大阪府・豊中八中校長にたいする テロ攻撃を弾劾せよ! ●「日の丸・君が代」法制化阻止!組織犯罪対策法制定阻止! ネオ・ファシズム的反動攻撃粉砕! ●国旗・国歌の法制化を容認した日共中央の裏切りを許すな! 日教組中央の闘争抑圧を打破して、 全国の職場から闘いを構築しよう! |
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すべての教育労働者の皆さん! そしてすべての労働者・学生・市民・知識人の皆さん! 六月五日、大阪府豊中市において、右翼団体に所属する元暴力団の男が、「全国に日の丸掲揚と君が代斉唱を広めるために」市立第八中学校の津田校長に重傷を負わせるという、絶対に許すことのできないテロ事件がひきおこされた。この男は、午前八時すぎに校長室を訪れ、津田校長の名前を確認して校長に体当たりし、いきなり校長の左胸や背中を果物ナイフで刺すという凶行におよんだ。しかも倒れた校長に向かって「全国で日の丸掲揚や君が代斉唱を広めるために来た。お願いします」と言って、校長室の机の上にナイフを置いたという。また取り調べに対して男は、「殺すつもりでやった」「校長を殺して報道されれば(国旗掲揚・国歌斉唱に)反対する団体に対し、警鐘になると思った」などと供述しているという。 明らかにこのテロ行為は、三月末の広島県立世羅高校校長の自殺事件以後、わが同盟を先頭にして全国各地で果敢にたたかわれてきた「日の丸・君が代」強制・法制化阻止の闘いに対する露骨な暴力的恫喝以外の何ものでもない。しかも学校長を直接の対象としたこのテロルは、まさしく現に今、学校現場における「日の丸・君が代」の完全実施とそのための校長権限の強化を狙っている小渕沢反動政権の意志を、如実に体現したものにほかならないのだ。 われわれはこのような凶悪なテロ行為を満腔の怒りをこめて弾劾する。そしてすべての労働者・学生・市民・知識人が、今こそ既成左翼指導部の闘争歪曲に抗して、殺人テロ弾劾!「日の丸・君が代」の強制・法制化阻止!ネオ・ファシズム的反動化粉砕!の広範な戦線を創造し、ともに一大反撃の闘いを開始するように訴えるものである。 「日の丸・君が代」の強制を狙ったファシスト的蛮行 そもそも犯行に及んだ岩元某(二十九歳)は、元暴力団の組員であり、しかも一九九七年の十月に東京都内の証券会社から三十億円を脅かし取ろうとして恐喝未遂容疑で逮捕された男である。そしてこの男はわざわざ六月三日に大阪の右翼団体「太政官」に入会し、その二日後に事件を強行したのであった。しかもちょうど六月三日には、文部省が「日の丸・君が代」の指導の徹底を明記した新学習指導要領の前倒し実施にむけて、移行措置を告示したばかりであった。明らかにこれらのことは、そもそも警察権力がヒモツキ分子を育成して右翼団体に送りこみ、そして「日の丸・君が代」の指導の徹底という国家的目的をスムースに実現するために、この右翼団体をも活用しながら政治テロを実行させたことを推測させるに十分ではないか。 じっさい事件直後に緊急の校園長会議を招集した豊中市教委は、ただちに「事件に動揺せず、今後も国旗掲揚・国歌斉唱を義務付けた学習指導要領にのっとって適正な姿勢で臨んでいく」ことを申しあわせている。豊中第八中学のテロ事件をも活用しながら、あくまでも国旗掲揚・国歌斉唱を義務づけ徹底しようとしているのが政府・文部省であり、文部省に指導された豊中市教委なのである。 広島に続く新たな攻撃を許すな! もとより大阪府・豊中市の中学校がテロルの標的とされたことは何ら偶然ではない。もともと「日の丸・君が代」の実施率の低い大阪府下においても、豊中市は「日の丸・君が代」阻止闘争が粘り強くとりくまれてきた地域なのである。市内十八の中学校のうち、卒・入業式において、すでに「日の丸」は屋上に掲げられているとはいえ、「君が代」についてはようやく今年になってから、四校が斉唱しただけであり、当該の第八中学校においても「君が代」の斉唱は阻止されていのである。 しかも大阪では藤岡信勝らの「自由主義史観」グループと右翼系議員とが結びついて、いわゆる草の根からのファシズム運動が組織され始めている。今年の一月には「教育再生、地方議員百人と市民の会」なるものが結成され、「反日、侮日洗脳教育が教育荒廃の原因だ」とするキャンペーンが開始された。彼らは「政治的中立性維持義務違反の『狂育』活動の摘発と改善」を当面の目標としている。そして「日の丸・君が代」の強制に反対する闘いや平和教育運動をはじめとする組合活動に対する弾圧を導きだすために、彼らは職場の 内部告発 をくりかえし、それを産経新聞や『正論』などの右翼メディアで大々的に宣伝してきた。