学生は、反戦の闘いをいつも最重要の闘いに位置づけ、全力を傾注してたたかってきている。この三年有余、全学連のデモの先頭に翻るスローガンはつねに<プーチンの戦争粉砕>そして<ネタニヤフの戦争粉砕>であった。労働戦線ではわが戦闘的労働者たちは、労働組合の深部において、既成労組指導部の抑圧と日本のネオ・スターリン主義党の闘争放棄を弾劾しつつ、<日米安保同盟の強化反対・日本の大軍拡反対>とともに<プーチンの戦争粉砕><ネタニヤフの戦争粉砕>の闘いを創造するために奮闘してきた。 われわれ日本の反スターリン主義革命的左翼は、忍び寄る第三次世界大戦=熱核戦争の勃発とこれによる人類死滅の危機を突破する闘いに、全力を傾注する決意である。 プーチンの戦争粉砕! ネタニヤフの戦争粉砕! 中東戦争阻止・アメリカの参戦粉砕! 第三次世界戦争阻止! 全世界の同志諸君! 戦争も抑圧も貧困も搾取もない世界をこの地球上に築くことをめざして、共にたたかい共に前進しよう! (二〇二五年七月一日) |