第1768号(2003年5月12日)の内容

<1面>
有事法・イラク新法の制定阻止!
米軍国主義帝国の中東全域への侵略拡大・植民地化を粉砕せよ

全学連・反戦 米大使館・首相官邸にデモ
4・27イラク占領・支配に怒り爆発

<4面>
国連依存主義のなれの果て
イラク問題 日共式代案≠フ虚妄

<5面>
AFL‐CIOスウィーニー指導部の歴史的大裏切り

<2面>
全国でイラク占領反対・有事立法阻止の炎燃ゆ
 沖縄/札幌/金沢/鹿児島

<3面>
辺野古新基地建設・ボーリング調査阻止!
5・15反戦・反安保闘争の高揚を
「共謀罪」立法化を阻止せよ!
漫画 軍事予報の時間です

<6面>
学習ノート 《反幹部闘争について》下
詩 40年そして155年の歴史を今に

<8面>
マルクスのヒューマニズムをわがものに――「プロレタリアの疎外とは何か?」を学習して 下
◆グラウンド ゼロにて

<7面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
老博士の怪気炎
千のためいき、千の涙、……
これでも反戦論の旗手=H
議席ガタ減り
「報道管制」反対?

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号

 





















































    

有事法・イラク新法の制定阻止!
米軍国主義帝国の中東全域への侵略拡大・植民地化を粉砕せよ

 幾千人ものイラク兵士・人民の血しぶきを浴びたアメリカ軍国主義帝国の大統領ブッシュは、五月一日に、カリフォルニア沖に浮かぶ米空母リンカーンの艦上において、これみよがしに「対イラク戦闘の勝利」を宣言した。わざわざイラク帰りの空母に戦闘機で着艦するという国民向けのパフォーマンスを演じつつ、この戦争屋は、バンカーバスターやデイジーカッターなどを使ったあの大殺りく戦争を、「われわれは自由の大義と世界平和のために戦った」などと意義づけてみせた。おお!「自由」とはイラク人民を虐殺する自由だったのだ。
イラク侵略に協力・加担する小泉政権を打倒せよ!
 首都中枢のデモに出発する全学連と反戦の部隊

(4月27日、芝23号地)

 四月二十七日に、全学連と反戦青年委員会は、首都・
東京において、<アメリカ帝国主義のイラク軍事占領・
支配粉砕! シリア・イランへの戦争拡大を許すな!>
<有事立法阻止!>を掲げて、一大デモに決起した。

 それだけではない。ブッシュは、「捕らわれの者たちよ、出よ。暗闇の者たちよ、自由になれ」という旧約聖書の預言者イザヤの言葉を引きながら、イラク侵略戦争を「人々に自由をもたらすための大悪魔との戦い」などと聖化したのだ。――このイザヤの言葉は、バビロンに捕らわれたユダヤ人を自由にせよ≠ニいう意味であり、ユダヤ人国家イスラエルに「自由あれ」という含意にほかならない。
 すべての労働者・学生諸君! 傲(おご)り高ぶるブッシュ政権は、イラクを米軍専制下におき、石油資源を丸ごと強奪しようとしているのだ。これに全面的に協力・加担しているのが小泉政権なのである。彼らは、ブッシュ演説に拍手を送り「米英連合軍」(侵略軍だ!)にたいする「敬意」を表明してみせた。それだけではなく、有事法やイラク新法の制定を今月中にも強行しようとしている。
 今こそわれわれは、「一超」軍国主義アメリカによる、「中東民主化」を大義名分とするイラク占領支配・中東全域への侵略拡大・植民地化を阻止しよう! 小泉政権の有事法・イラク新法の制定を断固阻止しようではないか!
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国連依存主義のなれの果て
「イラク復興支援」をめぐる日共式代案≠フ虚妄

 代々木共産党の不破・志位指導部は、米軍のバグダッド占領いこう一週間以上も沈黙しつづけたのちに、四月十七日になって、ようやくにしてオズオズと常任幹部会声明を発表した。「米国による新しい植民地主義を許さない――イラク復興は国連主体で」と題されているように、この声明では、「イラク復興」にむけて、各国権力者がいかに臨むべきか、いかにかかわるべきかという観点から「国連主体のイラク復興支援」なるものを米軍の「無法な軍事占領統治」による「イラク復興」にたいする代案としてうちだしている。声明の特徴は次のようなものである。
 まず声明では、「無法な戦争」とか、「無法な軍事占領統治」とかというように「ムホウ」という言葉がシャックリのように十三回も乱発されている。「国連憲章違反の」ということしか意味しない「無法な」という形容詞をもって米英のイラク侵略戦争と軍事占領・支配にたいする批判にとってかえているのだ。しかもまた、「国際社会」という言葉が主語として頻繁(ひんぱん)に使われている。各国権力者とりわけ核大国と称せられる国連安保理常任理事国の各々の利害にもとづく相互反発・相互瞞着によってつくりだされる国際的な権力政治の世界をしか意味しない「国際社会」なるものを主語にして、「イラク問題」にたいする各国権力者のとるべき「原則的立場」が声明の全体をとおして提示されているのだ。
 そしてこの反面として、当然にも現にいまイラク現地において「ヤンキー・ヤンキー・ゴーホーム」と叫びながら米軍にたいして死をも賭してたたかいぬいているイラク人民をはじめとするアラブ・ムスリム人民の反米闘争や世界各国の労働者・人民の反戦闘争の高揚については、まったくもって触れられてはいないのだ。代々木中央官僚どもの立場と関心が、どこにあって、どこにないのかが、ここに赤裸々に自己暴露されているのである。