こうして「日の丸・君が代」の法制化にむけて、いつテロ事件が起きても不思議ではない土壌がつくられてきたのだ。 明らかに政府・支配階級は、草の根からのファシズム運動を組織化しつつ、一方では当局による職務命令の強引な貫徹にもとづいて「日の丸・君が代」を実施させると同時に、ある場合には権力のヒモツキ分子や右翼団体をも活用した直接的テロルによって「日の丸・君が代」の法制化の完全実施を一挙に促進させようとしているのである。まさにこのようなネオ・フアシズム的な攻撃の 犠牲 となったのが、広島県世羅高校の校長であり、豊中第八中学の校長であることは明らかではないか。 闘争を抑圧する日教組中央・大阪教組本部を弾劾せよ! にもかかわらずこの悪逆なテロ攻撃にたいして、既成の反対運動はきわめて危機的な惨状をさらけだしているのだ。 たとえば大阪教組民同系執行部は、三日間にわたって完全な沈黙を続けた後に、良心的な組合員の激しい突きあげを食らって、六月八日にようやく抗議声明を出したにすぎない。しかもその内容は、今回のテロ行為の狙いが、アジアにおける戦争的危機のもとでまさしく「日の丸・君が代」をすべての労働者人民に暴力をもって強要する点にあることを徹底的に曖昧化し後景化させている。そのうえで「多くの国民的議論」がある中では「性急な法制化」に反対することを僅かばかりふれたにすぎず、「日の丸・君が代」法制化阻止の闘いを創造する構えが全くないことを自己暴露するものでしかないのだ。いや豊中市教組が、今回のテロルを広島にかけられた攻撃と一体のものとして受けとめ、直ちに法制化阻止の闘いを呼びかけているにもかかわらず、このようなアピ−ルを骨抜き化し、大阪教組としてのとりくみを完全に放棄し抑圧しているのが民同系執行部なのである。 もとより日教組中央の場合も、豊中八中におけるテロ事件にたいしてはまったく危機感を喪失している。六月十日から東京で開始される日教組第八十六回大会の議案において、彼らは一九九五年の裏切り的方針転換いらい五年ぶりに、「『日の丸・君が代』のいかなる強制にも反対して『国旗・国歌』としての法制化を許さないとりくみをすすめる」という一句を加えるにいたった。だが三月いらいの全国各地の闘いの高揚によって、ようやく日教組中央がこのような一言を掲げざるをえなくなったのだとしても、それは文字どおりアリバイ的なものでしかない。現に大会のスローガンにも、大会議案の冒頭の「一、運動をすすめるにあたって」においても、「日の丸・君が代」に反対する取り組みについては全くふれられていない。日教組中央は、まさしく各地方からの修正案をかわすための免罪符として、ほんの4〜5行の文言を掲げているにすぎないのである。そしてまさにこのような日教組中央や大阪教組執行部の体たらくのゆえに、豊中八中におけるテロ事件を弾劾する声が、日教組運動の内部においては孤立化させられようとしているのだ。 また他方の、日本共産党に指導された全教や大教組の場合はどうか。彼らは、一様に右翼団体によるテロルは「民主主義社会では絶対許されない」と力説している。けれども広島にたいする攻撃に続いて豊中のような凶悪なテロ事件が連続したということそのものが、すでに依拠すべき「民主主義社会」なるものが幻想でしかないことを物語っているではないか。彼らはもっぱら「民主主義」や「言論・表現の自由」を尺度にしてテロ行為を非難することしかできない。今日のテロ行為が、まさしくアジア・中東地域における侵略戦争に国民を総動員するための「日の丸・君が代」の法制化攻撃にむけたファシストどもの号砲であることを曖昧にするものでしかない。すなわちこのような錯誤は、彼ら自身が、すでに国旗・国歌を法制化すること自体は必要であると認めたうえで、ただそのためには国民的な議論が必要だと弱々しく対置しているにすぎないことにもとづいているのである。 まさしくこのような既成反対運動の混迷を突破して、われわれは、「日の丸・君が代」強制・法制化阻止の闘いを今こそ大きくつくりだしていくのでなければならないのだ。 すべての教育労働者の皆さん! すべての労働者・学生・市民・知識人の皆さん! 豊中第八中学校のテロ事件は、自自公路線のもとに、日本帝国主義がいよいよ侵略戦争を準備しネオ・ファシズム的反動攻撃を一挙に強化したことを告げ知らせている。ガイドライン関連法を制定し、そして今、組織犯罪対策法という名の今日版治安維持法の制定が企まれている一九九九年は、ヨーロッパにおけるユーゴスラビア侵略戦争とともに、戦後の歴史を画する新たなターニング・ポイントとなろうとしている。今こそ、労働者階級・人民の総力を結集して凶悪なテロ攻撃を弾劾し、新たなファシズムに反対する強固な戦線をつくりだしていこうではないか。 ともにたたかわん! |