第2024号(2008年6月23日)の内容

<1面>
洞爺湖サミット反対に決起せよ

米日―欧―新興諸国連合による環境破壊の相互転嫁を許すな!

すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える 
日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

<4〜5面>
連載特集
三極角逐下の地球環境破壊 第1回
激化する米日―欧―中露間の環境=経済戦争

<2面>
札幌で学生「反戦ウォーク」 5・24
<3面>
全土準臨戦態勢化の実態D
陸自第十師団(名古屋市・守山)
第33普通科連隊(三重県・久居)
「サミット警備」を口実とした治安弾圧体制の一挙的強化
<6面>
■国家公務員制度改革基本法
労働基本権問題は棚上げ
内閣官房の人事管理権強化
本部の裏切りを追及 5・15 大阪府労連シンポ
Topics グッドウィル幹部逮捕の茶番
<7面>
許すな! 今日版貧窮化 第4回
生活困窮者切り捨ての生活不保護$ァ度
<8面>
万華鏡2008――情勢の断層を読む
■フィデルの独り言
■食糧危機
■兵站の民営化
■「先富」の闇
■電脳的改描

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
 






  


洞爺湖サミット反対に決起せよ

米日―欧―新興諸国連合による環境破壊の相互転嫁を許すな!

「福田内閣打倒!」労学が熱いスクラムで首都を席巻
(6月15日、東京)
 福田極反動政権は、あと一ヵ月弱に迫ったG8洞爺湖サミットを、己れの政治生命を賭けて、首尾よく実現しようと躍起になっている。「テロ対策」の名のもとに日本全土を文字通りの戒厳態勢下におき、わが革命的左翼を中核とする労働者・学生・人民の反対運動を徹底的に弾圧しつつ、このサミット(主要国首脳会議)を「地球環境対策サミット」の鳴りもの入りで、今回の「議長国」としてつつがなく成し遂げるために、この政権は狂奔しているのだ。
 今回のサミットは、「地球温暖化」加速を防ぎ止めるための世界主要国(CO2大量排出国)の「協調」を名分に、G8各国のみならず中国を筆頭とする経済新興諸国の参加のもとに開催される。だが、各国政府間の「協調」をいかに謳いあげ人類救済者≠フ偽善のベールをまとおうとも、このサミットの内実は、「地球温暖化ガス」(とりわけCO2)の排出総量規制の数値目標設定ならびに「排出権」取り引きをめぐる米および日と独=仏枢軸のEU連合との、かつ前二者と中・露主導の経済新興諸国・開発途上諸国連合との、まさに非和解的な対立・角逐を浮き彫りにするものとなることは必至なのである。自国の環境破壊のみならず後進資本主義諸国への新植民地主義的経済侵略による大規模環境破壊を促進してきた米・日とEUの帝国主義諸国と、現にいま上からの資本主義化$ュ策による自国の乱開発=環境破壊に手を染めている中・露主導の経済新興諸国連合とが、相互に地球生態系破壊の責任をなすりつけながら、「排出権」取り引きの名のもとにまさに現実的にも地球環境破壊の相互転嫁=新たな次元での促進をも図る酷(むごたら)しい角逐の場となるにちがいない。このようなものとしてこの洞爺湖サミットは、米・日―欧―中・露新興諸国という三極間の環境=経済戦争の新たな形態・新たな次元での開始を告げる以外のなにものでもないのである。
 かくして今、三極間の新たな環境=経済戦争の火蓋(ひぶた)が切って落とされ、ヤンキー帝国主義の「一超」世界支配の崩落下の米日―欧―中露間の政治的・軍事的ならびに経済的の角逐・激突と輻輳(ふくそう)し相乗しながら、全世界の労働者階級・勤労人民諸階級にとって重かつ大の新たな災厄(さいやく)がもたらされようとしている。世界史的には米―中・露新対決の時代のもとでの<戦争と暗黒支配と絶対的窮乏化>の荒波が、まさに同時に<地球環境=生態系破壊>をも促進し、かつてなく深刻な人類=人間破壊をもたらす危機を惹起させつつある。
 今こそわが革命的左翼は、全世界の労働者階級の唯一かつ真の前衛党たるの矜恃にかけて、洞爺湖サミット反対の闘いに決起するのでなければならない。すでにわが革命的左翼は、日本全土へのMDシステム配備反対、消費税大増税阻止の反戦反安保・政治経済闘争を、偽善の洞爺湖サミット反対の旗をも掲げつつ、首都東京をはじめとして全国各地において組織し戦闘的にたたかい抜いた。この6・15労学統一行動の地平に踏まえて、7・7〜7・9サミット反対の闘いを断固として創造するのでなければならない。
 すべての労働者・学生は、わが革命的左翼の旗のもとに勇躍決起せよ!

