第1841号(2004年10月25日)の内容

<1面>
10・24国会・首相官邸に進撃せよ
米軍のファルージャ爆撃・イラク人民虐殺弾劾!
〈反安保〉ぬきの護憲運動に解消する既成平和運動をのりこえて闘おう!

<4〜5面>
燃えあがるハマス主導のインティファーダ
<5面>
佐世保事件は女児の「人格特性」のゆえなのか
<2面>
「イラク復興支援国会合」粉砕!
  全学連が首相官邸前で奮闘(10・13)写真へ
沖縄米軍F15事故弾劾に決起(10・5)写真へ
治安弾圧体制強化に走る愛知県警
<6面>
「販売ノルマ強化」で身も心もボロボロのNTT労働者
武田薬品が製造・事務部門で賃下げ
Topics アウトプレースメント会社とは
<7面>
私の順法闘争=@品質管理強化の強制に抗して
失敗を恐れずに前進するぞ!
<8面>
日々の悲憤を詠める――東京の教育現場から
うた 日々の糧
<3面>
万華鏡2004――情勢の断層を読む
ハートはバーニング
◆何も終わっていない
◆拒否できない
◆NEET

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 




































   


10・24国会・首相官邸に進撃せよ

米軍のファルージャ爆撃・イラク人民虐殺弾劾!


〈反安保〉ぬきの護憲運動に解消する既成平和運動をのりこえて闘おう!



リード
 首相・小泉は、臨時国会冒頭の所信表明演説(十月十二日)において、「日本外交の基本は日米同盟と国際協調だ」などと称して、米軍のイラク占領に加担し日本国軍の駐留を継続していく意志を宣言した。それだけではなく、「対テロ戦」遂行のための米軍再編とこれに呼応しての日本軍の米軍との一体化および憲法改悪という、ブッシュ政権の日米軍事同盟にもとづく要求に積極的に応えていく意志を傲然とブチあげたのだ。しかも小泉は、「構造改革の本丸」と称して、郵政事業民営化の攻撃を全労働者階級人民にふりおろそうとしている。
 すべての労働者・学生諸君! 米軍のイラク占領・爆撃によるムスリム人民虐殺を、日本の軍事強国化と憲法改悪の一大反動攻撃を、われわれは絶対に許してはならない。「政権奪取」を掲げつつ政府・自民党に伍して〈改憲〉の大濁流をみずからもすすんで巻きおこしている民主党中央と「連合」労働貴族を弾劾せよ! 〈反安保〉を蒸発させた社・共既成左翼の無力な護憲・平和運動をのりこえてたたかおう! すべての労働者・学生は小泉政権打倒の決意も固く、10・24労学統一行動に総決起しよう!

見出し
アメリカのイラク占領破綻と国際的孤立化の深まり

日本の「対テロ戦」中枢基地化の策動

改憲に突進する小泉政権の打倒をめざして闘おう


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燃えあがるハマス主導のインティファーダ

ミニ・ヒトラーの「ガザ撤退計画」の破綻

リード
 九月二十八日夕方、イスラエル軍は占領地パレスチナのガザ地区北部に軍事侵攻した。ちょうど四年前、シャロンがエルサレムのイスラム聖域に足を踏み入れるという挑発をしかけたのにたいして、激怒したパレスチナ人民がアルアクサ・インティファーダ(第二次インティファーダ)を開始したその日に、である。シャロンの軍隊は、わずか十日間で一一二人以上ものパレスチナ人民を大量殺戮し、現在もなお軍事制圧下で虐殺をつづけている〔十月十三日現在で、一三一人。また同夜パレスチナ人労働者三三〇人を逮捕〕。
 ラファの虐殺(五月)や「分離壁」建設の強行を国際的に非難されつづけてきたにもかかわらず、シャロンは、またしてもパレスチナ人大虐殺にうってでたのだ。アメリカ大統領選挙終盤にさしかかっている現在、民主党候補のケリーがまきかえしブッシュの敗勢が色濃くなりつつある。唯一の庇護者を喪いかねないからこそ、このイスラエルのミニ・ヒトラー≠ヘ、あせりにあせってハマス壊滅作戦を強行しているのだ。
 侵攻五日後になってアラブ連盟諸国は、ようやく重い腰を上げ、国連安保理に「ガザ北部軍事作戦の即時停止と撤退を求める」決議案を提出した。これにたいして、ブッシュ政権はまたもやただひとり拒否権を発動してこれを葬りさった(パレスチナ問題で、二十九回目だ!)。
 大統領選での劣勢を挽回するために「テロとたたかう大統領」として自己をおしだすことに必死となっているブッシュは、いままさにファルージャやサマラやサドルシティへの空爆をはじめとしてイラク人民大虐殺の国家テロをくりひろげている。このブッシュは、シャロンとの四月会談おいて「ガザ撤退計画」という名のパレスチナ解放闘争絶滅計画を全面的に支持する盟約(まさに悪魔の盟約!)をかわしたことにもとづいて、今回のシャロンの蛮行を「対テロ戦」と称賛しつつ全面的に支えているのだ。
 「全パレスチナ解放」のための統一戦線構築をめざすハマスをはじめとしたムスリム急進派とこれに率いられたパレスチナ人民は、「ガザからイスラエル軍を叩き出す」ことを当面の目標として闘いに決起している。アメリカの軍事占領支配からの解放をめざすイラク人民と連帯しつつ、パレスチナ人民は「アラブの大義」を一身に背負い血を流し生命を賭して反米反シオニズムの闘いをくりひろげている。
 われわれは、パレスチナ・イラク人民と連帯して、イラク反戦闘争とともにシャロンによるガザ軍事侵攻・パレスチナ人大虐殺弾劾の闘いを、この日本の地においてくりひろげるのでなければならない。

