第1625号(2000年6月26日)本号の内容
<1面>
<自公保>連立政権の改憲・有事法制定策動を打ち砕け
政権願望≠ノとりつかれた日共の総選挙
への埋没を弾劾して闘おう
<4面>
「分権型社会における自治労運動」の虚妄
『21世紀への挑戦―連合の新戦略』榎本論文批判(下)
<5面>
「連合」春闘の埋葬に狂奔した電機連合中央を許すな!
<2面>
米海兵隊の矢臼別実弾演習阻止! 道共闘が連続闘争に決起(5・28-6・4)
「その罪、万死に値す」―神奈川県警を許すな!
教基法改悪反対! 北大生の集い(5・18)
<6面>
「動労型労働運動」の伝統を甦らせ
JR職場から闘いを構築しよう
Topics 日経連の役目は終わった
「連合」中央のたわけた「雇用創出」策
<7面>
NTT接続料値下げをめぐる日米の攻防
<8面>
シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史(30)
自衛隊の沖縄配備阻止! 72年10・28総評青年協 北熊本闘争
<3面>
万華鏡2000――情勢の断層を読む
ちと辛口……
「お使いの少女」?
昔の名前≠ナ出てみたら?
あきれた同窓会
週間日誌<世界の動き・日本の動き>
「解放」最新号
<自公保>連立政権の改憲・有事法制定策動を打ち砕け 政権願望≠ノとりつかれた日共の総選挙への埋没を弾劾して闘おう 韓国大統領・金大中と北朝鮮労働党総書記(北朝鮮国防委員長)・金正日は六月十三、十四日の両日に平壤において会談し、「統一問題の自主的解決」や「人道的問題の早急な解決」「経済協力の活性化」などを謳いあげた「南北共同宣言」をうちだした。この「南北首脳会談」は、しかしながら「南北朝鮮問題の解決」をもたらすものでもなければ「平和なアジアの到来」を保障するものでもなんらありえない。むしろそれは、東アジアを焦点とする新たな冷戦的角逐を激化する契機とさえなるにちがいない。この「合意」に込められた南北両権力者それぞれの思惑が食い違い対立しているだけではなく、南北両国それぞれの後ろ楯となっているアメリカと中国・ロシアが東アジアでの覇を競いあってこの「合意」の遂行過程にさまざまな介入をこころみるのは必至なのだからである。 ところで、この急転回する東アジア情勢の真っ只中で、にもかかわらず完全に「蚊帳の外」に追いやられてきたがゆえに、焦燥感をいちだんとつのらせているのが日本帝国主義権力者どもにほかならない。まさにこのゆえに彼らは、「アジアの盟主」として復権しその地歩をうち固めるための策動を必死でくりひろげようとしている。来たる九州・沖縄サミットをなんとしても成功させようとしているとともに、いよいよ改憲と有事法の制定、そして教育基本法の改悪をも一挙に成し遂げようとしているのだ。 だが、社民党・共産党などの既成反対運動指導部は、この極悪の反動攻撃にたいして大衆的な反撃の闘いをいっさい組織することもなく、ただただ森の「神の国」発言にたいして広汎にうみだされている反発にとびつき総選挙での得票に結びつけようと腐心しているにすぎない。日共の不破・志位指導部などは、連立与党が過半数割れした場合は「野党連立政権」の一角にありつくために「あらゆる努力をする」と言い放ち、じっさい――「中小企業家」にとどまることなく――独占資本家どもとの会合にいそしみ・みずからの「政権担当能力」をしめす(だいそれたことはしない≠ニ誓約する)ことに躍起になっているありさまなのだ。 たたかうすべての諸君! このような反対運動の危機に抗し、あらゆる職場・大学から<憲法改悪阻止! 九州・沖縄サミット粉砕!>の闘いをつくりだすために奮闘しようではないか。 |
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「その罪、万死に値す!」――虐殺加担者
