第1599号(1999年12月20日)本号の内容



<1面>
12・5革共同政治集会をかちとる
「革命の第二世紀」を切り拓け!
労学一五〇〇名が闘いの拠点固める


<4面〜5面>
労働運動の階級的再生をかちとれ!

<2面>
天皇式典粉砕に関西の学生が決起(11・12)
「新ヘリ基地反対」東京集会(11・30)
「臨界事故に怒る」日比谷集会で奮闘(12・4)
九電・玄海原発で労学が抗議(11・20)

<3面>
団規法制定反対―首都圏学生マーチ(12・2)
神奈川県警に怒りの抗議(12・9)
「朝日」の報道は日本のVOA
週間日誌<世界の動き・日本の動き>

<6面>
東京特別区の人員削減攻撃を打ち砕け!
Topics 「連合」の「年金改悪反対」の内実

<7面>
63年尾久・田端反合闘争の教訓
続発するコンクリート崩落事故
99年掲載記事一覧

<8面>
大不況からの脱出不能に呻吟する日本帝国主義(下)

※「99万華鏡」は休載します


「解放」最新号


  

12・5革共同政治集会をかちとる
「革命の第二世紀」を切り拓け!
労学一五〇〇名が闘いの拠点固める


 十二月五日、わが同盟は、東京・中央会館において、革共同政治集会を開催した。わが反スターリニズム運動に新たに結集した若き仲間たちをも迎えた一五〇〇名を超える圧倒的な結集によって、本政治集会は熱気あふれる集会となり、大成功をおさめた。
 東欧「社会主義」諸国家の崩壊から十年、中国革命五十年、そしてまた日本労働運動に負の歴史を刻みこんでいる「連合」結成から十年。この場所的現在においてわれわれは、世紀末世界の破局と戦乱を突き破り、日本のみならず全世界のプロレタリア解放闘争の輝かしい二十一世紀を切り拓き領導しうるのは、わが反スターリン主義革命的左翼をおいてほかにないことをしっかりと確認し、その思想的・組織的拠点をうちかためたのである。
 すべてのたたかう仲間たち! ソ連邦崩壊にまで行きついたスターリニズムの自己崩壊と、トロツキストを含む自称他称の「左翼」の屍をのりこえ、「プロレタリア革命の第二世紀」を切り拓くために、反帝・反スターリニズムの旗の下に共に進撃しよう!
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早大当局の公安への名簿提出弾劾
「朝日新聞」の報道ぶりはまさに日本のVOA=I

一四〇〇人分が権力の手に

 早稲田大学奥島当局が、早大における江沢民の講演会(昨九八年十一月)の出席者ならびに応募者の名簿を、公安当局にたいして秘密裏に差し出したということを、早大のたたかう学生たちはかねてより暴きだし弾劾してきたのであるが、ついに奥島当局は、その事実を自白するにいたった。彼らは、「要人警備のため」と称して、早大生・留学生約七〇〇人、教職員と一般招待者約七〇〇人合わせて一四〇〇人の聴講申し込みをもとに早大当局が作成した「参加者台帳」を、警察当局および外務省に提出していたことを正式に認めたのだ。まさしく奥島当局は、彼らじしんも一応は標榜している「大学の自治」をみずから踏みにじり、早大独自の学内原則である「個人情報保護規則」をも無視して、講演会参加者・応募者の氏名を警察権力に売り渡したのだ。
 もちろん奥島当局は、講演会参加者の氏名・住所・電話番号などを警察に提供した事実については認めながらも、これは「個人情報保護規則」の「例外」であると開き直っている。そして、当局があきらかにした「告示」(二日)では、「求めに応じ参加者名簿を提出することもやむをえない措置である」として「個人情報の保護には十分配慮しつつ、今後もこのような講演会を開催していきたい」と居直り、警察との癒着を正当化しさえしているのだ。
 このような絶対に許すことのできない居直りにたいして、現在早大の学生と教職員の怒りが爆発している。そして学生自治団体が先頭になって、奥島当局への抗議と弾劾の声をたたきつけ、奥島総長をはじめ理事会の総辞職を要求してたたかっているのだ。
 この事件について全国の各商業新聞もいっせいに報道した。「毎日新聞」は十二月一日付朝刊の一面トップで「早大が警察に名簿提出」と大々的に報道し、それいこう「個人情報保護法取材班」がこの問題を連続的に取りあげている。四日付の同紙朝刊の記事では、東京都内のある私立大学教授は「うちの大学でも海外要人の講演会を企画したが、参加者リストを警察から求められたため、提出を拒否し講演会を断念した」という。「やせても枯れても大学自治は守らなければならない」というこの教授は、「大学の主体性が問われる。早大は緊張感に欠けている」というように、早大当局を痛烈に批判している。
 また「北海道新聞」(三日付朝刊)は、早稲田大学の校歌にある「進取の精神」という理念をさして、「要人講演会の入場者名簿を警察当局に進んで渡していた」とは「なるほど『進取の精神』の校風だ」「大学の無神経さに開いた口がふさがらない」と非難し、これまでも早大当局はフィリピン大統領のアキノや、アメリカ大統領クリントンの講演会の名簿をも提出していたことをやり玉にあげて、「さすが『進取の精神』は筋金入りだ」と皮肉たっぷりに罵倒してみせた。
 このように、「早稲田大学当局は良識ある大学人としての倫理も原則も失ってしまったのか」と、非難し弾劾する声が全国の商業新聞紙上においてさえあがっているのである。

