第1704号 (2002年2月4日)の内容


<1面>
アフガン復興支援会議粉砕! 怒濤のデモ 1・20―21
〈有事法制定阻止〉をも掲げ全学連が首都で連続闘争
「有事法の制定を阻止するぞ!」
翌日に国会開会をひかえた1月20日、
全学連は国会包囲闘争を断固貫徹し

<4面>
小泉政権のメディア規制三法制定を阻止せよ

<5面>
全教教研運動の創造的実現を!
           教育労働者委員会
◆全教教研集会でわが同盟が情宣

<6面>
「開かれた教研」の名による官製研究会への吸収――川崎教研≠フ現実
Topics 日教組とりまき学者の「学校経営改革」妄言

<2面>
少年Aはどこへ行く?――露出したCIAの再編
アフガン復興会議粉砕に各地で決起  大阪/金沢
神戸大生誤認逮捕国賠訴訟

<7面>
イスラム復興主義運動とは何か 〔下〕

<8面>
『レーベンと為事』を読んで
 もう一度強く生きよう!、他1篇
うた おお! レーベン/炎燃えよ

『新世紀』第197号新刊紹介

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
喉元すぎてもまだ…
新「等級区分」
藪の中
後日発表の舞台裏

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号


  


  

アフガン復興支援会議粉砕! 怒濤のデモ
1・20―21<有事法制定阻止>をも掲げ全学連が首都で連続闘争


1月21日、全学連は雷雨をついて
アフガン復興支援会議粉砕の闘いに決起した
 アフガニスタン人民へのジェノサイド攻撃をくりひろげてきた米・英権力者を許してなるものか! この米・英権力者に協力・加担しているばかりか、この侵略者どもを日本に招いて「アフガニスタン復興支援国際会議」なるものを開催しようとしている小泉政権を許してなるものか!――全学連のたたかう学生たちは、全身に怒りを燃えたぎらせて、首都において<アフガン復興会議粉砕! 有事立法粉砕!>の1・20―21連続闘争に決起した。
 「アフガン復興支援」に唱和する社共既成指導部を弾劾しつつ、わが同盟とその指導のもとにある全学連の学生たちは、首都・東京において、断固としてデモンストレーションにたちあがったのだ。
 これにたいして、国家権力は、全学連の闘いを破壊するために、たたかう学生一名を不当にも逮捕するという一大弾圧にうってでた。たたかう学生たちは、「テロ警戒」を口実として敷かれた<戦時下>の厳戒体制を突き破り弾圧をはねかえして、侵略戦争補強勢力に転落した日共中央を満腔の怒りをこめて弾劾しつつ、首都中枢に革命的反戦闘争の火柱をぶちあげたのだ。
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少年Aはどこへ行く?――露出したCIAの再編

 「あの酒鬼薔薇聖斗が出てくる」てな文句が週刊誌の見出しに踊っている。
 神戸小学生殺害事件の「犯人」としてパクられ、府中市の関東医療少年院の獄につながれていた十四歳の「少年A」も、今年二十歳を迎える。すでに少年院での「更生」は最終段階とか、もうすぐ「出所」するための準備とかって、マスコミは騒々しく流しはじめた。

A少年の「嫌なもの」とは
 『DIAS』(ディアス)っていう、去年の八月に創刊されたばかりの暴露週刊誌(光文社)の一月三十一日号では、「酒鬼薔薇聖斗が今春極秘出所する」という特集を目玉に組んだ。それによると、医療少年院の元講師というふれこみで森忠明なる童話作家が、医療少年院で「少年A」に出会い、彼は森に心を開きかけたといういきさつが書かれている。そして、
 私が別れの直前に拙著を差し出したとき、確信を秘めて言った。「どこかの少年が『透明な存在』と書く四半世紀前に、自分のことを『透明』と思っていた少年の物語だよ」 少年は「アッ」とひるんだような表情を浮かべ、身をひねらせた。今までクールに振る舞っていた少年が初めて動揺を見せた瞬間だった。まるで何か嫌なものでも思い出したかのように――。
 森は、少年A=酒鬼薔薇聖斗と思い込んだままでの感想を綴っている。
 「何か嫌なもの」、そう、このことからすると、A君が五年ぶりにシャバに出てきたとたんに、「俺、やってねぇ!」と野口弁護士に叫んだ自分自身に目覚めるにちがいない。
 森は、少年Aが書いたという作文をその現物のコピーとともに公表した。その作文の原稿用紙の文字が、かの神戸新聞社に送りつけられた第一犯行声明文を書いた文字と「酷似」しているっていうのよ。(ちょっと、よく見てちょうだい。かの「犯行声明」と「少年A」の筆跡は、専門家による鑑定でも同一人物によるものと判定できなかったのよ。『DIAS』編集部による筆跡比較は、全然違う筆跡をシロウト判断で「酷似」なんて吹聴してんの。デタラメね。)
 だいたいネ。外界からの接触を完全にシャットアウトしてきた関東医療少年院の教官が、森の「A少年の作品を預かっていいか」という要請にOKを出すなんてありえっこない! 外に持ち出すことのできたストーリーをおしだしているけんど、何者かの指示で外に流出させたのはミエミエよ。

