第1873号(2005年6月20日)の内容

<1面>
改憲絶対阻止!
 小泉政権の打倒をめざして闘おう

<4―5面>
脱線転覆
<2面>
「愛知万博警備」を口実とした治安弾圧体制の強化を許すな
ITER誘致合戦でフランスに敗北した日本政府
自治労中央委員会で大情宣
<6面>
「日本版イグゼンプション制」を許すな
郵政保険職場の悲惨な実態
北海道で郵政職場に闘いの檄
Topics 人事院の給与抜本的見直し案
<7面>
NTT経営陣による「人事・賃金制度」大改悪を阻止せよ
<8面>
組織創造の魂をわがものに
日共下部党員に迫る気迫に学ぶ
「おもかげ」感想
<3面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
「泣いて馬謖を……」?
◆首輪のリニューアル
◆裸の王様
◆カウンターパンチ
◆「党としての死」

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 





























  


改憲絶対阻止! 小泉政権の打倒をめざして闘おう

労働戦線から反改憲・反戦反安保のうねりを!



反中国排外主義を煽る小泉政権

政権危機突破のためのブッシュ帝国への依存

改憲の濁流に呑みこまれた既成労組指導部弾劾!


 小泉政権発足以来の政権危機がうみだされているにもかかわらず、「倒閣」に気色ばむわけでもなく、ただもっぱら目先の都議選を意識して、小泉政権との政策上の「違い」を強調しているのが、岡田の民主党である。郵政民営化賛成論者を多く抱えこんでいる民主党は、「審議拒否」のパフォーマンスをほんのちょっぴりおこなっただけで早々に「国会正常化」に応じた。いや、靖国参拝問題や郵政民営化問題が政治焦点化するなかでも、彼らは小泉政権・与党とのあいだで、来るべき「憲法改正」と国民投票法制定をめぐって(さらには「教育基本法改正」をめぐって)の合意をつくりだすことを第一義としているのだ。
 この民主党・岡田執行部と連携しつつ、秋の「連合」大会に向けて傘下諸労組を「改憲支持」の方針のもとに足並みをそろえさせることに躍起になっているのが、「連合」笹森執行部にほかならない。「九条第二項に自衛権と自衛隊の存在を明記する、国際貢献のあり方については九条に第三項を設けるか、基本法で定める」――こうした方針にもとづいて笹森執行部は、傘下の諸労組幹部をオルグするために全国行脚をつづけている。この笹森のオルグと恫喝に応じて、ついに旧総評系の二大単産である自治労と日教組の両執行部は、公然と「護憲」の旗を捨てさり、「改憲支持」=自衛隊と海外派兵の合憲化の方針をうちだすことに踏み切った。
 自治労本部は、五月末に開いた第一三一回中央委員会において、形ばかり掲げてきた「自衛隊=違憲」論を明確に最終的に否定し、自衛隊の存在と海外派遣を公然と容認する内実の「平和基本法制定」を要求するという「国の基本政策検討委員会報告」を強行的に承認させた。自治労内の戦闘的労働者の下からの闘いに突きあげられて、これまでまがりなりにも「改憲反対」の旗幟を鮮明にすることを本部に要求してきた民同左派(旧協会派)系県本部幹部どもは、本部の恫喝に屈して最終局面において抵抗の矛先を収めた。この民同左派系ダラ幹どもの裏切りに助けられ、それでもなおかつ噴出した反対意見を傲然と踏みにじって、右派で固めた自治労本部は、「平和基本法制定」という実質上の第九条改憲支持方針を中央委員会で押し通したのだ。彼らは、この方針を八月の全国大会において決定しようとしている。
 自治労本部に半周遅れで追随してきた日教組本部もまた、委員長・森越が「憲法についても、不磨の大典ではない」と公然と言い放って(『論座』六月号)「改憲支持」の意図を鮮明にした。六月八日に開かれた日教組全国代表者会議においては、これまで本部が組合員を騙(だま)すために唱えてきた「前文と九条は変えない」という主張すら後景に押しやり、「憲法理念の具現のために護憲の運動をおこなう」とか「改悪反対の立場に立って論議する」とかという方針を提起した。彼らは、自治労の方針決定の成り行きを見守りながら、それにあわせて日教組の「改憲支持」の方針を公然化しようと姑息な政治技術を駆使しているのだ。
 実際、ようやく配布された「憲法論議対策委員会中間報告(その1)」=「日教組討議資料」なるものは、「九条改憲」に応じていくというみずからのハラを押し隠して組合員をだますためにのみつくられた代物でしかない。ただただ長いだけで、組合員に読む気を起こさせないようなこの「討議資料」は、日教組本部の方針決定にさいして「職場討議に付した」というアリバイをつくるためにのみ配布されたのだ。「憲法九条と前文を遵守する」と明記しさえすれば下からの反発を押さえられると錯覚している本部ダラ幹どもは、あとは「立憲主義」なるものをもっぱら前面におしだして組合員を煙に巻こうとしている。「立憲主義」をおしだすことによって「平和基本法制定」方針(立憲主義の精神で国の安全保障政策を「規制」するという基礎づけにもとづくそれ)への伏線をひきながら、しかし平和基本法そのものには触れない(議論を先延ばしにする)という欺瞞的なやりかたをとっているのだ。
 日教組本部は、七月十八日からの全国大会においても、憲法問題にかんしてはこうした欺瞞的な方針を決定し、あとは自治労本部に追随して「平和基本法制定」方針をうちだすことをもって「連合」指導部に承認してもらう、という狡猾(こうかつ)な計算をおこなっている。この魂胆(こんたん)にもとづいて彼らは、いま「護憲」を掲げてきた各県本部の切り崩しに狂奔している。
 こうした本部の説得≠ノ応じて、「前文と九条は変えない」という鰯(いわし)の頭%I言質をとることとひきかえに、――自治労内民同左派と同様に――早々に屈服し、「改憲反対」「護憲」の運動方針を対置してたたかうことそのものを放棄しはじめたのが、日教組内の民同左派(各県連)系ダラ幹たちの大部分なのだ。この裏切りを断じて許すな!
 いまやあいついで「連合」笹森の軍門に降り、「平和基本法制定」要求という名の九条改憲支持方針をうちだしはじめた自治労や日教組本部を、すべてのたたかう労働者は弾劾せよ!

