第1808号(2004年3月1日)の内容

<1面>
日本国軍イラク出兵阻止の火柱2・15
軍都旭川を労学1200の大部隊が席巻

<4・5面>
2・8労働者総決起集会・報告
「構造改革」・リストラ反対の闘いを!
〈イラク反戦〉の火柱を!

<2面>
許すな! イラク派兵 各地で奮闘
「守ろう! 平和といのち」2・13大集会(東京)
イラク派遣に反対する2・14大集会(大阪)
米海兵隊演習阻止に決起(1・25 日出生台)
陸自駐屯地に抗議(2・3 金沢)


<6面>
Topics 急増する重大労災事故
リポート労働戦線 離島の電話保全部門の切り捨て
呻吟する書店労働者の怒り

<7面>
2・11 トヨタ総行動に闘う息吹
トヨタ資本の殺人的労働強化を許すな!
◆風森論文への疑問

<8面>
仁王立ちになって頑張る
――『黒田寛一のレーベンと為事』に学んで
◆ハイゲート墓地にて

<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
◆ダブルパンチ
◆原理主義者の教え
◆「テロリスト」の正体
◆老弁護士の闘争宣言
◆射殺の真相
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
 

















































    



 日本国軍イラク出兵阻止の火柱 2・15

  軍都旭川を労学1200の大部隊が席巻


 「日本国軍のイラク出兵を阻止するぞ!」「小泉内閣を打倒するぞ!」――地鳴りのようなシュプレヒコールが軍都・旭川を揺るがした。二月十五日、全国結集をかちとった労働者・学生一二〇〇名は、二波にわたるデモンストレーションを敢行し、陸上自衛隊北部方面隊第二師団のゲートに向けて津波のごとく進撃した。
 「自衛隊員の安全祈願」の名による派兵翼賛運動に呼応する民主党や「連合」指導部、さらには派兵反対の大衆運動の組織化を政策宣伝用のカンパニアとしてとりくんでいるにすぎない日共中央による闘争抑圧・闘争歪曲を弾劾しつつ、たたかう労働者・学生たちは、<日本国軍のイラク出兵阻止! 米英のイラク軍政粉砕! 憲法改悪阻止!>の巨大な火柱を、白銀に覆われた北の大地において赤あかと燃えあがらせたのだ。
黄色い布が吊された鉄塔を労学の大デモが包囲!(2月15日、旭川市ロータリー)
熱気が充満する総決起集会(2月15日、旭川公会堂)

黄色いハンカチ≠フロータリーを反戦のアゴラ(広場)≠ノ

 午前十一時三十分、旭川公会堂で総決起集会をかちとった労学の部隊は、旭川市街に向けて進撃を開始した。先頭には、「陸自本隊のイラク出兵阻止! 米英のイラク侵略=軍政弾劾!」と大書きされた大横断幕、そして真紅の全学連旗や自治会旗が林立し、長蛇の白ヘル部隊がそれに続く。「占領粉砕! 出兵阻止!」労学の雄叫びが地表の雪をとかさんばかりの地響きとなって旭川市内を覆いつくす。
 デモ隊は商工会議所前のロータリーへとさしかかる。中央にそびえたつ「ロータリータワー」からは五方向にロープが渡され、統一規格の黄色い布がとりつけられている。政府・防衛庁の意を受けた商工会議所が中心となって、あたかも全旭川市民が自衛隊員の安全を祈願しているかのようにキャンペーンし国民を洗脳するために、「自衛隊派遣への賛否を問わず自衛隊員の安全を願う」というおしだしのもとに、かの「黄色いハンカチ」を飾りたてているのだ。
 ロータリーになだれこんだデモ隊は、みるみるうちに道を埋めつくし、タワーを包囲する。「出兵阻止! 占領粉砕!……」デモ隊のかけ声が周囲のビルに反響してロータリー一帯にこだまする。こうして、「自衛隊員の安全祈願」の象徴≠ニして「黄色いハンカチ」で飾りたてられたロータリーは、反戦のアゴラ(広場)≠ニ化してゆく。
 デモ隊は、一路昭和通りを南下し、旭川駅前へと進撃する。街をゆく労働者・市民はみな沿道へと歩を進め、わが白ヘル部隊の勇姿に驚嘆と共感のまなざしを送っている。中央郵便局の窓からは、多数の郵政労働者が身を乗りだしてデモ隊に見入っている。
 こうして、労学のデモ隊は、日本帝国主義軍隊の出撃拠点・旭川の労働者・市民に革命的反戦闘争の息吹を吹きこみ、彼らを大いに鼓舞したのだ。
 旭川市街を戦闘的なデモで席巻した労学の部隊は、ただちに石狩川を北に渡り、護国神社脇の路上に集結する。いよいよ第二波のデモンストレーションだ。