神奈川県警を許すな 96年5・14国学院大生謀略襲撃 「被告らの罪責は真に重大で、万死に値する」――五月二十九日、渡辺泉郎(もとお)元神奈川県警本部長ら五名の被告にたいする「覚せい剤使用もみ消し」(外事課警部補の覚せい剤所持・使用の県警による組織的な証拠湮(いん)滅と犯人隠避)事件の判決公判が横浜地裁で開かれ、被告全員に執行猶予のついた有罪判決が言い渡された。 だが、裁判長がこの言葉で被告を指弾≠オているのは、渡辺泉郎神奈川県警本部長(当時)らの行為が「国民に警察の捜査の適正、公正さについての信頼を失わせ、法治国の基盤を危うくする」結果を引き起こしたという限りでしかない。 だからしてこの裁判において、腐敗を露呈させた警察も、事件を捜査した検察も、そして裁判官も、何も解明せず警察組織の暗部をえぐりだすことはなかった。腐敗を露呈した警察組織は、何も裁かれず、しょせんはトカゲの尻尾切りに終わっただけであった。 事件の当事者である神奈川県警は、ぬけぬけと「断罪されたのは警察の制度疲労」であるなどというふざけたコメントを出し、舌を出しているではないか。 渡辺本部長(当時)が謀略隠蔽を指揮 「その罪、万死に値す」とわれわれが断じるのは、神奈川県警がたんに覚せい剤の所持・使用とそのもみ消しをはかってきたからなのではない。われわれはけっして許さない。忘れもしない一九九六年五月十四日、渡辺泉郎本部長を頭にした神奈川県警が横浜市青葉区で犯した階級的大罪を。 国学院大学たまプラーザ・キャンパスでの活動を終えて帰途についた全学連の七名の仲間に襲いかかった特殊謀略部隊。若き仲間たちは、素手で職業的テロリストに立ち向かい、武器を奪い取って勇敢に反撃した。 その戦いの中で、無念にも謀略部隊の凶刃に倒れた同志五十嵐修は、「救急車より事情聴取が先だ!」と言い放った神奈川県警の警察官による救急救命活動への妨害によって絶命させられたのだ。 そればかりではない。神奈川県警は、「横浜市港北区方向に逃走した」という目撃証言とはまったく正反対の方向(たまプラーザ駅方向)に警察部隊を配備し、襲撃グループの逃走を組織ぐるみで幇助したのである。 しかも、神奈川県警と横浜地検はわが仲間たちが命がけで襲撃部隊を撮影したフィルムをカメラごと強奪して未使用の別のフィルムにすりかえた。そしてわが仲間たちが謀略部隊から奪い取った鉄筋棒やヘルメットなどを「現場にあったものがなくなっている」と血相を変えて探し回り、襲撃を受けて治療中のわが仲間を罪名も明らかにすることなく不当に逮捕し、彼からそれら謀略の動かぬ物証(長さ76センチの鉄筋棒や工事用ヘルメット)を強奪して闇に葬り去ったのであった。 この<九六年5・14謀略殺人襲撃>における襲撃グループの逃走幇助と証拠湮滅、そして襲撃されたわが仲間たちにたいする許しがたい弾圧を神奈川県警の中枢部で指揮した者こそ、ほかでもない当時の渡辺泉郎本部長(元警視庁公安部長)にほかならない。 まさしく、神奈川県警と渡辺泉郎元本部長は、われわれ革命的プロレタリアートにとって文字通り万死に値する輩なのである。 われわれは、果敢に反撃しながら凶刃に倒れた同志の無念をかみしめ、国家権力にたいする憎しみの炎を燃え立たせ、一切の謀略的組織破壊攻撃・不当弾圧に果敢にして創意的な反撃をいま・ここで加えていくであろう。国家権力の打倒をめざして。 |
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あきれた同窓会
「まずいこと」にもいろいろあるが… 敗北した六〇年安保闘争から四十年後の六月十日。元「ブント書記長」島成郎らのよびかけで、「樺美智子追悼四〇周年の集い」なるものが、都内のホテル「グリーンパレス」で開かれ、旧安保ブントくずれを中心におよそ一二〇人ほどが集まった。 これまで、節目にあたる年ごとに、何らかの形でもたれてきた六〇年安保ブントの同窓会≠焉A四十周年目となるともはや共通の接着剤≠ヘ過去への想い≠セけ。げんに「過去としての六〇年を懐かしむ場をできるだけ忌避してきましたが」「大変動の歴史の中では、六〇年安保も、ブントも、全学連も遥か彼方の過去の中に霞み殆ど、葬り去られたものになっている」なかでは、せめて「語らんとして語れないままになお不定形にある想い」を語り合いたい、などと、「集い」の「お知らせ」でみっともない心情を吐露している始末。過去の栄光=i?)にひたり老醜をさらす現在のおのれを慰めるための目玉≠ニして利用されたに等しいのが、六〇年6・15国会突入闘争で権力に虐殺された樺さんというわけ。 しかも、「私たちがその後歩んだ道も千差万別であり、現在いる場と位置がそれぞれ異なったものであるのも当然といってよいでしょう」と「集い開催のお知らせ」で言っていたように、この日集まったのは、次のような面々。 戦前の共産党指導部から転向して反共右翼の黒幕となった田中清玄から闘争資金≠もらっていた篠原浩一郎や東原吉伸。「左右過激派の接近」や「爆弾闘争」を煽った蔵田計成らのスパイ分子がいるわ、いるわ。