第1860号(2005年3月21日)の内容

<1面>
改憲翼賛の大濁流を突き破れ
<4〜5面>
「護憲」のための「保守層との共同」を夢想する代々木官僚
◆ウクライナからの手紙
<2面>
日米共同雪中演習阻止闘争(2・28、千歳)写真へ
陸自第三波出兵阻止に起つ(2・20、守山)写真へ
「もんじゅ」改造着工に反撃(3・1、敦賀)写真へ
<3面>
高速増殖炉もんじゅ運転再開を阻止せよ!
◆進む在沖米軍基地の再編
<6面>
低賃金・無権利の個人請負労働者
「原単位」導入で大混乱の郵政職場
Topics 所得の二極化・雇用形態の四差別
わが同盟の〇五春闘スローガン
<7面>
2・11春闘集会
郵政労働者の決意/自治体労働者の決意
〔投稿〕「日の丸・君が代」強制反対集会に参加して
<8面>
うた 仮面舞踏
  「解放」最新号
 



























  


改憲翼賛の大濁流を突き破れ


イラク反戦・反安保と結びつけ改憲を阻止する広大な戦列を構築せよ



中洋・東欧の勢力圏編みこみをめぐる米・露対立の激化

 三月八日、レバノンの首都ベイルートは、イスラム教シーア派急進主義組織のヒズボラ(神の声)の呼びかけにこたえて決起した五〇万もの人民によって埋めつくされた。彼らは口ぐちに「シリア支持」を叫び、街には「反米・反イスラエル」の怒号がこだました。シリアとイランの支援のもとにヒズボラが組織したこの大デモは、ブッシュ帝国とイスラエル・シャロン政権のテコ入れをうけたレバノン野党勢力のシリア軍撤退を要求する大衆行動という形態でのクーデタを押さえこみ親シリア政権を擁立するために挙行されたのだ。
 シリア軍撤退を野党勢力とつるんで要求してきた前レバノン首相ハリリ(親フランス分子)の暗殺(二月十四日)。これを契機として組織された野党勢力の大衆運動≠フ盛りあがりに直面させられて、いま<親シリア>のラフード=カラミ政権は倒壊の危機にたたきこまれている(二月二十八日、内閣総辞職)。それだけではない。ハリリ暗殺を鉄面皮にも「シリアの犯行」と烙印したブッシュ帝国は、シリア軍の撤退を傲然と迫るとともに、シリアの「民主化」(=体制転覆)を強行する意図をむきだしにし、これを貫徹するためにEU(フランス・ドイツ・イギリス)を抱きこむ画策をもめぐらしている。――そもそもハリリ暗殺事件そのものが、レバノンの親シリア政権を打倒し親米政権を樹立するために野党勢力を焚(た)きつけることをたくらんで、ブッシュ帝国が仕組んだ謀略にほかならない。
 ブッシュ帝国のこの謀略と政治的強圧への反発を募らせながらも、圧力を回避する思惑から、シリアのアサド政権はシリア軍のレバノンからの段階的撤退を表明し、現に一部実行を開始しつつある。とはいえ同時に、この政権は、あくまでも自己の政治支配体制の存続のために、シーア派宗教国家イランとの反米共同戦線′`成を公言し政治的協調関係の強化をはかるとともに、イランと組んでレバノン現政権ならびにヒズボラへの支援を強化しているのだ。ヒズボラの3・8反米<fモは、シリアとイランの反撃の狼煙にほかならない。
 シリアとイランとの結束強化への焦燥感に駆られたブッシュ帝国は、イラン政府にたいしては、もしも「核開発放棄」に応じるならばイランの世界貿易機関(WTO)加盟申請への反対を取り下げるとともに民間航空機への修理部品供与を許可する、という政治的アドバルーンを打ちあげてみせた(三月十一日)。この柔軟策≠フおしだしは、イランの「核兵器開発疑惑」問題を国連安保理事会に付託し国連による査察を強行するという従来の対イラン強硬策の破綻をとりつくろうための弥縫策でしかない、といえる。イランに「核開発」を断念させるためと称して、代替エネルギー開発支援というニンジンをぶらさげつつイラン政府との交渉をおしすすめているEU(仏・独および英)。これによってみずからの強硬策が宙に浮いてしまったことのゆえに、右のような方策を泥縄的にとらざるをえなくなったのだ。
 とりわけ、ユニラテラリズムむきだしのブッシュ政権の対外政策にたいする非難をタテに仏・独との協調に軸足を移しはじめた盟友<uレア政権との修復をはかる思惑から、EUとの対中洋政策における協調姿勢をおしだしてみせている国務長官ライスの小賢(こざか)しい計略に、それはもとづく。
 それだけではない。アメリカ政府の強い反対と警告を無視して、プーチンのロシアが――EU諸国と協調を謳いつつ――イランへの核燃料の供与にかんする協定の締結にふみきった。しかもプーチンは、ブッシュ帝国の対シリア強硬策に対抗する意図をこめて、「シリアとのロシアの特別な関係」を強化することを公言した。ロシアのこの蠢動への危機感をブッシュ帝国は強めている。
 みずからの政治的面子をかけて強行したイラク暫定国民議会選挙、その結果において刻印されたイラク軍事占領の完全な破産をのりきるために、ブッシュ帝国は「拡大中東民主化」構想を押っ取り刀で練り直しつつ、「圧制国家」(ライス)と烙印したシリアとイランを「民主化」することをたくらんでいる。この「民主化の輸出」政策を貫徹するための橋頭堡を再構築することを狙って、レバノンの親シリア政権を打ち倒し親米政権を樹立する策動がくりひろげられているのだ。「杉の木革命」の名のもとに……。

