第1736号(2002年9月23日)の内容

<1面>
小泉訪米阻止に唯一決起 9・9
アメリカのイラク先制核攻撃阻止! 日本の参戦阻止! 日米首脳会談粉砕!
全学連が羽田現地で激闘

<4〜5面>
アルゼンチンの革命的動乱
緊急声明 アルゼンチン労働者国際主義者同盟 (第四インター)・労働者民主主義

「電子自治体化」―石川県A市にみるその実態


<2面>
沖縄米軍基地の飛躍的強化

全学連115中委をかちとる

全学連は9月10日、首都・東京において
第115回中央委員会を開催した。

<6面>
都交通局の駅業務外注化・バス管理委託攻撃に反撃せよ
福岡県立病院の全廃=民営化攻撃を許すな
Topics 「時間内組合活動禁止」―石原都当局が通告

<7面>
九州新幹線の部分開業の意味
「エンゲルス唯物論の特質」(『共産主義者』第105号)を読んで考えたこと

<8面>
ポドシチェコルジンの思い出
「ヤンキーダム終焉の端初」を読んで
・そは悲劇、されど悲劇にはあらず
・解釈をこえて

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
王者に一撃、大蛇の一撃
「報復」の熱狂の陰で
とてつもない居直り
先富論的免疫不全
三人寄れば……

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号

 



































































  

小泉訪米阻止に唯一決起9・9
アメリカのイラク先制核攻撃阻止!
日本の参戦阻止! 日米首脳会談粉砕!
全学連が羽田現地で激闘


 九月九日、首相・小泉はアメリカ大統領ブッシュとのニューヨークでの首脳会談にむけて、羽田空港から政府専用機で出発しようとしていた。まさにそのとき、全学連のたたかう学生は、社・共既成指導部の完全な闘争放棄を弾劾して、<小泉訪米阻止! 日米首脳会談粉砕!>を掲げて唯一、羽田現地闘争に断固として決起した。
 わが闘いをふみにじって訪米した小泉は、九月十二日の日米首脳会談において、ブッシュ政権との結束を再確認するとともに、イラクに大量破壊兵器査察の受け入れを求める国連決議をあげる必要性をことさらに訴えた。日本国家がアメリカのイラク侵略戦争に参戦するために「国連決議」のお膳立て≠ェ不可欠であるという肚(はら)づもりを示したのだ。
 この日米首脳会談にたいして、社民党ならびに日本共産党などの既成左翼指導部は、何ひとつ「反対」の声をあげることなく、ただただ自党の「平和外交政策」を対置することに終始したにすぎない。
 わが同盟とこれに牽引された全学連のたたかう学生は、この既成平和運動指導部の度し難い腐敗を弾劾しながら、小泉の訪米を阻止する羽田現地闘争に唯一決起した。たたかう学生は、<アメリカのイラク侵略阻止・日本の参戦阻止>の旗を高く掲げ戦闘的にたたかいぬいたのである。

 写真 9月9日、全学連のたたかう学生たちは、羽田現地において、首相・小泉の訪米を阻止する闘いにたちあがった。「アメリカのイラク軍事侵略反対!」「日本の参戦阻止・有事立法粉砕!」を掲げ、既成指導部の闘争放棄を弾劾しつつ、 たたかう学生たちは戦闘的デモをくりひろげたのである。
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アルゼンチンの革命的動乱
暴虐に抗して闘う労働者人民

