第1889号(2005年10月17日)の内容

<1面>
10・23闘争の大高揚をかちとれ

米軍によるイラク人民大虐殺弾劾!
改憲阻止・反戦・反安保の火柱を!
<4〜5面>
〈シリーズ〉 許すな! 戦争と暗黒支配 
小泉恐怖政治≠暴く

第2回 小泉属国♀O交の大罪
ブッシュにへつらい中国・韓国には傲慢

<5面>
徴兵制・核武装を肯定する高木の「連合」会長選出阻止!
<2面>
小泉専制に反撃の烽火(10・1渋谷)写真へ)
治安弾圧の一挙的強化を狙う「共謀罪」の新設を阻止せよ
<3面>
10・5―6「連合」大会
新会長・高木に批判噴出
代議員・傍聴者に戦闘的檄

<6面>
「信賞必罰型」の労務管理に踏み出した道教委
Topics 国家公務員に大量首切りの嵐
<8面>
石綿使用を野放しにした政府・資本家を許さない
「安保闘争と学生の政治参加」に学ぶ
<7面>
万華鏡2005――情勢の断層を読む
◆ママの優生思想
◆負け惜しみ
◆うりふたつ
脳移植手術
◆アームズ・ビズ

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 




































  


10・23闘争の大高揚をかちとれ

米軍によるイラク人民大虐殺弾劾!

改憲阻止・反戦・反安保の火柱を!

「小泉専制をうち砕け!」全学連が決起 
10月1日、東京渋谷(記事2面)
 十月十五日のイラク新憲法制定国民投票を目前にひかえて、アメリカ大統領ブッシュは、「テロリストは、前世紀の共産主義と同様の新たな敵だ」「テロリストに協力するシリアとイランの行為は寛容に値しない」などとがなりたてた(十月六日のワシントンでの演説)。イラクにおけるムスリム人民の執拗な反抗の背後にイラン・シリアの影を、さらに中国・ロシアの影を見てとり逆上しているのが、ブッシュその人なのだ。だからこそ彼は、「対テロ戦」の遂行を、「ソ連の収容所、中国の文化大革命」など共産主義の悪≠ニの闘いと同等のものと意義づけたのだ。中・露に対抗するためにもイラクに居座り続けることを傲然と宣言したのがブッシュ政権なのである。これぞ、断末魔の叫び!
 いまやブッシュ帝国は、みずからが「自由の前進」のための「反テロ戦争」の拠点と公言してきたイラク失陥という局面に焦りに焦っている。新憲法の承認という格好をなんとかとりつけるために、占領米軍は、これに抵抗するスンナ派勢力およびサドル派などを標的として、狂気の謀略とスンナ派武装勢力の拠点にたいする壊滅作戦を強行しているのだ。それはムスリム人民の怒りをかきたてるのみである。しかも英豪両権力者は、来春の撤兵という腹を固めている。友邦同盟は完全に崩壊したのだ。この窮地を脱するためにこそブッシュ政権は、ブレア政権を説得≠キるとともに、世界で唯一の忠犬=¥ャ泉政権を日米安保同盟の鎖でより強力に締めあげているのだ。
 このブッシュ政権の強力な要求に呼応して、小泉政権は、イラクへの派兵再延長の意志を固めた。ハーケンクロイツ同盟の一角を担うにふさわしい「戦争をやれる国」へと日本国家を飛躍させるために、小泉政権は首相専制体制を基礎として、憲法改悪をはじめとするネオ・ファシズム的反動攻撃を一気呵成にしかけている。
 すべての労働者・学生諸君! 総選挙において、ニート、フリーター、学生ら将来不安におちいっている青年層が、小泉の「改革」狂騒曲に踊らされとりこまれた。これこそは、日本階級闘争の弱さのゆえに、なかんずく既成指導部の腐敗のゆえにもたらされているものにほかならない。いまこそわれわれは、百尺竿頭の精神をもって日本階級闘争の危機を突き破るのでなければならない。憲法改悪を阻止せよ。
 反米・反占領闘争に決起しているムスリム人民と連帯し、米・英のイラク占領に反対せよ。日本国軍のイラク駐留延長を許すな。同時にまた「構造改革」の名による郵政民営化などの反動諸攻撃を許すな。すべての労働者・学生は、決意も固く10・23闘争に総決起せよ!

