「解放」最新号(第2872号2025年6月16日)の内容
<1〜3面>
ウクライナ全土にたいするロシアの大規模空爆弾劾!
トランプと共謀したネタニヤフのガザ人民大虐殺を許すな!
<プーチンの戦争>を打ち砕け
「対独戦勝80年」中露首脳会談
危殆に瀕するロシア戦時経済
占領地域の「ロシア化」を許すな
オスプレイの佐賀配備阻止!
<4面>
「経済安保」をふりかざしたラピダス支援法の制定
放射能汚染土の撒きちらしを許すな
<5面>
会計年度任用職員を切り捨て
偽装「個人請負」労働者が拡大
Topics 「医療の危機」をもたらしたのは
<6面>
在沖海兵隊員による基地労働者への性的暴行糾弾!
ひめゆり展示を罵倒する自民党・西田発言弾劾!
馬毛島基地工事の裏側で…
「解放」
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ウクライナ全土にたいする ロシアの大規模空爆弾劾! 六月六日未明、プーチンの命を受けたロシア軍は、ウクライナの全土の都市に四〇七機の自爆型ドローンと四十五発のミサイルを撃ちこんだ。六月一日にウクライナの特殊部隊がロシア各地の空軍基地にたいして無人機攻撃を敢行し、ウクライナに巡航ミサイルを撃ちこんできたロシア軍の戦略爆撃機や空中管制機など四十一機を一挙に破壊しさった。これに逆上したプーチンが、「必ず報復する」などと叫んでウクライナへの大規模爆撃を命じたのだ。 プーチンのロシアには絶対に支配されない≠ニいうウクライナ人民の戦闘精神を再び三たび突きつけられた小皇帝プーチンは、大ロシアに反抗する属領の民≠ニみたてたウクライナ人民にたいする憎悪をたぎらせ、大量虐殺を狙った大規模空爆を強行したのである。爆撃された集合住宅に駆けつけた人々を狙った第二波爆撃によって三名の救護隊員が殺害された。このプーチン・ロシアの悪逆無道のウクライナ空爆を、われわれは満腔の怒りを込めて弾劾する! ロシア軍はこの六月六日未明に四〇七機、それにさきだつ六月一日夜には四五〇機、そして五月二十三日から二十六日にかけては計九〇〇機もの大量の、二〇二二年の侵略開始いらい最大数の自爆型ドローンをウクライナに撃ちこんでいる。同時にスムイ州やハルキウ州のロシア国境に接する一帯には数万人のロシア軍をさしむけて地上侵攻を拡大している。 プーチン政権は、ロシアに取り引きを求めるアメリカ大統領トランプの足もとを見ながら、「和平」に向けた「協議」には形ばかり応じると同時にトランプとウクライナ政府の「停戦」要求を足蹴にしている。トランプがロシアによる空爆を口先で非難するだけの事実上の拱手傍観を決めこんでいるもとで、できるかぎり最大の打撃をウクライナに加えるために、そして少しでも占領地を拡大するために、プーチン政権はありったけの武器と兵員を投入しているのだ。 六月二日のロシア・ウクライナ「直接協議」においてプーチン政権は、「ウクライナ東南部四州をロシア領と認めろ」だの「ウクライナは軍備を縮小せよ」だのといった要求を記した「覚書」なるものをウクライナ政府に提示した。あくまで旧ソ連邦の版図を回復するためにウクライナをロシアに併呑するというプーチンの、まさにスターリンの末裔としての野望を、再び傲然とウクライナに突きつけたのである。 そのプーチン政権の足もとは、兵員と弾薬の不足、猛烈なインフレとこれを抑制するための高金利による企業倒産の嵐によつて揺さぶられている。プーチンは六月四日に側近のショイグを北朝鮮・金正恩政権のもとに派遣して、新たな兵員と弾薬の供給を乞うている。無人機やミサイルの製造に必要な半導体や重要部品などは、石油・天然ガスの格安での輸出と引き換えに習近平の中国から大量に輸入している。そうすることで軍需産業だけが活況を呈しているにすぎない〔この中国からの半導体や重要部品の大量輸入が、ロシア軍が空爆に自爆型ドローンを大量に投入できる背景にあるにちがいない〕。だがこのロシアの「戦時経済」は、確実に限界に近づきつつある。 二二年の侵略開始いらいロシア軍の戦死者は二五万人、負傷者が七三万人にのぼる。