第二師団正面ゲートに怒り

 地表を覆う雪を踏み固めつつ隊伍を組んだデモ隊にたいして、デモ指揮団が熱烈なアジテーションで号令する。「第二師団ゲートに向けて進撃するぞ!」
 「オウ!」「ヨシ!」――がっちりとスクラムを組んだデモ隊は、積雪を切り裂きながら進む機関車のごとく、かけ声をかけながら力強く前進する。
 護国神社前の交差点を右折すると、いよいよ正面は第二師団の基地だ。駐屯地内のモニュメントにはさもさもらしく「黄色いハンカチ」がつりさげられている。デモ隊はそのモニュメントを左手に見ながら前進し、ゲート前の路上を完全に制圧する。このゲートの中で、日本国軍がその凶暴な刃を研ぎすませているのだ! デモ隊は基地に向かって怒りのシュプレヒコールを何度も叩きつける。
 「日本国軍のイラク出兵阻止!」「米英のイラク軍事占領反対!」「憲法改悪阻止!」「小泉内閣を打倒するぞ!」
 北海道警のデカどもは恐怖に顔をひきつらせながら、「警告」を発してデモ隊の排除を試みる。だが、労学の部隊の一糸乱れぬ団結を前に圧倒され、デモ隊に指一本触れることができない。
 「いくぞ! ワッショイ!」デモ指揮団の学生の号令のもと、デモ隊は再び隊列を組み、ジグザグデモをくりひろげる。白銀の路上いっぱいにひろがるデモ隊が、文字通り駐屯地前を席巻したのである。
 

2・21 労学派遣団が千歳現地で激闘


 「陸自本隊の出兵阻止! アメリカのイラク占領反対!」全国から結集した労学の現地派遣団は、派遣部隊を乗せて頭上を横切る政府専用機にたいして怒りのシュプレヒコールを何度も叩きつけた。
 二月二十一日午後五時過ぎ、尾翼に「日の丸」をつけた政府専用機が夕刻の薄闇に垂れこめる雲をぬって新千歳空港から離陸した。小泉政権は、労働者・人民の「派兵阻止」の声を傲然とふみにじり、陸自派遣部隊の中核をなす一五〇名(第二師団・旭川)を出動させたのだ。
政府専用機(正面)と派遣部隊壮行会会場(左手)に向けて怒りのシュプレヒコールを叩きつける労学(2月21日、空自千歳基地) 千歳基地ゲート前で、日の丸と黄色の旗を振る右翼分子を圧倒し、「出兵阻止」の怒りの声を叩きつける労学(2月21日)

 この日朝から千歳に駆けつけた全国の労学三五〇名は、グリーンベルト広場で総決起集会をかちとった後、ただちに航空自衛隊千歳基地ゲートに進撃する。闘志みなぎる労学の部隊は、機動隊の壁を押し返し、自衛隊にたいする抗議文を断固としてたたきつけた。社共既成指導部や民主党・「連合」労働貴族の闘争歪曲を許さず、千歳現地闘争をたたかいぬいたのである。(詳報次号)
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 許すな! イラク派兵 各地で奮闘

「守ろう! 平和といのち」2・13大集会(東京)
2月13日に、東京の明治公園において、「守ろう! 平和といのち 2・13大集会」が「陸・海・空・港湾労組二〇団体」を中心とする実行委員会の呼びかけのもとに開催され、1万2000名の労働者・学生・市民が結集した。

