第1817号(2004年5月3日)の内容

<1面>
占領打破! 蜂起したムスリム人民と連帯し
イラク反戦闘争の一大高揚をかちとれ


<4面>
大衆収奪の安定確保≠フための提言
「連合」式「年金制度改革案」 


<5面>
世界各地で暗躍する殺しのプロ&泊
アメリカPMCの本性(続)

<2面>
暴かれた道警の裏金づくり
小泉政権に怒りの拳 4・12沖縄

<6面>
リポート 労働戦線
東交当局が労務管理強化/郵便労働者が過労死/無権利状態のアルバイト学生
Topics 大量処分を正当化する都教委

<7面>
両親の手記に込められた想い――神戸児童惨殺事件
◆<ジハード>概念の実在化の誤り

<8面>
十勝さんの苦闘に応えん―「働き、学びて、考えたこと」を読んで―
「労働者大学」の論議が胸にせまった
感想 2・15旭川現地闘争

<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
◆「自己責任」ってナニ?
◆負け犬の強がり
◆お里帰りの理由(わけ)
解説・自衛隊「特殊作戦群」

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
 


































































    

占領打破! 蜂起したムスリム人民と連帯し
イラク反戦闘争の一大高揚をかちとれ


以下リード
 「警察署を爆破したのはイギリス軍だ!」――数百人のデモ隊が口々に叫んだ。イラク南部バスラにおいて、四月二十一日の警察署ならびに警察学校四ヵ所への爆破攻撃の犯人は米英占領軍だとする民衆の抗議の声が巻きおこった(翌二十二日)。イラク人の警察官もデモに参加し、「われわれはサドル師のマハディ軍とともにたたかう」と気勢をあげた。イギリス軍報道官が「アルカーイダの犯行だ」「いやスンナ派のイラク人だ」と強弁しようとも、シーア派民衆は、かの事件が占領軍・CIAの謀略であることをただちに見ぬき、反撃の闘いに起ちあがっているのだ。
4・25「イラク占領粉砕!」首都に戦闘的労学の雄叫び
(東京、芝公園23号地、詳報次号)

 イラク中部のファルージャにおいては、米軍がみずから申しこんだ「停戦」を破ってスンナ派武装勢力・民衆にたいして戦車や武装ヘリを使った攻撃をしかけた(四月二十一日)。これにたいして、スンナ派武装勢力とこれに率いられた民衆は果敢な反撃をくりひろげている。いまやファルージャは、スンナ派のみならずシーア派をも含めたイラク人民の反米・反占領闘争の拠点となっている。
 サウジアラビアの首都リヤドでは、内務省にたいする自動車を使った自爆攻撃が敢行され(四月二十一日)、翌日に「アル・ハラマイン旅団」を名のるアルカーイダ系のグループが、「サウジ政府の治安・対テロ機関本部の攻撃に成功した」と声明を発表した。彼らは、米国務副長官アーミテージのリヤド訪問というタイミングを的確に衝いて、アメリカにつき従う自国政府の打倒をめざす「内ジハード」という戦術にもとづいてこの闘いを敢行したのだ。
 イラクにおける米英占領軍の、イスラームの聖なるモスクをも標的にした攻撃、無抵抗の子供や女性を殺すこともおかまいなしのジェノサイド、イスラエルの強硬派シオニスト・シャロン政権によるハマス指導者ヤシン師虐殺(三月二十二日)につづくランティシ虐殺(四月十七日)。これらの現代版十字軍とシオニストの蛮行にたいして、アラブ・ムスリム民衆のあいだには、天を衝く憤激と憎悪が渦巻いている。彼らは、「一超」軍国主義帝国アメリカの「中東民主化」という名の帝国主義的支配に抗して、国境を超え・宗派を超えて連帯し起ちあがっている。
 わが日本においては、このブッシュ政権につき従い、憲法第九条を踏みにじってイラクに日本国軍隊を出兵している小泉政権、日米軍事同盟の首輪をつけたこのポチ公政権の反動攻撃が吹き荒れている。このネオ・ファシスト政権の攻撃にたいしてわれわれは、既成指導部の国連依存主義的歪曲を許さず、たたかうムスリム人民と連帯して、米英連合軍のイラク軍事占領反対・日本国軍の米占領軍との一体化弾劾・憲法改悪反対の闘いを、さらに大きく創造していくのでなければならない。これを基礎として、わがイラク反戦闘争を国際的に波及させようではないか!