その多くが少数民族や貧困階層の出身者である兵士に死の突撃≠強制してきたのがプーチン政権だ。この政権にたいする怨嗟と怒りはロシア連邦の全土に渦巻いているのだ。それが公然たる反抗として噴出することを封殺するためにプーチン政権は、「特別軍事作戦の勝利」なるものを宣伝しロシア愛国主義を鼓吹するとともに、FSB(ロシア連邦保安庁)による強権的な人民弾圧体制を敷いているのである。反戦運動に決起した人々は、ロシア国外に脱出し・あるいは獄中に閉じこめられ・あるいは殺害されている。 このスターリンの末裔=プーチンの残忍な政権を、全世界の労働者・人民の<プーチンの戦争>粉砕の怒りの炎で包囲せよ! 今こそロシアのウクライナ侵略を弾劾する闘いを、この日本において大きくつくりだし、全世界の労働者人民と固く連帯して、ウクライナ反戦闘争の火柱を打ちあげようではないか。 (六月七日) |
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トランプと共謀したネタニヤフのガザ人民大虐殺を許すな! ネタニヤフ政権は今、アメリカ「ガザ人道財団」なる団体が運営する食料の「配布拠点」に集まったガザ人民を標的にして、大殺戮に狂奔している。 六月一日午前五時、食料を求めて数キロ、数十キロもの遠路を夜を徹して歩きつづけて「配布拠点」にたどりついた人びとに、待ちかまえていたシオニスト軍がいっせいに銃弾をあびせかけた。戦車から砲弾を撃ちこみ、ドローンで空からも攻撃して、三十数人のガザ人民を虐殺したのだ。つづく二日、さらに三日、殺人鬼どもは連日「配布拠点」で人民に襲いかかった。「財団」が食料配布を開始した五月二十七日からわずか八日間で、一〇〇人を超えるパレスチナ人民が虐殺された。これが許せるか! 五月十七日に「ガザ全域の占領をめざす軍事作戦」突入を宣言しパレスチナ人民への猛空爆と地上侵攻に突進するネタニヤフ政権は、ついにガザ全域の八割をみずからの制圧下においた。極右シオニストどもは傲然と言い放った。「ガザは完全に破壊される。民間人はハマスのいない南部に送られ、そこから第三国への大量出国を開始する」と。 三ヵ月にわたって食料と水のガザへの供給をすべて遮断しつづけてきた憎きネタニヤフは卑劣にも、飢餓のどん底で苦しむガザ人民を、南部のわずか四ヵ所での「食料配布」なるものでおびきよせ南へ南へと追いこんでいる。そしてネタニヤフの暴虐に耐え・ガザで生きぬこうとするパレスチナ人民の意志を、恐怖と絶望の強制によって打ち砕くためにこそ、かの「配布拠点」で殺戮のかぎりをつくしているのだ。〔六月五日、許し難いことにネタニヤフ政権は、「配布拠点付近が戦闘地域になった」などとほざいて「拠点」を二ヵ所に減らしたうえで、さらなる虐殺をつづけている。〕 まさにこれこそは、パレスチナ民族を一人残らずパレスチナの地から放逐して「大イスラエル」国家を建設するというシオニスト・ネタニヤフの野望を剥きだしにするものではないか! われわれはネタニヤフのこの悪逆無道の蛮行を、満腔の怒りをこめて弾劾する! 「ガザを更地にしてアメリカが所有する」とほざき、「ガザ人民のリビアへの移送」を公言するアメリカ大統領トランプは、ガザ人民への一大攻撃に突進するネタニヤフを全面的に支えている。そもそもこの「財団」なるものは、トランプがアメリカのCIA元幹部や民間軍事会社などをつかってデッチあげたシロモノだ。「食料支援」の罠≠ノガザ人民を陥れるために、数多のムスリム人民の血を啜(すす)ってきた戦争の犬≠ヌもを、ネタニヤフと共謀してガザの地に送りこんだのがトランプなのだ。ガザ人民大虐殺の共犯者トランプを絶対に許してはならない。 それだけではない。ヨルダン川西岸地区においてもネタニヤフの軍とシオニストどもは、パレスチナ人民を容赦なく虐殺し家を破壊して、彼らの土地を奪いとっている。ガザへの全面攻撃開始直後の五月二十九日、ネタニヤフの極右シオニスト政権は、二十二ヵ所の入植地を一挙に拡大するという、この数十年でもっとも苛烈な攻撃にうってでた。いまやガザのみならずヨルダン川西岸地区を含むパレスチナ全域からすべてのパレスチナ人民を放逐するために、ネタニヤフ政権はパレスチナ人民大虐殺に突進しているのだ。まさにこれこそは、二十一世紀のホロコースト≠「がいの何ものでもない。 ネタニヤフとトランプによるパレスチナ人民のパレスチナからの暴力的追放=「第二のナクバ」を許すな! ネタニヤフによるガザ人民ジェノサイドを弾劾せよ! (六月八日) |