以下、見出し

「復興支援」の土俵へのはまりこみ

怒りと憎しみの欠如

国連依存主義の大破綻の隠蔽

侵略者・米英の免罪

「戦争のルール」を「平和のルール」と言い換え

「新しい植民地主義」のまやかし
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全国でイラク占領反対・有事立法阻止の炎燃ゆ
那覇市街で道ゆく市民にアピールする闘う学生
(4月29日、沖縄全県学生マーチ)


横断幕を先頭に札幌市街を進撃(4月27日、北海道反戦学生デモ)


イラク侵略への怒りにみなぎり金沢市街を意気高く
反戦WALK(4月27日)
 創意工夫したプラカードを掲げて行進
(4月27日、金沢市竪町付近)


夕刻の鹿児島市街を鹿大生がアピール大行進
(4月24日)
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グラウンドゼロにて
イスラム青年戦士たちと面々あい対して

 真っすぐにWTCビルがあった場所に向けて歩きながら、頭の中で私は、9・11事件直後にTVにうつしだされた映像を見た。ほこりまみれになった道、ビル、道をうめる黒煙。たった今さっきまで眼前にそびえたち、自分たちを睥睨(へいげい)していたそのビルが崩れた! そこにあるのは瓦礫の山! 私はその場所に向けて歩きながら、ここだ、ここなんだ、私が今歩いているこの場所なんだ、とくり返しつぶやかずにはいられなかった。
 比較的高い建て物が並んでいる中で、そこだけ不自然に広く開いた空間がむこうに見えた。同時に無造作におかれたフェンス・瓦礫で足止めをくらった。ペンキでコンクリートのかたまりにrough(ラフ)に書かれた文字が「行き止まり」だったか「通行止め」だったか思いだせない。とにかく、先の展望もなく放置された工事現場といった様相。
 そのまま左に折れてまたすぐ右に。ここだ、ここなんだ。九月十一日にイスラム青年戦士たちが、彼らのジハードのためにわが身を武器にしてつっこみ、アメリカ帝国主義を恐怖と動揺のど壺におとしいれたまさにその場所に、私はついに立った。ここが全世界人民の生き血をすって肥え太ってきたヤツらの富の象徴、金融の中枢だったところだ。
 今はどうだ。みじめったらしくたれ下がったうす汚れた星条旗。「グラウンドゼロ」のまわりにはりめぐらされたフェンスには、マンハッタンの発展の歴史なるものがはりだされていた。それと並べてHeros≠フ名前。恐怖と動揺をなんとかとりつくろおうと必死になっているアメリカ帝国主義の姿を私はそこにみた。
 その向こう側はどうだ。シートに覆われていて、私が立った位置からは見えないものの、いまだ瓦礫が積み上がっているか、大きな穴があいているか、とにかくそこに、かつてのWTCに象徴される繁栄≠フ痕跡も残されていないことは想像に難くない。私はこの場に立って、彼らイスラムの戦士たちの顔を思いうかべ・想像しながら、その闘いの意義を再び三たびかみしめずにはいられなかった。
 この「グラウンドゼロ」の場に立って、考えたことを書きとめておきたい。
 第一にうけた印象は、「グラウンドゼロ」とはなんともみすぼらしく地面にへばりついているような場所だということだ。9・11事件から約一年半、平日の午後だというのに、工事車両がきしみ音をたててだらだらと動いているだけ。見学に集まっている人たちは、みな空を見るような目をしている。アメリカ帝国主義がうけた一撃、この一撃が、実にどれだけ大きなものだったのかを感じることができる。
 しかし、それだけでは言いつくせないものがある。同時に、私は爛々(らんらん)たる何か≠、その場所から感じた。とても日本人的な感覚かもしれないが、私は彼らイスラムの青年戦士たちの骨が現に今もここにあり、アメリカ帝国主義の胸ぐらをつかんでおさえつけているように思ったのだ。「テロ」への恐怖にかられながらハイテク兵器にものをいわせて「対テロ戦」に突進するアメリカ帝国主義のあがきを、彼らは死してなお地面にたたきつけているように思ったのだ。(それは同時に彼らにとどまらず世界各地で戦争放火をくりひろげているアメリカ帝国主義への反逆の闘いにたちあがっている労働者人民の闘いでもある。)そして彼らに、「さぁ、君たちマルクス主義者はどうするのだ」と――。
(二月二十八日)
   *   *   *
 問われている≠ニ書き続けようとしたが、この時、この一言で言いつくせない思いにかられ、書けなかった。自爆攻撃にうってでた彼らイスラムの青年戦士たちと、「グラウンドゼロ」にて面々あいたいし、私は、アメリカ帝国主義にたいする怒りが身の内にうずまくのを感じた。同時に、彼らの告発を一身に受けた、そんな思いであった。そしてこのアメリカ帝国主義を足元からつきくずす力を、核となる部分を、ここアメリカで、アメリカの労働者・学生とともに創造したい、創造する。この闘いをもって、彼らに応えたい、そう思った。
 そして、アメリカの地での闘いから、再び場を日本にうつした今、あらためて、彼らに決意をもって応えたい。われわれ日本の反スターリン主義革命的左翼は、9・11事件を契機にたちあがった労働者とともに、闘いを開始した。必ずや、アメリカ帝国主義をうちたおすと。
(四月二十五日)
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老博士の怪気炎
NATOも国連も割ってやるゥ!