以下見出し
瓦解する「友邦同盟」

国連に哀願するブッシュ政権

主権移譲を焦点とする米(英)―仏独(露)の角逐

ブッシュ政権の断末魔

国連依存主義的歪曲を許さずイラク反戦闘争の高揚を!
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大衆収奪の安定確保≠フための提言
「連合」式「年金制度改革案」

以下リード
 小泉政権は、四月一日に「年金改革法案」を国会に上程した。これは、一億人の労働者・勤労人民にたいして年金保険料の段階的引き上げと給付額の大幅な削減という重大な負担増を強制するものであり、しかも将来の<給付保障>などまったくない内実の「公的年金制度」への転換をはかるためのものにほかならない。この極反動法案を、政府・与党は今国会中に成立させることをたくらんでおり、まず四月二十八日にも衆院厚生労働委員会で強行採決しようとしているのだ。
 こうした小泉政権の年金制度大改悪の策動にたいして、「連合」の笹森指導部は、「二〇〇四春季生活闘争方針」において、「年金改悪を阻止し『国民に安心と信頼を保障する年金改革』の実現を、当面する政策・制度要求の最大目標と位置づける」という方針をうちだし、「反対」運動の一定程度の組織化にとりくんできた。
 「連合」指導部は、政府案廃案をめざすと称して、初の「年金カンパ」へのとりくみを傘下各労組に号令しつつ、職場からの決議とか地方議会での意見書採択への働きかけとかにとりくみ、三月六日の決起集会、三月三十日の全国統一行動を組織化してきた。さらには、三〜四月にかけて「年金改革国民フォーラム」を開催してもきた。現時点において彼らは、民主党などとの院内外での「共闘」を強化し法案審議のヤマ場には緊急全国総行動をとる、四月二十九日のメーデーを「年金メーデー」にする、という行動方針をうちだしている。
 いま、小泉政権による公的年金制度大改悪の策動にたいして、労働者・勤労人民の怒りが広汎にうみだされている。こうした情況のなかで、「連合」指導部は、「年金改革」へのとりくみを強化するかのようにおしだしている(テレビ・コマーシャルも作成)。
 だが、彼らのこの「とりくみ」は、独占資本家どもによる賃金切り下げ・大量解雇攻撃をそのまま是認し〇四春闘を敗北に導いた犯罪をおし隠し、労働者たちの怒りと不満をガス抜き≠キるという思惑にもとづいてなされているのである。しかも、「政労使交渉」のための・政府案にたいする代案として提起されている「安心と信頼の年金制度改革」案なるものじたいが、まったく反人民的なものでしかないのだ。

以下見出し
T政府案の補完
「基礎年金の税方式化」の提唱
「年金目的税」の名による消費税引き上げ
大衆収奪強化のための諸方策
「安心と信頼の年金制度」という虚構
新自由主義への屈服
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「大人」の論理(ヘリクツ)
「自己責任」ってナニ? 「迷惑」してるのは誰?

D ねえ、パパ。あのお姉ちゃんやお兄ちゃんたち、解放されたのになんであんなにげっそり、ぐったりしているの?
F それはな、テロリストたちに人質にされてひどく虐待されたからだな。難しい言葉で言うとPTSDって言うんだ。
D でもおかしいね。解放されたときはあんなに元気で明るかったのに。あのあとみるみる病人みたいになっちゃったよ。あのお姉ちゃんたち、まるで護送される犯人みたいだったよ。ひょっとして、日本のお役人のおじさんたちが虐(いじ)めたんじゃないの?

