第1773号(2003年6月16日)の内容

<1面>
イラク派兵法制定を阻止せよ
有事法制定弾劾! 日米軍事同盟の強化反対!
6・15労学統一行動に総決起せよ


<4〜5面>
米軍国主義帝国の「中東和平」工作
◆解説「ロードマップ」
自動車独占体
生産過程の新たな技術化


<2面>
有事立法粉砕! 総力で決起
6・5―6闘う学生 参院前で連続闘争
5・17大阪平和人権センター集会
5・11愛知県民集会で労学が奮闘

<6面>
リポート労働戦線
 NTT西日本 新たな広域配転・職種転換
 25歳の女性看護師が過労死
 石川県平和運動センター集会に参加して
Topics 高失業・超低賃金・年金削減

<7面>
03春闘の敗北をのりこえ新聞労働運動の再構築を
「連合」「地域完結型ユニオン」の提唱

<8面>
「ウンコロジー」再読
『黒田寛一のレーベンと為事』を読んで
祖国防衛主義に抗して (第3回)

<3面>
万華鏡2003――情勢の断層を読む
私のヒ・ミ・ツ
老兵は死なず
「救出劇」の真相
怪し気な「点と線」
トンデモ本『Zの研究』

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号

 













































    

イラク派兵法制定を阻止せよ
有事法制定弾劾! 日米軍事同盟の強化反対!


6・15労学統一行動に総決起せよ


 ネオ・ファシスト小泉政権は、六月六日の参院本会議において、ついに有事三法=侵略戦争法を、労働者・人民の反対の声を踏みにじって、与党三党と民主党・自由党の賛成のもとに可決・成立させた。それだけではない。今日版大政翼賛会に支えられた小泉政権は、有事法が成立するやいなや、ブッシュ政権の安保同盟にもとづく対日要請に応えて、イラクを軍事占領する米英軍の「後方支援」部隊=治安維持部隊として陸上自衛隊一〇〇〇名を派遣する、とぶちあげた。そのために彼らは、「イラク復興支援法」という名のイラク派兵法を、国会会期を四十日間ほど延長してでも今国会中に制定しようとしている。
 「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上部隊を送れ)――ブッシュ政権は、「友邦同盟」の二番弟子≠スる小泉政権にたいして、目に見える「イラク戦後復興への貢献」すなわち「フット・ソルジャー」(歩兵部隊)の派遣を求めてきた。これにたいして「日米同盟こそ最優先」という姿勢をとる小泉政権は、「国力に応じた貢献」(日米首脳会談)の名のもとに、ポーランド・イタリア・ハンガリーなどに続いて軍靴を打ち鳴らしイラクに兵を送ろうとしている。<仏・独・露>に対抗して、「イラク戦勝国」六十六ヵ国を基礎に<米・英(・日)>主導の第二国連結成をも企むとともに、中東全域に<民主化の輸出>を企むアメリカ軍国主義帝国。この一超帝国およびブレアのイギリスと三国同盟=ハーケンクロイツ同盟≠結び、この契りにもとづいて「ならず者国家一掃」「対テロ」を金看板とする「ブッシュの戦争」の一翼を担うことを、日本帝国主義・小泉政権は決意し突進しているのである。
 バグダッド占領から二ヵ月を経た現在、米英占領軍にたいしては、「アメリカは出ていけ!」と叫ぶスンナ派とシーア派諸勢力が合同デモを敢行している。しかも、地下に潜ったサダム軍がティクリート、バグダッドなどでロケット弾や小銃を使ってのゲリラ戦を米軍に仕掛けている。まさに「イラクのパレスチナ化」の様相がますます濃化している。そしてパレスチナでは、アメリカ主導の「ロードマップ」にもとづく「和平」交渉――「オリの中の自治」以下のそれ――に抗して、戦闘的パレスチナ人民が反米・反イスラエルの闘いを不屈にたたかいぬいている。(四面参照)
 すべての労働者・学生諸君! われわれの断固たる闘いにもかかわらず、有事法制定粉砕の闘いは一敗地にまみれた。民主党の戦争翼賛政党としての公然たる登場と「より完全な有事法」を求める「連合」労働貴族どもの闘争抑圧、「北朝鮮の脅威」宣伝に屈服した社共の腰くだけ。――このような既成指導部の底知れぬ腐敗にわれわれは怒りを新たにしている。彼らはまた、イラク新法制定の策動にも唯々諾々と屈服しつつある。彼らの屈服と闘争歪曲をのりこえて、われわれは、イラク復興支援法=イラク派兵法の制定阻止・自衛隊の派兵阻止の闘いを創造するのでなければならない。イスラミック・インターナショナリズムにもとづいてたたかうイラク・中洋人民と連帯してたたかおう。6・15労学統一行動に全国津々浦々で総決起せよ!
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米軍国主義帝国による力ずくの「中東和平」工作