 「読売新聞」四月二十日のコラム地球を読む≠ノ、元米国務長官にして現大統領補佐官ライスの指南役キッシンジャー博士が登場。見出しに「米欧関係の修復」、「再び『共通の足場』を」、「『一国主義』論議は不毛」とある。はて、囂々(ごうごう)たる非難を浴びつつ暴走する狂った巨象をたしなめるべく、八十にもなる御意見番がお出ましかと思いきや……これもまた象の群のうちの一頭だった。
 チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォビッツのタカ派トリオだって、ブッシュ政権内にあるがゆえに少しばかりは歯に衣(きぬ)を着せる。けれども面倒な配慮を必要としない老ヘンリーは言いたい放題。
 矛先はシラクのフランスとシュレーダーのドイツ。「米大統領が自国民の生命をかけて遂行しようとしていた政策に反対するよう、世界中をそそのかした。」ヨクモヤリヤガッタナ! と始まる。「国連安保理で米国に反対票を投じると宣言したこと自体、前例がない。」イツカラソンナデケェ口(くち)を利(き)ケルヨウニナッタンダ?「半世紀にわたる同盟関係を無視して、遠い他国の首都を飛び回り、米国の政策を邪魔する外交攻勢をかけた。」「これは重大」ダゾ! 解ッテルダロウナ! 経済指南を送りこんで奈落からの脱出に力を貸してやった恩を忘れられない筈のあのロシアさえもが「冷戦後かつてないほど露骨に、米国に盾つこうとした」ジャネェカ!「本末転倒の外交努力だ」「国連という機関を用いて米国の孤立化を図るのは不遜な行為だ」イイカ、不遜ナノダゾ!……こういう調子の恫喝のオン・パレード。
 はたまた古証文(?)のようなものを持ちだしての怨み言。「第二次世界大戦による欧州解放」は誰のオカゲダ? 恩知ラズ奴(め)!「戦後復興のためのマーシャル計画」を忘レタノカ!
 「確かに、緊急事態の中で米国は、対外協議をいくらか省略した。時には、正義を振り回し過ぎるように見えたかもしれない。」だが、「仏独が好んで挑戦する」ならソレマデよ。NATOも国連も割ッテヤルゾ! EUブッカキに容赦はシナイゾ! と、恫喝ならぬ本音をあからさまにぶちまけている。「NATOはその性格を変え、米欧関係を肯定し続ける諸国の道具となるだろう。」「米国は、米欧関係を堅持し続けるNATO主要諸国とともに、時に応じて連合を形成せざるを得なくなるだろう。」……それじゃ、あの大見出しはどういうこと? と思いそうだ。
 けれどもこの男のいう欧州とは、ベルギーやルクセンブルクを従えた仏・独などは除いたそれ、アメリカの言いなりになる欧州であり、それとの「共通の足場」なのだ。中・東欧諸国に「イラク解放委員会」(CLI)というネオコン派のフラクションをつくって、これをテコにして、これら各国にアメリカ支持を表明させたように。
 「予見しうる将来、米国の軍事的優位が国際関係の大前提となる」、「場合に応じた先制攻撃の必要性を容認すると同時に、各国の勝手な解釈を許さないような諸原則」を確認すればよろしい。「米国は、その気にさえなれば、現在の支配力を活用して、国際的な総意づくりに邁進することもできる」のだ。「欧州同盟諸国がその精神に唱和するなら、一国行動主義と多国間主義との対立論議を、単なる言葉の争いで終わらせることができるだろう。」 驕りスゴンだこの言葉が結論で、このコラムの締めくくり。
 いやはやこんなにも見事に、アメリカにあらざれば人に非ず≠フ根性は軍国主義帝国ヤンキーの支配階級に「共通の足場」として根付いている。ブッシュやその政権内の気狂いトリオに反発し「慎重派」に期待を寄せる世の良識派≠フ愚かさを嘲(あざわら)ってもいるではないか。
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