第1855号(2005年2月14日)の内容

<1面>
イラク反戦・改憲阻止の奔流を
闘うイラク人民と連帯し、軍事占領を居直るブッシュ政権を弾劾せよ

<4面>
解説・資料 「対テロ戦争」のための米・日両軍一体化
<5面>
NTT企業年金改悪を阻止せよ
<2面>
各地でイラク反戦の火柱(1・23)
米総領事館に怒りの進撃 大阪写真へ
労学120が那覇市街を席巻写真へ
陸自金沢駐屯地に抗議(1・30)写真へ
<6面>
国立病院の独法化にともなう
非常勤職員の大量解雇弾劾!
11・14沖縄労学緊急抗議行動に参加して

Topics 転職会社が都心に野菜工場
<7面>
「都政珍報」架空鼎談石原都知事、中核派と東京革命を語る
繰り返される出光火災事故
<8面>
熊野純彦「父殺し」にや
<3面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
愚帝の「垂訓」
◆テントの中のゴリラ
◆やめられない戦争
◆ばっかり食べ

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 




































  


イラク反戦・改憲阻止の奔流を

闘うイラク人民と連帯し、軍事占領を居直るブッシュ政権を弾劾せよ


リード
「第5次派兵阻止!」
2月5日、名古屋市の陸自守山駐屯地正門前で
闘う全学連と名古屋地区反戦
 一月三十日に米軍占領下のイラクで強行された暫定国民議会選挙において約八二〇万人が投票した、とイラク独立選挙管理委員会は発表した。二月二日にアメリカ大統領一般教書演説をおこなったG・W・ブッシュは、「自由を推進するというわれわれの責務は、イラクで試され、成功した」などと謳いあげた。投票がなされた「事実」のみをもって欣喜雀躍するとは、なんと能天気なことよ。明らかになりつつある選挙結果をまえにして、ブッシュは戦慄せしめられるにちがいない。
 大アヤトラ・シスターニ師に精神的にも政治的にも率いられ、「米軍撤退時期の明示」を公約として掲げたシーア派連合会派「統一イラク同盟」が、全二七五議席のうち三分の二――大統領評議会の選出に必要とされる議席数――を獲得する勢いをみせているのだからである(四日、四割開票時点で得票率六七%)。しかも、選挙を「アメリカの利益に奉仕するもの」と断じてボイコットしたスンナ派のイスラム聖職者協会は、統一イラク同盟からの働きかけに呼応して、「米軍撤退の日程が明確化されるならば、新政府に協力する」という声明を発した。かくして「イラク自由選挙」は、ブッシュの思惑に相反しイラク占領の頓挫を刻印したり。
 まさしく今、米傀儡アラウィ政権を最後的にふきとばし・米軍占領を打破するために起ちあがっているイラク・ムスリム人民と連帯して、われら日本の革命的左翼は〈イラク反戦・改憲阻止〉の闘いの炎をいっそう赤あかと燃えあがらせん!
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解説
・資料

「対テロ戦争」のための米・日両軍一体化

 イラク国民議会選挙において、シスターニ師率いるシーア派の「イラク統一同盟」が三分の二の票を獲得した。アラウィ一派は一六%程度にとどまっている(二月四日現在)。選挙実施を「自由の勝利」などとブッシュは称えたけれども、結果は完全に裏目にでた。SCIRI(イラク・イスラム革命最高評議会)らの呼びかけに応えてスンナ派ウラマー協会は、「米軍撤退の時期を明示する」ことを条件にして、新政権に参加する意向をもしめしている。ムスリム人民は反米レジスタンスをいまなお果敢に展開している。
 米軍の戦死者はすでに一五〇〇人弱を数えた。恐怖にかられ精神に異常をきたして戦線を離脱する兵士も続出している。ベトナム戦争と同様の泥沼にはまりこんだブッシュは、この窮地をのりきるために、「自由の前進」と称して「テヘランからダマスカスまでの民主化」なるものを叫びたて、イラン・シリアなどへの政治的脅迫を強めている。また、全世界から澎湃と湧き上がっている反米・嫌米≠フ気運を懐柔するために、「外交のトランスフォーメーション」と称する対外政策のねり直しをも唱えている(一般教書演説など)。
 それと同時にブッシュ政権は、「不安定の弧」とみなすイスラム中洋圏における「対テロ戦争」を遂行するために、米軍のトランスフォーメーション(再編)計画をうちだしてきた。ブッシュにつき従う小泉は、イラクへの派兵期間の延長を強行した。同時にブッシュの米軍再編計画に呼応して、新「防衛計画の大綱」を策定し決定した。ここでは、イラク反戦闘争の推進のための討論の素材として、新「防衛計画の大綱」の特徴および急ピッチで進められている日米両軍の一体化についてふれる。
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「都政珍報」架空鼎談

石原都知事、中核派と東京革命を語る

共に歩もう革命≠フ道
 天田 エヘン。わが革共同はァ、ファシストカクマルによるゥ、「告訴・告発」運動を粉砕しィ、反革命カクマルをォ、「日の丸・君が代」闘争からァ、断固として一掃することをォ、ここに宣言するゥ!
 高木 ヨーシ! 異議ナーシ!
 石原 その調子だ。ぼくも信念にかけて、半世紀巣くった日本社会のガンを徹底的につぶしてやる。東京都から国賊教師どもを追放するのだ。やがて全国の道府県の知事どもは俺様を見習うことになるだろう。
 天田 いまこそすべての教育労働者はァ、カクマルの敵対をはねのけェ、処分を怖れず、不起立闘争で断固たたかえ!
 石原 そうそう、その心意気。すばらしい特攻隊精神だ。
 天田 不起立闘争の内乱的爆発こそが日本革命の道筋だ!
 石原 そうだ。東京から日本を変える。これは一つの革命だ。この革命を妨害する革マルや文化人気取りの国賊は、革命に反対する反革命なのだ。教育界に巣くうこの反革命をつぶすことが、ぼくの「東京革命」完遂の道筋である。
 天田 あなたは東京革命、われわれは日本革命―世界革命。反革命カクマル粉砕! 告訴・告発運動粉砕! 小異を捨て、この一点で統一戦線ですね。
 石原 うんうん。革命の強い決意で臨もう。反革命との戦争を恐れたらなめられる。
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愚帝の「垂訓」