「彼を殺すしかない」!
 お次は女性週刊誌。『女性セブン』(小学館、二月七日号)で、高山文彦――A少年を「犯人」と決めつけ勝手な妄想小説をノンフィクションだなんて称してメシの種にしている犯罪者の高山文彦――が次のように吹いている。
 「彼を越えるには彼を殺すしかない。名声をあげるためにテロの意思を持つ人物がいてもおかしくない」だって。おお、ナンタルチア!! かかる言辞には、もし出所してきたら抹殺する、という神戸事件の真犯人のドス黒い腹のうちがあからさま! CIAの回し者・高山よ、軽率な言辞を弄するのはおヤメなさいよ!
 まったくノンフィクションライターなんて自称する者ほど食えないモンはない。
 筆頭格の立花隆よ! オマエさん、いまもまだ、あの四角形の文字とA君の写真とを見くらべつづけているかいね。
 昨年、ニューヨークの炭疽菌騒ぎで送りつけられた封筒の文字、「Death to AMERICA」の角張った文字。アルファベットとはいえ、そこに浮かびあがる特徴は、かの酒鬼薔薇聖斗が送りつけてきた第一犯行声明と第二挑戦状の、あの角張った特有な文字を、オマエさん、即、思い起こさせるじゃんか! 神戸事件が誰の仕業によるものか、問わず語りに語っているじゃんっての。オマエさんもCIAの手先らしく濁った目をよ〜く見開いて見比べてみたらどうなのさ!
 オマエさん、知ってる? 昨年六月に発行された『自衛隊「影の部隊」―三島由紀夫を殺した真実の告白』(講談社)という本がでてんのよ! 自衛隊陸幕第二部別班を創設した著者・山本舜勝が、自衛隊特殊部隊「青桐グループ」の青年将校を各地の「騒擾の場」に送り出し、列車妨害とかの「訓練」と実行をやらせていたことをにおわせているじゃんか!
 一九七〇年代から八〇年代にかけてしかけられた数かずの謀略襲撃に自衛隊特殊部隊が関与しているにちがいないってことを、一貫して暴露してきたのは、立花よ、どこの誰だと思っているのさ!? こういうことをサ、裏づける実行者サイドからの暴露がなされたってことは、ホンマにエライことなんよ。この暴露本を世に出した数ヵ月後に著者が急死したのも、口封じ、てなことはすぐわかるじゃんか。

走狗の使い捨てと飼い主の再編
 昨年の春いこう、宮崎学の正体と中核派中枢がCIAにからめとられている事実が続ぞくと暴きだされてきたじゃん。走狗の使い捨て=再編が急ピッチに進んでいること、走狗の飼い主である権力内謀略グループおよびCIAの再編成を如実に示しているっての。『自衛隊「影の部隊」』ってバクロ本もひとつながりのものネ。
 森が少年A自筆の小説≠ニシャバへの帰還を暴露したのは、一九九七年五月酒鬼薔薇聖斗事件がCIAの仕業であることを社会的に公表するものなのよ。つまりね、八〇年代のグリモリ事件から九五年の國松狙撃事件にいたるまでのCIA=「青桐隊」主導の数々の謀略事件を、新たに再編されたCIAがみずから認め清算するって意味なのよ。ことは、「少年Aの社会復帰」にあるんじゃない。一九七〇年代はじめよりこのかた、CIAの指揮のもとに仕組まれてきた殺人謀略事件の真相が明るみにだされる時期もそんなに遠くはないって事よ。
 エンロン疑惑とアフガニスタンの泥沼化によって、崩壊寸前のブッシュ政権と心中することになるかもしれない参戦小泉内閣の思いもかけない瓦解。――こういう事態が眼の前にクッキリ見えてくるじゃんか!
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藪の中
諜報機関の嘲笑