以下、見出し
イラク占領の全面破綻に逢着したブッシュ帝国の断末魔

小泉専制下の改憲・日米軍事同盟強化への突進

改憲阻止、反戦・反安保の闘いに総決起せよ!
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〈シリーズ〉 許すな! 戦争と暗黒支配 
小泉恐怖政治≠暴く


第2回 小泉属国♀O交の大罪

ブッシュにへつらい中国・韓国には傲慢


小泉は国連総会で総スカンを食った!

 日本帝国主義国家は今、国際政治場面では、アジアのみならず世界の孤児≠ノ転落している。総選挙圧勝の興奮さめやらぬ首相・小泉は、九月十五日、意気揚々≠ニ国連創設六十周年の特別首脳会合にのぞみ、ブッシュの顔色をうかがいながら「国連改革」=日本の安保理常任理事国入りの意欲を英語でアピールした。
 色あせた夢を性懲りもなく語る「五十一番目の州」知事の演説は、まばらな拍手に迎えられた。「アメリカの国家テロリズム」を激しく非難したベネズエラ・チャベスの大演説が途上諸国首脳から万雷の拍手を贈られたのとは、あまりの好対照!
 一事が万事である。日米安保同盟を絶対的基礎として「戦争をやれる国」に日本国家を飛躍させるために、ブッシュ帝国の従順な家来として立ち振る舞う小泉政権。この政権への不信が世界中に広がっているのだ。小泉政権の対米追随一辺倒外交の大犯罪を暴きだせ。