T深まる泥沼的経済危機
 三年連続して成長率の大幅なマイナスをしるす経済不振のなかで、対外債務不履行の危機をつづけてきたアルゼンチンは、昨二〇〇一年末のIMF(国際通貨基金)の前倒し融資の拒否によって最後的に息の根をとめられた。
 昨〇一年十二月二十日、アルゼンチン民衆は国中の広場という広場を埋めつくし、デラルーア政権を退陣に追いこんだ。膨大な対外債務を抱えこみ、失業者を急増させ労働者・勤労諸階層を貧困のどん底に陥れただけではなく、汚職と公金横領にまみれた急進党政府にたいして、人びとは怒りに燃えて断固たる拒絶をたたきつけたのである。IMFべったり・アメリカ金融資本べったりの経済政策をおしすすめ、民衆の怨嗟の的であった経済担当相ドミンゴ・カバリョと大統領フェルナンド・デラルーアの政府は崩壊した。
 デラルーアにかわって政権をひきついだ国会内多数派の正義党(ペロン主義者=ペロニスタの党)のアドルフォ・ロドリゲス・サア暫定大統領は正義党の内紛にも規定されてわずか八日で辞任し、同じく正義党のエドゥアルド・ドゥアルデが二〇〇二年一月一日に大統領に就任した。このペロニスタの大統領に率いられたアルゼンチン政府は「対外債務返済の一時停止」を宣言し、さらに、十一年間つづけてきた「ドルペッグ制」(一ドル=一ペソに固定する)を破棄してペソの切り下げにふみきった。一九九〇年代には「新経済自由主義の優等生」ともてはやされてもいたアルゼンチン経済は、ここに完全なる破綻をとげた。
 だが、アルゼンチン民族主義を支柱にするポピュリスト、フアン・ペロンの流れをくむ正義党のドゥアルデ大統領もまた、経済的破局からの脱出口をIMFの融資再開にもとめることしかできない。経済的破綻のつけの一切を労働者・人民におしつけることによって、IMFやアメリカ金融独占資本が牛耳る「国際金融市場」にもう一度迎え入れてもらおう、というわけなのだ。大統領に就任するや、ドゥアルデは労働者たちにたいする攻撃を次々にかけてきた。その悪辣さは前政権に優るとも劣らない。
 ペソの切り下げを契機にしてインフレは急激に昂進し、すでに一〇〇%に近い。このようななかでの、労働者賃金の引き下げや賃金未払いの蔓延。IMFが強要する融資再開条件を満たすための連邦および州政府予算の削減。教育や福祉予算が大幅に削られただけでなく、公務員賃金の支払いさえできない。公務員賃金は国債や州債に変えられた。加速度的にひろがる解雇やレイオフ。失業率はさらにうなぎのぼりに上昇し、労働者の三人に一人は失業状態にある。不振企業の倒産をうながす改正破産法の制定(二〇〇二年六月)がさらにこれに拍車をかけている。また、銀行破綻を回避するために、再び預金の引き出しが制限された。個人預金を長期国債で払い戻すという泥棒まがいの法案さえも提出された(IMFが頑強に支持するこの法案を、さすがの議会も承認できなかった)。
 このようなドゥアルデ政権の政策によって、アルゼンチン経済はさらに泥沼のような危機を深めざるをえない。政府自身が債券での賃金支払いをはじめたことを出発点にして、国債や州債が擬似貨幣として国中で流通しはじめ、社会的混乱をさらに倍加させている。それだけではない。国の屋台骨とさえいわれたアルゼンチン最大のエネルギー企業(石油・天然ガス関連)が、ブラジルの国営石油公社に「売却」された(同年七月)。ドゥアルデの「経済再建」の破産はここに象徴されている。
 IMFとアメリカ独占資本に主導された「新経済自由主義」の政策を実行してきたことの結果がアルゼンチン経済の今日的破綻なのであって、IMFにすがってこの経済破局からの脱出をはかる、ということがそもそも無理な話なのである。

以下章見出し
U「新経済自由主義」の破産の紋章

V労働者・民衆の闘いは燃え上がった!

W闘いの前進を阻むものは何か?
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「電子自治体化」―石川県A市にみるその実態

 日本政府は、昨年一月に「e―Japan戦略」をうちだした。二〇〇五年には世界のなかでITの最先端国家になることを目標に掲げて、「電子政府・電子自治体」構想の実現にむけて各自治体の「電子自治体化」を急ピッチでおしすすめている。
 A市当局は、「電子自治体化」の推進では全国に先駆けていると自負している。「電子市役所の実現」をうたいあげるA市当局は、すでに市庁舎内にLAN(構内情報通信網)を張りめぐらして、ノートパソコンなどLAN端末パソコンを市職員全員に一台ずつ支給した。これを基礎に、A市当局は「行政事務の電子化」と称して、「文書管理システム」「電子決裁システム」「財務会計システム」さらには「勤務管理システム」などのプログラムをどしどし導入し、行政事務の「簡素化・効率化」という名の業務の再編・事務労働者の削減に突進している。
 そのもとで働くわれわれ公務労働者に仕掛けられている攻撃は、実に過酷で許し難いものである。
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「経営分離」の名による並行在来線の切り捨て
九州新幹線の部分開業の意味するもの

