第1621号(2000年5月29日)本号の内容
<1面>
米―中・露の新たな核軍拡競争を根源から
断ち切る革命的反戦闘争を
「補完外交」を目玉商品に選挙カンパニアに
埋没する日共系反対運動をのりこえて闘おう
5・18 森の「天皇中心の神の国」発言弾劾!
全学連が首相官邸に緊急抗議
<4面〜5面>
「連合」型救国℃Y報運動を覆す革命的力を!
一大リストラ攻勢とネオ・ファシズム反動攻勢を打ち砕け
<2面>
米軍の実弾砲撃演習阻止!
根室花咲港―矢臼別現地闘争に起て
自民党大阪府連に「改憲阻止」の声(4・22)
大阪府民集会で全学連が奮闘(4・26)
<6面>
各地のメーデーに闘う檄
「連合大阪」メーデー/北海道メーデー
一挙に進む管理強化
――ある中学校の職員会議から
Topics 日経連・奥田が史上最低の賃上げを誇示
<7面>
新「民同」に転落した国労本部
「1047人問題の解決」をめぐる権力者との裏取り引き弾劾!
<8面>
「情報流通企業」への転換を掲げたNTT「中期事業計画」
『黒田寛一初期セレクション』を読んで
<3面>
万華鏡2000――情勢の断層を読む
神々≠フ珍説
ロシアより愛(国心)をこめて
「時限装置」で火つけ
熱も冷めた?
秋田の夜はふけて……
週間日誌<世界の動き・日本の動き>
「解放」最新号
米―中・露の新たな核軍拡競争を根源から断ち切る 革命的反戦闘争を 「補完外交」を目玉商品に選挙カンパニアに 埋没する日共系反対運動をのりこえて闘おう 五月十五日に、神道政治連盟国会議員懇談会の席上において、首相・森喜朗は、「日本は天皇を中心としている神の国」であり、これを「国民の皆さんに承知してもらう」などと言い放った。タナボタ式に首相に就任して以来、有事法の制定を唱え、教育勅語を賛美し、「憲法改正」を声高に叫んできた森は、いよいよ右翼反動のファシスト的本性をむきだしにしたのだ。森の発言こそは、日本政府・支配階級が教育基本法の見直しや「憲法改正」をつうじてなしとげようとしているものが何であるのかをはっきりと公言したものなのだ。 まさに、森政権は、日本の労働者・人民を、天皇を元首に戴くネオ・ファシスト国家の臣民≠ニして統合することに狂奔しているのだ。それは彼らが、二十一世紀への日本帝国主義の生き残りをかけて、今日版大東亜共栄圏の構築に突進するとともに、そのためにも有事即応の日米共同の戦争遂行体制を構築しようとしているからにほかならない。そしてこのことは、米欧日―中露の新東西冷戦がとりわけ中―台関係を焦点として激化し、これを震源として、軍拡と地域紛争が全世界で激烈化していることへの日本政府・支配階級の危機感にもとづいている。実際、四月二十四日からほぼ一ヵ月間にわたって開催されたNPT(核拡散防止条約)再検討会議は、アメリカとロシア・中国との、また核保有国と非核保有国との対立によって収拾がつかなくなったのであった。アメリカの一超支配が現実的に崩壊し、このことによって新たな核管理の体制も崩壊して、核兵器を含む新たなハイテク兵器の開発・配備競争の時代に世紀末の現代世界が突入していることを、この会議は浮き彫りにするものとなったのである。 だが、森発言が、日本帝国主義権力者としての危機感の表白であり、反動諸攻撃の号砲にほかならないことを感覚することもできずに、総選挙に向けての自民党攻撃の材料がころがりこんできたという程度に受けとめているのが野党各党なのだ。改憲を唱える鳩山由紀夫を党首にいただく民主党の某議員が、「神風だ」などと小躍りしたことにそのことは象徴されている。しかし、「憲法擁護」を掲げている社民党や共産党も大同小異なのだ。共産党は、反戦・反安保の闘いを大衆的に創造することを放棄したうえで、自党の政権担当能力を示すという思惑にもとづいて、東南アジア訪問などの「補完外交」なるものをくりひろげ、これを宣伝することにうつつをぬかしている。そうすることによって彼らは、日本帝国主義の今日版大東亜共栄圏づくりの補完物になりさがっているのである。 われわれは、総選挙に向けての選挙カンパニアに埋没する社共既成指導部の闘争歪曲を許さず、有事法制定阻止、教育基本法の改悪反対、憲法改悪阻止の闘いを大胆に創造していくのでなければならない。労働者・人民の総力で森ファシスト政権を打倒することをめざしてたたかおうではないか。 |
