「解放」最新号(第2816号2024年4月29日)の内容

<1面>
アジア太平洋版NATOの構築・強化を粉砕せよ
 
反戦反安保・改憲阻止闘争の爆発を!
<2面>
「大浦湾埋立て強行弾劾!」
 沖縄県民集会で奮闘 4・14
日米首脳会談反対に起つ
 4・10 札幌大阪
<3面>
「南北統一」を放棄する金正恩
ガザ侵攻を擁護する独ショルツ
タリバン抱き込みに蠢く習近平
<4面>
JAM 賃金闘争の「価格転嫁」要求への解消を許すな
<5面>
アマゾン 「全国翌日配達」を号令し過酷な労働を強制
Topics 経済同友会が中小企業の選別淘汰推進を提言
<6面>
闘うウクライナ人民と連帯して その6
 腐敗きわめる西欧の自称「左翼」への怒り

◆お知らせ
本紙五月六日付は休刊します。次号は第2817‐18合併号として五月十三日付で発行します。
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アジア太平洋版NATOの

構築・強化を粉砕せよ


反戦反安保・改憲阻止闘争の爆発を!


「中国主敵」の環太平洋多国間軍事同盟の構築

 四月十日に開催された日米首脳会談においてアメリカ大統領バイデンと日本の首相・岸田は、「日米協力の新たな時代」において「グローバルなパートナーシップを構築する」などとうたいあげた。それは、「グローバル・パートナー」の名のもとに、東アジア全域における中国および北朝鮮との激突に備えて米・日両国家が共同して戦争準備をおしすすめることの宣言にほかならない。
 南シナ海や西太平洋におけるネオ・スターリン主義中国の軍事的攻勢にたいする必死の巻き返しに血道をあげている没落軍国主義帝国アメリカ。その権力者たるバイデンは、激変する二十一世紀世界のただなかで、「戦略的競争相手」と烙印した中国を封じこめるための多国間軍事同盟を、世界唯一の「属国」たる日本を日米軍事同盟の鎖で一段と締めあげ、その軍事的・経済的・技術的力を利用するかたちで構築しようとしているのだ。
 そのためにこそバイデンは、軍事上は、米インド太平洋軍司令部の指揮統制下に日本国軍を組みこむとともに、事実上の米・日・豪・比統合軍を形成することを、岸田政権とのあいだで腹合わせしたのだ。同時に「経済安全保障」上は、米日共同での兵器開発・生産、半導体・希少鉱物のサプライチェーン構築をおしすすめることを日米合意としてうちだしたのである。
 日米首脳会談の開催に合わせてバイデン政権は、これまで構築してきたアジア・太平洋地域における多国間軍事同盟を「ハブ・アンド・スポーク方式から格子状の戦略的同盟へ進化させる」(米駐日大使エマニュエル)などと喧伝してきた。もはや独力では中国を封じこめる力を喪失して久しい落日の帝国主義アメリカは、米日韓三角軍事同盟、米日豪三ヵ国軍事協力協定、さらには米英豪の核軍事同盟たるAUKUSなど、これら既存の軍事同盟を有機的に結合して環太平洋の対中軍事同盟を構築しようとしている。そのためにこそ、フィリピン大統領マルコスをワシントンに呼びつけ米日比三ヵ国首脳会談を開催したのだ(十一日)。
 こうしたアジア太平洋版NATOというべき多国間軍事同盟の中核に改めて日米軍事同盟を位置づけているのがバイデン政権なのである。
 このアメリカ帝国主義の対日要求にたいして、日本の首相・岸田は、アメリカと「運命共同体」的に一体化し日米軍事同盟をグローバル同盟として飛躍的に強化することを誓約したのであった。米議会での演説において岸田は、「日本は米国の地域パートナーだったが、グローバルなパートナーとなった」「日米が世界をリードする」などとほざき、まさにアメリカの「属国」として「中国主敵」の環太平洋多国間軍事同盟の中軸をみずから担う意志をしめしたのだ。

