第1966号(2007年4月30日)の内容

<1面>
4・29労学統一行動に決起せよ

安倍訪米・日米首脳会談粉砕! 反戦反安保の戦列を構築せよ

<4〜5面>
プーチン・ロシアの大逆襲
<3面>
「諸戦線」活動家の労組潜り込ませに狂奔する中野一派

◆沖縄ブクロ派残党の惨状
<6面>
「現場からの教育改革」の名の下に文科省に屈服する日教組本部
――第148回中央委員会
福岡県麻生当局による大量人員削減攻撃を粉砕せよ
Topics 超低額回答を押しつけられる中小企業労働者
<7面>
全国一斉学力テストの強行を許すな
<2面>
万華鏡2007――情勢の断層を読む
◆二股膏薬
◆悪法も法なり??
◆永劫業禍
三沢基地 MDシステムの情報収集基地として強化
<8面>
対中国戦に備えた日米共同演習

週間日誌は3面に掲載します
「解放」最新号
 





  


4・29労学統一行動に決起せよ

安倍訪米・日米首脳会談粉砕! 反戦反安保の戦列を構築せよ

 四月二十七日の日米首脳会談―五月一日の日米安保協議委員会(2+2)を前にして、安倍政権は、「集団的自衛権の行使を合憲化せよ」というブッシュ帝国の強圧に呼応しつつ、日本国家を「戦争をやれる国」へ現実的に飛躍させるための策動をますます強めている。「自衛権」の名による「交戦権」の復活を核心とする憲法改定をなにがなんでもなしとげるために、この政権は、改憲の手続きを定めるとともに「公務員・教員の運動禁止」などの基本的人権にもとづく諸権利の剥奪(はくだつ)をも規定したところの、国民投票法案の参院での採決(成立)を五月なかばにも強行しようとしている。集団的自衛権行使にかんしても、「世界の安全保障環境の変化」を口実として合憲解釈の見解を近々うちだすことを企んでいる。それだけではなく、地方自治体に在日米軍基地の再編強化への協力を強制するための「在日米軍再編促進特別措置法案」の参院採決をも日程にのぼせている。
 これらをブッシュへの手土産としつつ、首相・安倍は、イラク軍事占領支配と中東制覇の破産にあえいでいるヨレヨレ大統領ブッシュとともに、NATOと日米新軍事同盟の連結を要とするアメリカ同盟体制の再構築―日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての新たな次元での現実的強化を確認しようとしているのだ。
 四月二十二日の参議院補選において、安倍自民党は民主党にたいして沖縄では「子育て支援」をおしだし辛勝したものの、福島では大敗した。統一地方選(前半戦)に続く民主党とのこの接戦¥況のもとで、安倍政権は、「参院選で負けても責任はとらない」(自民党幹事長・中川秀直)などと傲然と開き直りつつ、衆院での絶対多数をカサにきて国民投票法制定・教育四法改悪・労働諸法制改悪などを、今国会において一気になしとげようとしている。
 この一大反動攻撃にたいして日共中央は、政府・与党の国民投票法案は「まともな法案でない」などと非難しているにすぎない。「連合」指導部は腹のうちでは改憲を支持しているがゆえに、一切の反対運動にとりくもうともしない。今こそわれわれは、既成反対運動指導部の腐敗を徹底的に弾劾しつつ、国民投票法案の参院採決阻止! 安倍訪米―日米首脳会談粉砕! の闘いに起ちあがるのでなければならない。4・29労学国会包囲闘争に総結集せよ。

(以下、見出し)
イラク占領破綻―内戦激化に対応不能のブッシュ政権

「一超」世界支配の崩落と中露の対抗

日米新軍事同盟とNATOとの「連結」の策動

代々木式インチキ「護憲」運動をのりこえて闘おう

<ネオ・ファシズム的反動化阻止>の旗高く闘おう
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プーチン・ロシアの大逆襲