以下、見出し
北朝鮮の敵視――六ヵ国協議

「隣人に苦痛を与え未来を不安にさせる」――民族排外主義の煽動

アジアの孤児≠ヨの転落

安保理常任理入りの野望はブッシュ帝国に潰された!――鎖で締め上げられたポチ公


コラム
@口先だけの対中国「謝罪」

A中国・反日デモの深層

B小泉の対米追随一辺倒外交への財界≠フ反発

C中国人4万人の強制連行と虐殺

 戦後六十年。かろうじて生き延びた出征兵士も、原爆被爆者も、大空襲の被災者も、鬼籍に入る人多く、忌わしき侵略と戦禍の記憶が消えかかっている。今がチャンスとばかりに、権力者どもは天皇制国家のアジア侵略の歴史を「アジア解放の聖戦」の歴史にぬりかえている。
 だが、消せない、消してはならない日本帝国主義の負の歴史≠ェある。「三光作戦」、南京大虐殺、七三一部隊の悪行、朝鮮人強制連行……。ここでは中国人・八路軍(=中共軍)捕虜たちの日本への強制連行と虐殺の歴史に光をあてる。
 長野県御岳山を舞台にした小説『黄砂哭(な)く谷』(徳間書店)の中で著者・生田直親は、戦争末期の中国人強制連行事件の記録『草の墓標』(中国人強制連行事件資料編纂委員会刊)を掘り起こした。それによると、「戦争末期東条内閣の閣議決定によって中国より約四万人の中国人を日本に強制連行し、全国の鉱山、港湾、土建などで労役し、そのうち約七千人を死にいたらしめた事件」とある(以上、同書の重引および要旨)。
 長野県木曽谷では、間組、飛鳥組、鹿島組が工事を受注した発電所建設に一五〇〇人の中国人が連れてこられた。「これらの俘虜は華北でとらえられた八路軍の兵士と『満州』や中国各地から強制的に拉致してきた兵士や労働者たちであった。」
 時の政府と請負企業は、中国人労働者を山中のタコ部屋におしこみ、食糧も被服もまともに与えなかった。冬には数メートルの雪が積もる厳寒の地で!「俘虜の常食は、小麦粉六〇%、麩糠四〇%の粗悪なパン〔3×3×7センチ〕三個を与えられただけで、空腹にたえかねて野草を採取して生活していた。」衣服は夏服一着が支給されただけだった。「この結果、衰弱してやせ弱り、みるも哀れな状態になっていた。病気で倒れても医師は往診にいかず、死亡したあとで診断していた。」
 労働は過酷をきわめた。中国人たちは、牛馬のように、いや交代のきく奴隷のようにコキつかわれた。工事場には特高や多数の警官が配備され監視にあたり、反抗する者・逃亡する者は、拷問を加えられ虐殺され、工事現場の土砂中や深い山中に捨てられた。その数は、総員一五〇〇人のうち、二〇〇名以上といわれるが正確な数は不明、遺骨も回収できない。事実を立証する書類は敗戦とともに焼却されてしまった。虐待を加えた者も雲隠れした。
 「当時ダムやトンネルのなかに死人を入れてコンクリートで固めてしまったという噂を何回もきいた。暴動事件のとき警官が十五、六名を連れていった。……ついに帰ってこなかった」(当時、現地の企業に勤めていた地元の婦人の証言)。
 戦後処理も驚きだ。日本政府は華北労工協会との労工契約(自由契約)であって謝罪のすじあいはないという姿勢をとった。中国人側が国家の賠償問題と主張したのにたいしてGHQが介入し、事業者=日本側に加担した。未払い賃金や補償金の支払いを命じ、中国人にむりやりうけとらせた。つまり金でカタをつけたのだ。鹿島組やら何やらが補償金を支払った。
 生田は主人公に語らせる。「これが日本政府の、酷使し、虐殺した中国人への謝罪の方法なのである。」
 「わたしの胸につよくよみがえるのは、……『日本人であることの羞恥』だった。メタンガスがわくドブ池のように、ふつふつとわきあがる、そらおそろしい羞恥。
 わたしは念をおした。『つまりこの国の政府は、この事件にかんしてひとことも中国人にたいして謝らなかったんですね?』『そう、いまだに、ひとこともだのい』
 老住職も、ちょっとくちびるをふるわせてこたえた。わたしはしばし、その場をうごけなかった。」
 木曽谷だけではない。北海道の夕張炭鉱、朱鞠内湖のダム建設、秋田県花岡鉱山、別子銅山など。花岡鉱山では蜂起した中国人四一八人が虐殺された(花岡事件)。日本全国に大怨あり。この歴史は決して消せない。
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10・5―6「連合」大会

「改憲・公務員削減」支持を許すな!


 十月五、六日に開催された第九回「連合」定期大会において、「高木会長選出反対!『7・14見解』反対!」のたたかう声が谺(こだま)した。衆議院選挙で圧勝した小泉政権による改憲と新自由主義的「構造改革」の一大攻撃をまえにして、みずから積極的に「改憲」を支持し「公務員制度改革」を受け入れる道を選んだ「連合」中央にたいして反撃の烽火があがったのだ。

高木不信票が三割を超す

「7・14見解」への批判が巻き起こる

「労組とのしがらみを断つ」と公言する民主党・前原に怒りの声
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脳移植手術

「自民党まで含めた広範な戦線を」?!

