第1767号(2003年5月5日)の内容

<1面>
米帝のイラク軍事占領・支配を打ち砕け! 有事法制定断固阻止!
「復興人道支援」の内幕―イラク植民地化の策略

4・27 怒りのデモ、首都中枢を席巻!

<4面>
軍国主義帝国の世紀の犯罪
「イラク民主化」の名による皆殺し戦争

<5面>
アメリカ戦争経済≠フ危機

<2面>
イージス艦出撃阻止佐世保現地闘争(4・10)
大阪「反戦WALK」(4・6、4・12)

ワールド・ピース・ナウ渋谷(4・19)
焦点 破綻する米軍のアフガン空爆支配

<3面>
イラク復興乗っかり組≠フ腹黒謀議
プーチンの繰り言 アブラも、メンツも=c
3・23労学統一行動を闘って

<6面>
学習ノート 《反幹部闘争》について
Topics 急増するホームレス

<7面>
「心ある人よ、わが素顔をみよ!」を読んで
「無駄」から学んだこと
〈投書〉 反北朝鮮キャンペーンに怒る

<8面>
マルクスのヒューマニズムをわがものに
革マル派創成期の組織づくりに学ぶ

万華鏡は休載し週間日誌は3面に掲載します
「解放」最新号

 
























































    

米帝のイラク軍事占領・支配を打ち砕け! 
有事法制定断固阻止!


 軍国主義帝国アメリカによるイラクの軍事占領と直接統治の開始にたいして、イラク人民の新たな反撃の闘いが高揚している。フランクス司令官とガーナー元陸軍中将が四月十日にナシリヤで開催した暫定統治機構の第一回準備会合は、二万人のデモ隊に包囲された。「反米」の旗幟を鮮明にした数百万のシーア派ムスリム大衆は、聖地カルバラを熱気に包みこみ、ブッシュ政権の心胆を寒からしめている。スンナ派とシーア派との宗派の違いを超えて、早晩、反米の武装ゲリラ闘争が再開されるにちがいない。米軍のイラク占領・支配は、早くも暗礁にのりあげている。だが、そうであるからこそ、ネオコン一派が主導するブッシュ政権は、シリアを化学兵器を保有していると名指しで恫喝し、つづいてイランにたいしてイラクに工作員をおくりこんでいると非難した。彼らはいま、中洋イスラム世界全域への侵略戦争拡大の野望をむきだしにしているのだ。
4・27 怒りのデモ、首都中枢を席巻!
「侵略戦争を支持し有事法の制定をたくらむ小泉内閣を
打倒せよ!」――全国各地の闘いと連帯して首都の労学が
戦闘的デモをたたかいぬいた

 折しも四月二十三日に、米・朝・中の三ヵ国協議の過程で、北朝鮮代表の李根(リグン)外務省米州局副局長は、ケリー米国務次官補に、「北朝鮮はすでに核兵器を保有している」と伝えた。米英軍の対イラク侵略戦争が開始されて以降、完全な沈黙を守ってきた金正日指導部は、フセイン政権が米英軍によって軍事的に壊滅されたのをみてとって、国家的生き残りをかけた新たな捨て身の外交政策にうってでた。金正日は、ブッシュ政権内ネオコン派の神経を逆なですることを百も承知のうえで、核兵器の保有を公然化≠キることをもって、当面する米朝交渉の主導権を握ることを狙ったのだ。
 ブッシュ政権は、当面は外交的手段をつうじての平和的解決を目指すとしながらも、今一人の「ならず者」金正日のこの捨て身の対応に不快感を露わにした。小泉政権は、この事態を追い風として利用し、再び三たび「北の脅威」を煽りたてながら、有事関連三法を民主党の協力をとりつけつつ今国会中に成立させようと突進している。米英軍のイラク軍事占領以後、アジア情勢も一挙に危機的様相を強めている。
 すべての労働者・学生諸君!
 ネオコン一派が主導する「一超」軍国主義帝国は、イラク侵略戦争に「勝利」することをもって、いよいよ第五次中東戦争―第三次世界大戦の導火線に火を放った。ウールジー元CIA長官は、「第四次世界大戦」をさえ公然と呼号しているのだ(四面参照)。
 今こそ反米闘争を不屈にたたかうイラク・中洋人民と連帯し、アメリカ帝国主義のイラク軍事占領・支配を打ち砕け!「復興支援」の名による自衛隊派遣を許すな! 有事法制定断固阻止!「反北朝鮮」の民族排外主義的煽動を許すな!「国連主導の戦後復興」をお願いする社・共既成指導部をのりこえて、反戦・反安保闘争の新たな前進をかちとろう!