以下、見出し

台湾問題・北朝鮮核問題をめぐる米・中の対立の激化

ブッシュ政権につき従い安保強化・改憲に突進する小泉政権

一気にすすむ改憲翼賛の大濁流の形成

「自衛隊と憲法の共存」を唱える日共の犯罪性を暴け!
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「護憲」のための「保守層との共同」を夢想する代々木官僚

 小泉政権は今、憲法第九条をふみにじって強行したイラク派兵を現実的土台として、憲法の明文改定=大改悪にむかって一気呵成に突進している。「対テロ戦争」に日本国家がなんの制約もなく参戦できるように憲法を改定せよと強硬に迫っているアメリカ帝国主義・ブッシュ政権の要請に応えて、小泉反動政権は、「集団的自衛権の行使」を合憲化することを核心とする改憲を強行しようと策している。すでに、改憲のための手続き法として国民投票法案および国会法改正案の今国会への上程が、民主党の合意のもとに、本決まりとなっている。まさに改憲のための道が強権的にきりひらかれようとしているのだ。
 この危機的事態を前にして、日本共産党の不破=志位指導部は、「九条をまもるたたかい」の名のもとに、その実は、「憲法と自衛隊の共存」を認め自衛隊の海外での「平和的利用」をすら積極的に是認するという、まさに反人民的な大裏切りに踏みだした。しかも、「日本の国益」のための「アジア重視の外交」の手段として憲法第九条をおしだしつつ、もって「保守層」内部の護憲派≠ニの「共同」を追求するために、あろうことか、反改憲の共同行動をおしすすめているたたかう労働者や学生を「暴力集団革マル派」とレッテル貼りして排除することに、代々木官僚は血道を挙げはじめたのだ。
 アメリカ国家と共同して侵略戦争を遂行しうる国家へと日本国家を全面的につくりかえるための憲法改悪を許すか否か――わが労働者・勤労人民は、戦後日本のこの歴史的岐路に立たされている。改憲に反対する人民の総結集をはかるべきまさにこの時に、自称「国民の党」の指導部は、憲法改悪反対の運動の内部に「敵」を見いだし、その排除をがなりたてるという社会ファシズム論もどきのセクト主義を発揮しているのだ。「イラクの反米武装闘争を賛美する革マル派=テロ支持勢力に加担したら弾圧の対象ですよ」という国家権力・公安警察の恫喝に屈服し、「過激派排除」を中堅・下部党員に強要しはじめたのが、代々木官僚なのである。

T 社会ファシズム論もどきのセクト主義の露出

改憲阻止の共同行動の分断

わが革命的左翼の闘いへの恐怖にかられた代々木官僚


 共産党員たちよ! 共産党員が、あるいは市民活動家や労組員が民家にビラまきをしただけで逮捕されるという、戦前の治安維持法下の弾圧を彷彿(ほうふつ)とさせるような攻撃がかけられているではないか。いまや、笑顔のファシズム≠フベールをすらかなぐり捨てて正真正銘のファシズム的弾圧がくりひろげられているのだ。まさに憲法大改悪を頂点とした「戦争をやれる国家」の強権的=軍事的支配体制の強化にたいして、これを打ち砕く反ネオ・ファシズムの戦線を構築することこそが問われているのである。にもかかわらず、こうした問いに背を向け、セクト主義丸出しで「過激派」狩りにうつつを抜かしている不破=志位指導部を弾劾せよ。日本労働者階級を裏切って、支配階級から無害の体制内政党として認めてもらうための道を歩んでいる中央官僚と心中することなかれ。

U 安保・自衛隊を支持する人との「共同」(?)

自衛隊の海外での「平和利用」論への転落

開明的%ニ占ブルジョアジーへの媚びへつらい

党勢低下に歯止めをかけるための起死回生策


V 修正資本主義版「統一戦線論」の反労働者性
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高速増殖炉もんじゅ改造工事着工―運転再開を阻止せよ!