 ここは日本興亜損保病院(院長・品川正治経済同友会終身幹事)。後藤田正晴の死亡が発表される前、彼の遺言にしたがって、大脳髄質を他者の脳に移植する前代未聞の大手術が、執刀医・野中広務によってとりおこなわれている。
 移植対象者は……小泉専制支配のもとに固められた自民党の腰ヌケ政治家じゃあダメ。戦争を知らぬ若造タカ派の前原を新代表にすえた民主党は肌に合わぬ。キヨミズ社民党では「左」すぎる。そこで物わかりのイイ老人≠ニして保守リベラル派のなかで重宝がられている男に白羽の矢が立てられた。そう、野中の親友にして日共副委員長の上田耕一郎デアル。
 ……メス。……ザク、ザク……おやおや、上耕クンの脳ミソはずいぶんしぼんでスカスカになっちゃってるなあ。ちょうどいい、後藤田先生の大脳髄質を注入して……ブシュー。さて、うまくいったかな。政治的刺激を与えて生体反応を調べてみよう。
 エー、共産党は自衛隊は憲法第九条違反だから解消すべし≠ニ主張してきたが、今でもそう思うかい?
 ピピピ……解消だなんてトンデモナイデス。九条が「決定的に大事」なのは、「海外派兵、集団的自衛権行使、国連の武力行使」の三つができない「歯止め」になっている、ということデス。
 そうそう。シビリアン・コントロール下に自衛隊をおくことが憲法の平和主義だな。ではこの自衛隊を国際貢献にどう使うのが良いと思うかな?
 ピピピ……世界で災害があったらすぐに救済機を飛ばす。それには日の丸をつけたらいい≠ニいう小田実君の提言に、ワタシは「大賛成」デス。これこそ「自衛隊の海外での平和的活用」というわが弟・不破議長の提起を肉づけするものデス。
 それでよろしい。かつて君は、日米安保条約は「諸悪の根源」であり、「米日反動二つの敵」を打破すべし、などと言い張っておったが、今はどうかな?
 ピピピ……そんなカゲキなコトはもう言いませんヨ。ワタシたちは「日米安保条約を日米平和友好条約という当たり前の条約に変えろ」という意見でして、この点では「自民党まで含めた広範な戦線」をつくるべきだ、と信じていマス。
 うむ、後藤田先生の言葉どおりの模範解答だ。アメリカも自民党も財界も敵ではないのなら、いったい誰が君の敵なのかな?
 ピピピ……モチロン、暴力集団・革マル派デス! 排除! 排除! 排除! ピーピーピー
 ほうほう、田中先生の懐刀として革マル派をツブスための謀略を仕組んできた後藤田先生の暗黒面もしっかり移植されたようだな。では、味方は誰かな?
 ピピピ……財界では品川正治先生、自民党では河野洋平さんや宮沢喜一さんたちが「九条支持」の同志デス。こういう「本物の保守的な動きをする人」が次々に出てくることを心から願いマス。
 そうだな。「まっとうな保守党」としてわが自民党は再生されねばならん。後藤田先生は、最後のテレビ出演(八月二十一日、TBS「時事放談」)で、代議制民主主義をふみにじる小泉を指弾しつつ、「自民党にはあまり非情な政治はやってもらいたくない」と言い遺された。上耕クン、共産党に贈られた先生の遺言はちゃんとインプットされたかな?
 ピピピ……ハイ、「マルクス主義をやめて党名を改め……社会主義的な政党としての柱を一本立ててもらいたい」デス。ガンコな古参党員どもの抵抗勢力とダンコたたかってガンバリマス!
 あれ? なんかヘンだけど、まあいいか。上耕同志、「本物の保守政治」のために、がんばってくれたまえ!
 ――この移植手術の成果≠ヘ、たちまちあらわれた。『前衛』十月号の上耕論文と『経済』十月号の小田実との対談において、上耕は野中に答えたのとまるで同じ内容を書き・しゃべったのであった。
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小泉専制に反撃の烽火(10・1渋谷)


 十月一日、全学連のたたかう学生たちは、第三次小泉政権による憲法改悪・日米軍事同盟の強化をはじめとした極反動諸攻撃をうち砕くべく、東京・渋谷を席巻する戦闘的デモンストレーションに決起した。
「憲法大改悪絶対阻止!」の横断幕先頭に渋谷駅頭を進撃(10月1日)

夕闇の街に反戦の声轟く(10月1日、渋谷)
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