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5・18 森の「天皇中心の神の国」発言弾劾! 全学連が首相官邸に緊急抗議 五月十八日、全学連のたたかう学生たちは、首相・森の「日本の国は天皇中心の神の国」発言を弾劾するために、首相官邸前緊急抗議闘争に起ちあがった。この発言が野党によって内閣「退陣要求」の選挙向けパフォーマンスの格好のネタにされ、政治問題化したことに直面した森は十七日、参院本会議での一片の「陳謝」なるものをもってお茶を濁そうとしたのであった。発言それじたいについては「主権在民に反するものではない」などと居直り、あくまでも撤回しないことを傲然と宣言しながら……。全学連の学生たちは、「主権在民」や「信教の自由」などを弱よわしく対置することしかできない社・共既成指導部をのりこえるかたちにおいて、血塗られた天皇制イデオロギーを鼓吹する森政権を断固として弾劾したのだ。 午前十時四十五分、たたかう学生たちは首相官邸前に登場した。この日、警察権力は官邸周辺での一切の抗議行動を封じこめるために大規模な弾圧体制を敷いていた。だが全学連の白ヘル部隊は警戒網を見事にかいくぐり、官邸正門前を制圧する。そして、「『神の国』発言弾劾! 森内閣打倒!」と大書きした横断幕を掲げつつ、シュプレヒコールを叩きつける。 「森『神の国』発言弾劾!」「天皇制イデオロギーの鼓吹を許さないぞ!」「今日版国家総動員体制づくり反対!」 警察権力・機動隊は、学生たちをその場から排除しようとジュラルミンの盾をふりかざしながら闇雲に学生たちに襲いかかってきた。だが学生たちは、逆にジュラルミンの壁をぐいぐい押しかえし、さらに官邸に向かって拳を突きあげる。「愛国心教育の徹底化反対! 反動森内閣を打倒するぞ!」 さらに学生たちは、国会周辺において断固としてデモンストレーションを敢行した。彼らは国会議事堂の白い屋根に向かって怒りのシュプレヒコールを叩きつける。すると、ちょうどその時参議院前で座りこみ闘争をおこなっていた「自交総連」の組合員たちが、次々と拍手やシュプレヒコールで呼応し、「がんばれよ!」と声援を送ったのだ。学生たちの闘いに鼓舞された組合員たちは、共感と連帯の意思を示したのである。 こうして、森発言に怒る労働者との連帯をも深めながら、たたかう学生たちはこの日の闘争を最後まで貫徹したのである。 |
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米軍の実弾砲撃演習阻止! 根室花咲港―矢臼別現地闘争に起て 在沖米軍=海兵隊が、日米安保条約および新ガイドラインにもとづく日本政府の全面的協力のもとに、六月四日から北海道の矢臼別演習場において実弾砲撃演習を強行しようとしている。しかも、この米軍演習にひきつづいて六月下旬から七月上旬にかけて、陸上・海上自衛隊が十勝浜大樹や矢臼別など北海道全域を舞台にして、北方機動特別演習を強行しようとしているのだ。まさに日米両権力者は、緊迫の度合を増す東アジア―中東情勢のもとで、直接には侵略戦争を遂行する戦力を常日ごろから強化するために(具体的には日米共同作戦を担う能力をつけるために)、実戦訓練をますますエスカレートさせているのである。 すべての学生・労働者諸君! にもかかわらず、「連合北海道」の指導部や日共指導部は、せいぜい道知事に「演習中止」の申し入れをおこなうのが関の山なのだ。総じて当面する総選挙にむけての宣伝に没入し、相次ぐ軍事演習に反対する大衆的闘いの組織化を完全に放棄しているのが既成反対運動指導部なのである。われわれは、今こそ総選挙に埋没する既成反対運動をのりこえて、米軍実弾演習阻止・自衛隊北方機動演習阻止の闘いを創造しようではないか。 マル学同・革マル派 北海道地方委員会 |