さらに今もブクロ=中核派の周辺で蠢いている五島徳雄や中牧保明なんていうスパイ分子まで登場してくるのだから、そのウサン臭さ≠ノは誰れだって鼻をつまみたくなる。 だが、この四十周年の集いでとりわけ異彩≠放った珍客≠ェ、残存ブクロ=中核派の官僚として最近とんとご無沙汰だった北小路敏。この男、安保ブントからズッコケた後にブクロ派に流れついたという北小路と同じ道を歩んだ藤原慶久(元「社学同書記長」)と、マオこと小野正春に付添われて、ヨタヨタとあらわれた。 出席した旧ブントの面々を何よりも驚かせたのは、何年ぶりかで姿を見せたこの北小路の変貌≠ヤり。それは、たんにこの男が従来よりも約一・五倍ほどにブヨブヨとふくれあがった醜い姿をさらした、ということにとどまらない。足元もおぼつかずかたわらの藤原の肩をかりてかろうじて立ちあがった北小路は、珍客≠見つけて物珍しそうに挨拶にくるかつての同志≠スちの名前も思いだせず、ただただ、ニヤけた顔をして彼らと握手をくりかえすだけ。しまらない口を開けてモゴモゴと口にしたのは、「いやあ、まずいことに太ってしまって」という、ようやく聞きとれる一言だけ。 そういえば、昨今ブクロ派は、「歴史上はじめての衆議院選決戦」などと称して、「介護、介護」と叫び回っている。かつてのブクロ派の人寄せパンダ≠ナあった北小路には、今では「応援弁士」のお呼びもかからない。そこで、すでに走狗としてもポンコツ化し隠居∴オいされている藤原や小野正春とつるんで、さびしく、ブントくずれの集まりに参加したというわけ。 「介護を人民の手に」などと叫んでいるブクロ派にとって、最も介護≠必要とする者は、じつは一番近くの身内にいた、というしまらない話だが、走狗集団の断末魔を彷彿とさせるに十分な一幕ではある。 |
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「動労型労働運動」の伝統を甦らせよ 日本労働運動の危機突破をめざし職場深部から闘いを構築しよう! JR総連第16回大会で新体制を確立 @ 吹きすさぶネオ・ファシズム的反動の嵐 わが日本労働者階級をとりまく情勢は今日ますます緊迫の度を高めている。首相・森喜朗は、「日本は天皇を中心としている神の国」であるとか「日本の国体を守る」などとかと発言し、皇国史観を受けつぐようなイデオロギーを、公然と二度にわたってぶっ放した。ネオ国家主義者の小沢一郎でさえ、言いたくても政治的配慮を働かせて言わないことを、森は先取りして言い放ってきているのだ。憲法改悪をなしとげ日本型ネオ・ファシズム支配体制を再度強化するために、日本国民をイデオロギー的にゆさぶるというハラの内を、森は、皇国史観もどきの発言=失言≠ニしてくりかえしむきだしにしているではないか。 南北朝鮮首脳会談を契機として、中国は、ロシアとの結束を基礎にしつつ北朝鮮を編みこみ、反米包囲網をはりめぐらす外交政策を、よりいっそうくりひろげようとしている。米・日・韓三角軍事同盟体制の枠内にありながらも「民族統一」の悲願の実現を掲げて独自の利害にもとづいて北朝鮮との関係改善にのりだした韓国金大中政権の「包容(太陽)政策」と、中・露を後ろ盾にした北朝鮮の「開放」政策とによる「和平」ムードの醸成、とりわけ在韓米軍の撤退をともなう「自主的統一」が南北共同宣言にもりこまれたことにたいして、アメリカ帝国主義クリントン政権は危機意識を募らせている。 日本帝国主義権力者は、いわゆるアメリカ流の「IT革命」が全世界を席巻しつつあることに嫌米感情を高めつつ、西欧帝国主義諸国の権力者とともにこれに対抗して独自の情報・通信技術の開発によってまきかえしをはかろうとしている。だが、嫌米・忌米♀エ情だけでは、日本支配階級の階級意志をうちかため、国民を「統合」することができないことをも、わが権力者どもは十分承知しているのである。「『一つの中国』問題の解決」を「将来、民主、自由、対等の立場」でおこなおうと、巧みに中立的な形で中国をイラ立たせる就任演説をおこなった独立派の台湾新総統・陳水扁の動きや、激動するインドネシア情勢――このようなアジアの情勢を探りながら、日本帝国主義支配階級は、アメリカ帝国主義クリントン政権と共同して、アジア・中東有事に即応する侵略戦争遂行体制を構築し、また東アジアに今日版大東亜共栄圏をつくり出そうと画策しているのである。 だが、激動するアジア情勢のもとで、イデオロギー的な動揺と混乱をきたしているのが日本支配階級である。