第1732号( 2002年8月26日)の内容

<1面>
核空母リンカーン寄港阻止に決起
8・16―17全学連佐世保現地で連続闘争
海・陸で地区労労働者と連帯固く

<4〜5面>
ヒトラー・ナチスを猿まねした「石原新党」綱領
人事院による大幅賃下げ勧告を粉砕せよ

<2面>
各地で国際反戦集会
東海集会、九州集会

「有事立法粉砕! 反テロ局地戦
反対!」の声轟

(8月4
日、名古屋市東区役所講堂)
闘う決意をうち固める九州の労学
(8月4日)

7・18愛知県民集会で闘う労学が奮闘

<6面>
「新集配システム」試行2ヵ月
郵便局職場の悲惨な現実
総スカンを食らった日共官僚・松竹(7・5名古屋)
Topics 危殆に瀕する「平和教育」

<7面>
『レーベンと為事』「テープの時代」に想いをはせて
「今のぼくは27歳」を読んで
涙を怒りの意志に/共に闘える喜び

<8面>
第40回国際反戦集会への海外からのメッセージ
原則的トロツキスト組織委員会/ポリネシア解放戦線/デヴィッド・マクレイノルズ/ユニオン・パシフィスト

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
◆第二のベトナム
one Nation under God
◆「ぼくのなつやすみ」
◆とんだ封印列車
◆生贄の逆襲

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号

 








































































  

核空母リンカーン寄港阻止に決起
8・16―17全学連佐世保現地で連続闘争
海・陸で地区労労働者と連帯固く


リンカーンの船腹を怒りの
シュプレヒコールが直撃(8・16)
 八月十六日、全学連のたたかう学生たちは、米原子力空母「リンカーン」の佐世保港(長崎県)への入港を阻止する現地実力闘争に断固として起ちあがった。
 イラクのフセイン政権を打倒するための侵略戦争の準備を急ぐブッシュ政権は、核空母リンカーンを中軸とする機動戦闘群をアラビア海に出撃させた。その途上、空母リンカーンを佐世保に、駆逐艦フレッシャーを横須賀港(神奈川県)に、ミサイル巡洋艦シャイローを博多港(福岡県)へというように、リンカーンとその随伴艦を日本やさらには韓国の港に寄港させ、大量の食料と物資を補給させようとしていたのだ。
 このようにブッシュ政権が対イラク侵略戦争を開始するための準備をいよいよ整えつつあるなかで、リンカーン寄港を基本的に「非核三原則違反」(社民党)という問題だけに切り縮めたり、「佐世保を米国の戦争に組みこむ前線基地化」(日共)という観点から非難しているにすぎないのが、既成反対運動指導部にほかならない。
 全学連のたたかう学生は、イラク侵略戦争を許すのか否かという決定的局面において度し難い腐敗をさらけだす社・共既成反対運動指導部を徹底的に弾劾しながら、核空母リンカーンの佐世保寄港を阻止する闘いに敢然と起ちあがった。たたかう学生たちは、約二十隻の阻止船団を編成して闘いに起ちあがった佐世保地区労のたたかう労働者とあい固く連帯しながら、海上と陸上において、空母リンカーンの入港を実力で阻止する闘いを最後まで全力でたたかいぬいたのだ。

以下、見出し
海上阻止船団が米空母に肉迫!

米海軍基地ゲート前を戦闘的デモで席巻

「リンカーン入港反対」全国集会で奮闘

米帝のイラク侵略・日本の参戦を阻止せよ

米海軍基地ゲート前の機動隊の阻止線に
突入する全学連部隊(8・16
「『来るな! 米原子力空母、許すな!有事法制』全国集会」
には「イラク侵略反対」の全学連とわが同盟の大横断幕が
翻る(8・17)
Top

   

one Nation under God
「ソーホーのマルクス」は何と言う?