日米一体の統合作戦司令部の創設

 首脳会談において米・日両権力者は、「中国による東シナ海における力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試み」を非難するとともに、米日両軍の「シームレスな統合」をなしとげるために「指揮・統制の枠組みを向上させる」ことを確認した(共同声明)。それは、米日両軍の統合作戦司令部の創設を明言したものにほかならない。
 すでにバイデン政権は、二〇二四年会計年度(二三年十月〜二四年九月)の国防権限法のなかに、インド太平洋軍司令部(ハワイ)の指揮・統制権限の一部を在日米軍に移転することを明記している(二三年十二月成立)。この新たに設置される司令部のもとに、自衛隊「統合作戦司令部」(二四年度末までに創設)を組みこむかたちで、米軍と日本国軍との事実上の統合作戦司令部を設置することを合意したのが米・日両権力者なのだ。
 明らかにバイデン政権は、台湾周辺および西太平洋において海・空軍の大規模演習をくりかえしている習近平の中国、ICBMや巡航ミサイルの実戦配備を猛然と進めている金正恩の北朝鮮、これら敵国≠ニみなした諸国家の軍事的策動を撃破するために、米日共同の敵基地先制攻撃を含む集団的自衛権の行使に踏み切るための体制を構築しようとしているのだ。「日米同盟の抑止力・対処力の強化」の名のもとに対中・対北朝鮮の準臨戦態勢を一挙に強化しているのが米・日両権力者なのである。
 いまバイデン政権は、フィリピン軍を米軍指揮下の対中国共同作戦体制に抱きこむだけではなく、南シナ海における中国の威嚇的軍事行動を抑えこむための共同作戦行動を日本に恒常的に担わせることを策している。
 バイデンは、マルコスおよび岸田との会談において、アメリカの沿岸警備隊艦船に日本の海保部隊とフィリピンの沿岸警備部隊を搭乗させての「合同海上パトロール」を実施することを合意した。
 すでにアメリカ政府は、防衛協力強化協定(EDCA)にもとづき、二〇一六年から中断してきた米・日・比・豪四ヵ国軍による南シナ海での「合同パトロール」なるものを再開している。
 バイデン政権は、米日韓、米日豪の軍事同盟に加えて、米日比軍事同盟を構築・強化し、もってアジア・太平洋地域における対中国の軍事的包囲網を一挙に強化することに血眼となっているのである。そのためにこそアメリカおよび日本の権力者は、フィリピン政府とのあいだで、陸海空およびサイバー、宇宙などの全分野における軍事情報を共有するための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の策定を急いでいるのである。

