第1626号(2000年7月3日)本号の内容


<1面>
改憲阻止の旗高く勇躍決起 6・18
戦闘的デモで首都中枢を席巻
既成指導部の総選挙への埋没に抗して奮闘


<4面>
中国全人代第3回会議
「西部大開発戦略」を旗印とした前方への遁走


<5面>
歴史に学ぶ 石原「三国人」発言と関東大震災(上)

<2面>
自衛隊の北方機動特別演習反対!
強襲上陸演習阻止!

7・2浜大樹現地闘争に起て

在沖米軍が畑で射撃訓練!
東海で教育反動化反対集会(5・19)

<6面>
〔Topics〕選挙の時だけ「反自民」の「連合」中央
社会保障改悪の現場――介護保険実施から2ヵ月
「解雇4条件」撤廃を策す独占資本家ども

<7面>
JR西の新賃金・昇進制度反対の闘いを推進せよ
『黒田寛一初期セレクション』を読んで

<8面>
シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史(31)
73年米空母ミッドウェー横須賀母港化阻止闘争

<3面>
万華鏡2000――情勢の断層を読む
KGB流
どこの誰かは知らないけれど
これが「閉塞」?
せっかくの親心≠……
韓国で高まる反米軍基地闘争
週間日誌<世界の動き・日本の動き>



「解放」最新号


  

    改憲阻止の旗高く勇躍決起 6・18
      戦闘的デモで首都中枢を席巻
      既成指導部の総選挙への埋没に抗して奮闘

 六月十八日、全学連と反戦青年委員会に結集する首都圏のたたかう労働者・学生は、同時に全国各地で決起した労・学と連帯しつつ、<憲法改悪阻止! 九州・沖縄サミット粉砕!>を高だかと掲げて、反戦・反安保労学統一行動に勇躍決起した。「護憲」「反安保」理念の度し難い変質と空洞化をとげた社・共既成指導部の腐敗を許さず、たたかう労働者・学生は<反戦・反安保・ネオファシズム的反動化阻止!>の火柱を首都中枢で高だかとブチあげたのだ。
Top

  

自衛隊の北方機動特別演習反対! 強襲上陸演習阻止!
7・2浜大樹現地闘争に起て!  
  マル学同 革マル派 北海道地方委員会

 政府・防衛庁は、六月下旬から、北海道の矢臼別演習場と浜大樹を主要な演習地として、自衛隊の北方機動特別演習を強行しようとしている。六月四日からの矢臼別演習場での在沖米海兵隊による実弾砲撃訓練につづいて、日本帝国主義権力者も自衛隊の戦闘能力を向上させるために、あらたな一大攻撃にうってでているのだ。
 にもかかわらず、「連合北海道」の指導部は、米軍の矢臼別演習にたいしては一応反対運動にとりくみはしたものの、今回の自衛隊の演習にはそもそも反対ではなく、まったくとりくもうとしてはいない。そして、旧総評系諸労組によって構成されている北海道平和運動センターが、下部労働者からの突きあげをうけて、7・2集会をなんとか設定しているにすぎない。他方、日共もまた、完全に衆院選に埋没し自党の外交政策の「代案」の宣伝にうつつをぬかしているだけで、演習反対闘争にまったくとりくんではいないのである。
 われわれは、このような既成反対運動の惨状を突破し、自衛隊の北方機動特別演習・浜大樹強襲上陸演習阻止を焦点的任務とする反戦・反安保闘争を断固として燃えあがらせようではないか。
Top

  

