第1919号(2006年5月22日)の内容


<1面>
小泉政権の極反動攻撃を打ち砕け
既成指導部の総屈服・翼賛を弾劾し憲法・教基法改悪粉砕の闘いに起て


<4〜5面>
日本製兵器開発=国産化を巡る日米間の暗闘
毒物まみれ! 返還される米軍基地

<2面>
大阪米総領事館に怒りのデモ(4・29)(写真へ
「共謀罪制定・教基法改悪阻止!」
 自民党(兵庫・大阪)に緊急抗議(4・28)(写真へ
5・3憲法集会で闘う労学が奮闘(写真へ
鹿児島市街に反戦の声(4・27)


<3面>
米原子力空母リンカーン寄港阻止!
5・25―27佐世保現地闘争に起て


<6面>
Topics 郵政公社当局が集配拠点再編を提示
JR西当局の変らぬ安全無視
「連合大阪」メーデー 高木に野次(写真へ
「連合石川」メーデー 熱気みなぎる(写真へ

<7面>
米・ソ核実験反対闘争 先輩たちの苦闘に学ぶ

<8面>
「サービス商品」規定への疑問
《いま・ここ》で『きけ わだつみのこえ』を聞く

<3面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
東西東西〜
再び「鉄のカーテン」?
懲りない面々

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号
 





  


小泉政権の極反動攻撃を打ち砕け


既成指導部の総屈服・翼賛を弾劾し憲法・教基法改悪粉砕の闘いに起て


 五月一日の日米安保協議委員会において「日米同盟の新段階」をブッシュ政権とともに宣言した小泉政権は、日本をヤンキー帝国主義国家と共同して「戦争をやれる国」に飛躍させるために、いま超反動的諸攻撃を矢つぎ早にかけている。
 憲法改悪のための国民投票法の制定や、「愛国心」育成のための教育制度の創出を目的とする教育基本法の改悪。小泉式「構造改革」の総仕上げとしての行政改革推進関連五法の制定、とりわけ「公務員制度改革」と称しての公務労働者の大量首切りと官公労働組合の破壊。さらに、治安弾圧の強化のための共謀罪の新設。――これらの諸法の制定を今国会において一挙同時になしとげることに、小泉ネオ・ファシスト政権は血道をあげている。これらの諸法の制定は、戦争遂行のための国家総動員体制を構築することを根本的な目的とする極反動攻撃にほかならない。
沖縄県民大会で全学連が奮闘(5月14日、嘉手納基地ゲート前)
 だが、ネオ産業報国会としての正体を露出している「連合」労働貴族どもはもとより、議会主義に陥没している社民党や日共の腐敗した対応のゆえに、小泉政権の反動諸攻撃に反対する労働者・人民の闘いは圧殺され、憲法・教育基本法大改悪や「構造改革」諸施策の貫徹を下から支え補完する翼賛運動におとしめられてさえいる。小泉政府の教基法改定案にたいして「日本を愛する心の涵養」を謳う対案を公然と掲げた小沢の民主党を支持し、安保容認・改憲支持を護持している「連合」高木執行部の闘争圧殺を弾劾せよ! 「反安保」を完全に投げ捨てるとともに「真の愛国心」をタテとした代案を提唱している日共中央と「全労連」内日共盲従幹部による闘争の歪曲を許すな! ネオ・ファシズム反動化の嵐に屈服してしまっている既成指導部を弾劾し、<憲法・教基法改悪阻止・日米新軍事同盟の構築反対><小泉式構造改革反対>の闘いを燃えあがらせようではないか。