 対イラク戦争の勝利におごり高ぶる軍国主義大統領ブッシュは、エビアン・サミットを途中退席して中東におもむいた。そうすることによって彼は、アメリカのイラク戦争に反対しつづけたフランスのシラク大統領の顔に公然と泥をぬった。親米<Aラブ諸国首脳との会談(六月三日、エジプトのシャルムエルシェイク)、イスラエル・パレスチナの両首相との三者会談(六月四日、ヨルダンのアカバ)においてブッシュは、「中東の平和と民主化に重要な進展をもたらした」などと、その成果を自画自賛してみせた。
 イスラエルのシャロン右派政権が拒絶しつづけてきた「パレスチナの独立国家樹立」を、シャロンに認めさせたこととひきかえに、パレスチナ自治政府の首相アッバス(通称アブ・マーゼン)には、「テロと暴力の停止」の名のもとに、パレスチナ民衆の抵抗闘争=インティファーダの禁圧を表明させた。彼は、パレスチナ自治政府の実権を握ってきたPLO議長アラファトを棚に上げ、アッバスにパレスチナ自治政府の代表としてイスラエルの占領にたいする闘いを一切放棄することを宣言させた。これらをもってブッシュは、EU諸国やロシアはもとより国連すら介入させることなく、アメリカが単独で中東和平交渉を取りしきる姿勢を誇示した。「私はカウボーイだ、牛や馬を思いどおりのところに連れていくのが仕事だ」などと彼は、諸国家権力者をムチの力で従わせていることを恥ずかしげもなく語っているほどなのである。
 フセイン政権を打倒した軍事力をカサにきて、自治政府の権力者の首を実質上すげかえ、パレスチナ人民の意志をふみにじってみずからの中東支配の狙いをつらぬこうとするブッシュ政権。この軍国主義帝国の傲慢極まりないやり口は、パレスチナの、そしてアラブの、ムスリム民衆の激しい怒りをかきたてずにはおかない。イラク人民への大虐殺をおこなったアメリカ帝国主義への憎悪に燃えているアラブ・ムスリムの民衆は、アメリカとイスラエルによってますます苦境におとしいれられようとしているパレスチナの同胞と連帯して、反米・反シオニズムの闘いに、イスラムの共同体(ウンマ)への攻撃にたいする聖戦(外ジハード)に起ちあがるであろう。そして彼らは、ブッシュの恫喝に縮みあがって、アメリカのイラク軍事占領を是認しパレスチナ人民の闘いの圧殺に手を貸そうとしているアラブ諸国権力者を「アラブの大義」を裏切る背教の徒と見なして、その打倒をめざした闘い(内ジハード)に決起するにちがいない。

以下、見出し
一 フセイン政権打倒の「力」をふりかざすブッシュ

  「中東民主化」の策動

  「一超」支配に反発するシラク

二 アッバス指導部の裏切りに抗して闘うパレスチナ人民と連帯して闘おう
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自動車独占体における生産過程の新たな技術化
極限的労働強化を強いられる労働者


 今日、日本の自動車諸独占体は、世界最大の自動車市場であるアメリカでのシェアをビッグスリー(GM、フォード、ダイムラークライスラー)との競争にうちかって拡大するだけでなく、将来アジア最大の市場となるであろう中国への投資を飛躍的に拡大している。今三月期決算において、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研の三社が過去最高の経常利益をあげ、他の自動車メーカーも相次いで黒字決算をはたした。また、大手部品諸資本も大幅な黒字を計上している。
 このような事態に垂涎した他産業の資本家や御用経済学者どもは、日本経済の全体としてのデフレ・スパイラルへの突入という事態のなかで「なぜ自動車産業だけが強いのか」などと問題をたて、自動車独占体の経営者がとっている諸施策が、日本の諸産業を守り発展させる方式ともなりうるかのように喧伝している。巷間には「トヨタ生産方式の強さ」とか「日産のV字回復に学べ」などという類の駄本があふれている。郵政事業の公社化にあたって郵政当局は、トヨタ自動車の生産管理部門の人間を出向者として迎え入れ、その直接の指導のもとに「ムダを徹底的にとりのぞく」などと称して、トヨタ生産方式を模倣した一大合理化攻撃を振りおろしつつあるほどなのである(本紙第一七七二号、中尾論文参照)。
 だがしかし、日本の自動車産業で働く労働者にとって、これほど屈辱的なことはない。このような「日本自動車産業の強さ」とは、自動車諸独占体の経営者が、大量の首切りと賃下げの大リストラ攻撃を労働者に貫徹し、また下請け諸企業からの収奪を極限的におしすすめることによってもたらされたものであるからというだけではない。独占資本家どもはいま、開発・生産現場で働く労働者たちにたいして、「国際競争力の確保」「労賃が三〇分の一の中国にうちかつ」「原価低減の実現」などという号令のもとに、自殺者をもうみだすことも厭わずに徹底的な労働強化、長時間労働、サービス残業を強制している。このような労働者にたいする搾取のいっそうの強化によってのみ「自動車産業の強さ」は示されているからなのだ。
 われわれは、まずもってマスコミによって完全に黙殺されている、自動車労働者の悲惨きわまる実態を怒りをもって暴露することからはじめなければならない。