 「和諧(調和)と対話」を唱えるシンボルのような顔をしたパンダと、白化粧の見え姿には似つかわしくないどう猛な北極熊とが握手を交わす様は、まさに現在の中・露両国の国家間関係を象徴しているかのようではないか。ロシア政府が設定した本二〇〇七年の「中国年」記念行事の開始に合わせてもたれた三月末の中露首脳会談において、胡錦濤とプーチンは、一致結束してブッシュ帝国の「一超」世界支配に反対し、ついにこれを打ち破ってきたという勝利感と自信に満ちあふれていた。イラク軍事占領の全面的破産にあえいでいる「一超」軍国主義帝国の国際的孤立化と政治的威信の喪失および経済的凋落の開始につけこみながら、国際政治場裡での力関係の転位を勝ちとった昇龍£国、そしてブッシュ帝国のCIS諸国への「民主化の輸出」と「NATO東方拡大」の策動にたいして大逆襲を開始しつつあるロシア。この両国権力者は、今や中露両国が主導して「新たな国際秩序建設」に踏みだすべきことを華々しく謳いあげたのだ。
 <米―中露新対決>の時代への転変をいよいよ前面に浮かびあがらせている現代世界のこの一大地殻変動は、戦乱と戦争の危機の一挙的深まりを告知している以外の何ものでもない。イラク内戦・中東の戦火はなお止まず、米(日)―中・露およびEUを加えての三極間の資源争奪戦と勢力圏構築をめぐる角逐が全世界的な規模で激化している。何よりも、MDシステムの配備に突進しているブッシュ帝国と、アメリカ「一超」支配の最後の砦たる宇宙空間の一極支配の打破を狙う中露との、宇宙における軍拡競争が今まさに開始されつつある。「大国としての復権」のために対米大逆襲に転じているプーチン・ロシアは、この危機を促進する主導的実体の一極として今や登場しつつあるのだ。ソ連スターリン主義崩壊の廃墟の中からFSB(旧KGB)を実体的基礎とした大統領専制国家としてグロテスクに再興したロシアの、ソ連邦崩壊以後の亡国として・まさに<スターリン主義の負の遺産>として意義をもつこのロシアの、今日的な反プロレタリア的所業を、われわれは断じて許してはならない。


(以下、各章の見出し)
T 「一超」世界支配打破の凱歌

U 旧ソ連邦の勢力圏復活の策略

V FSB強権支配体制の強化
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「諸戦線」活動家の労組潜り込ませに狂奔する中野一派

ブクロ派残党をすみやかに根絶せよ


 残存ブクロ=中野一派による「党の革命」の名のクーデタを正当化するためにお飾り書記長ダメダこと天田は、ブクロ派がその中枢までスパイの巣くつであったことを、「書記長」の名において、すなわち政治党派の代表として自認した。「党の革命1周年」にことよせたこの「革共同解党宣言」の本性をわれわれは間髪入れずに断固として暴きだし、残り少ない活動家どもをなんとかしてつなぎとめ固め直すための、インチキ・サンジカリズムによるエセ理論的な粉飾をも、追撃的に完膚なきまでに粉砕した(本紙第一九六〇〜六一号、朝日奈論文)。中野一派はグーの音も出ずにノックダウンしたのだ。
 見よ、中野一派は「星雲状況」を解決できぬどころか、ますます「不一致」を拡大し雲散霧消する組織的惨状をさらけだしている。「階級的労働運動」という名のもとに、はみだし活動家、とりわけ「諸戦線」の活動家どもを労働組合(運動)に潜りこませる策動に躍起になっているものの、これは破産を露わにするばかりだ。ブクロ派残党のこの無様なありさまを、「中央労働者組織委員会」という肩書きをでっちあげて急きょ登場した大原某の雑文を対象にして追加的に暴きだしてやることにしよう。
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対中国戦に備えた日米共同演習

日米新軍事同盟の強化を許すな!


 米日両権力者は、昨年十一月以降のわずか四ヵ月の間に、日米両軍あわせて総勢二万人以上を動員し、指揮所演習や洋上戦闘訓練、さらには敵前上陸演習や都市制圧訓練などの大規模演習を相次いで強行した。米軍主導のもとで強行されたこれら一連の軍事演習は、「台湾海峡有事」を想定し・対中国の侵略戦争を遂行する作戦計画にもとづく、きわめて実戦的な訓練にほかならない。まさにそれは、中国およびそれと結託するロシアにたいする軍事的威嚇いがいのなにものでもないのだ。
 昨年十一月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議において、国際政治場裡での米―中の力関係の逆転=中国の優位への転化がまざまざと浮き彫りとなった。しかも胡錦濤政権は、プーチン政権との同盟的結束をますます強化していることを基礎として、対米対抗的な核軍事力の増強に突き進んでいる。いまや中・露両国は――火星共同探査計画を隠れみのとして――アメリカの「制天権」独占に挑戦する足がかりをつくるために宇宙軍拡に邁進してさえいる。こうした中・露両権力者の蠢きにたいして危機意識をつのらせている米・日両権力者は、まさにそのゆえに、軍事的力関係における中・露にたいする圧倒的優位を維持し、かつこれを中・露両権力者に誇示することに躍起になっている。ブッシュ政権とそれに追随する安倍政権は、日米新軍事同盟をNATO同盟ともリンクさせ・かつ米日豪三角軍事同盟を実質的に結成した。このことを基礎としつつ、日米軍事同盟を対中・対露攻守同盟としていっそう現実的に強化するためにこそ、一連の軍事演習を挑発的に強行したのだ。
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