つい本性を現わした「朝日」

 ところがである。この早大の名簿提出事件を、十二月一日付夕刊の三面記事で小さく扱い、その翌日おずおずと「天声人語」欄で取りあげたのが、「朝日新聞」であった。そしてこれがまた、開いた口がふさがらない、としか言いようがないしろものなのだ。
 曰く、「校歌の 進取の精神、学の独立、は揺らいでいる。そうまでして知を求める情熱には感動する。ただし、今後の講演は『警視庁、外務省主催、早大協賛』とでもした方が、誤解を招かないかもしれない」と。
 「警視庁主催、早大協賛」(!!)とは精一杯の皮肉のつもりなのだろうが、これを日本のVOA=u朝日新聞」がのたもうものだから、皮肉が皮肉にならない。警察とは一線を画すべきである、と早大当局にお説教を垂れているつもりで、「朝日新聞」の本音がつい出てしまったというべきか。
 「顧みて他を言う」とはこのことである。警察権力に「協賛」し癒着しているのはいったいどこの誰か! わが同盟は再三にわたって「朝日新聞」と警察権力の癒着を暴露してきた。われわれの暴露によって、「朝日新聞」の堕落と腐敗はもはや社会的にもあまねく知れ渡っているといってよい。
 「朝日新聞」よ。忘れたわけではあるまい。かの「神戸小学生惨殺事件」の報道において「朝日新聞」の反動的な役割は一挙に浮き彫りになった。容疑者として逮捕されたA少年が描いたという「バモイドオキ神」の絵を「朝日新聞」が「スクープ」したのが一九九七年七月十九日。しかしこの絵は、実はA少年が犯人であるという印象を植えつけるために偽造されたものであった。また十月十七日に、神戸家庭裁判所がA少年を犯人として医療少年院に送致する保護処分を決定したのであるが、その当日の朝刊において「朝日新聞」は、「A少年は『直観像素質者』である」などという、A少年が事件の犯人であると印象づけ決めつける記事を掲載した。
 そして、審判の翌日から連載を開始したシリーズ「暗い森」は、「検面調書」「員面調書」をそれぞれ検察・警察権力からもらい受けて、それを下敷きにしてA少年を小学生殺害の犯人にしたてあげるためにフィクションをデッチあげたものであった。またそれを単行本『暗い森』として朝日新聞社が発行したさいには、さらなる偽造をほどこして物語を加工し、警察権力・国家権力の策謀に加担したのだ。
 このように、「社会の木鐸(ぼくたく)」を自称している「朝日新聞」が、国家権力の特定の部分の意向と思惑を貫徹するために、意図的な誤情報を流すものになりさがっている。そのことが「神戸事件」の報道において明々白々になったのである。
 かつて、「朝日新聞」は「日本のプラウダ」と揶揄されていた。そのような朝日新聞社の報道姿勢にたいする恫喝が、一九八七年五月三日の朝日新聞阪神支局にたいする銃撃射殺事件にほかならない。同年九月二十四日には、朝日新聞社名古屋寮が散弾銃で襲撃された。(いずれの事件も「赤報隊」なるものが犯行声明を出した。)
 それからまもなく、オーストラリアの「テレビ王」マードックがテレビ朝日の株式を買い占め、これを取り戻す過程で、「朝日新聞」は日本のプラウダ≠ゥら日本のVOA(Voice of America)≠ノ転向したのだ。アメリカ帝国主義権力者なかんずくCIAの意向を受けて、それにつながる日本帝国主義権力者の情報操作の先兵になりさがってしまったのだ。
 恥を知れ! 「朝日新聞」よ! 早稲田大学の名簿提出事件について「警視庁主催、早大協賛」はいかが、などとほざくのは、言語道断である。このようなオチョクリで、自己の本性を押し隠し、積み重ねてきたおのれの犯罪を棚上げできるとでも思っているのか!
 こういう手合いには、次の言葉を贈ろう。血に汚れた「神戸事件」というタイトルの一大ミステリーは、作・演出とも「警察・CIA共催、朝日新聞社協賛」とした方が、世間の誤解は招かない、と。

