第1659号( 2001年3月12日)の内容




<1面>
死に体$X反動内閣を打倒せよ
参院選むけ政策宣伝に埋没する社・共をのりこえて闘おう!


<4面〜5面>
KSD・機密費疑獄暴露をめぐる自民党内抗争の激化
公務員制度の大改悪を企む自民党行革推進本部の「改革案」

<2面>
日米雪中演習に怒り炸裂
2・14矢臼別―2・20恵庭
日出生台米軍砲撃演習を弾劾 2・8 九共闘
全学連が首都で街頭情宣 3・1
千歳市で開かれた「日米合同冬季実動演習反対
全道抗議集会」で、
道共闘の学生は労働者と
連帯して奮闘

(2月17日)
大分県日出生台での米軍砲撃演習阻止
現地闘争をくりひろげる全学連九州地方共闘会議
(2月8日)

<6面>
卒業式への「日の丸・君が代」導入反対!
文科省・道教委による「四六協定」破棄を粉砕せよ
「全教」教研集会・平和教育分科会 1・11〜14
Topics 東京都が教基法改定を先取り

<7面>
「連合との共同」を唱え「救国」産報運動を
補完する「全労連」


<8面>
おとぎ話
露出した軍国少年の反感と憎悪
高知聰の『〔評伝〕若き黒田寛一』について

<3面>
万華鏡2001――情勢の断層を読む
「リメンバー・パールハーバー」
死体内閣
背に腹はかえられず
モノは言いよう
相模原ストーリー
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉



「解放」最新号




  

死に体$X反動内閣を打倒せよ
参院選むけ政策宣伝に埋没する社・共をのりこえて闘おう!

 KSD(中小企業経営者福祉事業団)疑獄の中心人物である村上正邦(前自民党参院議員会長)が、三月一日に、受託収賄容疑で逮捕された。労働族の大ボス≠ナあり森政権を支えてきた江藤・亀井派の初代会長であり、なおかつ小渕の死の際に「森の首相就任」を決めた自民党「五人組」のひとりである村上。この男の逮捕こそは、米原子力潜水艦による「えひめ丸」衝突・撃沈事件に際してあまりの無為・無能・無神経ぶりをさらけだした森政権を最後的に見限った前自民党幹事長・野中広務や自民党参院幹事長・青木幹雄らが、死に体$X政権をなおもかついでいる江藤・亀井派への牽制の意をこめて仕掛けたにちがいない。
 この事態に如実にしめされるように、「ポスト森」をにらんでの自民党内権力抗争がますます激烈化しているのだ。自民党の政治エリートども、とりわけ野中や青木らの橋本派は、「省庁再編」をつうじて構築したばかりの首相専決の行政システムが、肝心要(かなめ)の首相のオツムが空洞≠ナあってはまったく機能しないことを突きつけられ、これに危機感をつのらせている。いやそもそも、日本帝国主義が直面している重苦しい内憂外患を強行突破するために強力な政権を樹立するほかないこと、このことは政府・支配階級の総意にほかならない。ところが、「ポスト森」のタマ≠ェどの派閥にもいない。七月参院選までの暫定政権という限定もついているのだから、なおさらなのである。まさにそのゆえに、自民党内権力抗争は泥沼の様相を呈し、「支持率五%」の首相がなおも延命してさえいるのだ。
 それだけではなく、森政権は村上の議員辞職(逮捕)をもって「政治のケジメはついた」などと言い放ちつつ、景気低迷のさなかに予算成立を遅らせることへの非難を恐れる野党諸党や公明党の足元を見透かして、三月二日には二〇〇一年度予算案の衆院通過をなしとげた。しかも、教育改革関連法案の成立や有事法制定に突進してもいるのだ。
 だが、森内閣が完全に死に体≠ニ化しているにもかかわらず、見るも無惨なていたらくをさらしているのが社・共既成指導部なのだ。とりわけ、今なお「非自民」の「よりまし政権」樹立の夢にすがりつく共産党の不破=志位指導部は、民主党・自由党との国会における「四野党共闘」を形成することに血眼になっているだけなのだ。そのゆえに彼らは、鳩山民主党の歓心を買うために、「反安保」や「改憲反対」を主張することを後景に押しやっているほどなのだ。
 われわれは、このような社・共既成指導部の度し難い腐敗をのりこえ、KSD疑獄や「外交・内閣官房機密費流用」を弾劾するとともに、米英帝国主義によるイラク空爆や米原潜による「えひめ丸」衝突・撃沈および米兵による数多の悪質犯罪を弾劾してたたかうのでなければならない。しかもまた、日米共同の侵略戦争遂行体制の構築やネオ・ファシズム的反動攻勢に反対してたたかうのでなければならない。と同時に、権力抗争にまきこまれた社共を許さず、今こそ死に体$X政権打倒へ邁進(まいしん)しようではないか。

