第1850号〔新年特別号〕(2005年1月1日)の内容

  「解放」最新号
 




























































   


革命の新世紀を切り開け

ブッシュ帝国の暴虐を打ち破る革命的反戦闘争のうねりを!


リード
 またしてもアメリカ帝国主義の犯罪が歴史に刻みこまれた。イラクのファルージャにおける数万人におよぶムスリム人民の大虐殺として。稀代の戦争狂ジョージ・W・ブッシュの大統領再選を号砲として強行されたこの世紀の蛮行は、「一超」軍国主義帝国が国家テロリズムによって二十一世紀世界を戦乱と暴虐の暗黒に叩きこもうとしていることを、このうえなく醜悪に浮き彫りにしたのである。
 二〇〇五年の劈頭(へきとう)において、わが同盟は、日本の、そして全世界の労働者階級・勤労人民に訴える。流されたムスリム人民のおびただしい血は絶対にあがなわれなければならない。血塗られたキリスト教原理主義の旗をうちふるい「対テロ戦」完遂の名のもとに暴走するブッシュ帝国の蛮行を、これ以上許してはならない。反米反占領のレジスタンスを不屈にたたかいぬいているイラク・中洋のムスリム人民と固く連帯して、今こそ国際的な反戦闘争の嵐を巻き起こせ! ヤンキー帝国主義とこれにつきしたがう一握りの「友邦同盟」諸国権力者ども、とりわけ日米軍事同盟の首輪をつけた忠犬¥ャ泉政権を打倒するべく日本の労働者・人民は今こそ起ち上がれ!
 ファルージャ人民ジェノサイドの大惨劇は、そもそも戦争狂とその犬どもが巣くう米・欧とわが日本の足元における反戦平和の闘いがなお脆弱であることのゆえにこそ、もたらされた。帝国主義労働貴族・社会民主主義諸党や転向スターリン主義諸党などの既成平和運動指導部が、おしなべて「国連中心のイラク復興」という幻想をふりまくとともに、ムスリム人民の反米反占領闘争を「テロ」とみなし敵視してきたことのゆえに、各国の反戦平和運動の低迷と停滞が不可避となったのである。
 こうした国際的な反戦平和運動の惨状を覆しイラク反戦闘争の革命的高揚をかちとるために、わが反スターリン主義革命的左翼は奮闘してきた。このわれわれの闘いは、今や転向スターリニスト日本共産党を根底から揺るがし、下部党員・「全労連」活動家たちの内に広範な共鳴の渦を巻き起こしている。それと同時に、イギリス・アメリカ・ロシアやアジア・中南米諸国の労働者・人民の共感と連帯の声を広く深く呼び起こしつつある。反帝反スターリニズム戦略を根幹とするわが革命的左翼の闘いは、スターリン主義の自己崩壊を淵源とした国際階級闘争の荒廃を真に超克し・もって〈ブッシュの戦争〉を根源から断ち切ることのできる革命的力を着実に創出しつつあるのだ。
 「一超」軍国主義帝国アメリカの暴虐を断ちイラク反戦闘争の国際的高揚をかちとるために、わが同盟はさらに精励奮闘するのでなければならない。この闘いの創造こそは、暗黒と戦乱の二十一世紀をプロレタリア革命の新世紀へと転じうる力を創りだすための中心環をなすのである。

見出し

一、暴走するブッシュ帝国
 Aファルージャ人民大虐殺とムスリムの総反攻
 B「対テロ戦」強行への暴走

二、二十一世紀世界の分極化
 A〈変形的台形型四極構造〉の現出
 B米中新対決時代の幕開け

三、イラク反戦闘争の戦列の革命的強化をかちとれ
 (一) イラク侵略戦争のイデオロギー的=階級的本質
 (二) 二十一世紀世界の構造的再編成
 (三) 〈闘うムスリムとの連帯〉という指針の革命的意義
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12・12革共同政治集会を実現

イラク反戦の炎を!
労学一五〇〇が闘志固める


革共同政治集会 12・12首都

闘う決意をこめてシュプレヒコール
(〇四年十二月十二日、東京・中央会館)
 わが同盟は、十二月十二日に、東京・中央会館において、革共同政治集会を開催した。一五〇〇名の労働者・学生を結集したこの集会は、一年間の労学両戦線におけるわが闘いの飛躍的な前進を基礎に戦闘的な熱気にみなぎってかちとられた。
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プーチン式ロシア大国主義の無残<上>