お手つき
せっかくの親心≠ふみにじって……

 青解派・山茂一派が、いつもどおりに「武装」して集団で移動中、突如、警察権力に「凶器準備集合」の現行犯で十七人丸ごと逮捕された(六月八日)顛末は周知のとおり(本紙第一六二四号の万華鏡)。今回は、これにまつわる話。
 六月二十一日に、明治大学当局が「和泉祭」(明大の学園祭)の中止を発表した。その理由は、@和泉校舎内の学生会館での「時限発火装置」を使った放火事件の発生と、A六月八日の「凶器準備集合」容疑の逮捕者のなかに「和泉祭実行委員長」らが含まれていた、という二点。この二点を挙げて、「和泉祭を舞台に革労協両派間の抗争が激化する可能性がある」から、というわけ。
 二つの「事件」を受けて、早ばやと下されたこの決定。してみると、どうやら学生会館放火と山茂派十七人の逮捕とは、権力が明大当局と予め意を通じて、「革労協両派間の抗争激化」を演出するために仕組んだ策略とみるのが順当。
 ところで、当の山茂派はといえば、十七人がいなくなることによって、千木良一派と張り合って月一回出してきたニセ「解放」を一週間にわたって出せないでいた。走狗の存在証明としての謀略の追認用機関紙を出せなくなったのだから、もう大変。「機関紙」といっても、たかだかタブロイド判ワープロ仕立ての代物。こんな程度のものすら作れなくなったのだから、十七人の逮捕が山茂派にとっていかに致命的であるかがよくわかろう。早い話が、この十七人が山茂派のすべて。だからまた、こんなちっぽけな山茂派ごときに、千木良派の長田佳比古殺し(九九年七月)や安部利昭殺し(同年十一月)・柿沼忠殺し(本年二月)など、できるはずがない。ということは、これらの殺人襲撃をやったのが山茂派ではないということも明々白々。
 それにしても、彼ら走狗どもの飼主は、こんな山茂派の組織事情を承知のうえで、ほぼ全員といえる十七人をなぜ無理矢理しょっぴいていったのか、といえば、千木良派とのより一層激烈な「仁義なき戦い」へと仕向けるのが、魂胆。逮捕して窮地に立たせるのも、山茂派にたいする活というもの。
 こんな親心≠ェ通じたためか、頭目・「山茂」こと山田茂樹を逮捕の翌日(六月九日)にまっ先に釈放。
 じっさい、親心≠正しく理解した山茂は、一週間遅れのニセ「解放」(第七〇二号)に、明大学生会館放火を「ハザマ私兵グループによる放火」と決めつける、千木良派にたいする「絶滅宣言」を直々に執筆。ところがである。同じ号の別の紙面には、山茂釈放の前に、走狗の仁義≠わきまえない分子が書いたと思われる「6・1明大学生大会」の報告記事が。そこではなんと、明大学生会館の放火を「謀略分子による放火」「学生自治会運動・サークル運動まるごとの破壊を狙う……謀略以外に考えられない」とハッキリ書いてしまっているのだ。謀略を金輪際否定するのが走狗に課せられた使命。戦後三大謀略もなかったことにする走狗の兄貴分≠スるブクロ=中核派がその見本。ところが、これを否定して「謀略」の存在を認めてしまうという、およそ走狗にあるまじき′セ辞を機関紙上で口走ってしまった。
 これでは御主人様≠フ怒りはいかばかりか――と真っ青の山茂の姿が目に浮かぶというものだ。
Top

  

「西部大開発戦略」を旗印とした前方への遁走
<脱色社会主義>を満開させた中国全人代第三回会議

 二人の金(キム)が手をとり合い掲げながら「南北朝鮮の自主的統一」を高らかに宣言した(六月十四日の「南北共同宣言」)――この画歴史的事態に際して中国の江沢民政権は、「宣言は歴史的意義をもつ文書」という異例の外務省声明を発表するとともに、返す刀で「アメリカのTMDは意義がない」というようにアメリカ帝国主義のTMD(戦域ミサイル防衛)開発をやり玉にあげてみせた。そしてロシアのプーチン政権も、「南北宣言」に「歓迎」の意を表わすとともに、アメリカのNMD(米本土ミサイル防衛)にかえて「NATOとロシアの共同」で「非戦略的ミサイル共同防衛システム」を構築しようなどと、訪問先のドイツでぶちあげてみせたのだ。シュレーダー政権がNMDシステムの開発・構築に「懸念」を表明していることをもみてとりながら。
 このように北朝鮮・金正日政権を二人三脚でバックアップしてきた中・露両権力者とりわけ江沢民政権は、みずから指南役を買ってでたことの成果≠確認しつつ、ここぞとばかりに、「世界独覇」を企む「一超」アメリカ帝国主義にたいする揺さぶりを強めているのだ。しかもまた、南北会談にあやかって六月二十日に「歴史的な握手を」などと中国に呼びかけた台湾の陳水扁にたいしては、生意気なまねは許さん≠ニばかりに、「『一つの中国』を認めれば、いつでも握手はできる」(外務省)などと一蹴する態度をしめしたのである。
 右の諸事態に実に見事に象徴されているように、江沢民の中国は、アメリカ帝国主義に拮抗する「二十一世紀の超大国」にのしあがるためにロシアとの同盟的結束を基礎に「反覇=反米」の国際的包囲網を形成することに血眼になっているのだ。だがそれは、長年にわたる中国社会経済の資本主義的改造のひずみ・その危機を排外主義的にのりきるための術策ではないのか。
 しかも江沢民政権は、三月に開催された中国第九期全国人民代表大会(全人代)第三回会議などにおいて、「西部大開発戦略」なるものを二十一世紀の「改革・開放」のシンボルとして提唱してもいる。だがそれは、前方への遁走≠ナはないのか。――全人代第三回会議における朱鎔基の政府活動報告に、右のことが如実にしめされているといえる。
Top