A ガザ侵攻=パレスチナ人大虐殺に狂奔するシャロン

B 新たな政治闘争・選挙参加にのりだしたハマス

 PLOアラファト指導部の権威喪失

 ハマスの新たな闘争戦術

C シャロン政権の断末魔
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佐世保事件は女児の「人格特性」のゆえなのか

9・15長崎家裁決定の反動性



女児に長期強制措置

 九月十五日に長崎家裁佐世保支部が、佐世保小六殺害事件で審判決定を下した。加害女児を二年間もの長期にわたって「強制措置」に付す、という現行法では最も厳しい「措置」である。女児は翌日、ただちに栃木県にある児童自立支援施設・国立きぬ川学院に送られた。この施設は、鍵つきの個室があり「強制措置」のとれる全国で唯一の施設である。
 「自立支援」の名のもとに、小学六年生の女児を、両親から暴力的にきり離して鍵のかかる個室(独房!)にぶちこむのである。通常は「集団的措置」が原則であるにもかかわらず、再び他児に危害をおよぼす恐れがある、という口実のもとに異例の「個別処遇」を強制しているのだ。このような強権的「措置」をもってしては、前思春期にあり、発達途上にある女児の人格そのものを破壊するだけであろう。
 女児の「更生」のためにと称して、なぜ右のような異例の措置が必要なのか、決定文ではまったく明らかではない。決定文は、もっぱら精神鑑定に依拠して四苦八苦しながら文章をつないでいることが、ミエミエのシロモノなのであり、内容そのものが支離滅裂の極みなのだからである。冒頭から加害女児の「生来的な人格特性」なるものを四点にわたってまずあげつらい(注)、ここから演繹して「殺意」を抱くまでを長ながと展開している。事件そのものの現実分析をぬきに、「生来的な人格特性」をあらかじめコタエにして犯行に至るまでを解釈しているのだ。しかしながら同時にその他方で、女児の「人格特性」は「軽度」であり、「障害を診断される程度には至らない」、つまり異常といえるほどではない、と結論づけてもいるのだ。精神分析家や臨床心理士などの専門家でなくとも、「対人的なことに注意が向きづらい特性」などの四点の「人格特性」なるものを一瞥すれば、それ自体が今日のごく「普通の子」の多くがもっているところの、異常な「特性」とはいえない「特性」であることは一目瞭然なのである。
 精神鑑定にもとづくと思われるこの判断からするならば、女児の「人格特性」から当の殺害行為そのものを説き明かすには無理がある、ということになる。ところが、この無理を無理矢理おこなっているのが決定文の筆者なのだ。決定文の結論に曰く。「女児の資質上の問題を解決するよりほかはない」と。要するに、今回の衝撃的な事件にはらまれる問題性のすべてを加害女児の人格・資質上の問題に強引にしぼりあげる、このような企みにつらぬかれているのが決定文なのである。
 まさにこのゆえに、決定文では、女児が大好きだったミニバスケットを両親から無理矢理やめさせられたことや、これをきっかけとして現実と仮想現実の区別がつかなくなるほどにインターネット遊びにのめりこんでいったことなど、事件の具体的分析にとって不可欠な重要な諸事実が、あらかじめ無視され不問に付されているのだ。現実分析をまったく欠落させた、このような分析ならぬ解釈は、決定文の筆者が全面的に依拠している臨床心理学的アプローチのゆえであり、その限界性と反動性を如実にしめすものでもある。