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神々≠フ珍説 「教育改革」も、まずは日本語破壊から…… 美の女神ビーナス、酒神バッカス、海神ネプチューン、そして万物の創世主ゼウス。ギリシャ神話に登場する神々は、日本人にとっては毒のないキラ星伝説。でも、日本の神武天皇の降臨伝説や建国物語りには、今なお侵略戦争とアジアの民衆殺戮の血なまぐさい臭いがこびりついている。歴史を抹殺することはできないぞ! 「日本は天皇を中心とした神の国」などという暴言を、あの「スポーツ通」シンキロー首相が五月十五日の神道政治連盟国会議員懇談会の祝賀会で吐いた。 「物言えば首筋寒し? 失言宰相」と大手新聞から揶揄(ヤユ)られ、「しゃべるほどに票が逃げる。もうメモを読む以外しゃべらせるな」と自民党内からも非難と悲鳴の声、こえ、コエ。せっかくブッチホンが死去、青木官房長官の「有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼む旨の指示を受けた」なんていう遺言≠焉Aシンキローの失言≠ナ化けの皮がはがれてしまった。でも、どうせ「死人に口なし」だから証拠はないし、「死者にムチ打つのか」と恫喝すれば鳩・菅も引っこむ。さあ、「弔い合戦」で自民大勝だ、というムードをつくろうとした矢先にこれだ。また、また、シンキロー、いやさチンキ(珍奇)ローの放言。 民主党などは「神の国」ならぬ「神風が吹いた」と大ハシャギ。小沢一郎も、キツイ表情で「国民主権を否定するのはケシカラン」と怒る、怒る(「基本的人権制限」論の改憲論者が、こんなことをホザクのも盗っ人たけだけしいが!)。 それにしても、シンキローは、やっぱり「資質に欠陥がある」のか、毛が三本足りないのか? いくらセミの抜け殻≠ンたいなものとはいえ、政府としては「国民主権」という憲法上の建て前までも否定しているわけではない。ハードな「改憲試案」を発表した小沢一郎だって、「天皇中心の神の国」なんて露骨なことは言わないし、言っても何の得にもならないくらいは知っているぞ。 ところが、サメの頭脳≠フシンキロー、タナボタで首相の座にあずかったのを「神の意向」とでも思ったのか、一人舞いあがりっぱなし。「天皇を前面にだして、日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国であるということを国民のみなさんに承知していただく」と吹きまくるにいたった、というわけだ。自分の言った発言の政治的意味をこの「肉体派」首相が認知していたかどうかはやや怪(あや)しげなんだけれど、この発言は戦前の天皇中心の国家観・皇国史観そのもの。どう弁解しても神国ニッポン≠フ亡霊の弁じゃあないか。 ところが、ところが、敵もサルモノ、サル知恵だけは、あるんである。シンキローは参院本会議で謝罪はしたが、発言は撤回しなかった。くわえて、首相補佐官で教育改革担当の町村信孝などは、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」でこんな怪説≠披露(五月二十一日)。 ――えぇ、森総理の言う「天皇を中心とした神の国」とは、「天皇中心の国」つまり憲法に言う象徴天皇を中心とした国という文節と、「神の国」つまり八百よろずの神々の住む日本国という文節の二つからなるのでアリマス。よって、戦前の「教育勅語」「皇国史観」と同じという批判はあたりません。ハイ。―― ん? さすが自民党文教族にして教育改革担当補佐官だ。二つの意味のちがう文節の結合≠ゥ、言うことが立派! 国語力のレベルが世人を超えているゾ! どうやら、シンキローも、この線で居直り切るつもりらしい。こうなると、やっぱり「日本語とは、前後のつながりのない文節の結合で成り立つ。形容句とは、心ずしも次の句を形容するとはかぎらない」という新・文法解説を載せた国語の教科書をつくる必要があるんじゃあないのか。エエッ! 「ウソも方便」とはいうが、放言居士の居直りも教育改革担当補佐官の「補佐」も、相当なものだ。こういう国語力≠もつ連中が「改革」をすすめるってんだから、教育はいったいどうなるんだ。学生・生徒・児童の「学力低下」を嘆くなんてのはオカドチガイというものじゃないか。なにせ、日本語をウソ・詭弁の体系にすりかえる連中、まともな日本語が通じない連中が、「最近の子供は学力が低い」「日本の大学生は『閣下』という言葉を知らない」なんて威張りちらしているんだからさ。よく言うよ。子どもたちに難クセをつける前に、自分の日本語の乱れ≠反省したらどうなんだ。エエッ。それにしても許せない。居直り強盗どもの皇国史観教育=教育勅語復活の策動に断固反対! |