「火炎の日」来たりなむ

 「圧制と恐怖の台頭を妨げ、憎しみを希望に変えていくのに十分な唯一の力は、人間の自由という力だけだ」「自由の前進はいま、すばらしい機運にある。アフガニスタン……ウクライナ……。われわれは自由の歴史における画期的な出来事を目撃している。今後もわれわれはこの歴史を書き変えていく。」
 オオッ、「人間の自由という唯一の力」、「自由の前進」!――「自由」というカテゴリーが、あたかも実体的威力を有するかのように描きだされ、みずから世界史を創造する至高の原理、すなわち〈神の恩寵=神の力〉にまで高められ祭りあげられている! この宗教臭さにみなぎった説教≠アそ、二期目のアメリカ大統領に就任したブッシュが二月二日におこなった一般教書演説の一節だ。
 「一超」帝国アメリカの最高権力者たることの全能感に陶酔する暗愚の帝王ブッシュ。アメリカ国家を「現代の神」とみなすこのキリスト教原理主義者は、〈自由・民主主義・市場経済〉という普遍的価値≠世界にあまねくおし拡げることをおのれの歴史的使命だと信じきっている。この男は、自分こそ、「天地創造主」から召命を与えられた神の僕(しもべ)==u地上の王」だ、とする宗教的妄想を全面開花させ、現代の「王権神授説」を全世界に向かって臆面もなく披瀝している。
 一月二十日の第二期大統領就任演説において、ブッシュはわずか二十分の演説の間に「自由」を意味する「フリー、フリーダム、リバティー」という言葉をあわせて五十回も連呼した。その論旨たるや、ことごとく聖書の言い回しの焼き直し。たとえば――
 「アメリカは、世界の諸国民に、あらためて訴える。/圧政と絶望のもとに生きる人びとは知るであろう。……あなた方が自由のためにたちあがるとき、われわれはあなた方と共に立つ」という一文に始まって、以下、「弾圧され、投獄され、国外追放されている民主的改革者たちは知るであろう」「ならず者体制の権力者たちは知るであろう」等々と延々と続くくだり。――これこそは、イエスが弟子たちに神を信じるものは必ず救われる≠アとを説く「山上の垂訓」の場面の言い回しをそっくりまねたもの(『新約聖書』「マタイ福音書」)。
 「まるで宣教師政権」(「毎日新聞」一月二十一日付)? いやいや「宣教師」なんて甘いものではない。ブッシュは、「神の子=イエス」同様の地上の救世主になって、お山のテッペンから世界を見渡し説教を垂れているつもりになっているのだ。あな恐ろし。
 みずからの全能感に酔っぱらってしまっているヤツというのは、たいていその裏がわにおのれの無能さ・無力感をかかえているもの。アメリカ大統領選挙を不正と陰謀のかぎりをつくして勝利≠ノもちこみ、ムスリム人民の抵抗に血の弾圧を加えながらイラク国民議会選挙をかたちばかり強行したこと。これらのことに安堵した凡愚の帝王は、あさはかにもオレって万能!≠ニ錯覚してしまった。
 錯覚は錯覚でしかない。イラクでは、国民議会選挙以後も反占領の武装闘争を果敢にくりひろげているスンナ派と、選挙の「圧勝」を背景としてシーア派主導のイスラム共和国の樹立をめざしているシーア派勢力、民族独立国家樹立の要求を強化しつつあるクルド人勢力、三つどもえのからみあいによって、米軍占領が風前の灯火となることは必至。他方、パレスチナでも、パレスチナ人民はアメリカを後だてとするイスラエルの支配を必ずやうち破るにちがいない。
 「一超」帝国の世界支配がつづくかぎり、「火を噴くイスラーム」を旋回軸とした現代世界に「宗教=民族戦争」の火は絶えることはない。「一超」帝国の権力者どもの胸の内には、9・11殉教自爆攻撃の衝撃が永遠のトラウマとしてうずいている。ブッシュは言った――
 「共産主義の崩壊後、比較的おだやかな時が訪れた。平穏の時、安息の時……そこに、火炎の日がやってきた。」「われわれにも弱点があることを、われわれは知った。」
 オオ、〈9・11〉を「火炎の日」とは! キリスト教徒の受難になぞらえたこの論法にこそ、「山上の垂訓」気取りのブッシュらがじつのところムスリム人民の、いや、虐げられたる全世界の労働者階級・人民の渦巻く怒りの炎がいつ足元から噴きあがり、アメリカニズム文明の中枢を燃やし尽くすかと怯えている胸の内が、はっきりとしめされている。
「お山の大将ただひとりあとから来るのは闇ばかり」
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各地でイラク反戦の火柱


  
米総領事館に怒りの進撃 大阪
「米帝のイラク占領反対」の声轟く(1月23日)
  
労学120が那覇市街を席巻
力強いデモンストレーション(1月23日)
  
「イラク派遣隊激励会粉砕!」陸自金沢駐屯地に抗議
降りしきる雪をついて果敢に闘う金大生(1月30日、金沢)

  
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