 「失われた十年を取り戻せ」――悲鳴ともつかない叫び声をあげながら、小泉政権と核燃料サイクル機構が高速増殖炉「もんじゅ」の改造工事の着手に猛然と突進しはじめた。「もんじゅ」は一九九五年のナトリウム漏れ・火災炎上事故によって甚大なダメージをうけ、それ以来、十年間運転を停止したままである。七十人いた運転員も現在は三十人にまで激減し、運転操作の経験者はほとんどいなくなっている。ボロボロになった「もんじゅ」の運転を再開すること自体がまったく無謀きわまりない。
 小泉政権はしかし、石油価格が高騰するなかで資源小国としての制約を突破するために「核燃料サイクル確立」の野望を膨らませている。まさにそのゆえに、六ヶ所村核再処理工場の試験運転を強行したことにひきつづき、国家的威信をかけて、「もんじゅ」の運転再開のための改造工事を三月中にも強行しようとしているのだ。
 国際的な石油価格の高騰をインパクトとして、小泉政権は「エネルギー安保」の名のもとに核エネルギー重視の政策をとっている。昨〇四年八月の美浜原発事故をもたらしたような老朽原発を、耐用年数を延長して稼働させたり、プルサーマル運転を許容したりしている。そして「核燃料サイクル確立」の看板のもとに、小泉政権が「もんじゅ」運転再開の一大攻撃を振りおろしている。
 今日、反対運動は試練にたたされている。昨年の十二月五日の「『もんじゅ』廃炉へ 全国集会」には社民党中央の闘争放棄・抑圧に抗して、八〇〇名をこえる労働者・学生が全国から結集した。しかし、既成反対運動指導部によって「最高裁の判断が下されるまでは高裁判決に従う」ことや「廃炉処分、核廃棄物処分の分野の研究に専心する」ことを政府・核燃機構に要望するものへと、闘いはねじまげられている。
 われわれは、小泉政権にたいしてエネルギー政策の転換を要求するにすぎない既成反対運動指導部を弾劾し、いまこそ三月改造工事開始阻止! の闘いを日本の軍事強国化阻止の反戦闘争と結びつけて断固として推進するのでなければならない。
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わが同盟の〇五春闘スローガン

■憲法改悪阻止! 国会法改定・国民投票法上程を許すな!

・教育基本法改悪反対!「日の丸・君が代」の強制を許すな!
・改憲攻撃の尖兵となった「連合」笹森執行部・自治労中央を弾劾せよ!
・「憲法と自衛隊の共存」を叫ぶ日共中央を許すな!
・各労組・各戦線から改憲阻止の強大な戦線を構築せよ!


■軍国主義帝国アメリカのイラク占領反対! 自衛隊は戦乱のイラクから撤退せよ!

・ブッシュ政権の先制攻撃戦略に従属した、日本国軍の米軍との一体化を許すな!

■リストラ―首切り・賃下げ攻撃粉砕!

・成果主義反対! 大幅一律賃上げをかちとろう! 雇用・就労形態の大改悪を許すな!
・独占資本と一体化した「連合」労働貴族、資本に完全屈服する「全労連」指導部の大裏切りを弾劾せよ!

■労働諸法制の抜本的大改悪反対! 増税・諸保険制度の大改悪反対!

・一切の犠牲を労働者・人民に転嫁する郵政民営化・「三位一体改革」反対!

■労働者・人民を戦争に引きずりこみ、失業と生活苦を強要する小泉政権の打倒をめざして闘おう!

■巨大軍需独占体労組幹部が牛耳る「連合」労働運動の救国産報運動への変質に抗して、日本労働運動の再生を! 労働組合を下から左翼的戦闘的に強化しよう!


・〇五春闘の戦闘的高揚を切りひらこう!
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仮面舞踏

古木羅夢洲

おぞましき檻(をり)のなかの選挙礼讃、ひた隠す殺戮¢蜩摎フ

殺人鬼角を隠して助っ人を〈古き欧州〉に求むるや破廉恥

成果あぐる中欧版PNACに恐怖したるはプーチン皇帝

戦争狂ひ〈平和の使徒〉をよそほひ飛びたつも 腕にはハーケンクロイツ
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日米共同雪中演習阻止闘争(2・28、千歳)


 
日米共同雪中演習阻止!
東千歳駐屯地へ進撃

「演習をやめろ!」自衛隊員に怒りをぶつける道共闘

基地ゲートにむかうデモ隊列

日本軍の米軍との一体化を許すな!
雪中演習阻止に起つ全学連道共闘


  

陸自第三波出兵阻止に起つ(2・20、守山)


 二月二十日、全学連東海地方共闘会議と名古屋地区反戦のたたかう労学は、陸上自衛隊第十師団の第五次イラク出兵第三波部隊の守山駐屯地からの出撃を、断固阻止するために勇躍決起した。現地闘争から完全に逃亡し四月の名古屋市長選挙向けのカンパニアに埋没している日共系の反対運動をのりこえるかたちでたたかいぬいたのだ。

第五次派兵第三陣の部隊が乗ったバスに弾劾の嵐を浴びせる


  

「もんじゅ」改造着工に反撃(3・1、敦賀)


 全学連北信越地方共闘会議のたたかう学生は、高速増殖炉「もんじゅ」改造工事着工に反対する緊急抗議闘争にたちあがった。


三月一日、高速増殖炉「もんじゅ」の正面ゲート前
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