 中国人民解放軍総参謀部第三部局員(軍事通信担当)の言い分
 「それは昨年十月の下旬、上海で開かれるAPEC首脳会議出席のため、江主席があの機に初めてお乗りになる予定日の数日前のことでした。
 われわれは八月にアメリカから購入したばかりの主席専用機に乗りこんで、あらゆる角度から念入りな安全点検をおこなっていました。私が電波関係の点検をしている時でした。突然、妙な信号音がレシーバーに飛びこんできたのです。そこですぐに発信源の特定作業をしてみると、なんと! 飛行機の内壁からも、主席専用室の浴室からも、ベッドのヘッドボードからも、次から次に二十七個もの盗聴器が出てきたのであります。
 こともあろうにわが主席閣下の専用機にこんな卑劣な仕掛けをするとは、アメリカ帝国主義の諜報機関の所業にちがいない。われわれは、そう確信しております。なぜというに、この盗聴装置たるや、衛星からの信号で起動する非常に高度な技術製品で、わが国の軍需公司ではとても作れないものだからであります。」
 米航空機内装加工業者ゴア・デザイン・コンプリーション社の事業部長の言い分
 「あの飛行機はただの旅客機じゃないんです。アメリカ大統領専用機『エアフォース・ワン』と同じようなものなんです。ベッドにも転用できる一〇〇名分の豪華なベージュ色の皮張りのシート、シャワー付きの浴室と執務室と寝室からなる主席専用スイートルーム、衛星通信システム、最新の航法装置、そしてミサイル防御システム……。
 でも、内装施工期間中は中国側の保安要員が二十四時間張り付いて警備していたんですよ。中国の方々は仕上がりの良さに大層喜んでいらしたんですがねえ。うちの作業員とその家族は中国側のご厚意で主席専用機に乗せていただいて、万里の長城見物に招待されたほどなんです。
 いいえ、この事件にかんして中国から当社には、いまだに何の連絡もございません。だいたい先方様は当時、VIP専用機をもう三機発注したいとおっしゃっていたんです。米中両国の政府はこの事件で傷つくことはないでしょうが、わが社は大損害を被るんです。盗聴器を仕掛けるなんて、そんなこと、うちの社員がするわけがないじゃありませんか。」
 某西側情報筋の言い分
 「その件では、中国空軍の将校二十名と中国航空補給公司の職員二名が治安当局に身柄を拘束されているよ。理由? わからんね。
 あー、それから、中国空軍の或る高級将校が、この事件に関連して自宅軟禁状態におかれている。この幹部は中国空軍所有の中華連合航空の後援で航空機の購入にあたってきた人物だ。問題の主席専用機の購入取引に関与している。
 まあ、これらのことからして、例の盗聴装置は、今秋の共産党大会に向けて江沢民の身辺を洗いたいと思っている政権内部の分子が仕掛けたんじゃあないのかな? だいたい中国国内では一切この件が報じられていないんだからね。
 えっ? 衛星から操作する高度技術製品を中国が作れるかって?知らん、知らん。ノーコメント。
 アメリカ中央情報局がこの件にコメントを拒否したのはなぜか?そんなことは知らないね。そもそもだね、われわれが……もとい!アメリカの情報機関が、すぐに見つかるような稚拙な仕掛けをやるとでも思っているのかね? なめてもらっちゃあ困るよ! おっと、今のとこ、オフレコね。オフレコだよ、くれぐれも!……おお、あぶねえ……。」
 中国外務省報道官の記者会見(一月二十二日)
 「その報道は耳にしているが、その一件にかんしては何も知らないし、それが他の案件に影響を及ぼすとは見ていない。中国は平和を愛する国だ。どの国にたいしても脅威を与えるようなことはしない。中国を盗聴する必要などは何ひとつない。それ以上コメントすることはない。」
 コリン・パウエル米国務長官の記者会見(一月二十日)
 「この数ヵ月間、私がおこなってきた中国当局者とのやりとりの中で、この件が話題にのぼったことはただの一度もなかった。」
 はてさて、これこそ現代版「藪の中」。とはいえ、このニュースがアメリカから流されたというのが意味深長。国家主席・江沢民の専用機さえ米国に発注しなければならない中国が反論≠ナきないのを見越して、CIAが北京政府をあざ笑うために意図的にリークしたことが、十分推察できるというものではないか。
〔ワシントンポスト一月十九日付、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン一月二十三日付、朝日新聞一月二十四日付朝刊などの報道にもとづく〕
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小泉政権の強権的報道統制=メディア規制三法制定を阻止せよ

