連続的デッチアゲ逮捕と指名手配攻撃を弾劾する


 すべてのたたかう労働者・学生諸君!
 国家権力・公安警察は、革命的反戦闘争を推進し二〇〇〇年春闘をたたかっているわが革共同・革マル派にたいして未曽有の大弾圧をかけてきている。すでに四名のわが同志を、そして「革マル派の非公然活動家」とみたてて二名の労働者をデッチアゲ逮捕・起訴し、十七名の同志を「全国指名手配」してきた国家権力・公安警察は、またしてもわが同盟にたいする焦りに満ちた報復的な弾圧を強行してきた。
 あろうことか国家権力・公安警察は、わが同盟の同志が「一九九七年五月ごろ」国労の幹部の自宅に「侵入」した、などという事件をデッチあげ、このデタラメな容疑にもとづいてM同志を不当にも逮捕し(二月七日)、二名の同志を「全国指名手配」した。そしてまた、わが同盟の同志がデジタル化されている警察無線を傍受し交信内容を「革マル派の他メンバーに伝えた」などという容疑をデッチあげ、S同志を不当にも逮捕し(二月八日)、五名の女性同志を「全国指名手配」した。
 ところでほぼ時を同じくして、権力は、昨年十二月三日に強引に成立させた「団体規制法」にもとづくオウム真理教団(「アレフ」と改称)にたいする「観察処分」を決定し(一月三十一日)、ただちに「オウム」の拠点施設全国五ヵ所にたいする立ち入り検査にのりだした(二月四日)。これは明らかに、「オウム」にたいする「取り締まり」をわが同盟への弾圧と意図的に重ねあわせておしだし、わが革共同・革マル派があたかもオウム真理教団と同様の「犯罪者集団」であるかのように社会的に印象づけることを狙ったものにほかならない。そのうえで権力は、「オウム取り締まり」を名分として一挙にエスカレートさせてきた治安弾圧の手法をもって、わが同盟にたいする大弾圧にうって出ているのだ。
 このような国家権力・公安警察によるデッチあげ逮捕・指名手配を手段としたわが同盟にたいする組織破壊攻撃を、われわれは総力をあげて粉砕しなければならない。


「国労役員宅侵入」容疑のデッチアゲ

 二月七日に国家権力・公安警察は、すでに別件で不当にも起訴(二月四日)されていたM同志を「国労役員宅に侵入した」などという容疑で逮捕した。また、同容疑で五名のわが同志を「全国指名手配」したのだ。
 だが、M同志を逮捕した警視庁公安部は、デッチアゲであることからして当然にも、M同志らが「国労役員宅に侵入した」とされる日時さえも発表することができない。驚くべきことに、警察権力は「侵入」は「一九九七年五月初旬」などというまったくアイマイでデタラメな発表で済ませている始末なのだ。それだけではない。「合いカギを使って侵入」などとマスコミにキャンペーンさせていながら、その具体的「証拠」なるものをなにひとつ明らかにすることもできないのである。
 もちろん警察権力は、九八年一月に警視庁公安部が「東京都練馬区の革マル派のアジトを捜索」した際に「被害者宅の合い鍵や、資料のコピーなど約三千点を押収していた」(二月八日付「毎日新聞」)などとマスコミに宣伝させ、あたかもなんらかの「証拠」を手中にしているかのようにおしだしてはいる。とはいえ彼らは、このことについて何ひとつ具体的な「事実」をしめしているわけではない。いやそもそも練馬区のマンションを「捜索」し「合い鍵や、資料のコピーなど約三千点」を「押収し」たと言うが、それからなんと二年も経てから「国労役員宅侵入容疑」が判明した、などということ自体がデタラメもはなはだしいではないか。
 このようなまったく事実無根のデタラメなキャンペーンをはってまでわが同志たちを不当逮捕したり指名手配したりしているところに、権力の狙いと焦りがむきだしになっているといってよい。労学両戦線において反戦闘争や二〇〇〇年春闘をはじめとした諸闘争を推進し、神戸事件をはじめとした謀略的権力犯罪を暴露するためのイデオロギー闘争をおしすすめているわが同盟・革マル派。このわが同盟の闘いにたいする危機意識と憎悪を高じさせた国家権力は、あたかもわが同盟が「犯罪者集団」であるかのような許し難い虚構をデッチあげつつ、一挙に大弾圧をかけようとしているのである。