T 「ポスト森」の候補者なき泥沼の権力抗争

U 内憂外患の高まりと強力政権℃立の渇望

V 鳩山民主党の尻を追いかけ回す日共の腐敗

W 疑獄弾劾・軍事強国化反対に起て!
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「謝罪」の本音
「リメンバー・パールハーバー」

 パールハーバー沖の米原潜「えひめ丸」撃沈℃膜盾ノついて、アメリカ・ブッシュ政権は、異例ともいえるほど迅速≠ノ「謝罪」を表明した。事件発生の翌日には政府高官をワシントンの日本大使館にさしむけて「謝罪」させたり、国務長官パウエルが日本の外相・河野に電話で謝罪、負傷者の医療費、家族の旅費・宿泊費の負担を申し出たりというように。
 だけど、こういう「傲慢でない」(ブッシュ大統領就任演説)対応をしているのは、新政権の特段の意を受けた連中だけ。そもそも当の原潜の艦長や乗組員じしんは「謝罪」をしなかった。アメリカ政府・支配階級総体の本音≠ヘまるで別ってことだ。
 実際、事件発生直後には、事件の当事者の原潜グリーンビルの艦長は、遭難者の救助をするでもなく海難救助信号を発信するでもなく、海軍司令部との連絡・相談に長々と没頭していた。なんと、救助信号を初めて発信したのは、海軍司令部から事件の一報を受けた沿岸警備隊だったのだ。
 それにアメリカ政府と米軍当局は、原潜に民間人が乗船していたことも、民間人が司令室にすし詰めになっていて安全確認に支障をきたしていたことも、さらにはその民間人がテキサス州の石油・ガス会社の経営者「ご一行様」つまりブッシュ新大統領の身内≠ナあり「原潜ツアー」がブッシュ大統領当選御礼行事だったことも、自分から進んで発表しなかった。
 それだけじゃない。今日アメリカのマスコミは、艦長の謝罪を要求する日本の世論にたいして、「日本は安保条約で米軍に安全を守ってもらっていることを忘れている」とか、「南京大虐殺を謝罪していない日本が『えひめ丸』事件の謝罪を要求する権利はない」(「ワシントンポスト」)とかと、南京大虐殺を居直る日本政府・支配階級と日本人民とを意図的に一緒くたにして非難する論陣をはりはじめた。おまけに「えひめ丸」の引き揚げを要求する遺族にたいしては、「保証金つりあげを狙って無理な要求をぶつけている」という誹謗中傷を浴びせたりもしている。
 要するにアメリカ政府・支配階級の本音が、ジャップが九人ぐらい死んだからって大騒ぎする必要はない≠チてことであるのはミエミエ。
 米兵による沖縄女子高生ワイセツ事件に関連しての稲嶺知事らにたいする在沖米軍トップの「バカの弱虫」メール問題も、米軍当局による連続放火犯米兵の引き渡し拒否も、つまるところ、米軍が日本を守ってやってるんだから多少の米兵犯罪ぐらいで大騒ぎするな≠ニいう本音のあらわれ。
 新大統領ブッシュがいくら「同盟国重視」の「傲慢でない」態度をしめしても、軍人連中はブッシュ政権の本音を、それこそ忠実に、雄弁に実践しているってこと。
 ところで、原潜事件にあわてふためいたのは、アメリカ政府だけではない。「日米同盟」の片割れの日本政府も、アメリカの「迅速な謝罪」に胸をなでおろして「冷静に対応すべき」(野中広務)といって事態の沈静化にやっきになった。その最たるものがハワイに派遣された外務政務官の桜田某。彼は、真っ先に「原潜の事故直後のアメリカの対応に誤りはなかった」と言い、また「事故にもかかわらず、日米同盟のいっそうの安定を望む」と語った。さらに桜田は、事故直後には原潜が救助活動をしなかったことに怒っていた「えひめ丸」の船長にたいして何事かを言い含めた。「えひめ丸」の船長は、桜田と話したのちの記者会見で、一転、「米原潜の事故後の行動は理解できる」と発言した。船長が桜田によって無理やりそのように言わされたってことは明らか。
 日米両権力者が演出している原潜事件の幕引きのための謝罪<pフォーマンスにだまされてはいけない。いまこそ日本人民も「リメンバー・パールハーバー」!   
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相模原ストーリー
魂胆がミエミエの大捕物