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トランプの中・露分断策に対抗する習近平 ――「対独戦勝80年」中露首脳会談―― ナチス・ドイツの壊滅から八十年となる五月九日、ロシアの首都モスクワにおいて「対独戦勝記念」と称する軍事パレードがおこなわれた。このセレモニーの主催者プーチンは、現在のウクライナ侵略戦争にかつての「対独戦争」をオーバーラップさせ、それを「ネオナチとの戦い」と描いて正当化するための演出を凝らしたのだ。 このプーチンの意図を承知したうえで軍事パレードに中国軍を参加させ、それをプーチンと並んで閲兵し「中露の結束」を誇示したのが習近平であった。習近平は、ウクライナ侵略の強行によって国際的に孤立し経済的にガタガタになっているプーチン・ロシアを中国が政治的・経済的に支えることによって中露が結託を強めていることを世界に見せつけたのである。それはアメリカ・トランプ政権のプーチン取りこみ策≠キなわち<中国主敵>の世界戦略にもとづく中・露分断策を頓挫に追いこむための、習近平の政治的術策にほかならない。 台湾併呑策動へのロシアの協力のとりつけ トランプ関税を逆手にとった反米統一戦線″\築 民生用品を装った軍需物資の輸出拡大 プーチンの戦争に加担する習近平政権を許すな ロシアのウクライナ侵略にたいしては「中立」を装い、ブラジルのルラなどグローバルサウス諸国権力者とともに「即時停戦・話し合い解決」を求めるというポーズをとりつつ、しかし、水面下ではロシアにたいする軍事転用可能な半導体などの輸出を増やしているのが習近平政権だ。それはまさしく、侵略者プーチンを支えることによってプーチンの戦争に加担する犯罪にほかならない。こんにちロシア軍は大量の自爆型ドローンをウクライナ全土に撃ちこみ、労働者・人民を殺戮している。この大量のドローンを製造する工作機械や重要部品を与えているのが習近平・中国なのだ。 トランプのアメリカと習近平の中国との激突のはざまでウクライナの労働者・人民は、ソ連邦の版図復活の野望をたぎらすプーチン・ロシアのウクライナ民族抹殺≠狙った攻撃に日夜さらされている。プーチンを表看板とするこの極悪非道のFSB型強権体制を支えているのが、習近平を頭とする中国ネオ・スターリニスト官僚政府にほかならない。われわれは、<プーチンの戦争>を打ち砕く闘いの炎を高だかと燃やすとともに、ウクライナ侵略に加担する習近平政権を弾劾するのでなければならない。 |
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危殆に瀕するロシア戦時経済 ウクライナ政府の「即時無条件停戦」の提案を傲然と蹴飛ばし、市街地に大量のドローンやミサイルを撃ちこんで数多のウクライナ人民を殺戮しているロシアのプーチン政権。その足下の国内経済は、いまや根底から揺らいでいる。 プーチンが侵略戦争遂行のためにおしすすめたロシア経済の戦時経済化――戦争および兵器増産への集中的な国家資金の投入・それにもとづく軍需産業オンリー≠ニもいうべき国内産業の畸形化――、それによって蓄積した諸矛盾がいま、深刻な財政危機やインフレーション・物不足として次々に噴きだしつつあるからだ。そしてこれにたいする人民の不満と怒りはマグマのように充満しつつある。 この人民の不満の爆発を腹の底から恐れているがゆえにプーチンとシロビキどもはいま、国内における強権的弾圧体制のさらなる強化に狂奔している。そして中国の支援にすがり、トランプとの「ディール」(経済制裁解除のためのそれ)をくりかえしているのである。 石油収入急減と財政危機の進行 二〇二四年末までは「ロシア経済は好調である」などとほざいていたプーチン政権は、今年に入り一転して経済の危機的状態をみずから認めざるをえなくなった。 