第1996号(2007年12月3日)の内容

<1面>
日本全土の準臨戦態勢突入を許すな
新テロ特措法制定阻止! PAC3移動訓練反対!
<反安保>を放棄した既成反対運動をのりこえ闘おう


<4〜5面>
<保守二大政党制>創出の大濁流に棹さす「連合」指導部 <下>
経営陣の労務施策に呼応するトヨタ労働貴族

<2面>
日本原に日米共同演習阻止の炎(11・10)写真へ
石川県平和運動センター集会(10・23)

<3面>
新テロ特措法案衆院採決に怒り(11・13)写真へ
 大阪/札幌/福岡
県学連が那覇市街をデモ(10・21)写真へ
学園だより 首都圏学生 反戦反安保の息吹(11・16〜17)

<6面>
リポート労働戦線
障害者切り捨てを許すな〜札幌市の現場では〜
大阪府民集会に戦闘的檄(10・3)
Topics 11・1「連合」春闘中央討論集会

<8面>
薄型テレビ市場制覇をめざすシャープ資本の堺工場建設
『新世紀』最新号(第232号)紹介

<7面>
万華鏡2007――情勢の断層を読む
◆つぶやきC調
◆ボロボロ鉤十字
◆アルメニア人虐殺
◆空飛ぶタンカー
◆ドコでモ丸裸

すべてのたたかう仲間に年末一時金の三割カンパを訴える

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号
 






  


日本全土の準臨戦態勢突入を許すな

新テロ特措法制定阻止! PAC3移動訓練反対!
<反安保>を放棄した既成反対運動をのりこえ闘おう

史上最大規模の日米共同統合実動演習の強行を阻止するぞ!
(11・10、岡山県日本原)
 「二ヵ月で給油活動を再開する」と十一月十六日に開催された日米首脳会談の場でブッシュに誓約した首相・福田は、この誓約を遂行するために、国会会期を一月末まで再延長し・もって新テロ特措法案を衆院三分の二の賛成で再可決=成立させるという決断をくだした。だが福田政権は、CX疑獄の暴露によってその屋台骨をグラグラと揺さぶられている。参院の証人喚問において元防衛事務次官・守屋から名指しされた財務相・額賀と元防衛相・久間をめぐる疑惑が次々と暴露されているだけではない。十一月十八日の大阪市長選挙では、自公推薦の現職候補が民主党推薦の新人候補に惨敗した。この現実をつきつけられた福田は、衆院解散=総選挙をできるかぎり先送りにするハラを固め、外交の福田≠アピールしつつ洞爺湖サミットまで首相の座に居座りつづけることを策しているのだ。
 これにたいして小沢の民主党は、小沢の「大連立」提案受諾・辞意表明騒動によって失った権威と大衆的支持を回復するために、新テロ特措法にかんしては「対決路線」の旗を掲げなおしている。日共を含む三野党との事前の打ち合わせをもったうえで福田との党首会談に臨んだ小沢は、個別の政権協議には応じないことを福田に突きつけた。こうして、自民党・福田と民主党・小沢との攻防は、衆院解散=総選挙のタイミングをにらんだチキンレースの様相を呈している。
 このように、新テロ特措法の制定すら民主党の抵抗によって危うくなっている最中にも、福田政権は、ブッシュ政権との合意にのっとって、日米新軍事同盟を対中国・対ロシアの攻守同盟として現実的に強化するための策動に血道をあげているのだ。ブッシュ帝国のグローバルなMD(ミサイル防衛)システムの一環としてSM3(海上発射型迎撃ミサイル)搭載のイージス艦を導入しているだけでなく、PAC3ミサイルを日本全国の自衛隊基地に配備するという計画を策定し実施に移している。十二月には、首都東京のど真ん中でPAC3の移動・実戦配備訓練を強行しようとしている。すでに十一月五日から十二日間、日米両政府は日本全土を舞台に史上最大規模の日米共同統合実動演習を強行した。全国の民間港には米日の軍艦が頻々と寄港し、「国民保護訓練」と称する戦時動員訓練が各地で実施されている。まさしく日本全土が準臨戦態勢に突入しているのだ。
 ブッシュ政権によるグローバルなMDシステム配備の策動は、ロシア・プーチン政権(および中国・胡錦濤政権)の対抗策――核軍事力の増強やCFE(欧州通常戦力)条約の履行停止など――を呼び起こしている。MDの中欧配備を焦点とする米・露の冷戦的熱戦を起動力として、いま全世界に戦乱の暗雲がたちこめているのである。
 こうした事態にたいして、なんらの危機感も抱いていないのが、日本の既成反対運動指導部にほかならない。小沢民主党が新テロ特措法案反対を鮮明にしたことに安堵(あんど)し、ふたたび民主党にすがりついているのが日共・不破=志位指導部であり、「連合」高木指導部なのである。われわれは、こうした既成反対運動指導部の腐敗を弾劾しつつ、新テロ特措法制定を阻止しイラクからの自衛隊撤退をかちとる闘いを、全力で推進するのでなければならない。日米共同統合演習の強行を弾劾し、PAC3移動訓練を阻止しよう。日本全土へのMDシステム配備に反対しよう。CX疑獄弾劾の闘いと結合して、反戦反安保闘争の炎をまきおこし、もって福田政権打倒めざして進撃しよう!