 二月十六日の午前七時二十分ごろ、神奈川県相模原市相模大野の路上で、青解派・千木良派の活動家四人が県警公安三課と相模原南署に逮捕された。
 マスコミ報道によると、警察は、「偽造ナンバーのワゴン車を発見、職務質問しようと近づくと、車は急発進して、捜査車両四台に体当たりした」ことから「公務執行妨害」で、さらに「車内から鉄棒三本と時限発火装置一組、出刃包丁が発見された」ことから「凶器準備集合」の現行犯で逮捕したとのこと。そして現場が、「対立関係にある反主流派の活動家で東京都職員の通勤経路になっている」ことから、県警は「四人は都職員を襲撃するために待ち伏せしていた」と発表。
 この都職員とは、どうやら山茂派の増田満という男のことらしい。報道だと、出勤途上の増田を千木良派が襲撃しようとしていたところを、警察が摘発したために未遂に終ったかのよう。けれども、この逮捕劇、相当にヘンではないの?
 というのも、「偽造ナンバーをつけたワゴン車」を発見した時、すでに捜査車両が四台も出ていたなんて、手回しがよすぎやしない? それも、所轄の警察署だけでなく県警公安三課までがあらかじめ待機していて「職務質問」したというのだから、警察が待ち構えているところに、千木良派の連中が来たってこと。
 おまけに、逮捕された四人(有田範朗・高田勝・三村元是・佐藤昭博)は、「現代社」(東京都杉並区)に寝泊りし、そこから日銭稼ぎのアルバイトに出かけるという生活を送っている徒輩。それを承知のうえで警察は、「革労協主流派の非公然活動家」などと発表するのだから、この逮捕が、警察によってつくられた「筋書き」にそって演じられた捕物劇であることは明々白々。
 それにしても、警察がしつらえた舞台にノコノコとあがった千木良派も千木良派。「乗っていたワゴン車を急発進させ警察車両に次々と体当たりした」、なんていう警察発表は眉唾物だが、警察に包囲されて四人が取り乱したであろうことは想像がつく。
 それもそのはず、おそらく彼らは、ご主人さまにそそのかされて、山茂派の増田某の自宅の下見程度のことをしに行ったのであろう。よもや逮捕されるなんて思いもよらなかったに違いない。
 その日その日の食いぶち稼ぎに精一杯で、とてもじゃないが自分たち独力で「襲撃」なんて準備できない千木良派のこと。飼い主からささやかれただけで、山茂派との抗争でご主人さまが自分たちに肩入れしてくれたとばかりに、飛びついたのが運の尽き。
 おそらく、逮捕されてはじめて、千木良派の四人は、ご主人さまから与えられたワゴン車には、「偽造ナンバー」が付けられており、車内には「出刃包丁」だの「時限発火装置」だのが積まれていたのを知ったのではなかろうか。
 どうやらこの逮捕劇、それを仕組んだ権力の狙いは、青解派両派の活動家が「相互絶滅戦」をくりひろげているかのように印象づけることにあるようだ。となると、次のことも見えてくる。すでに七人もの死者を出した青解派両派の「相互絶滅戦」なるものが、じつは過去の謀略のもみ消しを計る権力が「知りすぎたスパイ」を消すために仕組んだものであるというわれわれの暴露が、広く社会的に浸透したことにたいする窮余のインペイ策であることが。
 権力やマスコミがいう「革労協の血で血を洗う抗争」の虚妄があらわとなった一幕でした。
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 KSD・機密費疑獄暴露をめぐる自民党内抗争の激化