GDP成長率は――それじたいが水増しの数字であるにもかかわらず――、二五年第1四半期に一挙に「一・四%」に落ちこんだ(二四年の四半期ごとの実績数値はおおむね四%前後)。軌を一にしてロシア財務省は、昨年末に採択した二〇二五年連邦予算(歳出総額約四二兆ルーブル)の修正法案を提出し、財政赤字の予測値を当初の一・一兆ルーブル(対GDP比〇・五%)から三・八兆ルーブル(同一・七%)へと訂正することを強いられた(四月三十日)。その主要な理由は、歳入の三〇%近くを占める「石油・ガス歳入」が大幅に減少する見通し(当初より二四%、二・六兆ルーブル減)をたてざるをえなくなったからである。〔現在の為替レートはおおむね一ルーブル=一・八円〕 この「石油・ガス歳入」の急減は、このかんの国際原油価格の急落と米・欧による対露制裁の強化とにもとづく。 今年に入って原油価格は諸々の要因によって下がりつづけている。「トランプ関税」による世界経済の低迷を予測しての原油需要の減退、中国経済の危機進行、サウジアラビアをはじめとするOPECプラス諸国による石油増産の決定。――これらの諸要因がからみあって石油価格(WTI原油先物価格)は年初の一バレル=八〇j台から六〇jを前後する水準にまで低落した(侵略開始直後は一三〇j)。このゆえにロシア政府もまた、ウラル産原油の想定価格を二〇%も引き下げざるをえなくなったのだ。 それだけではない。昨年十二月のアメリカによるガスプロム・バンク(ロシア産原油取引の決済銀行)への経済制裁が、中・印などへの輸出拡大にたいするブレーキとなった。今年に入ってからは、ウクライナ経由の欧州向けガス・パイプラインが停止し(契約不更新)、年間最大六五〇〇億ルーブル(約一・二兆円)の収入が途絶えた。さらに今春、EU諸国などによって「影の船団」(制裁逃れの原油搬送をおこなってきた密輸タンカー船団)にたいする取り締まりが一挙に強化された。…… このような原油価格の低下と経済制裁のさらなる強化のゆえに、外貨稼ぎの頼みの綱≠ナあった石油・ガスの輸出収入が激減している。それによってロシアの国家財政は重大な危機に逢着し、プーチンはいま「戦費枯渇」の悪夢に苛まれているのである。〔これまで軍事費の不足分の補填に流用されてきた「国民福祉基金」も、支出の拡大と財源たる石油・ガス収入の減少のゆえに急激に底を突きつつある(流動性資産はこの四ヵ月で四三%も減少)。〕 以下、見出し 戦時経済によるインフレと消費物資の欠乏 労働力不足と技術の喪失 ネオ・スターリニスト中国への依存 |
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プーチンによる占領地域の「ロシア化」を許すな! プーチン・ロシアはいまこのときにも、占領地を数メートル広げるためにロシア兵に突撃を命じ一日当たり千数百人もの戦死者をうみだしながら、凶暴な侵略を続けている。このようにして強奪した占領地では何がおこなわれているのか? 女性ジャーナリストを拷問のすえ虐殺 (中略) ウクライナ民族としてのアイデンティティの抹殺 すでに占領下においている東・南部四州とクリミアにおいては、ロシアによる実効支配を強めるために「ロシア化」政策が強硬に、狡猾におしすすめられている。 なによりもまず、占領地におくりこんだ大量の諜報部員を先兵として占領当局は、住民にたいして「思想検閲」という名の家宅捜索、拘束を日常的におこなっている。「ロシア化」に反抗的な言動をとっただけで拷問され処刑されるのだ。昨年六月には、「反ロシア」を公然とかかげた十六歳の少年二人が射殺された。 住民をロシアの統治機構に組みこむために占領当局は、ロシアの身分証明書の取得を強要している。年金給付や医療などの、生存のための最低限の保証と引き替えに、「ロシア人」として生きることを強制しているのだ。 さらに、ロシアの占領支配にたいする労働者・人民の抵抗の精神的支えそのものを奪うために、ウクライナ民族としてのアイデンティティを奪う「ロシア愛国」教育を徹底化している。 「ロシア人」として教育し洗脳した子どもが兵役年齢に近づいたとみるや、占領当局は軍事教練を始めている。ロシアに誘拐した子どもについても、同様だ。彼らにロシア兵の軍服を着せ、同胞殺しに駆りたてようとしているのである。 (後略) |