F 何をバカなことを言ってるんだ。まわりの迷惑も考えずに「イラクに残りたい」なんて言うから、ちょっとお説教されただけさ。あまりにも自己責任についての自覚が足りない。おまえも大人になればわかるさ。
D でもね。「自己責任」って、国に迷惑かけたお金を自分で払うことなの? 梅干しをほおばったブルドッグみたいな顔した公明党のおじちゃんが意地悪そうに言ってたけど。それって、ひどくない?
F いや。政府が「危険だから行くな」と何度も注意してたんだ。それなのに、あの五人はそれを無視して行った。だから自業自得だな。登山禁止の冬山にそれを無視して登って遭難したみたいなもんだ。そのくせ助けてくれた政府への謝罪も感謝もないから、ちょっと叱られただけさ。莫大な救出費用もかかっているしな。
D でもね。「危険」、「危険」って言うなら、自衛隊はどうなの。「安全だ」といってイラクに行ったはずなのに、まわりに鉄条網や大きなテントを張って。あれって、まるでひきこもりじゃないの。もっとお金がかかっているし。「危険なところに勝手に行ったから自己責任をとれっていうなら、私たちの税金を使った自衛隊の派遣費用を返せ」って、先生が言ってたよ。
F ナニ? 今どきまだそんなロクなことを教えない教師がいるのか。あの連中が通ったバグダッド街道は、自衛隊のいるところと違って、イラクでも一番危険な地域だ。そんなところへわざわざ行って捕まったのは自業自得。いや、ひょっとすると自作自演。……
D でも、お姉ちゃんたちがさらわれたのは、ファルージャというところの近くでしょ。アメリカ軍が村人を何百人も殺して、そのあとも包囲しつづけて皆殺しにしようとしているからで、それを止めさせるためだって、先生から聞いたよ。
F そんなのは関係ない!「自衛隊は撤退せよ」なんて要求は、ファルージャとはいっさい関係ない! 自衛隊は、遠く離れたサマワで人道援助してるんだから。
D でもね。お姉ちゃんたちを救ってくれたイラクのお坊さんも言ってたじゃない。「米軍を支援する自衛隊はイラクから出て行ってくれ」って。イラクの人たちは、自衛隊も米軍の仲間だと思っているよ。ずっと前からイラクでボランティアやってきたお姉ちゃんたちが危険になったのは、イラクの人たちの声も聞かないで、ブッシュさんのいいなりになって自衛隊がおしかけたからじゃないの。お姉ちゃんたちこそ、自衛隊の巻き添えになって、いい迷惑じゃない。
F 何を言うか、バカ! ともかくだな、自分の勝手な都合で人に迷惑をかけたんだから、みんなに謝って、かかった費用も負担するというのが、大人のルールなんだ。
D わかった!「迷惑」、「迷惑」っていうけど、「自衛隊は撤退してくれ」ってイラクの人たちが願っているってことが、あんなに大きく宣伝されちゃったってのが「迷惑」なのね。そういえば、あのお兄ちゃんは劣化ウランっていうのがどんなにひどいかを、カメラマンのおじちゃんはファルージャでどんなにひどい人殺しがやられているかを、日本の人たちに伝えようとしてたって聞いたわ。そんなことやられると、政府はすごく「迷惑」なんだ。「迷惑」って言葉は、大人の世界ではこういうふうに使うんだ!「自己責任」って、政府にこういう「迷惑」をかけた人たちにはお仕置きをして黙らせる、っていう意味なんだ! それでお姉ちゃんたち、日本のお役人が保護したとたんにぐったりしちゃったんだ。これが大人の世界なの!? ワタシ、こんな大人の世界、許さない!
F おまえ、いつからそんな生意気な口をきくようになったんだ。日教組が悪いんだな! ともかく、おまえたち子どもには自己責任なんて高級なことはわからないんだ。わかったような口をきくな!
D パパ。また髪の毛がライオンみたいに逆立ってきたよ。あ、ライオンていえば、「大量破壊兵器はかならずある」といってアメリカの戦争につき従っている小泉さんの自己責任はどうなるの! 何千人も何万人もの罪のないイラクの人たちの命を奪った戦争の責任を小泉さんはどうやってとるの? パパ、答えて!
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