以下、見出し
 <米―中露新対決>下の日本政府・支配階級内の抗争

 「対テロ」戦争の大破産と「一超」世界支配の崩落

 MD配備をめぐる米露の角逐と新たな戦争的危機

 日本全土へのMDシステム配備に狂奔する米日両政府

 CX疑獄弾劾の闘いと結合し反戦反安保闘争の炎を!


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<保守二大政党制>創出の大濁流に棹さす「連合」指導部

「普通の国」を標榜する小沢民主党への幻想の煽りたてを許すな

目次
 一、「テロ特措法反対」の声をおし潰した高木指導部
 二、オタメゴカシの「非正規雇用労働者支援」方針
       (第一九九五号)
 三、インチキきわまりない「格差社会是正」方針
 四、今日版産業報国会の路線・イデオロギー
       (本 号)


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最新号紹介
新世紀 The Communist
第232号 2008年1月


<新テロ特措法制定阻止・CX疑獄弾劾>の奔流を!

 ◆福田政権が今国会会期の再延長―衆院での再可決をも辞さずに強行しようとしている新テロ特措法の制定を阻止する闘いを、そしてこの闘争と結合してCX疑獄を弾劾する闘いを、労学両戦線で断固として推進しよう!「CX疑獄弾劾! 反戦反安保の炎を」と題する特集を組んだ本号は、この闘いの理論的武器を満載している。
 日本政界を、かの首相・安倍晋三のノイローゼ辞任≠ニ同様に、またしても驚天動地と混迷に叩きこんだ民主党党首・小沢の辞意表明・撤回′。このドタバタの発端となった首相・福田と小沢の党首会談。<米―中露新対決>下で急転回し激動する情勢が、巻頭論文「今こそ反戦反安保の大奔流を!」においてダイナミックかつ鮮明に分析されている。そして、小沢民主党にすがりついてきたがゆえに大混乱に陥っている「連合」高木指導部や日共・不破=志位指導部の腐敗が断固として暴露されている。
 「CX疑獄リークの真相と深層」は、自衛隊次期輸送機CXのエンジンの代理店契約をめぐって前防衛事務次官・守屋が軍需商社・日本ミライズとの随意契約にするように「口利き」をしていた疑惑がリークされた直後に、間髪いれずにこの事件暴露の政治的意味および疑獄の構造を満天下に暴きだした、画期的な論稿である。CX疑獄がブッシュ帝国と小泉・安倍両政権のもとで日米新軍事同盟強化の策動と結びつきつつ新たに形成されてきた<政・官・財癒着>を根底にした一大疑獄事件としての政治的性格をもっていること。米民主党・東部エスタブリッシュメントを黒幕として「直接的にはブッシュ帝国盲従$ュ策を引き継ぐ福田政権に打撃を与え・小沢民主党に活を入れることを目的として、根本的には、イラク占領を往生際悪く続けているブッシュ帝国に打撃を与え・かつ米日間にまたがる軍需関連の利権構造を解体することを狙って」暴露されたにちがいないこと。本論文における右の推断の的確さは、守屋の国会証人喚問、日本ミライズ前社長・宮崎の逮捕、額賀・久間の宴席連座*\露というCX疑獄事件をめぐる展開のただなかでますます浮き彫りになっているではないか。
 中央学生組織委員会論文「日米新軍事同盟強化を打ち砕け」は、新テロ特措法制定阻止、日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化反対、米―中露の新たな核軍事力増強競争反対、憲法改悪阻止を焦眉の課題とする現段階の反戦反安保闘争の基本方針を提起している。「小沢民主党にすがりつく『連合』労働貴族どもや日共中央などの既成反対運動指導部の腐敗と犯罪性を暴きだし、反戦反安保闘争の大爆発をかちとろう」――本論文の熱烈な呼びかけに、すべての学生・労働者は応え・奮闘しよう!
 ◆「人件費極小化を企む日本経団連の新たな賃金政策」は、「国際競争力の強化」を叫ぶ日本経団連が二〇〇七年五月にうちだした「賃金制度改革」方針を検討しその独占ブルジョア的階級性を暴露した労作である。独占資本家どもが提唱する「仕事・役割・貢献度を基軸とする賃金制度」とはどのようなものなのか、その狙いと本質は何か、が理論的に明らかにされている。〇七年十月一日を期して民営会社として発足した日本郵政グループがすすめている事業再編の反労働者性を暴きだすとともに、首切り・賃下げ・労働強化の一大攻撃にいかに反撃すべきかを明らかにしているのが、「『強い会社づくり』に呼応する郵政版産業報国運動を打ち砕け」である。