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陸自オスプレイの七月佐賀配備を阻止せよ 石破政権は、七月九日に陸上自衛隊・佐賀駐屯地の開設を強行し、木更津駐屯地(千葉県)に「暫定配備」されているオスプレイ十七機を、佐賀空港に隣接する佐賀駐屯地に順次配備しようとしている。この策動を断じて許すな! 日本版海兵隊航空部隊≠フ創設を許すな! 有明海に面した佐賀空港、その西脇に八階建ての隊庁舎や格納庫、燃料タンクなどの建設が今すすめられている(弾薬庫や駐機場は今後整備するとされている)。二年前から強行されてきた佐賀駐屯地の建設工事は途上であり、防衛省は基地が未完成のままオスプレイの配備を強行しようとしているのだ。 民間空港である佐賀空港の滑走路をそのまま利用するかたち(軍民共用)で、陸自のオスプレイの出撃基地が構築されようとしている。しかも同時に目達原駐屯地(佐賀)のヘリコプター部隊約五十機も移駐させる計画だ。これらを「日本版海兵隊」=水陸機動団と一体的に運用しようとしている。陸自オスプレイの佐賀配備によってつくりだされようとしているものは、まさに日本版の海兵隊航空部隊≠ノほかならない。 (中略) 日米共同の対中国先制攻撃体制の構築反対! アメリカ帝国主義の世界支配を突き崩すことを目指している習近平・中国は、いま東アジアでは「台湾併呑」を虎視眈々と狙っている。今年四月にも中国軍は頼清徳の台湾政府を威嚇するために、台湾を包囲し制圧することを想定した一大軍事演習を強行した。中国軍は、この台湾武力侵攻と同時に日米両軍の軍事基地などを攻撃するために数千発もの中距離ミサイルを配備している。 この習近平・中国の動きを封じこめるために、米・日両権力者は、辺野古新基地を建設し、南西諸島・九州に長射程ミサイルを次々と配備し軍事要塞化しているのだ。石破政権は、とりわけ中国本土をも狙うことができる射程一〇〇〇`b超の改良型一二式地対艦ミサイルの開発と実戦配備を急いでいる。彼らは、日本国軍と米軍が一体化するかたちで、米海兵隊の作戦計画EABO(遠征前進基地作戦)にのっとって、島々を移動して「ハイマース」(高機動ロケット砲システム)や一二式地対艦ミサイルの発射拠点を構築し、敵=中国軍にたいする先制攻撃を実施する訓練を重ねてきた。このEABOの展開に組みこまれているのがオスプレイなのだ。 しかも、九州各地の自衛隊部隊は、南西諸島での作戦に対応するかたちに再編成されている。九州南部の陸自部隊(旧第八師団)は南西諸島対応の機動師団に改編された。長射程ミサイル部隊も新設(湯布院、健軍)され、大分・えびの・さつま町には弾薬庫が新増設されてもいる。こうした部隊と装備を早く大量に南西諸島に輸送することを可能にするために、石破政権は陸自オスプレイの佐賀配備を急いでいるのだ。 われわれはこの対中国の日米共同作戦体制の飛躍的強化を許してはならない。中国との軍事的対立を激化させるこの暴挙を阻止せよ。<米・中激突>下の戦乱勃発の危機を打ち破れ。 こうした事態をまえにして日本共産党の志位=田村指導部は「反安保」を放棄し「自立的な外交」を石破政権に要求するにすぎない。この既成指導部の腐敗を弾劾し、われわれは<日米グローバル同盟粉砕>を掲げてたたかおう。 (後略) |