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日本製兵器開発=国産化をめぐる日米間の暗闘の激化


 防衛庁は今二〇〇六年三月二十四日に、日本無線と長野日本無線の二社にたいして、防衛庁への地対空ミサイル部品・レーダー機器・通信装置などの納入品額の水増し請求を叱責し、水増し分(それぞれ一七〇億円、一九億九〇〇〇万円)と遅延損害金を合わせて計二五五億円を即日に返還させた。在日米軍基地再構築計画の遂行をめぐって米・日両政府間の軋轢が高まっていた情況のただなかにおいて惹き起こされたこの事態は、ブッシュ帝国の恫喝と防衛庁の「官製談合」の暴露という揺さぶり(水増し請求の底にある政・官・財癒着の暴露)を恐れたがゆえの小泉政府・防衛庁の自己保身にもとづく、と推断しうる。
 今年一月に、在日米軍岩国基地拡張工事や防衛庁関連施設の空調設備更新をめぐる防衛施設庁と日本諸独占体(大手ゼネコン各社など)との「官製談合」が大々的に暴露され、東京地検特捜部が防衛施設庁官僚(前職および現職)三名を逮捕する、という事件が惹き起こされた。この事件の暴露は、在日米軍再構築への日本政府の協力の遅れと若干の抵抗=i財政的負担をめぐるそれ)に激怒したブッシュ帝国が、小泉政府を恫喝するためと同時に、彼らが抵抗≠フ温床とみなした日本支配階級内部の対米自立℃u向をもつ諸勢力を抑えこむために、仕組んだものにほかならない。(本紙第一九一七号の早瀬達郎論文を参照せよ)
 日米新軍事同盟の構築=安保同盟の対中国攻守同盟としての現実的強化を小泉政権がブッシュ政権と合意したにもかかわらず、この合意にもとづく在日米軍再構築計画の履行をめぐって生みだされた日本政府のモタツキ。この事態の根底においては、ブッシュ帝国の日本完全属国化≠フ策動と小泉政府の対米追従政策とにたいする反発を募らせ対米自立℃u向を強めている日本支配階級内部の特定の諸勢力が台頭しているのである。ブッシュ政権のヤンキー帝国主義製兵器の押しつけにたいして、兵器国産化の促進を追求する日本の軍需諸独占体の蠢(うごめ)きとして、そのことの一端が露出しているのだ。

以下、見出し

T日本の完全属国化≠企むブッシュ帝国

U小泉政権による次期戦闘機の国産化中止をめぐる軋轢

V兵器国産化を策す日本諸独占体


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米原子力空母リンカーンの寄港阻止!
5・25―27佐世保現地闘争に起て

マル学同革マル派 九州地方委員会

 アメリカ・ブッシュ政権は、五月二十五日から五日間、米海軍原子力空母エイブラハム・リンカーン(一〇万二〇〇〇トン・乗組員五三〇〇人)を佐世保に寄港させようとしている。五月一日の「2プラス2」において、新たなアメリカの国家安全保障戦略に日本国家の戦略を従属させる綱領≠ニして「最終報告」を小泉政権におしつけたブッシュ政権は、日本の属国化≠フ完成を誇示する政治的・軍事的な一大デモンストレーションとして、原子力空母の佐世保および横須賀への寄港を強行しようとしているのだ。このリンカーン寄港を阻止する佐世保現地闘争に勇躍決起せよ!

中国を主敵≠ニする日米軍事同盟の再構築

      鹿児島市街に反戦の声轟く(4月27日)

 ブッシュが〇三年五月に原子力空母リンカーンの艦上でおこなったイラク戦争の「勝利宣言」なるものは、いまやブッシュ帝国の傲岸さと浅薄さと断末魔の没落ぶりを際だたせるエピソードと化した。イラク軍事占領が完全に破産しただけではない。とりわけ、イランのアフマディネジャド政権が米欧諸国権力者の制動をはねのけて核開発に突き進んでいるとともに、中東における反米戦線創出の旗手として奮励している。さらにベネズエラのチャベス政権を先頭にしてアメリカに挑戦する結束を中南米諸国が強めている。このイランとベネズエラの両政府を――ロシア・プーチン政権との同盟的結束を強めながら――バックアップしている中国・胡錦濤政権にたいして、ブッシュ政権は憎悪と危機感をつのらせているのだ。中国を「軍事上で最大の潜在的脅威」(QDR=四年ごとの国防政策の見直し)と規定し、その「ライバル」としての台頭を阻止することを基軸とする世界制覇戦略を具体化した(3・16新「国家安全保障戦略」)。
 ブッシュ政権は、この新ブッシュ・ドクトリンに日本の国家戦略を従属させることを、小泉政権にたいして強硬におしこんだ。日米安保同盟を対中国・対ロシア・対北朝鮮の攻守同盟として再構築するために、日本政府の実行すべき諸施策とその実施期限を「ロードマップ」というかたちで日本政府に誓約させたのである。
 そしていま、米日両権力者は、この2プラス2「最終報告」にのっとって、在日米軍基地の強化と日本国軍の米軍への一体化のための現実的な諸攻撃を、日本国内の労働者・学生・住民の反対運動を圧殺しつつ、次々としかけている。さらに六月予定の日米首脳会談で「新日米安保共同宣言」をうたいあげようとしているのだ。
 まさにこうしたなかで原子力空母リンカーンの佐世保寄港が強行されようとしているのだ。