「第三者委員会」設立に収れんする市民主義的限界をのりこえ闘おう

金沢大の学生は1月21日、<有事法制定阻止!
アフガン復興支援会議反対!>を掲げて
金沢市街デモをくりひろげた
 米英帝国主義によるアフガニスタン軍事侵略に加担して戦後初の参戦を強行した小泉極反動政権は、これを跳躍台として日米共同の戦争遂行体制をよりいっそう強固に打ち固めようとしている。
 昨年十月二十九日に「参戦三法」を成立させ、念願の参戦をはたした小泉政権は、十二月二十二日には、鹿児島県・奄美大島沖の公海上で米軍と共同して「不審船」を追尾し射撃・撃沈した。これを「有事」における「正当防衛権の行使」などと傲然と開き直りながら。それだけではない。戦後初の参戦を機にPKO協力法の改定(PKO五原則の見直し=PKF本体業務への参加のためのそれ)をも強行してきた彼らは、一挙的に戦争遂行体制を整えるために、日本有事を想定した「安全保障基本法」という名の有事法の制定に突進している。
 こうした策動と軌を一にして小泉政権は、「個人情報保護法」などいわゆる「メディア規制三法」の制定を策しているのだ。小泉政権は、マスメディアを国家権力の広報機関としてよりいっそう管理・統制するために、これら三法≠巧妙に重ねあわせて運用することをねらっているのだ。
 こうした小泉政権の策動にたいして民主党は、当初は「反対」を表明したもののたちまち転換し、法案成立を前提に自民党案の枠内で対案を提出しているありさまなのである。社共は、ともどもに「報道・表現」の「自由」など基本的人権の侵害の怖れをあげつらいつつ、一応は反対している。けれども、なんらの大衆的な反対運動の組織化をおこなおうとしないことに明らかなように、彼らには戦時¢フ制への突入にたいする危機感がきわめて希薄なのだ!
 われわれは、腐敗した社共既成指導部の闘争放棄を弾劾し、たたかうジャーナリスト・マスコミ労働者と連帯し、小泉政権による「メディア規制三法」制定策動を粉砕する闘いを広範につくりだしていこうではないか。

以下、章見出し
T 「メディア規制三法」の制定を策す小泉政権

U 「第三者機関設立」を提唱する桂敬一・吉岡忍らの市民主義的反対運動
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炎(ほのほ)燃えよ

鮮烈な みのらぬ花の<ジハード>や
わが存在をかきむしりたり

かのテロの意義に目おほふ愚か者よ、戦火
をゆるす汝をこそ問へ

エシュロンに読めぬ心の篝(かがり)火を高く掲げん
国境越えて

緑せし大地いまや焦げたりきデイジー・
カッターの曼珠沙華咲きて
 
三年間続きし干ばつに加はるは「自由」楯に
す無差別爆撃

原子の火〔劣化ウラン弾〕・気化爆弾を
投下せしは、プロメテウス縛りし「神の子」
なるぞ

ブッシュ鬼・プーチン/ブレア/江沢民に、
今送りたしエイムズ株を

鎌をもて赤旗破りしゴルビーに、いま打ち
おろせ槌(ハンマー)の一撃
「連合」も民主も代々木も揃い組「テロ根絶」の紋章つけて

アフガンの子らの目見し夜、トラボラの
洞穴にてゲリラと語る夢

カラカラと玉石赤土舞ひくだり、屍(かばね)重なり
たりトラボラの渓(たに)

いまのいま死せし子どもの名を呼びて
テレビカメラを壊すや パシュトゥーン

ルージュひけどブルカの目には恐怖あり
憎悪と絶望に鈍く光れり

無脳の子の見開きし目のものすごさ、劣化ウラン弾浴びし母哀し

さかなにも蛇にも似たる子らの目はウラン
落とせしヤンキー睨めり

産まれしも はや死にゆきし子らの目は
告発したり劣化ウラン弾を

母も子も深き爪痕身に刻めりヤンキーの
犯罪な忘れそ

神々の争ひ「約束」せし土地は砲弾・キャタピラ刻まれ呻く

暁にガザ地区襲う目出し帽、謀略部隊の影
よぎりけり

イエスもアラーも煽りたてし戦争うち砕け
反戦の炎あげ

万国の労働者起て! 戦乱の世紀破りて
革命めざせ!
全学連関西共闘は、1月19日、「アフガン復興会議粉砕」を掲げ
在大阪・神戸アメリカ総領事館に
怒りのシュプレヒコールを
叩きつけた
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『新世紀』The C ommuni st 第197号 2002年3月  
最新号紹介