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「経済安保」をふりかざしたラピダス支援法の制定 四月二十五日に参議院本会議で、情報処理促進法などの改定案が、自・公与党に立民・維新・国民の三党を加えた賛成多数で可決され成立させられた。この法律は、最先端半導体の量産化事業などをおこなう事業者にたいして、総額一〇兆円におよぶ国家資金(「AI半導体産業基盤強化フレーム」でうちだされたそれ)を――政府の出・融資や民間融資への政府保証などのかたちで――支援するために既存の法律を改めるものである。 支援対象とする事業者を形式上は民間企業からの公募にもとづいて審査し決定する、とされてはいるが、事実上は国策会社ラピダスへの支援をその主たる目的としていることは歴然としている。 「二〇二七年に世界最先端の2ナノb半導体を量産化する」というアドバルーンをうちあげ、政府・経済産業省の全面的支援――すでに一兆円近いかつてない巨額の補助金を注入――のもとに設立された半導体受託製造会社(ファウンドリー)・ラピダス。この国策会社は、だがその設立から三年が経っても量産開始に必要な巨額の資金を調達するめどが立たず、このままでは本格操業前に「破綻」が露わになりかねない、という危機的事態に追いこまれている。このことに焦り自己保身に駆られた政府・経産省が、「ラピダスを破綻させない」ことを国家の名において保証≠オ保障≠キるために捻りだしたのがこの法案であり、まさにそれはラピダス支援法≠ニ呼ぶべきものなのだ。 「資金不足」に窮するラピダスの救済 労働者・人民への犠牲転嫁を許すな! これまで政府・経産省は、巨額の国家資金を投じた半導体産業支援策を何度もくりかえし、そのたびに頓挫してきた。リーマンショック後に業績を悪化させたエルピーダメモリ(経産省が音頭をとって日立とNECのメモリー半導体部門が統合して設立された企業)を救済するために政府は三〇〇億円を出資したが、結局経営破綻し(二〇一二年)、投じられた血税のほとんどは回収不能≠ニなった。 だがラピダスへの政府資金の投入はエルピーダとは桁が違う。すでに一兆円近くの巨費を注ぎこんでいるだけでなく、今後、出資・融資・債務保証などをあわせて数兆円を積み増ししようとしている。「エルピーダの再現ではないか」という危惧≠竍忠告≠抑えこみながら、この計画の貫徹に一路突進しているのが、経産省であり、ラピダス経営陣なのだ。「すでに一兆円以上も投じているのだからそれを死に金にするわけにはいかない」という強迫観念に駆られて、国家資金の注入を次々に雪ダルマ式に増やしているのが、日本政府・経産省なのだ。 石破政権・北海道鈴木当局とラピダス経営陣は、住民たちから不安が噴出しているPFAS汚染などは意に介することなく、千歳工場の本格操業にむけて突進している。そのためにまた、「二〇二七年本格操業」に間に合うように北海道電力・泊原発3号機の再稼働を急がせているのだ(四月末に原子力規制委員会は再稼働申請を事実上承認)。 一方では社会保障支出の削減を容赦なく強行しつつ、その他方で、日本国軍の軍備拡大・軍需産業支援とともに半導体・AIなどの先端「軍民両用」産業の振興に、人民から搾りとった血税を湯水のように投入しているのが、石破政権だ。この政権が「経済安保」を呼号しながら進めているラピダス半導体工場建設・操業への国家的支援、それによる労働者・人民への犠牲の強制を許すな! |
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在沖海兵隊員による基地労働者への性的暴行糾弾! 三月十八日、沖縄本島中部の米軍基地内で働く女性労働者にたいして、米海兵隊員が暴力的に不同意性交を凶行した。 この暴漢は、米軍基地内で働く女性労働者を職場のトイレで待ち伏せし、首を手で絞め体をドアに押しつけ性的暴行をおこなった。さらに助けに入った女性労働者の顔を足で踏みつけ蹴るなど暴虐行為にうってで、その女性に顔面打撲と頸椎捻挫の傷を負わせた。私はこの報に接し、怒りと悔しさで体の震えが止まらなかった。涙をぬぐい、心の底から叫んだ、この蛮行を絶対許さない!≠ニ。 多くの地域の諸団体からいっせいに抗議の声があがり、全駐労沖縄地本も雇用主の防衛局に「恐怖と痛みは計り知れず強いいきどおりを感じる」(四月二十八日)と抗議した。 かつて私も米軍基地で働いていた。ベトナム戦争が激しさを増すなか、基地内は連日慌ただしく動いた。その頃に日々接していた米兵の精神的荒廃の深まりが今と重なり、苦しくなる。キャタピラに肉片が付着する幾十もの戦車が修理に回され、職場には戦車などの燃料油の悪臭に混ざって硝煙のにおいまで入りこむ。