日米共同の兵器生産・軍事技術開発体制づくり

 首脳会談において米・日両権力者は、「日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)」の設置を合意した。バイデン政権は、ミサイルなどの兵器開発・生産を日米共同でおしすすめること、日本やグアムに前方展開している米軍艦船・航空機の日本での整備・修理などに日本の軍需産業の技術力を総動員することを策している。同時に、米英豪の事実上の核軍事同盟たるAUKUSと日本の権力者とのあいだで、AI、極超音速兵器、無人兵器、サイバーなどの先端技術分野での連携・協力を強化していく取り決めを交わしたのである。さらに、半導体などの先端技術や希少鉱物資源のサプライチェーンをも米日共同で構築しようとしているのだ。
 今回の首脳会談で米・日の権力者が合意した「経済安保」協力体制の強化策は、軍民両用の高度技術分野における中国との覇権争奪戦が熾烈化し、「戦略技術・物資」をめぐる囲い込み競争が激化しているという現局面において、帝国主義国家として生き残るためには対内・対外の経済政策をたんに「経済政策」の観点からだけではなく「国家安全保障」の観点から位置づけ練り直さねばならないという権力者なりの問題意識にもとづく。
 「軍民融合」を推進している中国が政府の強力な統制をテコとしてAIやサイバー・量子技術を駆使した兵器開発に突進している、この追求を打ち砕くこと、そしてそのために日本の経済力・技術力を動員することこそがバイデン政権の「経済安保」上の核心的眼目にほかならない。
 こうしてバイデン政権が日米軍事同盟の強化を基礎としてアジア太平洋版NATO構築に拍車をかけているのは、緊迫化する現代世界のなかで没落帝国主義アメリカの生き残りをはかるためなのである。
 二〇二二年二月にプーチン・ロシアが開始したウクライナ侵略戦争は、<米―中・露の激突>という二〇二〇年代世界の構造に孕まれていた戦争勃発の危機を、一挙に顕在化させ深刻なものへとおしあげた。スターリン主義ソ連邦の版図復活をかけ「大ロシア」主義をむきだしにしてウクライナ人民に襲いかかったFSB強権型国家ロシアは、西側・NATO諸国にたいする核恫喝をくりかえしている。このロシアに全面的にバックアップされた金正恩の北朝鮮は、韓国や日本の米軍基地を標的とした核攻撃体制の構築に狂奔している。しかも、二〇三五年までに一五〇〇発の核ミサイルを保有することを公言している習近平の中国が、対米核戦力の増強に血道をあげている。
 ソ連邦崩壊いこうアメリカ帝国主義が主導してきた既成の国際秩序を根幹から揺るがすこうした中国・ロシア・北朝鮮による対米挑戦に焦りと恐怖を募らせているバイデンのアメリカは、中国による世界の覇権確立≠絶対に阻止するために、「自由で開かれたインド太平洋および世界の実現」を旗印として米日一体となって中国にたいする必死の巻き返しにうってでているのである。そのためにも、約二年ぶりにアジア太平洋地域を戦闘領域とする米空母を二隻から三隻へと増強した(二月)。
 同時にアジア太平洋版NATOと対露攻守同盟たるNATOとをリンクすることを策しているアメリカ権力者は、NATOと連携をとるアジア諸国の要の役割を日本に担わせるために、今年七月にワシントンで開催予定のNATO首脳会談に岸田を招待したのだ。〔イギリス政府は二〇二五年から日米との定期的な合同演習を実施すると発表した(四月十日)。〕

以下見出し

台湾・南シナ海・朝鮮半島を焦点とした米中激突の危機

「属国」日本を従えたアメリカの対中軍事体制の構築

「南北統一」の戦略目標を破棄した金正恩政権

日米グローバル同盟粉砕!
日本の軍事強国化を阻止せよ

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賃金闘争の「価格転嫁」要求への解消を許さず闘おう!

JAM二〇二四春闘方針批判


 JAM二四春闘は、統一回答指定日(三月十二・十三日)の段階では、総じて大手企業が一万円以上、中小企業は二〇〇〇円から九〇〇〇円の範囲での回答をひきだしている。けれども中小企業の多くは「未回答」である。そもそも回答指定日をJAM中央が設定した統一回答指定日とは別に、三月末から四月末ごろに設定している単組が大半だからだ。それだけではない。深刻化する「人手不足」(採用と定着の困難)の解決を迫られている製造業の、とりわけ中小企業の経営者は、どれだけの回答を出すのかを、大手や同業他社の回答をにらみつつ今まさに検討を重ねているのである。
 JAM傘下の中小企業組合は今まさに二四春闘の山場を迎えている。「物価上昇に負けない賃上げを実現しなければならない」と言いつつも、春闘を「持続可能なものづくり」のためのとりくみの一環として位置づけているJAM中央本部(ものづくり産業労働組合・安河内指導部)。彼らによって賃金闘争は「価格転嫁」要請運動に歪曲され解消されている。JAM傘下でたたかう革命的・戦闘的労働者は、この現実をうち破る突破口をここで何としても切り開かなければならない。

以下見出し

T 「持続可能なものづくり」のための春闘&針

U 「価格転嫁」の仕組みづくりへの賃金闘争の歪曲を許すな!