バスケットボールをやめさせられた女児

「Sちゃんに会ってあやまりたい」

少年法改悪の先取り

A少年との共通点?!――草薙のタワ言
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〈共苦〉を求めて

バグダッド民衆のハートはバーニング

 『バグダッド・バーニング』(アートン社刊)は、占領下のバグダッドに住むイラク人女性の英文インターネット日記を邦訳出版したものだ。著者は「リバーベンド」とだけ名乗り、身元を秘匿している。身の安全を確保するためというよりは、むしろ言論のゲリラ戦法ではないかと思えるほど、政治的主張が鮮明で、痛快このうえない。
 ブッシュ、ブレマー、チャラビ、アラウィなどをこきおろす毒舌はまだ序の口。それよりも、政治動向の読みの深さがただものではない。たとえば、サダム逮捕にさいしては、「これでイラクの人々は、自分たちの国の主権のために闘える。サダムのためでなく」という「学者」(おそらくクベイシ師)の発言を引用して、ゲリラの高揚を予測する。サダム裁判については、アメリカの妨害によって公開されないだろうとほのめかす。「80年代のアメリカとの政治的取引(ほら、あの)が公になるかもしれないでしょ」と。
 反政府諸党派にたいする評価もシビアーだ。SCIRIはイラン追随勢力であるうえにアメリカとも取り引きする党派として酷評。シスターニ師は反占領の旗幟を鮮明にするときだけ支持する。サドル師については、最初はSCIRIにたいしてと同様に批判していたが、二〇〇四年四月の武装蜂起以後は、彼の悪口をぴたりとやめた。サダムについては、科学技術や教育に力を注ぎ女性の地位を向上させたことを評価し、専制体制は批判するというように是々非々の態度。独立を要求するクルド人組織にたいしては、これをはっきりと非難する。もしも独立を認めたら、「国を5つ以上に分割しなければならないだろう」と。
 イラク愛国主義というべき右のような政治的立場は、スンナ派の「イラク・イスラム聖職者協会」、あるいはそれを中軸にしてシーア派やクルド人組織も加えた「イラク建設国民会議」のそれに近いといえる。特定の討論グループに属し、定期的に論議していないかぎり、これほどの政治的見解は表明できないであろう。
 とはいえ、この日記は政治的プロパガンダではない。筆者が印税を受けとらない本として出版されたのも、政治的理由からではあるまい。二十四歳の女性の個性あふれる文章が、深い共感を呼んだからであろう。
 「アミリヤ・シェルター大虐殺の記憶のために」と題された一章(三三〇〜三三九頁)は、短編小説の筆致で読者に語りかける。一九九一年の湾岸戦争のさいに、女性と子供だけを避難させていたシェルターを米軍がミサイルで狙い撃ちし、四百人以上が一瞬にして虐殺された。その情景を克明に描いたあとで、日記は、シェルターが自分の家になってしまった一人の女性を紹介する。日本人観光客にたどたどしい英語で必死に説明していたその人は、一瞬にして八人の子供を亡くしたのだった。事情を聞いて衝撃をうけたリバーベンドは、この場所を、「自分だけが生き延びたことで苦しんでいる生者たちが憑依(ひょうい)している場所」と呼ぶ。
 日記のなかで、「死より悪い運命に対する恐怖」がくりかえし語られる。侵略が始まった直後、死ぬときは一緒と思っていた彼女は、死に別れになる覚悟を母親から迫られてハッとする。生き残る苦しみ、目の前で肉親や知人を殺される苦しみ、目の前で拷問される苦しみ……。死ぬ以上の苦しみの具体的な姿が次々に暗示されていって、最後に、アブグレイブ刑務所でのおぞましい拷問の写真に直面したときの驚愕。そして叫ぶのだ。「彼らがしたことを、その子、孫たちがずっと背負い続けていくことを要求する」と。
 死者を返せと求めても、死者は二度と生き返らない。その代償に死をもって償わせても、問題は解決しない。どうすればよいのか。リバーベンドは考えた。死よりも重く終わらない苦痛を、ともに苦しむことから始めよう、と。
 〈共苦〉を求める熱情――日記が感動をよぶ理由が、ここにあると思う。安全圏にいると思いこまされているアメリカや日本の民衆でも、労働者であるかぎり、ともに苦しむことは可能だという確信が、日記にはみなぎっている。弾劾の言葉は激しいが、つきはなすのではなく引きつける。同じ喜怒哀楽を味わわせ、心をつなごうとする。
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「イラク復興支援国会合」粉砕!
 
 全学連が首相官邸前で奮闘(10・13)


 10月13日、全学連は、「イラク復興支援国会合粉砕!」を掲げて、首相官邸前での抗議闘争に起ちあがった。

  


沖縄米軍F15事故弾劾に決起(10・5)



 沖縄米軍F15戦闘機の衝突事故を弾劾する沖縄の労学(10月5日、カデナ基地「安保の見える丘」)。沖縄平和運動センター主催の緊急集会で、琉大・沖国大のたたかう学生は最先頭で奮闘した。
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