以下、見出し

新たな環境=経済戦争への突入
 
「温室効果ガス」削減をめぐる相克
 八方塞がりの「議長国」日本


「地球環境の保全」を旗印とするネオ新植民地主義
 
金融独占諸資本の利殖のための「環境ビジネス」
 
三極間角逐下で深刻化する地球環境破壊

「連合」労働貴族と日共の闘争放棄を弾劾し、福田政権打倒の力を創出せよ

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連載特集
三極角逐下の地球環境破壊〔第1回〕

激化する米日―欧―中露間の環境=経済戦争

「排出権」取り引きをテコとした新たな世界市場争奪戦


 「温室効果ガス」の濃度が毎年二%のペースで上昇し、全世界で異常高温や異常気象が発生している。北極海を覆っていた海氷が急激に縮小し、大型台風(ハリケーン、サイクロン)の来襲、竜巻、大雨、干ばつなどの災害が歴史上まれにみる規模で世界各地において頻発している。川も海も大地も空気も汚染され、労働者・勤労人民の健康と生活の破壊はとどまるところを知らない。
 こうした現実をまえにして、世界各国の権力者や独占資本家どももまた、眉をひそめ、地球の未来を憂えてはいる。「地球温暖化防止」なるものが、「対テロ戦」や国際金融システム不安・世界同時不況にたいする対策にもまして優先すべき課題として、洞爺湖サミットにおいて採りあげられようとしている。
 だが同時に、米・日・欧の帝国主義諸国権力者・独占ブルジョアジーは「環境ビジネス」のソロバンをちゃっかりと弾(はじ)いてもいるのだ。爛熟し沈滞し生命力の枯渇を露呈した末期資本主義≠フ生気を回復するチャンス到来とばかりに期待を寄せながら、彼らは「排出権」取り引きに殺到したりエコ・システムと称する技術の開発に狂奔したりしている。そうすることによって新たな環境破壊をも生みだしながら。
 見よ! アメリカ帝国主義の頭目ブッシュが「石油依存からの脱却」の名のもとに号令したバイオエタノールの増産が、開発途上諸国にたいする飢餓輸出≠招いていることを。世界各国の金融諸機関諸資本による穀物投機によって加重された穀物の国際価格の暴騰を呼び起こし、中南米やアジア・アフリカのいわゆる「最貧諸国」において食糧危機を勃発させている。
 見よ!「CO2排出ゼロ・エネルギー」などと称揚されている原子力発電所が、今後二〜三十年のうちに世界で二〇〇基(アメリカが二〇一五年いこう毎年三基、中国が計五十基、インドが計四十基など)も建設されようとしていることを。
 われわれの眼前において劇的に進行している事態は、まさしく、「地球環境保全」を大義名分とする地球環境の破壊いがいのなにものでもないではないか。
 「低炭素社会への移行」の先駆者≠自任するEU諸国権力者どもと、これにたいする「環境ビジネス」開拓での巻き返しをはかっている米・日両帝国主義権力者。二極に分岐しながらも「排出権」取り引き制度を活用した新たな形態の新植民地主義的侵略にのりだしている帝国主義諸国にたいして、中国・ロシアを先頭とする経済新興諸国・開発途上諸国の権力者たちが結束して対抗している。米・日―欧―経済新興諸国の三極による<環境=経済戦争>というべきこの各国権力者・支配階級間の角逐は、まさに地球環境・生態系破壊の相互転嫁という性格をもつ以外のなにものでもない。
 「地球温暖化防止」を大義名分としての各国権力者どもの角逐の実態と本質を、われわれは怒りを込めて暴きだすのでなければならない。