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「連合」型救国℃Y報運動を覆す 革命的力を労働戦線深部に構築せよ 一大リストラ攻勢とネオ・ファシズム反動攻勢を根底から打ち砕く闘いを! 今二〇〇〇年春闘は、電機連合の「ワンコイン」妥結を上限にして、造船重機・電力・NTTなどのゼロ行進≠ェつづくという悲惨極まりない金属大手・公益産業の二〇〇〇年春季賃金交渉の妥結結果に集約的に示されているように、これまでにも比して惨敗に終わった、といわなければならない。ここにおよんで「連合」会長・鷲尾は、「雇用の維持」を口実にして賃金切り下げを積極的に容認してきたおのれの裏切りを棚にあげて、「五〇点か六〇点、合格点にもいっていない」と泣きを入れ、「こうした賃上げ結果しか出さない経営側の責任は大きい」などと経営側の姿勢≠非難してみせたのであった。だが、その内実は、「こうした傾向がつづくと労使関係をそこなわせ、社会的不安定が広がる。今の労組リーダーに批判が集中し、変わった運動が出ることは経営者にも好ましくないはずだ」というものでしかないのである。つまるところ、労組としては経営側のリストラに徹底的に協力しているのに・あまりにつれないではないか、日経連が「連合」に期待する「社会の安定帯」「社会的セーフティネット」としての役割りをはたせないではないか、という労働貴族にふさわしい泣き言でしか ないのである。 「連合」指導部とJCをはじめとした大手組合の労働貴族どもの裏切りのゆえに、要求が出せない・出しても回答がない・賃金切り下げが逆提案されるという苦況にたたされたのが中小組合の組合員たちなのである。だが、彼らがなお歯を食いしばってたたかっているそのさなかに開かれた第七十一回メーデーで、「ニッポンの世直し、くらしの元気総行動」などという、生活苦にあえぐ労働者の意識をさかなでするようなスローガンをかかげて労使政一体の「世直し」=「救国」運動を号令したのが、鷲尾=笹森の「連合」指導部だったのだ。そもそも、政府・支配階級による日米共同の侵略戦争遂行体制づくり=改憲・軍事大国化策動や、そのための財政基盤の建て直し=財政危機突破をかけての社会保障制度大改悪、独占資本救済のためのリストラ促進法制定や労働諸法制の改悪などの諸策動――まさに一体のこれらの諸攻撃にたいして、「世直し」=「国難突破」のためと称して積極的に唱和しつつ、労働運動をばこれらの諸攻撃の貫徹を下から支える「セーフティネット」へと徹底的に変質・純化させることに腐心しているのが、彼ら労働貴族どもなのである。 わが戦闘的・革命的労働者は、いまこそ「連合」労働貴族どもの裏切りを弾劾し、「救国」産報運動を打ち砕く革命的力を職場深部から創造するために断固としてたたかうのでなければならない。憲法改悪・軍事大国化・国家総動員体制構築に突進する森政権の、たたかう労働組合とわが革命的左翼の破壊のための嵐のような攻撃に断固として反撃し奮闘しようではないか。 鹿乃瀬渉 |
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新「民同」に転落した国労本部 「一〇四七人問題の解決」をめぐる権力者との裏取り引きを弾劾せよ 国労東日本本部はさる三月二十九日、破廉恥にもJR連合傘下の東日本鉄産労およびジェイアールグリーンユニオンと手を相携えて共同記者会見し、「JR東日本の『民主化』を実現する三組合共同声明」なるものを発表した。ところが国労本部は、彼らの機関紙紙上において、この「共同声明」を発表した事実をただ一度客観主義%Iに報じているだけであり、その「三組合共同声明」のもつ意味・内容についてはひとことも言及してはいない。いや、彼らはそれに言及することが決してできないのである。 そもそも、「三組合共同声明」なるものは、まさしく国労本部ダラ幹どもが権力者への忠誠を表明し、国労を新「民主化同盟」の一翼を担うに相応しい組織へと最後的に変質させることを宣言するものにほかならないのだ。国労本部ダラ幹どもは、一〇四七人問題の政治的裏取引(=解雇撤回闘争の裏切り的収拾)を図るために、自民党の野中広務や亀井静香らと密約し、彼らの意を体して、JR総連・東労組破壊攻撃の先兵としての役割を担うことを誓約したのである。 吉田忠雄 |
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