有権者の多数をしめる戦後世代から森発言は総スカンを食っているがゆえに、<自公保>の与党三党は、森発言を余計なことを言ってくれた≠ニ受けとめ、「日本経済再建こそが選挙の争点なのだ」と称して、「景気回復のためには公共投資が必要だ」「財源を確保するためには増税が必要だ」「財政再建は景気が回復してから着手すべきだ」「いやそうではない」などという議論にもっていこうとしている。 ところがこのような政府・与党の動きにたいして、野党各党は象徴天皇制のもとでの戦後民主主義を対置するのが関の山である。「非自民の野党連合政権」への参画を夢見ている「政権ありつき病」の代々木党官僚は、自民党政治にたいする批判のかっこうのネタとして森発言にとびついたものの、それを「首相の資質の問題」に矮小化してしまい、むしろ「共産党は無神論をおしつけません」「社会体制をすぐにかえるわけではありません」といった後むき的な弁解に汲々としているありさまなのである。このような既成反対運動指導部の腐敗した対応に決定されて、森自民党内閣の支持率急落にもかかわらず、労働者・人民の闘いは総体として武装解除されてしまっている。 A「改憲阻止」の統一戦線を呼びかけるJR総連 B JR戦線内部に革命的ケルンをさらに強化しよう! |
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NTT接続料値下げをめぐる日米の攻防 サミット目前に急展開するNTT接続料問題 日米両国間の通商・経済問題において最大の対立点となってきたNTT回線接続料の値下げ問題が、五月八日の日米首脳会談をくぎりにし・七月のサミットを前にして新たな展開をみせている。 アメリカ・クリントン政権の要求――当初は接続料を四一%即時引き下げよ、というそれであり、三月以降は二〇〇一年までに二二・五%引き下げ・その後すみやかに四一%引き下げよというもの――にたいして、従来は「現実にできないものはできない」(三月二十二日のNTT社長・宮津の弁)と突っ張っていたNTT経営陣が、五月八日の日米首脳会談の直後の五月十日に、「一層の値下げを可能にするためには経営の自由度を広げてほしい」(宮津)と表明した。そしてこの接続料問題を逆手にとって、NTT東西地域会社の業務範囲などを規制しているNTT法の改正を政府・与党に要求したのである。 このようなNTT経営陣の対応は、もちろん森政権の意向に沿ったものである。森政権は、五月八日の日米首脳会談においてクリントン政権の要請をうけ入れて、従来の日本政府・郵政省の提案――二〇〇三年までに段階的に二二・五%引き下げる、というそれ――の再検討を約束したのであった。彼らはNTT資本に接続料大幅引き下げをのませることとひきかえに、NTT経営にかんする種々の規制の緩和をおしすすめることをぶちあげているのだ(六月十日に森はNTTの完全民営化をぶちあげた)。 こうしてまた、ついこの間までは「接続料金をただちに大幅に引き下げるといわれても無理」などとブチ上げていた政調会長の亀井も、こんにち「米国に言われたからではなく下げる必要がある。スピーディーな対応を求めていくことになる」(五月十五日)などということを口走りはじめているのだ。「郵政省もNTTも都合のいいことしか言わない」などと八つ当りしながら。 森政権は、九州・沖縄サミットを前にしてクリントン政権との対立を「解決」すると同時にインターネットの普及を促進するためにこそ、NTT接続料の大幅引き下げにふみきる肚を固めたのだ。 だが、森政権およびNTTの転換は、新たなあつれきを、日米の間に、NTTと非NTTの通信事業諸独占体との間に、そして日本の政治エリートと郵政省官僚どもの内部に、今うみだしつつある。何よりもクリントン政権が、「NTT法改正には反対」であることを表明した。そして日本国内でも新電電各社が「(NTTの)焼け太りを狙ったものだ」「NTT法を改正しなくても米側の提案を受け入れることは可能だ」とただちにNTTの姿勢に反発し、そして郵政省官僚の一部もNTT法改正にたいしては「すべての競争促進策が止まってしまう」と消極的な姿勢をとっている。 とはいえ、いずれにせよ、NTT資本が接続料大幅引き下げによって生じる矛盾の一切をNTT労働者に転嫁することを企み、二万一〇〇〇名の人員削減攻撃のうえにさらなる一大リストラ攻撃をしかけてくるであろうことは、火を見るよりも明らかなのである。 |
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