  

歴史に学ぶ 軍の治安出動と人民弾圧の実態(上)
石原「三国人発言」と関東大震災

 東京都知事・石原慎太郎が四月九日におこなった「三国人」発言。――「大災害時」における「三国人による騒擾(そうじょう)事件」なるものを想定し、これを鎮圧するための「自衛隊=軍隊の治安出動」を公然とうたいあげた、この民族排外主義に貫かれた反動的言辞は、あらためて労働者・人民に一九二三年の関東大震災時における軍部と警察および自警団による人民大虐殺をまざまざと想起させた。この事件は、七十七年も昔の歴史的過去の出来事で、今日ではおよそ考えられない・縁遠いこと、といってすませるわけにはいかないことを、石原発言は衝撃的につきつけたのだ。
 今、日本の政府・支配階級は、日本帝国主義国家の二十一世紀への生き残りを賭けて、今日版「大東亜共栄圏」の形成に必死になっている。そのためにこそ、中・露と対抗しながら、日米軍事同盟の強化を基礎にしてアジア・中東地域での戦争を遂行しうる政治的・軍事的大国に日本国家をおしあげていく、その総仕上げとしての憲法改悪と教育基本法の改悪攻撃に突進している。首相・森喜朗の「神の国」発言や「国体」発言は、政府・支配階級の腹の内をむきだしにしてみせたいがいのなにものでもない。
 今こそ社・共両党の戦争翼賛・自国防衛主義への度し難い転落を弾劾しのりこえて、この攻撃を打ち砕く労働者・人民の闘いの戦列を構築することが、わが革命的左翼の火急の任務となっているのだ。この闘いをおしすすめるための一助として、本稿では、石原「三国人」発言の意味するものを、関東大震災時における人民大弾圧を歴史的にふりかえりつつ暴きだしてゆくことにする。
Top

  

西労組本部の翼賛弾劾! 西労本部の闘争放棄を許さず闘おう!
JR西日本の新賃金・昇進制度反対の闘いをさらに推進せよ

 JR西日本会社経営陣は、JR総連・西労の反対を押し切って、この四月一日に、ついに新賃金・昇進制度を導入した。そしてすでに、「妥結していないから」などとうそぶきながら西労の組合員である労働者を排除しつつ、暫定昇職試験を実施している。また、新制度での「格付け」をおこない、勤務評価のための職員への個人面談も開始している。まさしくJR西日本の経営陣は、JR各社に先駆けて賃金・昇進制度に能力主義を貫徹することによって、賃金総額を削減しつつ労務管理の強化を図っている。こうしてJR西日本の職場は、労働者同士が競い合いながら労働強化を強制されるという、文字通り「暗黒の職場」と化しているのだ。
 導入の直前の三月下旬に、JR西日本管内で二つの悲劇的な事件が発生した。JR連合・JR西労組の組合員である運転士が、業務中に発生した飛び込み自殺事故を「ひき逃げだ」と会社に追及され追いつめられて、警察に出頭する直前に高槻電車区の構内で首吊り自殺した。また、和歌山県新宮市でも西労組組合員である保線労働者が、「四月一日の人事異動で、転属する主任の後釜に同僚がつくことになったのが面白くなくて」JR紀勢本線の線路のレールの間にこぶし大の石を四十個も押し込んで、警察に逮捕された。運転士が車庫内で自殺し、保線工がなんと線路に置き石をするという事態、ここには彼らがいかに会社にたいする恨みや怒りの気持ちを強く抱いていたかが、如実に示されている。まさにこの悲劇的な事件は、新賃金・昇進制度の本質を雄弁に物語っているのだ。われわれはJR西日本経営陣が強行的に導入した新賃金・昇進制度に反対する闘いをさらに断固としておしすすめなくてはならない。
Top