「復興人道支援」の内幕―イラク植民地化の策略

「中東民主化」への拠点づくり

 米国防総省イラク復興人道支援室(ORHA)室長ガーナー ついに来たぜ、バグダッド。ここバグダッド国際空港をはじめ、イラク四基地を足場にして、シリアもイランも「民主化」しちゃうもんね、フフ。シャラ(シリア外相)の野郎、「中東を大量破壊兵器の非保有地域に」なんてイスラエルの核兵器を暴きたてやがった。われわれの非難を逆手にとって……まったく、シャラくせぇ! アラファトの野郎も、やっとアッバス(パレスチナ自治政府新首相)を認めたな。ズバぬけた力を見せつければ、あんなテロリストなんざぁイチコロだ! 大統領の「ロードマップ」もこれで足場が整ったなぁ。イラクとパレスチナを両にらみ、それがオレ様の使命ってもんだ。……
 さぁて、フセインを倒したシンボル=大統領宮殿で指揮をとるフランクス司令官に御挨拶でもしてくるかな……おっと、その前に、病院を見舞って人気取りしとかなくっちゃ! 今のミーは陸軍中将じゃなくて文民だからな、ブ・ン・ミ・ン! フランクスがコーンパイプくわえて――戦後日本占領軍のマッカーサー元帥みたいに――陣頭指揮をとってしまったら、わが軍による直接統治、イラク植民地化なぁんて思われちゃうからなぁ。二人羽織≠ンたいに、ちゃんとお役目はたさなきゃ。

以下、見出し
「解放」の名による人民皆殺し・全土焦土化

文化破壊と石油資源の略奪
Top
 

   

軍国主義帝国の世紀の犯罪
「イラク民主化」の名による人民皆殺し戦争

 ありとあらゆる無理無法を力ずくで押しとおし、圧倒的なハイテク兵器で無(む)辜(こ)の民を次々と殺戮して、「一超」軍国主義帝国は、ついにサダムの政権を倒壊に追いこんだ。二十一日間にわたってイラク全土に猛爆撃を加え、イラク軍兵士・人民の勇猛な反撃に直面していったんは算を乱しながらも、米英の侵略軍は、ありとあらゆる大量殺人兵器を投入することによって軍事的「勝利」を掌中にした。メソポタミアの大地と母なるチグリス・ユーフラテスの流れを人民の血で染めながら、洋鬼(ヤンキー)帝国主義権力者は、二十一世紀現代の幕開きにおいて、その憎むべき侵略と支配の歴史に新たな一頁を書き加えたのだ。
 だが、われわれはあらためて言わなければならない。米英軍の一時の勝利≠ヘ、長い戦乱の始まりではあっても、決して侵略者どもの安泰を保障するものではない。アフガニスタンにつづいてくりかえされたウォーモンガーどもの暴虐にたいして、いまこそ軍事占領・支配に反対する反米闘争の、そして国際的な反戦闘争の嵐のような高揚をもって応えなければならない。流されたイラク人民の血は、アングロ・アメリカン帝国主義権力者どもの恥多き死をもってあがなわれなければならない、と。
 アメリカ帝国主義ブッシュ政権はイラク全土を軍事的に占領し直接統治を開始しただけではない。シリアやイランを名指しで非難して、中東全域への戦火の拡大にのりだしつつある。この策動にたいして、今、怒りに燃えたムスリム人民は、スンナ派とシーア派の違いを超えた反米闘争の新たな高揚をもって応えようとしている。この闘いと固く連帯して、われわれは、さし迫る第五次中東戦争―第三次世界大戦の危機に警鐘を乱打しながら、この日本の地から革命的反戦闘争の新たな高揚を断固として切り拓かなければならない。

以下、小見出し
「国連決議」さえかなぐり捨てた反米国家掃討戦

むきだしの植民地主義的支配

第五次中東戦争―第三次世界大戦の幕開き
Top
 

     