佐世保の空母準母港化を企むブッシュ政権

 空母リンカーンは、太平洋とインド洋を主に管轄するアメリカ太平洋艦隊に所属し、イージス艦や原子力潜水艦などを従え空母打撃部隊を構成している。今回の佐世保への寄港は、直接的には西太平洋での演習の後に、六月から八月にかけて米太平洋艦隊の、「環太平洋合同軍事演習(リムパック二〇〇六)」を中軸としたところの、空母四隻を投入した一大軍事演習に参加するための「兵員の休養と物資の補給」を名目としている。
 ブッシュ政権は、空母リンカーン艦隊を投入して、三月には韓国軍と、四月にはタイ軍と合同演習を強行した。そして今度は、太平洋地域でと、三回の大規模演習をたて続けに実施しようとしている。それは、今年二月三日に米国防総省がうちだしたQDRの新たな米軍戦力配置構想にもとづく、中国にたいする露骨な軍事的威嚇いがいのなにものでもない。ブッシュ政権は、中国を「潜在的脅威」と名指しし、これを抑えこむために、米海軍の空母十一隻中六隻の空母と六割の潜水艦を太平洋に配備するとともに、日本・韓国・豪州などとの同盟を強化することをうたいあげた。「勝利がありえず、軍事的な敗戦以上に相当な戦略的損失を避けられないことを知らしめる十分な戦力を保持する」(QDR)と傲岸に言い放っているのだ。
 このように今夏の四空母部隊を中心とする一大軍事演習を、ブッシュ政権は、今夏予定の中国・ロシア・インドの合同軍事演習に対抗して実に挑発的軍事行動として強行しようとしている。このゆえに、東アジアにおいて戦争勃発の一触即発の危機が飛躍的に高まっているのだ。
 それだけではない。佐世保基地へ原子力空母を寄港させるのは、西太平洋において空母二隻体制をつくりだすために、横須賀に加えて中国・朝鮮半島をにらみ東シナ海に開かれた佐世保・岩国の両基地を、ハワイ・パールハーバーを母港とする空母艦隊の常駐・補給拠点=準母港として強化することを、ブッシュ政権が目論んでいるからなのだ(その二隻の一つの候補がリンカーンなのである)。
 横田基地への「日米共同統合運用調整所」の設置=MDシステムの中核司令部化、座間基地の対テロ戦機動部隊司令部としての強化、沖縄・辺野古へのV字滑走路をもつ巨大基地建設、そして横須賀基地の原子力空母母港化――これらとともに、在日米軍基地の再構築の一環として、佐世保基地の原子力空母の準母港化=対中国最前線基地化が策されているのだ。

      横須賀現地闘争を闘う全学連(5月14日)


〈反安保〉の旗高く闘おう

 こうした原子力空母寄港の攻撃にたいして、佐世保現地では佐世保地区労が抗議船団を組み海上抗議闘争をおこなうことを決定した。五月二十七日には、「平和フォーラム」の九州ブロックの反対集会が開かれる。われわれは、こうした基地現地の労働者たちのねばり強い反戦反基地の闘いと固く連帯して、空母リンカーン寄港阻止闘争をたたかいぬくのでなければならない。破産した日共中央の「反安保」なき「自治体ぐるみの米軍基地強化反対」運動をのりこえて、<日米新軍事同盟の構築反対!>のスローガンを高々と掲げてたたかおうではないか。
 「リムパック二〇〇六」の強行を断じて許すな! 小泉政権による改憲・教基法改悪の攻撃を粉砕しよう!
 中国・ロシアの対抗的核軍事力増強反対!
 すべての仲間は、5・25―27佐世保現地闘争に決起せよ!

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《いま・ここ》で『きけ わだつみのこえ』を聞く


暗雲は 重くたちこむ 今ここに   
   わだつみのこえ わが胸をうつ

「大東亜」 不合理重く 学徒らは   
   天皇のため死すと信ぜしや

時代を見すえ 『資本論』読みし特攻学徒   
   沖縄のわだつみに散る かのたましい
  よみがえらせよ

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米総領事館に怒りのデモ
4・29関西学生アクション
獄中の仲間と連帯して轟く反戦の声(4月29日、大阪)


    


「共謀罪制定・教基法改悪阻止!」
自民党兵庫県連 大阪府連に緊急抗議
闘う学生が自民党府連にたいして抗議文を突きつける(4月28日)

     
    
5・3憲法集会 わが同盟情宣隊が集会参加者に熱い檄(5月3日、日比谷公園)



    

「連合大阪」メーデー 万余の労働者に闘う檄(5月1日、大阪城公園)

     

「連合石川」メーデー 怒りに燃えて結集した労働者(5月1日、金沢の県中央公園)
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