 同志黒田から教えていただいたことをわがものに

 ◆特集「引き裂かれた中欧」の第二回では、「米―露角逐下で揺らぐ親米クラウスのチェコ」と「ポーランド民族排外主義$ュ権倒壊の危機」の二論文を掲載した。
 ◆「黒田さんに教わったこと」は、同志黒田の一周忌にあたって、同志飛梅志朗が彼から直接教えられたことを本当にわがものとするという主体的構えのもとに、同志黒田への感謝の念をもってまとめた論稿である。「いいかぁ! われわれが対象的なものを反映し思惟する活動の全体がぁ! 全体が! 認識過程なんだよ。」迫力満点で迫ってくる同志黒田の息づかいを生き生きと眼前にうかびあがらせて、筆者は教えられたことを反芻し、情熱をこめて記している。この筆者の気迫にみちた追求に学び応えていこうではないか。
 「分解・分散・消滅間際のブクロ派残党に止どめを!」は、中野一派と彼らに追放された水谷ら「諸戦線」担当チビ官どもとの醜悪でマンガ的な抗争≠アそスパイ集団の最後の最後を象徴するものであることを暴きだしている。

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日本原に日米共同演習阻止の炎(11・10)


 十一月十日、全学連関西共闘会議の学生たちは、陸上自衛隊日本原演習場(岡山県)での日米共同演習を阻止する闘いに勇躍決起した。現地に結集した平和フォーラム中国ブロック傘下の一二〇〇名の労働者と連帯してたたかいぬいたのである。


日本原演習場ゲート前を共同演習反対のデモ
(11月10日、岡山県)

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新テロ特措法案衆院採決に怒り(11・13)


 海上自衛隊によるインド洋での米艦船などへの給油活動が断ち切られてしまったことに焦燥感をつのらせた福田政権は、あくまでも<ブッシュの戦争>への参戦を続行するために、十一月十三日に、新テロ特措法案を衆議院本会議で強行採決した。怒りに燃えた全学連関西共闘会議のたたかう学生たちは自民党大阪府連にたいする抗議闘争に断固として決起した。

採決強行を弾劾する学生を前にうなだれる自民党職員
(11・13、大阪)

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県学連が那覇市街をデモ(10・21)


 十月二十一日、沖縄県学連のたたかう学生は、全国各地で労学統一行動に決起した仲間たちと相固く連帯して「新テロ特措法制定阻止!『軍命』削除の検定撤回! 10・21全県学生マーチ」を開催した。

(10・21、那覇)

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