警察無線解読への憎悪をむきだしにする権力

 二月七日の不当逮捕・指名手配に続いて、翌八日に、国家権力・公安警察は、神戸事件で逮捕されたA少年が送致されている関東医療少年院に「侵入」したとして「建造物侵入容疑」で逮捕・起訴されているS同志を、今度は、「電波法違反容疑」なるものをデッチあげ不当逮捕した。そして同時に五名の女性同志にたいしても同容疑をデッチあげ、「全国指名手配」したのであった。
 だが、S同志を逮捕し五名の同志を指名手配した「電波法違反」という容疑事実そのものがまったくデタラメなものなのだ。警視庁公安部の発表によるならば、S同志らは「九七年三月ごろ」千葉県浦安市内のマンションで無線機などを使い、警視庁などの警察無線を傍受し、通信内容を練馬区内のマンションに住んでいた「革マル派の非公然メンバー」に「報告」したとされている。このS同志らの行為が「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密をもらし、または、窃用した者」(「電波法第一〇九条第一項」)に該当するというわけである。
 けれども、警察無線を傍受し、その通信内容を公表するということは、一般に広くおこなわれているのであり、「違法性」などまったく問題にならないのだ。最近発刊された、共同通信社の社会部記者(青木理)が執筆した『日本の公安警察』(講談社現代新書)や、月刊誌の『噂の真相』、無線マニアむけの月刊誌『ラジオライフ』『アクションバンド』などにおいて、警察無線で交信された内容の傍受記録がそのまま掲載されているほどなのである。こうした事実は、警察無線の傍受それ自体は、なんら違法ではないばかりか、その通信内容を広く社会的に知らしめることは、「驕(おご)る警察権力の腐敗(その違法性・犯罪性)を監視するためのジャーナリズムの使命」として、社会的に許容されているからにほかならない。にもかかわらず、今回権力が「警察無線を傍受し、その交信内容を漏らした」として、「電波法違反」などという容疑をデッチあげてわが同盟の同志を逮捕し、指名手配したりしたのは、ほかならぬわが同盟が「世界で最も解読困難な無線のひとつ」と警察官僚が豪語していたデジタル警察無線を傍受し解析していたことが満天下に知れわたったからにほかならない。わが同盟 を「封じ込めていた」つもりになっていた警察権力が、実はまったくその逆に、われわれの手のひらの上で泳いでいたにすぎないということが、きわめて滑稽な事態として全社会的にも明らかになってしまったことのゆえに、彼らはわが同盟にたいする階級的敵意と自己保身的意識をむきだしにし、なりふりかまわぬ弾圧をかけてきているわけなのである。
 しかも警視庁公安部は、昨年十二月二十四日にS同志の同容疑の逮捕状をとり、それを「朝日新聞」を使って「警察無線傍受、秘密漏えいの疑い」で「革マル派活動家に逮捕状」(十二月二十五日付夕刊)などとキャンペーンさせたにもかかわらず、その令状を執行することができず、断念したのであった。彼らにしても、警察無線を傍受しその内容を漏らした、ということをもって、わが同盟の同志だけを選別的に逮捕するというのは無理がある、と判断せざるをえなかったのであり、逮捕を強行した場合にその違法性を暴露され、追及されることを恐れたにちがいないのだ。
 それにもかかわらず、警察権力が今日、わが仲間を逮捕し、指名手配に踏み切ったのは次のようなドス黒い動機にもとづくものなのである。
 国家権力・公安警察は、「絶対傍受されてはならない」デジタル警察無線をわが同盟に傍受されていたことを突きつけられて「警察の組織防衛」(九八年五月、当時の警察庁長官・関口)などと、全国の都道府県警察に訓示をたれざるをえなかった。そして、警察庁の九八年度補正予算で「警察通信システムのデジタル化費用」として約一五六億円を計上したのであった(九八年十月)。こうして「改良・再編」した警察無線が、だがまたしてもわが同盟に傍受され、神奈川県警をはじめとした全国の警察の「不祥事」が、したがって、権力犯罪の実態が掌握されてしまっているのではないか――このように警察権力は脅え、危機意識を高じさせているわけなのだ。