 アメリカの子供たちが、星条旗を前にして、胸に手を当て何かを唱和している。唱える言葉は次のようなものだ。
 「私は忠誠を誓う。アメリカ合衆国の旗と、それがあらわす共和の国に。それは、神の下にある、分かつことのできないひとつの国。万人に自由と正義のある国」
 「忠誠の誓い」と称されるこの儀式は、公立私立を問わず、全米の学校の教室で毎朝おこなわれている。
 誓いの儀式が始まったのは百年前らしいが、「神の下」という一句が議会の決定で挿入されたのは一九五四年のこと。ソ連邦にたいする「冷戦」政策を推進していた当時のアメリカ権力者が、国民に反ソ・反共のイデオロギー的心棒を入れるために、「神の下にあるひとつの国」(one Nation under God)と暗唱させたのだ。こうしてアメリカ国民の脳髄には、「神の国」に敵対する「共産主義」は「悪魔」であるというイメージが刷り込まれた。全米に「アカ狩り」の嵐が吹き荒れた(チャップリンは「共産主義者」と烙印され追放された)。
 9・11事件以後、この「誓い」は新たな意味を帯びた。アメリカの「一超」支配に刃向う者を「テロリスト」と断罪し、これを根絶するための局地戦を世界各地でくりひろげているブッシュ政権は、「ゴッド・ブレス・アメリカ」(神の恩寵はアメリカにあり)の大合唱を背景に、イスラム原理主義を「悪魔」に擬し、これへの憎悪を煽ってきた。「忠誠の誓い」もまたその手段として活用されているわけ。その度はずれた異常さは、最近下されたある判決への対応に示されている。
 ことの起こりは、カリフォルニア州在住の一市民が、神を信じていない自分の娘に「神の下」という文言を唱えさせることは憲法の定める「信教の自由」を侵すものだと訴えたこと。訴えを受けたサンフランシスコ連邦控訴裁判所は、誓いの先導役を務める公立校の教員が「神の下に」という言葉を唱えることは違憲であるとする判決を下した(六月二十六日)。
 これに怒り狂ったのがブッシュ、「判決は馬鹿げている」という声明をただちに発表した。大統領声明をうけて、アメリカ議会上院は判決を無効とする決議を全会一致で採択。七月四日、ブッシュは、独立記念日の記念演説でこの問題をとりあげ、壇上から恫喝した。「いかなる権威であろうと、神の下にあるこの国への忠誠を妨げることはできない」と。今やブッシュ政権は、司法省をつうじて、当該裁判所に判決のやり直しを迫るにいたっている。
 権力者たちによる非難にマスコミも同調。「非常識」(「ニューヨーク・タイムズ」)、「国民の怒りは必至」(「USAトゥデイ」)等々の記事が洪水のように流布された。こうして醸成された社会的ヒステリーのもとで、訴えを起こした市民は、「地獄におちろ」などという脅迫電話に連日連夜おそわれるようになった。判決を下した裁判官は「テロリスト並み」の犯罪者と罵倒された。
 さて話はかわるが、『ソーホーのマルクス』という本が、九月にこぶし書房より発刊される(アメリカ左翼のH・ジン著)。マルクスが蘇って、現代のニューヨークにあらわれたら、という想定で書かれた戯曲である。
 ジン氏ではないが、マルクスが、この想定のように蘇り、現代アメリカ国家のキリスト教の後光に包まれた異様な光景に接したならば、おそらく、こう言うであろう。<ブッシュやその追随者たちが「神の下にある国」への拝跪をひたすら強いるのは、アメリカの現世の悲惨が極みに達しているからだ。「神の国」への忠誠の強制に反逆するためには、宗教からの解放=政治的解放にとどまらず、人間の人間的解放を成就せねばならん>と。
top

        

ヒトラー・ナチスを猿まねした「石原新党」綱領
『最後の首相石原慎太郎が日本を救う日』の極反動性

 「石原首相待望」の大合唱が演出されているなかで、あの「つくる会」(新しい歴史教科書をつくる会)教科書の出版社・扶桑社から、『最後の首相 石原慎太郎が日本を救う日』という本が、五月三十日付で発刊された。
 「最後の首相」? ヒトラーは一九三三年一月にワイマール共和国の最後の首相に指名され、「国会放火」謀略を強行し、一ヵ月後には全権授与法を成立させて専制体制を完成させた。そういうバカげたことでも考えているのかと思うと、これがアタリなのである。「ここまで日本が荒廃した限り、もう独裁政権≠オかない」(同書二七五頁、以下同書からの引用は頁数のみを記す)とぶちあげ、「保守勢力は団結して救国体制をつく」れ、「石原新党を結成」し「挙党態勢」で政権をつくり、シンタローに「思い切って強い権限」を与えよ。三年間は「全面的に政治を任せ」(同)よ、と騒ぐほどなのだ。
 それにしても、齢(よわい)七十に手が届く老人を、しかもいったんは「国政引退」を表明した文士くずれを希望の星≠ノして首領の座に担ぎあげなければならないほどに、右派=タカ派の政治エリートどもにはタマ≠ェない。宣伝する方も御本人もそのことをエラク気にしていて、やれ「石原は日本の伝統と文化の集大成」だ、やれたぐいまれなる「宇宙観、国家観、歴史観、文明観、死生観の持ち主」だ(だから年をとっていて当り前なのだ)、と一方がもちあげれば、他方は『老いてこそ人生』などという本を書いて(幻冬舎、七月十日発行)これに応える。まるで茶番劇である。この『最後の首相』という本も、「国家、国家」と叫ぶ以外に能のない人物をゴテゴテに飾り立てていて、読まされる方が恥ずかしくなる代物なのである。
 とはいえ、「小泉構造改革」は底無しの経済危機を何ひとつ打開することもできずに破綻し、政治エリートどもの汚職・腐敗も次々と明るみにだされている。アメリカ政府・政治エリートの一部からも、小泉政権には「NO!」がつきつけられた。この事態を日本帝国主義国家存亡の危機とうけとめ、この危機を真正ファシストの流儀で右から突破しようとしているのがタカ派政治エリートどもなのである。この徒輩は、「石原新党」「石原救国政権」をどのようなものとして構想し、いかにして立ち上げようとしているのか?

以下、見出し
A 「横軸チャンピオン」小泉に代わる「縦軸ヒーロー」石原? 
  小泉への「見切り」通告
  独裁政権≠ヨの道
  コッカ、コッカとカコが鳴く


B 小泉政権の真正ファシスト式のりこえ
  「小泉の一年」の「総括」
  「NO!」の対象はアメリカではない!?
  真正ファシストのイデオロギー的紋章
  「自民党政治」でヒトラー式「授権」?

Top