T ウクライナでの大破綻

 一国の選挙に、外なる国々の権力者たちが直接にのりこんで圧力をかけ「選挙やり直し」を強制する、という前代未聞の事態がウクライナを舞台にしてくりひろげられた。
 次期大統領ポストをめぐってウクライナは、親欧米派のユーシェンコを支持する西部とロシアに全面的に支援された与党候補ヤヌコビッチを支持する東部とにまっぷたつにわれ、三週間以上にわたって完全に国中が麻痺している。アメリカおよびEU諸国の圧力に屈したウクライナ最高裁判所が、「ヤヌコビッチ勝利」という中央選挙管理委員会発表の取り消しと決選投票やり直しを命じ、この決定を現大統領クチマと与党大統領候補者ヤヌコビッチがのむ、というかたちで事態のさしあたりの沈静化がはかられた。選挙法改正と大統領権限を大幅に縮小する憲法改正とを国会で一括採決ということを条件にして、クチマは妥協した。来る十二月二十六日の再決選投票において、おそらくはユーシェンコが勝利をもぎとるであろう。しかし、選挙やり直しによって東西ウクライナの対立が解決するわけではない。ロシアとEUは相互に妥協せざるをえず、両者の妥協にユーシェンコもまた、従わないわけにはいかないであろう。

以下、見出し

U 「CIS統合」の夢
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21世紀のゲルニカ


 おや、地上から聞こえるのはイラク反戦の雄叫びか?「ファルージャは21世紀のゲルニカだ」とな。おお! ワシが描いた絵を、今ヒトラー=ブッシュ弾劾のシンボルにしてくれたのだ。
 忘れもせぬ、一九三七年四月二十六日。ナチスのコンドル軍団がスペイン北部の小さな町・ゲルニカを猛爆撃し、逃げまどう女、子供や老人にまで機銃掃射を浴びせ、バスク人の聖都を焼きつくした。前年に反共クーデタを起こした将軍フランコの進軍を助けるためにな。
 ワシは居ても立ってもいられず、祖国スペインの共和国政府の要請に応えようと思った。万博のスペイン館の大壁画として、三・五×七・七五メートルの巨大カンバスに、憤怒と熱情のありったけを注ぎこんだのじゃ。
 だが、ヤンキー軍のファルージャ総攻撃は、ゲルニカの比ではない。死者は十倍にのぼるだろう。しかも、フランコは「バスクのアカとソ連の犯行」と大嘘をついたが、ブッシュはなんと、「自由へのメッセージ」と称して大虐殺を自賛しておる。許せん!「新ゲルニカ」を描かねばならん!
 ……しかし、むつかしいのお。霊界で出会ったトロツキーの言葉に、ワシの心は乱されておる。奴はワシを見るなり、こう言ったのじゃ。
 ――あなたの「ゲルニカ」は、身を刻まれる感覚を呼びおこす。しかし、「戦争と平和」(一九五二年、ヴァリロス寺院の壁画)は何だ? 左の壁に剣の戦争、右の壁には天馬の平和、正面壁にハトポッポ。なんたる凡庸の作。革命はどこへ行った!「ゲルニカ」は労働者にわからない、というスターリニストに屈服したというわけか!
 こう言われて、ワシはグウの音も出なかった。ワシは答えた。四四年に共産党員にはなったが、「社会主義リアリズム」などに与したことはない。放蕩三昧の生活も、勝手気ままな作風も、何ひとつ変えなかった、とな。すると奴は言うのじゃ。
 ――三七年四月のゲルニカを描いても、五月のバルセロナを描かなかったのは何故だ? 蜂起した労働者を、ほかならぬ社共の「人民戦線」政府が虐殺した犯罪に、あなたは目をつぶった。あまつさえスターリンの肖像画を描き、フルシチョフからは勲章までもらった。世紀の天才画家の大きな汚点ではないか。今こそ「平和共存」の絵画を破棄し、カンバスに革命をとりもどせ!
 こう言われて、ワシは思い出したのじゃ。昔は「反トロ」、今「反テロ」と、歴史は同じ過ちをくりかえしておるが、このワシこそは、「くりかえしとは逃避である」と三五年に宣言しておったのじゃ。自己解体―革命こそ、キュビズムいらいのワシの信念であるはずじゃ。おお、逃げまどっただけのゲルニカの人びととは異なって、ファルージャの民衆は勇敢にたたかって死んでいく。じっとしてはおれん。筆を! 絵の具を! 芸術の永続革命じゃ!
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ファルージャ讃

うち続く いくさは酷き
遠つ国 イラクの町に
ファルージャと その名も高く
攻めがたき 砦のあれば
洋鬼(ヤンキー)の 痴れ大王(おおきみ)は
憎みあまり 怨みあまりて
一万の つはものどもを
この町に さしむけたりき
われこそは 神の使ひぞ
悪魔なる テロリストをば
ことごとく 滅ぼしてむと
神がかり 狂ひてあるを
迎へうつ 町の長(をさ)らは
幼な子を 救ふ手だてに
退(ひ)きいくさ 宣(の)りて説けども
もろびとは 言(こと)あげすなり
この町に 生(あ)れし身なれば
この町と ともに滅びむ
わがすみか 瓦礫となるも
わがほこり 奪ふあたはず
ますらをの 名のりて言はく
名にし負ふ 町のほまれを
守らむと 勇むわれこそ
たてこもり 撃ちてしやまめ
しかれども 民(たみ)びと答ふ
願はくは 死なばもろとも
をのこをみな 老ひも若きも
とどまりて たたかひたしと
さればわれら 二手に分かれ
洋鬼を 挟み撃つべし
それぞれに 望みを聞けば
残るもの 十万となむ
去るものも 思ひはひとし
殉教の 時はちがへど
かたき討ち 果たしてやまむ
生きてあらば 町を築かむ
残るもの 行くものどちは
出陣の 水さかずきを
くみかはし ちぎりかはして
長き夜を 語りあかせり
砂に死なば 埋(うづ)む屍(かばね)
河に死なば 流るる屍
アッラーの 辺(へ)にこそ行かめ
顧りみは せじと誓へば
しののめの 空あけそめて
一陣の 嵐たつなり
ジハードの ときは来れり
ファルージャよ 永遠(とこしへ)にあれ
国生みの 鏡となりて
末ながく 語り継げよと
名をおらび ことほぐ民ら
うつし世に 別れけむ日は
かくありしとぞ
  反歌
町の名にかけてたたかふ
民びとの つひのすみかに
幸(さち)かへり来(こ)よ
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カールの動く城 MARX'S MOVING CASTLE