(以下、各章の見出し)

T 利害対立を露出した主要国環境相会合

U 帝国主義間争闘戦の21世紀的形態としての環境=経済戦争

V 三極間環境=経済戦争の新展開
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すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える

 日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

 同志諸君! たたかう労働者・読者のみなさん!
 後期高齢者医療制度の実施やガソリン税暫定税率の復活を強行してきた福田極反動政権は、いまやさらに消費税大増税にうってでようとしている。この政権は、借金が一一〇〇兆円にまで膨らんだ国家財政のどん詰まりの危機をのりきると同時に、日本をアメリカとともに「戦争をやれる国」に飛躍させるためのMDシステム配備を中軸とした軍事力増強、その財政的基盤を構築するために血まなこになっているのだ。
 〇八春闘は、革命的・戦闘的労働者の奮闘にもかかわらず、独占資本家どもの徹底した賃金抑制攻撃に「連合」指導部が総屈服したがゆえに、惨敗を喫した。しかも政府・独占資本家は、堰を切ったように原油・穀物などの国際価格高騰を公共料金や食料品・生活必需品価格に転嫁しはじめた。こうして労働者・人民はいま、貧困につきおとされ苛酷な疎外労働を強いられている。
 政府・独占資本家のこうした反動諸攻撃がまかり通っているのは、ひとえに「連合」労働貴族および「全労連」指導部の腐敗と大裏切りのゆえにほかならない。「政権交代」を追い求めてただただ政治的術策を弄する小沢民主党によりすがる「連合」指導部や日本共産党中央・「全労連」指導部による腐敗した運動をのりこえ、福田政権の一大反動攻撃をうち砕くためにたたかおう!
 <格差の拡大と貧困の深まり>が社会的に露わとなっている今こそ、労働貴族どもの支配をくつがえし、労働運動の左翼的・戦闘的推進のために全力を傾注しよう! 社会的・階級的矛盾にたいする労働者大衆の怒りのたかまりと変革の希求を、マルクス世界革命思想の体得による階級的自己組織化として――自己崩壊したスターリン主義の反マルクス主義的本質を果敢にあばきだしつつ――結実させるために、奮闘しよう!
 いま帝国主義諸国および中露の権力者どもは、新たな核軍事力増強競争に狂奔すると同時に、エネルギー資源・食糧資源の争奪戦を激化させ、また「地球温暖化対策」をめぐって国家エゴイズムをむきだしにして角逐をくりひろげている。帝国主義諸国権力者どもは、経済新興諸国・開発途上諸国に環境破壊と貧富の格差拡大と飢餓を強制し、新植民地主義的支配を新たな形態において強化している。全世界を覆うこうした<戦争と暗黒支配>を根底からくつがえす力を創造するために、わが反スターリン主義運動のさらなる飛躍をかちとり、プロレタリアートのインターナショナルな闘いを創出するために奮闘しよう!
 これらの闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。
 二〇〇八年六月

<送り先> 東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三 解放社
(振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六)
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札幌で学生「反戦ウォーク」 5・24


 五月二十四日、北海道のたたかう学生は、「ストップ! 戦争と貧困の強制 許すな! 環境破壊と飢餓を促進するG8サミット だまってられない反戦ウォーク」にたちあがった。

「G8洞爺湖サミット反対!」札幌駅前を行進する学生
(5月24日)

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