米情報機関に揺さぶられた日本の「情報管理」

 しかも、かの中央省庁ハッカー事件によって、日本の「情報管理の甘さ」をつきだされた権力者どもは、ますます危機意識を高じさせているのだ。すなわち、一月二十四日に、科学技術庁のホームページ(HP)が「日本人は負け犬だ」という内容の英文に突然書き換えられた。その後、人事院、総務庁本庁(一月二十五日)、経企庁のシンクタンク(一月二十六日)、運輸省(一月二十七日)などのHPが、中国語で「南京大虐殺」をめぐる日本政府への抗議文に、次々と書き換えられた。これら一連の「ハッカー事件」は、一月二十一日に小渕内閣の官房副長官・古川貞二郎を議長とした「情報セキュリティ関係省庁局長等会議」で「ハッカー対策などの基盤整備に係る行動計画」を決定した直後のことであり、日本政府の省庁のHPがサイバーテロの餌食にされたことからしても、それは日本政府の情報管理能力の低さと杜撰さを衝撃的なかたちで突きつけるためのものといってよい。
 しかも、このサイバーテロは、アドレスを偽造し、韓国の企業や日本の高知工科大学などの複数のコンピュータを経由してアクセスしていること、また、わずか二分間に一万一九九二回もの攻撃をくりかえしていること(人事院のHPの場合)、これらのことからしてきわめて計画的かつ組織的におこなわれていることは明らかである。しかも、アメリカに本拠をおく中国の「反体制組織」が開設したHPに、一月二十七日に日本へのハッカー攻撃の継続を呼びかける内容が書き込まれていることからしても、アメリカの情報機関が関与していることは想像に難くない。事実、「情報の二十一世紀」の幕開けにむけて、ハッカー対策費として二〇〇〇会計年度に一四億ドル(約一五七七億円)を計上したアメリカ政府にたいして、日本政府は防衛庁ですら高度セキュリティシステムの試験的構築、運用評価環境の整備などのハッカー対策に、わずか二六億円程度しか計上していないことに、アメリカ政府の情報機関(NSA、CIAなど)は、苛立ちをしめしているといわれている。
 こうした日本帝国主義の「情報管理」についての危機意識の弱さにたいするアメリカ帝国主義の苛立ちと揺さぶりをもうけて、「サイバーテロ対策」をも主要な課題にするといわれている二〇〇〇年サミットの議長に予定されている首相・小渕は、警察権力の「ハイテク犯罪対策の強化」と称した「不正アクセス禁止法」を施行(二月十三日)したりしている。NSAやCIAなどのアメリカの情報機関に揺さぶられつづけている日本国家権力・公安警察は、あたかも自分たちは「情報」の管理をおこなっているかのような姿勢を押し出すためにも、「革マル派のデジタル警察無線の傍受」と「秘密の漏えい」などというようなキャンペーンをはり、わが同盟を破壊するために血眼になっているのである。


権力犯罪を弾劾し組織破壊攻撃を粉砕せよ!