西 北  学 
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「連合」指導部下の「救国」産報運動を突き破り
  労働運動の階級的再生をかちとれ!


 二十世紀もどんづまりを迎えた一九九九年は、東欧「社会主義」諸国のドミノ倒し的崩壊から十年、「中国革命」五十周年、そしてまた、日本労働運動に負の歴史を刻みこんできた「連合」が結成されて十年にあたる。この現時点において、われわれは、わが反スターリン主義運動の輝かしい未来を切り開くために、奮闘するのでなければならない。
 日本帝国主義は、<新東西冷戦>のもとでの種々のナショナリズムの相互衝突にもとづく世界的戦乱の危機に揺さぶられつづけている。しかも同時に、米・欧帝国主義諸国との世界市場争奪戦が激化するなかで、八年有余にもおよぶ長期大不況からいまだに脱出しえないでいる。まさしくそのゆえに、日本政府ならびに独占ブルジョアジーは、この危機をなりふりかまわずに強行突破するために、労働者・人民に一切の犠牲を強制しようとしているのだ。
 じっさい、小渕自民党政権は、アジア・中東侵略戦争をアメリカ帝国主義と共同して遂行する体制を構築するために、新ガイドラインにもとづく今日版国家総動員体制づくりに血道をあげてきた。そのために彼らは、<自・自・公>体制という名の今日版大政翼賛会を形成し、これを基礎にして、ガイドライン関連法、組織犯罪対策法、国旗・国歌法、産業再生法などの反動諸法案の法制化を一気呵成になしとげたのだ。しかも、「オウム教団撲滅」のための名のもとに団体規制法をも成立させた。そしてさらに、有事法の制定や憲法改悪をなしとげる意志をむきだしにしているのである。
 しかもである。九月三十日に勃発したJCO東海事業所における臨界事故に直面させられた小渕政権は、無為無策・無能をさらけだし無対応に終始しただけではなく、二日後には、何はさておいても「安全宣言」だけは先行的に発したのだ。このような政府・科学技術庁の無対応のゆえに、多くの付近住民が多量の放射線を被曝させられたのだ。まさにこれは、労働者・人民にたいする日本政府のれっきとした犯罪ではないか!
 いまこそわれわれは、日本階級闘争の低迷を根底から突き破り、世紀末世界の戦乱的危機と日本帝国主義権力者のネオ・ファシズム的反動攻勢を打ち砕く階級的力を、この日本の地から創出してゆくのでなければならない。そのためにわれわれは、ネオ・ファシズム的反動攻勢に下から呼応している「連合」労働貴族どもの犯罪性・反プロレタリア性を徹底的に暴きだし「連合」結成十年の負の歴史を今日的にとらえかえすと同時に、九九年日本階級闘争の諸教訓を打ち固め、今後の闘いの指針を鮮明にするのでなければならない。

大瀬健三
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