 目安≠ナしかない「一万二〇〇〇円賃上げ」要求

 「賃上げ原資確保」のための「価格転嫁要求」の反労働者性

 「価値を認めあう社会」理念の没階級性

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闘うウクライナ人民と連帯して その6

腐敗きわめる西欧の自称「左翼」への怒り


ウクライナ左翼との熱い交流


 革マル派の国際活動を担ってきた私は、昨二〇二三年、同志たちとともに、ウクライナ人民の先頭に立って闘っている左翼の人々と直接会って討論してきた。
 われわれが会った人々はみな、憎むべきロシア権力者の侵略にたちむかい、マルクス主義者としての闘志を燃やして闘っていた。われわれは、この人たちと会って話して本当によかったと思った。そして、彼らと連帯して闘う決意を強烈にうちかためた。
 いま私は、ロシア軍がウクライナを猛爆撃したという報を聞くたびに、会って話した人たちの顔を思い浮かべ、彼らはどうしているだろうか、どう闘っているだろうか、そしてわれわれは彼らと連帯していかに闘うべきかと、毎日毎日考えている。
 私はいま、ロシア権力者の世紀の大犯罪をなんとしても打ち砕くという決意をあらたにしつつ、彼らとの交流をふりかえることにする。

以下見出し

「どんなことでも聞いて!」

「彼らは言葉だけで考えている」

労働者階級の未来を共に切りひらかん!

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「大浦湾埋立て強行弾劾!」

沖縄県民集会で奮闘

4・14

 四月十四日、辺野古新基地建設に反対する県民大集会が名護市の瀬嵩の浜で開催された。琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、大浦湾の埋め立てを強行する岸田政権への怒りに燃えて県民集会の戦闘的高揚のために<日米グローバル同盟粉砕!>の旗高く奮闘したのだ。
 午前十時すぎ、大浦湾の埋め立て現場に近接する瀬嵩の浜に全県から多くの労働者・市民がぞくぞくと結集してくる。目の前には、埋め立てをおこなう巨大な作業船がみえる。「大浦湾の埋め立て強行を許さないぞ!」労働者・学生・市民の怒りがいや増しに高まっていく。
 海上では、ヘリ基地反対協のカヌーチームや抗議船が抗議行動を果敢に展開し埋め立て現場に肉迫して怒りのシュプレヒコールを叩きつけている。ポセイドン号を駆ってたたかう労働者も先頭で怒りの拳を突きつける。「カヌーチームがんばれ!」労働者・学生から声援があがった。
 わが同盟の情宣隊は、沖縄県委員会署名の『解放』号外を参加者に手渡していく。「南西諸島の軍事要塞化粉砕! いまこそ<反安保>の闘いを!」の見出しも鮮やかな『解放』号外を受けとった労働者たちが「がんばろう」と力強く呼応しながら食い入るように読みふけっている。
 琉大・沖国大のたたかう学生たちは、「辺野古新基地阻止! 日米グローバル同盟粉砕!」と大書きした横断幕を高く掲げ闘いの方向性を鮮明にさし示した。
 集会場には県職労、沖教組、国公労、全港湾などの労働組合ののぼりや各地域の島ぐるみ会議ののぼりなどが林立し戦闘的な熱気が広がっていく。革命的・戦闘的労働者たちが職場・地域から闘いへの決起を呼びかけ奮闘したのだ。
結集した労働者・市民1800名の先頭で闘いを牽引する琉大・沖国大のたたかう学生たち
(4月14日、名護市・瀬嵩の浜)
  大浦湾の埋立て現場に学生の怒りの声が轟く(4・14)
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日米首脳会談反対に起つ
 


闘う労学 米総領事館に怒りの拳

4・10札幌

 四月十日、全学連道共闘の学生と反戦青年委員会の労働者は、在札幌の米総領事館にたいして「日米首脳会談反対!」「日米グローバル同盟の強化反対!」の怒りの声を断固として叩きつけた。
「日米グローバル同盟の強化粉砕!」
全学連道共闘の旗をも翻し在札幌米総領事館前で奮闘
(4月10日

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自民大阪府連に学生が抗議


4・10

 四月十日、神戸大・奈良女子大のたたかう学生は、「日米首脳会談・日米比首脳会談反対」をかかげて、自民党大阪府連にたいする抗議闘争に決起した。
闘う学生が自民党大阪府連に「日米首脳会談反対」の怒りの拳
(4月10日)
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