暗黒・戦乱の世界をいかに超克すべきか
 最新号第一九七号を、すべてのたたかう仲間に贈る!
 今号では「暗黒・戦乱の世界の超克」と題して特集を組んだ。
 特集・巻頭論文「戦乱を突き破り革命の新世紀へ」は、ムスリム戦士の9・11ジハード自爆攻撃の画歴史的意味を鮮明にさししめしている。同時に、アメリカ帝国主義ブッシュ政権の「テロ根絶」を掲げてのアフガニスタン侵略戦争の悪逆性をラジカルに暴きだす。アフガニスタンへの空爆開始から約四ヵ月。アメリカ帝国主義ブッシュ政権の肝煎りでカルザイ・アフガニスタン暫定行政機構がつくられ、「アフガニスタン復興支援国際会議」なるものが鳴り物入りで開催された。だが、はたしてそれはアフガニスタン問題の解決への道をひらくものなのか。
 しかも、日本においては、ついに参戦をはたした小泉政権が、有事法制定や憲法改悪の攻撃を強めている。これをわれわれはいかに阻止するべきか。特集・巻頭論文はすべての仲間の必読の論文だ。
 第二論文「世界的不況下の<戦時経済>への突入」は、惹きおこされた世界経済上の大激震、その実相に迫る。世界的不況の一挙的深まりのもとで、米・欧・日帝国主義諸国はこの危機をどう突破しようとしているのか? 軍需生産の活発化と戦時経済システム≠フ創出……、これこそ戦争を欲する経済≠ヨの転回を意味するのではないか!
 第三論文「もぬけのカラになった『戦後民主主義』の申し子」は、大江健三郎の空疎で無力な「同時多発テロ」評論を暴いている。「テロと報復の連鎖」におそれおののく自称平和主義者の内面的崩壊を活写する。
 この特集には、わが同盟が世界に発した<9・11ジハード自爆事件>についての英文のアピール、また、悪逆の限りをつくした米英軍のアフガニスタン空爆―その犯罪の日録や、年表「<イスラーム世界>の歴史」などの資料も掲載している。

「問題だらけの『つくる会』教科書」の第四弾!
「日本民族・文化の自立的発展」論の虚妄
 続く特集は、好評を博している<連載特集>「問題だらけの『つくる会』教科書」の第四弾だ。「日本民族・文化の『自立自己発展』という神話」は、日本の民族・文化は大陸(中国や朝鮮半島)の影響も受けずに発展してきた≠ニのたまう「つくる会」の「歴史教科書」、そのウソとペテンを暴きだす。とともに、「神国日本」の再興を企む彼らの目論見を完膚無きまでに粉砕する。「公民教科書」については「環境問題」と「家族観」に迫る二篇を掲載した。
 「環境破壊は『文明の代償』か?」は、「加害者と被害者ははっきりと区別できない」と言い、「自己責任」の名のもとに労働者・人民への負担を強要する「つくる会」の反労働者性を鮮やかに描きだす。また、「『つくる会』の『家族観』」は、いきすぎた自由∞個人生活の優先≠ノたいする「家庭・家族の大切さ」をあげつらうネオ・ファシストどもの狙いと本性をあますところなくえぐりだしている。

わがファシズム論の創造と発展
 今号では、これらの特集企画以外に以下の三篇の論文を掲載した。
 第一が、「労働者を死ぬまでこき使うことの提言」である。今日、「労働を中心とする福祉型社会」を主張する「連合」労働貴族。彼らが「高齢者対策」の名のもとに主張する「継続雇用ではない雇用の創出」とか「引退年齢の引上げと段階的な引退」とかは労働者にとっては死ぬまで働け!≠ニいうことだ。その犯罪性を、「連合」イデオローグの正村公宏と濱口桂一郎の論説≠とりあげて、完膚無きまでに批判する。
 第二の<講演>「新自由主義とネオ・ファシズム(下)」は、「新自由主義」を中心的テーマとした(上)にひきつづいて、「ファシズム論」を中心的に論じている。わがファシズム論が、トロツキーのファシズム論を批判的に継承しつつ、同時に山口定の理論の批判的摂取をつうじていかに豊富化されてきたのかが、手にとるようにつかみとることができるであろう。スターリニスト・ファシズム論の没方法論性とともに。
 そして第三は、「今のぼくは二十七歳」である。忘れもしない一九七四年一月、ブクロ=中核派の手兵による反革命的な殺人襲撃をうけて実質上の死にいたらしめられた、RMG以来の同志吉川文夫。みずからの手によって書き記された「脳損傷後遺症」との二十七年間の壮絶な闘い。それは、われわれの想像を絶する。吉川同志の革命家魂にあふれた格闘に、多くの仲間たちは、はかりしれない感動と勇気をわきたたせられるにちがいない。
 リストラの嵐が吹きすさぶ職場生産点で、当局の反動的な自治破壊攻撃に抗して学園で、日々苦闘しているすべての仲間の闘いの糧とならんことを!
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