イラク派遣に反対する2・14大集会(大阪)
2月14日に大阪・扇町公園で自治労・大阪府教組・全港湾・JR総連などの組合旗や横断幕・ノボリで会場が埋めつくされるなか、「自衛隊のイラク派遣に反対する2・14大阪集会」(主催=大阪平和人権センター)が開催された。

米海兵隊演習阻止に決起(1・25 日出生台)
1月25日、全学連九州地方共闘会議のたたかう学生は、陸上自衛隊日出生台演習場(大分県)での米海兵隊実弾砲撃演習阻止を掲げて現地闘争にたちあがった。

陸自駐屯地に抗議(2・3 金沢)
2月3日、金沢大学のたたかう学生たちは、陸自本隊の第一陣が北海道新千歳空港からイラクへ出動しようとしていたまさにそのとき、陸上自衛隊金沢駐屯地にたいする抗議闘争にたちあがった。
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原理主義者の教え

モーゼの「十戒」は破るためにある?!

 人民虐殺こそ「英雄」的行為、という人殺し国家で、軍歴のごまかしどころかゴマカシ選挙によって大統領の座をかすめ取ったブッシュの狂態は、追いつめられていまやその極に達している。一月二十一日の「一般教書」演説を見よ。狐憑(つ)きのごとく完全に神がかりのトランス状態。
 「米国人は歴史的な任務を果たすために立ち上がろうとしており、その任務は米国人が立ち上がることを必要としているのだ」!これ果たして人間語か?

 「米国はいつでも、正しいことのために必要なことを進んでおこなってきた。自由の敵、暗殺者の威嚇に決して屈しない。今、米国の言葉を疑うものはいない。」……自由、自由、自由、正義、正義、正義の連呼。神、神、神のくりかえし。
 「自由のもとに暮らしたいという願望は、神がすべての人々の心に植えつけられたものだ。だからこそ米国は自由の前進戦略を、中東全域において追求しつづける。米国は、使命を授かった国である。われわれは、われわれに授けられた特別な召命を忘れはしない。すなわち、偉大なるわが合衆国は自由という大義の導き手であるということを。」「わが国は強く、不動である。われわれが奉じている大義は正しい。なぜならば、それは人類の大義であるからだ。自由の勢いは途を誤ろうはずがない。自由はわれわれの力のみによって前進しているのではない。より大きな力〔=神〕が、これまでの歴史の展開を導いてきた。神の目的は正しく、誤りがない。引き続き米国に神の恩寵がありますように。」!!
 論理もへったくれもない。単純化とくりかえし、神になぞらえての自己主張、これこそはヒトラーの大衆操作術であったが、ここでもブッシュはまことに今ヒトラーと呼ぶにふさわしい。
 神様のおぼしめしと信じて世界の人民を虐殺する狂気(=キリスト教原理主義)に「目覚め」るよりも、能なしのアル中のままでいてくれた方が、どれほど人類のこうむる災厄は少なかっただろう。
 キリスト教原理主義を奉じるこの男は、モーゼにまで戻る気はありや?「嘘をつくなかれ」、ご覧のとおり。「殺すなかれ」「犯すなかれ」「盗むなかれ」「人の物を一つたりと欲するなかれ」、過去より途切れなく、目下もイラクでアフガンでパレスチナで世界中で続行中。「いかなる像もつくるなかれ」、ムスリムは守っているが……。
 「神の名をみだりに唱えるなかれ」、オオ!「父母を敬え」、パパァー!
 このひとつだけ。これほどまでにモーゼの戒に忠実≠ナ、なお「神の召命」を口にするブッシュは、「第一の戒・私をおいて神があってはならない」を、ついに自分が神さまだ、とまでひっくり返したのではないか。アメリカ人はこんな「教書」をおとなしく聞いているのか。
 「In God, we trust. (我らは神を信じる)」と、この世の神=ドル札に刷りこんでいる国ならではの、倒錯の極みよ。
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