 ところで周知のように、昨年九月いこう日本国家権力の暴力装置としての警察権力の腐敗が次つぎと暴露された。ガイドライン関連法の成立(九九年五月)、組織犯罪対策法、国旗・国歌法、改正住民基本台帳法の成立(同八月)の直後にはじまった神奈川県警をはじめとした警察権力内の腐敗の暴露。それは、明らかに警察官僚内部からのリークにもとづくものであり、これこそは、日本権力者の内部で日本国家の危機突破のための強権的支配体制の確立をめぐってし烈な権力内抗争がくりひろげられていることの一端が表面化したものにほかならない。
 神戸の小学生惨殺事件を想起させる、京都市伏見区で小学生が殺害された事件(十二月二十一日)。この事件について京都府警は、二月五日に一人の男性に「任意同行」を求めたところ「同行を拒否」し「説得中の公園の近くのマンション」から「飛び降り自殺した」と発表した。そして今やこの死亡した男性が「犯人」であったとされ、この事件が一件落着≠ノされつつある。だが、地元の「京都新聞」(二月六日付)は、この男性が自殺≠オたとされる様子を、目撃したマンションの住民の証言として次のように報じている。すなわち「ドスンという音がする直前、十〜二十分間にわたって複数の男性が階段付近で激しく言い争っていた声を聞いた」と。また、「音を聞いてあわてて一階に下りる途中、二人組の男にあった。工事関係者かと思ったが、よそよそしいので刑事だと気づいた。刑事の一人はおどおどしていた」と。
 「京都新聞」で報じられているこれらの住民の証言からするならば、警察権力が「容疑者」とみなして「任意同行」を求めた男性は、「飛び降り自殺」をしたのではなく、府警の刑事と「激しく言い争っている」過程でマンションから転落≠ウせられたことになる。この事実をもみ消し隠蔽するために、男性が「自殺した」というデタラメな物語をつくりあげたということもありうるのだ。だからこそ、二月十日に京都地検は、「府警の一連の捜査手続きに問題はなかったか」として、京都府警にたいする異例の調査を開始したといわれている。
 だが、警察権力は違法・不当な捜査を、わが同盟にたいして、ますます露骨におこなってもいる。神戸の小学生惨殺事件で逮捕されたA少年の精神鑑定医の病院や、A少年が収容されている関東医療少年院などに「侵入」したとして逮捕・起訴された諸同志の公判廷などにおいて、家宅捜索などで手当たり次第に「押収」したことの違法性を問われて検察側の「証人」として出廷した警視庁公安部のデカどもは、「犯罪者集団にたいしては何をやってもかまわない」などということを平然と叫ぶにいたっている。九六年八月に違法な家宅捜索を受けたとして損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は、「(警視庁が)内容を確認せずにフロッピーディスクを差し押さえたのは違法」という判断を下し、東京都に十万円の支払いを命ずる判決を言い渡した(九九年九月十七日)にもかかわらず、われわれの組織的闘いに追いつめられた警視庁公安部のデカは、違法行為を公然と居直っているのだ。
 それだけではない。神戸事件でも犯人デッチアゲの鍵をにぎっていた「少年の自白」なるものの信用性を問う歴史的な判決がくだされた。二月七日、最高裁第一小法廷は、いわゆる草加事件の被害者の両親が、小年院送致の「保護処分」を受けた少年(当時)三人の親を相手どり、損害賠償を求めた訴訟の上告審の判決で、少年らの自白の信用性について審判をやりなおすように東京高裁に命じた。客観的証拠に裏づけられない「自白」は信用性がないとし、この事件の少年らの無実の訴えを実質的に認めたのである。
 謀略的権力犯罪をくりかえし、これをわが同盟を先頭にした革命的左翼に暴露されることを恐れている国家権力・公安警察は、この組織的闘いの中心にいるわが革マル派を破壊するために、いまや、必死になっているのである。違法な「証拠」の収拾をおこない、事件をデッチあげ、不当な弾圧をくりかえしている。
 だが、国家権力・公安警察の犯罪的本質はますます鮮明になりつつある。
 われわれは、この国家権力・公安警察によるわが同盟にたいする弾圧・組織破壊攻撃を断固として粉砕しなければならない。
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