毎日のように手足を切断されるなどの傷病兵が海軍病院に搬送された。ベトナム戦争終結後に明るみに出たPTSDなど精神疾患を患う多くの米兵たち。基地内だけでなく、民間地域でも米兵による事故・犯罪が絶えることはなかった。 「戦後八十年」とちまたで言われるが、東西対立のはざまにあるここ沖縄は、米軍の戦争遂行の拠点であり続けた。今回の米海兵隊員による蛮行は、沖縄が戦場に直結した場であること、そしてここで生きる私たち労働者人民の慟哭と血叫びを象徴する事件なのである。 以下、見出し 相次ぐ米兵の暴行事件 事件もみけし許さず基地撤去・反安保の闘いを! |
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ひめゆり展示を罵倒する自民党・西田発言弾劾! 五月三日に那覇市で開催された改憲派の「憲法シンポジウム」(日本会議ほかの実行委員会主催、自民党沖縄県連共催)において、自民党参議院議員・西田(旧安倍派)が講演し、「ひめゆりの塔の説明文が『日本軍が入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになった。そしてアメリカが入ってきて、沖縄が解放された』……そういう文脈で書かれている」「沖縄の場合は、地上戦の解釈を含めて、かなりむちゃくちゃな教育のされ方をしている」「まちがった戦後の教育をやめなきゃいけない」などと言い放った。 皇民化教育のもと十代で戦場にかり出された元学徒隊員たちが二度と戦争を許さない決意で創設し、凄惨な体験を語り伝えてきたひめゆり平和祈念資料館。その展示にない文言をねつ造したうえで「歴史の書き換え」「アメリカに都合のいい反日教育」などと真っ向から否定し悪罵を投げかける自民党・西田発言を断じて許すな! 沖縄の平和教育・反戦運動を憎悪し攻撃する石破政権・自民党を許すな! 戦争聖化を許さず沖縄の軍事要塞化反対の闘いを! 西田はこの改憲派の集会において「憲法を改正するためには自分たちが納得できる歴史をつくらないといけない」とほざき、大東亜戦争は「ABCD包囲網」にたいする防衛措置≠ナあり「日本軍は沖縄県民を守るために沖縄にきて米軍と戦った」などと、日本の侵略戦争を正当化している。われわれはこの西田の戦争聖化イデオロギーの鼓吹を断じて許すことはできない。まさにそれは、あの戦争の階級性・反人民性をおし隠すための虚偽のイデオロギーにほかならない。 当時の天皇制ボナパルチズム権力は、植民地の獲得・資源強奪を狙って、中国をはじめアジア・太平洋の諸国に次々と軍事侵略した。このアジア太平洋戦争末期の一九四五年、日本本土攻撃の拠点にすることを狙って沖縄に軍事侵攻した米軍にたいして、天皇制ボナパルチズム権力の「本土決戦準備の時間的余裕を得るための持久作戦」という作戦指令に従い、日本軍が「国体護持」の名のもとに住民も総動員して「徹底抗戦」を遂行した。 日本軍司令部は、十代の少年・少女をも徴集してひめゆり学徒隊や鉄血勤皇隊、護郷隊などを編成し、負傷兵の看護や米軍戦車への自爆攻撃などにかりたてた。彼・彼女らの多くが無残な死を強制されたのだ。米軍に敗退し追いつめられた日本軍は、沖縄の住民をスパイとみなして虐殺したり、米軍に投降することを許さず集団自決≠強要し、また、みずからが生き残るために壕から住民を追い出して米軍の猛爆撃の中に放り出した。 この許し難い日本軍の犯罪は沖縄の労働者・人民の心奥に刻みこまれているのであって、決して消しさることはできない。 政府・自民党がこの血塗られた天皇制ボナパルチズム権力の指令のもとに日本軍がおこなった犯罪の数々を無きものにしようとするのは、いま再び対中国の侵略戦争へ労働者・人民を動員するためなのだ。 自民党・西田発言を徹底的に弾劾し、沖縄の軍事要塞化と国家総動員体制の構築に反対しよう! 石破政権による日米安保同盟の強化、憲法改悪を労働者・人民の総力で打ち砕け! |
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