 三月一日、東京地検特捜部は、江藤・亀井派の重鎮(じゅうちん)で前自民党参議院議員会長の村上正邦を、七二〇〇万円の受託収賄容疑で逮捕した。昨年十一月のKSD(中小企業経営者福祉事業団)前理事長・古関忠男の逮捕・起訴、今年一月十六日の参院議員・小山孝雄の逮捕、一月二十三日の経済財政担当大臣・額賀福志郎の大臣辞職、そして二月二十二日の村上正邦の議員辞職というように登りつめてきたKSD疑獄事件をめぐる暴露・逮捕劇は、前首相・小渕の後継首相を「密室」で決定した五人組の一人であった村上正邦の逮捕によって、さしあたりのクライマックスに達したのである。
 いま森政権と連立与党は、村上の逮捕という激震に襲われながらも、しかし、この村上の逮捕および衆院政治倫理審査会における額賀福志郎の証言(二月二十六日)とによって、KSD疑獄事件および外務機密費汚職事件の幕引きをはかろうとしている。しかも、KSDスキャンダル暴露をしかけたに違いない橋本派の野中広務と青木幹雄は、この村上逮捕につづいて、いまや首相・森の更迭(こうてつ)のタイミングを計っている。<自公保>の結束を確認し誇示するために、まさにそのためにのみ野党提出の内閣不信任決議案を否決したうえで、いよいよ首相・森に辞任の意向を表明させようとするにちがいない。参院選挙後に<自公保>連立政権を維持するためにこそ、無能、無策、無恥、無責任などのありとあらゆる現政権にたいする悪評を森喜朗個人に負わせるかたちにおいて森を首相の座から引きずり降ろそうとしているのが野中・青木なのである。
 だが、このような野中・青木主導による−−村上の逮捕につぐ−−森降ろしの策動は、いまや与野党を横断する激しい権力抗争を呼び起こしているのである。

T 橋本派と江藤・亀井派とのKSD疑獄の相互暴露

U 「官僚の抵抗」打破を狙う外務機密費汚職の暴露

V 「ポスト森」を巡る保守系政治エリートどもの抗争
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「連合との共同」を唱え「救国」産報運動を補完
「全労連」の二〇〇一年春闘方針批判

 新世紀の劈頭を飾る二〇〇一年春闘はヤマ場≠前にして、きわめて危機的な様相をあらわにしている。長期大不況下のリストラ地獄にあえぎネオ・ファシズム的反動攻勢に蹂躙されているわが労働者階級が一致団結して独占ブルジョア階級とその政府にたいする反撃にたちあがるべきときに、「連合」労働貴族どもは、あろうことか、「非営利組織・市民公益運動」を掲げ「地球コミュニティ」づくりの名のもとにネオ・ファシズム的社会秩序に労働組合を編みこみ、各独占資本家どもにたいしては、企業組織体の一翼として労働組合をみずから位置づけるにいたっている。こうして「連合」労働貴族どもは、労使協議に本春闘を解消してしまっているのだ。
 だが、それだけではない。「全労連」の日本共産党系幹部どももまた、「今年の春闘は、久しぶりに明るい展望が見える」「すべての労働組合が共同した要求闘争前進の可能性がひろがっている」(「全労連」二月十四日付)などと能天気な言辞を弄しながら、この「連合」労働貴族の尻を追いすり寄っているにすぎない。まさにこのような既成労働運動指導部の腐敗した対応のゆえに、生活苦と反動攻勢と政治腐敗にたいして労働者・勤労人民の不満と怒りが急速に広まっているにもかかわらず、これが労働者階級の階級的闘いとして組織されることなく・否むしろ小沢一郎や石原慎太郎らネオ・ファシストの強権政治への期待さえもが高まっているのだ。
 すべての労働者はいまこそ<リストラ合理化反対・大幅賃上げ獲得><ネオファシズム的反動化阻止・反動森内閣打倒>を掲げて今二〇〇一年春闘を総力をあげてたたかうのでなければならない。ここでは、その一助として「全労連」指導部の「二〇〇一年国民春闘方針」を批判する。

T「三つの課題での共同」を叫ぶ「全労連」ダラ幹

U ネオ・ファシズム的反動への危機感の欠如

V 賃上げ要求を自制しリストラを容認

W 日共中央の「国政革新」路線のもちこみ
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おとぎ話 作・地球土着人

昔むかし、あったとさ
仲間の恩義忘れ去り
会社に媚び売り同志をば敵と見なした愚か者
あったとさ、あったとさ

学べまなべといわれても
仲間づくりに忙しい、赤提灯(ちょうちん)にもいかなけりゃ
ほざく莫迦(ばか)者
あったとさ、あったとさ

帰れかえれとどなりつつ
反戦闘争そっちのけ共同行動ぶちこわし
平気な面する阿呆者
あったとさ、あったとさ

(中略)

読め読め言われ渋々と
本屋にでかけ「解放」求め
空っぽ頭を埋めるヤツ
ああ驚いた、おどろいた

敵をまちがえ撃ちたるも
すべってころんでひれ伏して
会社のハラもつかめずに自業自得でつぶれけり
嗚呼(ああ)おどろいた、驚いた

ここはお国の二十五里
謀殺されし友の碑は
わが組合の惨状に涙のつらら垂らしたり
ああ悲しいな、哀しいな

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