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停滞にあえぐ日本経済のもとで

超長時間・超強度労働―過労死を強いる独占資本家ども



1 景気足踏み・停滞へ―下方反転する日本経済

2 大リストラの強行―激増する過労死・激発する労災

(中略)

史上空前の企業利益=空前の自殺者

 諸独占体・諸企業が史上空前の利益を上げているにもかかわらず、いや・まさにそのゆえにというべきか、労働者の自殺者数も〇三年度には年間三万四四二七人を数え史上最高となった。
 こんにちの<自殺者>の際だった特徴は、「長期失業」や「借金」などの「生活苦」を根拠とした自殺が急増している、という点にある。「経済生活問題」を原因とする自殺が全体の二六%を占めている。この生活困窮のゆえの自殺者は、九三年度と較べると約十年間に四倍増となっているのだ。
 このような事実は、まさしく、九〇年代をつうじて・それ以降こんにちに至るまで独占資本家が仮借なきまでに労働者の頭上に打ちおろし強行してきているリストラが、いかに多くの労働者を死(自死)へと追いやったのか、ということを雄弁に物語っている。世界に冠たる自動車独占体トヨタが史上空前の利益を上げたというこの事実の裏側には、リストラと合理化のもとで、低賃金を甘受させられ、ボロ雑巾を絞るようにこき使われ、あげ句の果てに首を切られ、肉体的にも精神的にもずたずたに切り裂かれて無念にも自死においやられた、日本労働者の累々たる屍が横たわっているのだ。
 過労死や突然死、過重労働が原因となり引き金となった病死、鬱(うつ)病やノイローゼを高じさせたすえの自死、すなわちこれらの労働者の現役死亡者数は、年間十数万件あるいはそれ以上をけっして下らないであろう。だが、過労死認定を受けとったのは、〇三年度において年間わずかに一〇〇件にすぎない。資本家や当局者は過酷な労働実態をひた隠しにして労働者の(過重)労働と(過労)死との因果関係をけっして認めようとはしない。また労働貴族や労組ダラ幹が牛耳っている労働組合も過労死問題をけっして採りあげない。こうしたことにも規定されて裁判所や労働基準監督署などの当該機関は資本家の意を汲むかたちでほとんど過労死認定をしない。当人が死亡してしまったあとになって、長期間にわたって労災申請を労基署に出しつづけたり過労死認定を求めて裁判に訴えつづけたりすることに、残された家族たちの腰は重くなる。まさしくこれらの理由からして、過労死を認定させること自体が現在ではきわめて難しいのだ。労災認定されたもののうちで過労死として認定されるのはまれであり、決意した家族が仲間や支援者とともに訴訟を起こし長期間の裁判闘争のすえに過労死認定を勝ちとっている、というのが実状なのだ。
 だが死者が出てからでは遅いのだ。過労死者が出るまえに、「いまのままでは過労死してしまう、資本・当局に殺される!」と声を大にして叫び、あらかじめ警鐘乱打することが重要なのである。

以下、見出し

3 進展する「外部人材活用」と「多能工化」
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写真特集 2004反戦の炎


全国から結集した労学が陸自旭川駐屯地に進撃(2月15日、旭川)

イラク派遣部隊が飛びたつ千歳基地へ怒濤のデモ(2月21日)

日本空軍のイラク出兵阻止に起つ(1月22日、小牧)

 
ブッシュ政権による3・2シーア派信徒大虐殺の謀略を弾劾(3月5日、米大使館前)

イラク開戦一周年世界一斉行動(3月20日、東京)

「米軍のファルージャ大虐殺弾劾!」米大使館にデモ(11月14日)

「米軍のイラク占領反対! 日本国軍の多国籍軍参加反対!」 米大使館に抗議(6月5日)

「自衛隊のイラク派遣NO! STOP! 有事法制 4・9集会」で奮闘(日比谷野音)

8・13米軍ヘリの沖国大への墜落・炎上事故に弾劾の嵐――「証拠隠滅許すな!」機体搬出阻止に決起した闘う学生たち(8月16日、沖国大正門)

5500の労働者・学生・市民が教基法改悪反対を掲げて決起(11月6日、日比谷野音)
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