 JR九州会社は、九州新幹線・鹿児島ルートの部分開業(二〇〇三年度末)を、一切の矛盾をJR労働者、沿線住民におしつけるかたちで強行しようとしている。「新幹線は地域経済の発展と生活領域の拡大を図る」「利便性の飛躍的向上」を謳い文句にしながら。
 しかし、謳い文句とはうらはらに現実には、会社当局はJR労働者の大幅な要員削減と労働条件の改悪を、また経営分離される並行在来線の沿線自治体の住民には不便さと負担増とを強要しようとしているのだ。
 JR九州に働く労働者は、このようなJR九州会社による新幹線部分開業にともなう諸攻撃に反対してたたかうのでなくてはならない。

以下、見出し

新幹線部分開業に伴う経営赤字ののり切り策

労働者への人員削減、労働強化、強制出向と労組破壊攻撃

沿線住民にのしかかる負担増と生命の危機

職場から反撃の闘いを!
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三人寄れば…
スパイ・盗聴・予防拘禁……やりたい放題

 その昔、「マッチ一本警職法」といわれたそうだ。そのデンでいうと、「三人寄れば共謀罪」――てところか。
 九月三日、森山法相は、「共謀罪」を組織犯罪対策処罰法に新設する諮問案を法制審議会に提出した。来年の通常国会に法案を提出し成立をはかるという。
 法務省が新設をたくらんでいるこの「共謀罪」とは、いったいなにか。現行法規では、「法」を犯す行為が実際になされたときに、はじめて、その「違法行為」を処罰の対象としている。ところが今回の諮問案では、「犯罪行為」がおこなわれたか否かにかかわらず謀議そのものを犯罪(「共謀罪」)とみなして罰するというもの。
 そもそも、「謀議」なるものを、どのようにつかむのか? 盗聴やスパイ行為をやらないかぎり不可能ではないか。だから、「共謀罪」の適用は、国家権力=警察・検察による盗聴やスパイ行為のやりたい放題を前提にしたものなのだ。こんな暴挙を許してなるものか!
 しかも、「犯罪行為」がおこなわれていないにもかかわらず、なにをもって事前の計画や謀議を「犯罪」とみなすのか。捜査する側は、テメエの都合のいいようなさじ加減で「犯罪の謀議」なるものをつくりあげてどしどしと「犯罪」を捏造していくためにこそ「共謀罪」を設けようとしているのだ。
 「共謀罪」で処罰の対象とされるのは、一年以上の懲役か禁固を罰則としている「犯罪」(覚せい剤の譲渡など)までにおよぶ。軽犯罪法違反いがいのほぼすべての「犯罪」について、その「謀議」が処罰の対象とされているのだ。
 たとえば、権力者に抵抗したり反対する団体の成員が、あるところに集まって打ち合わせをしたとする。それだけで、これを「犯罪行為」をやるための「謀議」とみなして逮捕する。さらに、警察が「謀議の捜査」という名目で労働者・市民の会合、集まりを「監視」する。やりたい放題だ。
 要するに、権力者の意にそわない労働運動や市民運動の担い手たちを、「共謀罪」をでっちあげて、つぎつぎに牢獄にぶちこもうという企みだ。刑罰は、四年から五年以下の懲役か禁固が科せられるという重刑。「共謀罪」の新設は、戦前の治安維持法の予防拘禁(権力者どもが治安を乱すとみなしたものにたいしては、予防的に身柄を拘束することを合法とした)を彷彿とさせる。
 9・11事件以後、ブッシュの「反テロ戦争」に加担し米英と足並みをそろえて、イラク侵略に参戦する意思をかためている小泉政権。ブッシュの提灯持ちコイズミは、イラク侵略戦争やイスラエルのパレスチナ侵攻に反対するすべての諸組織――市民団体・労働組合そして左翼組織――を「テロ組織」とみなして根絶やしにしようとしているのだ。
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