「平和基本法制定」要求方針の犯罪性を暴き出せ

「改憲阻止」の一大奔流をつくりだせ
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うた 脱線転覆


起るべくして惹起せし惨事 井手(正敬)型理念破綻のシンボル

〈事故の光と影〉
工程の一部稼働を停止して動員(*)かけしや、あっぱれ
 *日本スピンドル――三百五十名中二百五十名を動員せり

〈ああ救急医〉

〈安全第二のJR「西」〉
阪急と速度争ひ、車輌をば軽量化せしゆゑ大惨事

《サティアン》の悪夢

〈ATS物神化〉
ATS―P導入せむとて異常なる過密ダイアそ事故の源

〈井手なんや 垣内もんじゃ〉
「井手王国」崩壊すJR「西」は〈養殖〉を動員せざりき

〈麗しき鉄路〉

〈列車の風景〉
万緑の野山を走る新幹線 見るに清しも事故よぎりけり
     
      (一部抜粋)
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「泣いて馬謖を……」?

いえいえ、東京ヒトラーの親衛隊長斬り


 「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」。馬謖とは、中国は三国時代の蜀の武将。雲南討伐に活躍、諸葛孔明の信をうけ参軍となるも、命令に背いて魏軍と戦い大敗したため、軍律により孔明は泣いて馬謖を斬ったという。
 大の「シナ嫌い」を自認しているファシスト都知事の石原が、この中国の故事に託して、「腹心」のクビをはねたおのれの心情をヒレキしたのは、まことに噴飯もの(六月三日の記者会見)。
 石原の用心棒=副知事・浜渦武生を辞任に追いこんだ中心的実体は都議会自民党だ。いわく、副知事が三月の都議会予算特別委でおこなった社会福祉事業団への補助金の違法性をほのめかす発言は、(自民党と党出身の都議会議長を陥れようとする)ためにする虚言。しかも、民主党議員をつかって「やらせ質問」を仕組んだ。百条委員会(都議会調査委員会)で副知事がこの疑惑を否定したのは偽証にあたる=\―こう主張する自民党の主導のもとに、百条委員会は「副知事の発言は偽証罪での刑事告発に値する」と議決した(五月三十一日)。
 過去三ヵ月余にわたるスッタモンダの抗争の末に、進退きわまった石原がトカゲのシッポ切りよろしく浜渦の首を切り、これと引きかえに自民の側も告発を見送るかたちで手打ちに応じた、というまったくの茶番劇。
 都議会自民党が浜渦を目の敵にしたのは、自民党の息のかかった局長など幹部連中を次々ととばされ、都議会与党としての利権構造も破壊され、都政への発言力≠熏恃イきにされてきた恨みのゆえ。
 確かに、「週に二〜三日しか登庁しない」石原にかわってあらゆる部門の決裁を専一的にとりしきってきた浜渦の「横暴」と「恐怖政治」はつとに有名な話。ふだつきの右翼分子として知られていた学生時代から石原に共鳴し、大学卒業後ただちに石原事務所入りして以降このかた、ヤクザそのもののこの男は、敵対勢力への恫喝・脅迫・謀略工作などを一手に引き受けてきた。ある都幹部が「浜渦氏を重用しすぎではないか」と進言したのにたいして石原は、「浜渦は『○○を殺せ』と言えば本当にやる男だ。お前にはできないだろう」とすごんでみせたという。まさに、ネオ・ファシストの頭目と親衛隊長にふさわしい逸話と言うべきである。
 都議会自民党は、浜渦の「首」をとったあとは、石原のご機嫌伺いに余念がない。なにせ、都議選候補者のポスターは、ことごとく石原との握手の図。石原人気だけが命綱なのだから。前回の衆院選で落選した石原の三男坊の再出馬のために尽力することをせっせとアピールしてさえいる。
 当の石原はといえば、記者会見で都政混乱にたいするみずからの責任を問われるやいなや、とたんに色をなして叫んだ。「私はやめる意思なんか毛頭ないね! いったい何の責任があるというんだ!」
 バショクならぬSS(親衛隊)のボス=ヒムラーの首をこの和製ヒトラーが切り落としたのは、あくまでも知事の座にしがみつき、反労働者的なその諸政策を貫かんがため。子供たちに愛国心をたたきこむための「日の丸・君が代」の強制と処分。役立たずの社会的弱者(老人・病人・障害者・生活保護の受給者など)はサッサと死ね!≠ニ言わんばかりの、新自由主義にもとづく福祉・医療分野での「石原式改革」の数々。都政版大リストラのもとで、あらゆる職場が人員不足・超長時間の残業づけで、メンタル・病休者・早期退職者が雪ダルマ式にふくれあがり、現職死亡・自殺者があいついでいる。地獄図さながらの職場からの悲鳴とうめき声などどこ吹く風と、「勝つ高揚感において戦争に勝るものなし」などとうそぶいて恥じぬこのネオ・ファシスト! こいつのクビをこそ、労働者人民の怒りの斧でたたき切るのでなければならない。
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