イラク侵略が招いたアメリカ戦争経済≠フ危機

 米英の侵略軍は、バンカーバスター、デイジーカッター、クラスター爆弾、劣化ウラン弾、精密誘導弾などの大量殺戮兵器をイラク軍・人民の頭上に雨あられとぶちこみ、数万人いや数十万人を血の海に沈めた。この悪逆無道のジェノサイド攻撃によってフセイン政権は崩壊に追いこまれ、無念にもイラクは憤死した兵士・民兵・人民の屍が横たわる焦土と化した。われわれは、米英帝国主義のこの世紀の蛮行を断じて許してはならない。
 フセイン政権を倒壊に追いこんだアメリカ帝国主義はいま、イラク全土を米軍権力の専制支配のもとにくみしき、半永久的に植民地支配下におくことを狙った策動を開始している。ブッシュのアメリカのこの策動こそは、「イラクの民主化」を名分として強行した侵略戦争の本質を、アメリカ権力者のドス黒い企みを如実にさらけだしているではないか。イラクを中東におけるアメリカ帝国主義の政治的・軍事的支配を築きあげる橋頭堡とするとともに、イラクの潤沢な石油資源を全的に強奪すること。また、景気後退・不況圧力の増大にみまわれているアメリカ経済を立て直し軍需生産を活性化させること。これらを目的としてブッシュ政権は、残忍無比のイラク軍事侵略を強行したのである。
 ところが、どうだ。フセイン政権倒壊後も、アメリカの株価は低落したままで、いっこうに上昇していない。この事態こそ、アラブ・中洋におけるムスリム人民の反米・憎米の闘いの高まりという事態とともに、ブッシュ政権のイラク侵略戦争がアメリカ帝国主義の墓穴を掘ったことを象徴的に示している、といわなければならない。

以下、見出し
T 戦争勝利=株価上昇♀阮]の破綻

U 多重苦に見舞われるアメリカ経済
Top
 

  

イージス艦出撃阻止佐世保現地闘争(4・10)
 4・10佐世保――イージス艦「こんごう」出撃阻止に決起。九共闘が地区労と固いスクラム
 米英軍がバグダッドを軍事占領した四月十日、小泉政権はこの時とばかりに、イージス艦「こんごう」を二隻の自衛艦とともに佐世保からインド洋に出港させた。全学連九州地方共闘会議の学生は、既成左翼指導部の闘争放棄を弾劾し、佐世保現地でたたかう労働者と固く連帯して、イージス艦出撃阻止の現地闘争に断固として決起した。
出港する「こんごう」に抗議のシュプレヒコールをあげる労・学 (前畑埠頭)
海自総監部前を戦闘的に席巻


4・22、24、国会前に「有事立法粉砕」の声轟く
 首都圏のたたかう学生たちは四月二十二日と二十四日の両日、「陸・海・空・港湾労組二〇団体」などが呼びかけた衆院第二議員会館前路上集会に参加し、「有事法制廃案」の決意に燃える労働者と連帯して怒りのシュプレヒコールを国会に叩きつけた。


大阪「反戦WALK」
(4・6、4・12)
四月十二日、国際統一行動にたちあがった全世界の労働者人民と連帯して、大阪経済大、奈良女子大、神戸大のたたかう学生たちは「反戦WALK2」を呼びかけ、大阪市中心部の御堂筋を席巻するデモ行進に勇躍決起した。横断幕を先頭に力強く行進(4月12日、心斎橋)
Top

  

〈有事法〉の裏を読む……イラク復興乗っかり組≠フ腹黒謀議
官邸のなかの恥じない面々

 首相・小泉 感無量だなぁ。ブッシュ大統領から「イラク国民による国家建設という崇高な努力のパートナーとして、日本が可能な限り貢献することを期待する」というメッセージをいただいた。戦勝国なみの厚遇だよ。これに乗っからない手はない。
 自民党幹事長・山崎 ワンワンと吠えれば復興受注≠フ一つや二つ、投げてくれますかな。コイヌミ……もとい、コイズミ内閣の支持率もこれで下げ止まり。それにしても「古い欧州」の連中は形無しですな。ハッハッハ。
 小泉 いや、わが国は世論を無視して「主体的に」イラク攻撃を支持したまでだ。オレ、正直ホッとしたよ。反対派が「ノー・ウォー」とか言ったって、「連合」のボス連中が一生懸命おさえて回ったおかげで、オレの政権はまあ何とか安泰(あんたい)だったもんなぁ。本当は、「構造改革」も口先だけで株価を半分にした首相≠セなんて教科書に載るとこだったよ……ヤレヤレ。
 内閣官房副長官・安倍 山崎せんせい……
 山崎 (ドキッ)そ、その呼び方はしばらく遠慮してくれないか。心臓に悪いんだ。

以下見出し
「北朝鮮の脅威」煽れば野党はイチコロだ!

「戦争ができる国」へ羽ばたけるぞ!
Top