以下、見出し
長時間労働、サービス残業、あいつぐ過労自殺

生産工程の技術化の今日的形態

 組み立てラインのコンピュータ管理の強化

 ライン搬送機構・レイアウトの改良

 品質管理の緻密化

労働貴族の支配を打ち破ろう!
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有事立法粉砕! 総力で決起
6・5―6闘う学生 参院前で連続闘争
6・6、たたかう学生が有事法案参院採決阻止に決起。国会前でたたかう労組員と連帯し奮闘
5・17大阪平和人権センター集会
5・17、大阪で有事法案の衆院採決に反対し労・学・市民が力強くデモ(扇町公園) 
5・11愛知県民集会で労学が奮闘
5・11、愛知県民集会で日共系ダラ幹の裏切りを弾劾したたかう(名古屋、白川公園)
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トンデモ本『Zの研究』
監修………警視庁公安部
資料提供…「スパイ通信」


 購読者のほとんどが警察関係者であるがゆえに、普通の本屋ではちょっとお目にかかれない悪質反共雑誌『月曜評論』。この雑誌に連載されていた「Z(革マル派)の研究」なるものが、単行本として刊行された。著者の野村旗守(はたる)という人物は、主に、『正論』『SAPIO』などで、「最大の不審船*恁i峰号を臨検せよ!」とかといった「北朝鮮の脅威」を煽りたてるデマ論文を書き殴ったり、「日本のアンダーグラウンド」を取材テーマとしたりする「フリージャーナリスト」であるらしい。本の帯に曰く、――
 「私がこの本の構想を思い立ったのは……、公安関係者のあいだで囁かれているある言葉を、何度となく耳にしたからだった。
 『オウムの次はZ――』……
 オウムの次に暴発する可能性を秘めた偏狭な思想集団があるとすれば、それは革マル以外ありえない、ということだ」、と。
 その目的が、わが同盟とオウム真理教を意図的に二重写しにして、わが同盟が「日本最大のテロ集団」であるかのように描きだすことにあることは明らか。
 案の定、この「ジャーナリスト」の取材源たるや、「ある事情通」とか「元早大生(匿名)」とか「その他政府系情報機関発行の内部資料」とかというウサンくさいものばかり。インターネットの世界にさ迷う電脳オタクの「共産趣味者」たちからさえ、「『Zの研究』は……伝聞による推測だらけで、言っちまえばトンデモ本に近い」なんてオチョクラれている始末。
 「革マル派の驚くべき実態」なるものの論証≠ヘ、すべて『治安フォーラム』とか警察庁が発行した『焦点―過激派集団革マル派〜見えてきたその正体』とかからの引用ばかり。野村に情報≠流し金を渡してこの本を書かせた黒い実体がスケスケ。いっそのこと表紙に、「警視庁公安部公安二課監修」とハッキリ書いたほうがいいんじゃないか! とにかく、わが同盟にたいする悪意に満ち満ちたデマのオンパレード。労学両戦線に根を張り前進する革命的左翼の闘いにたいする権力者の恐怖が、逆にうかがい知れる。
 極めつきは、権力情報を頭に目一杯つめこまれた野村が、わが同盟にたいして憎悪をつのらせる警察権力者の意に忠実に従って書いた、「革マルの権力謀略論」批判なるもの。ここで野村は、決定的な馬脚をあらわす。彼がそこで長ながと引用している駄文、その出典はなんとブクロ派の「スパイ通信」こと「前進」とニセ『共産主義者』だけなのだ。野村は、「私はとくに中核派の思想及び活動に共鳴するものではない」と断りつつも、ブクロ派の主張(「カクマルの『神戸謀略論』批判」)に「全面的に同感」などとのたまう! スパイがスパイに「全面的に同感」だって。この男、ほんとバッカじゃなかろうか。
 わが同盟の謀略暴露の闘いにケチをつけるために、いまやスパイとしての本性があまねく社会的に知れわたってしまったブクロ派をまっとうな「左翼」ででもあるかのように扱ってみせる、などというのは、二番煎じ、三番煎じの手口。これではブラックジョークにもならない。そもそも、ブクロ派がみずからの走狗としての本性をおし隠すために「スパイ通信」で書き殴っている「革マル謀略論批判」などで依拠しているデマ文書の出所は、野村が好んで頼っている「ある事情通」、すなわち国家権力内の謀略グループそのものなのだから。
 いやはや、なんともお粗末。これでは、逆に自分が警察権力に操られたスパイであることを自白するようなもの。こんなことをしなくちゃならないなんて、警察権力としてもよっぽどネタ切れ、人材不足のようだ。いやいや、警察権力がわが同盟にたいする憎悪をあおろうとして焦り狂っているさまが目に浮かぶ。
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