第2045号(2008年11月24日)の内容

<1面>
<三極>間新争闘戦下の世界的戦乱・人民窮乏化の危機を突き破れ
<4〜5面>
八方塞がりの危機に喘ぐ日本経済
<2面>
「新テロ特措法の期限延長阻止!」
 沖縄の学生が自民党県連にデモ 10・26

◆MDの眼<Kメラレーダー
◆逃げる衛星∞100倍速の通信衛星
<3面>
神奈川県警の尾行を摘発・粉砕
「振り込め詐欺撲滅」に名を借りた国民総監視体制強化を許すな
<6面>
郵便輸送会社の統合・再編にともなう下請労働者の首切り・賃下げを許すな
北海道当局が派遣労働者を大量導入
Topics 一時金要求を引下げるトヨタ労組幹部
<7面>
「国連中心の平和秩序」構築の夢想
 平和フォーラム批判
<8面>
万華鏡2008――情勢の断層を読む
 ◆CEO危機
 ◆反米の「怒りの塊」
 ◆理事国の品格
 ◆復興も市場原理

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」 最新号
 






  


<三極>間新争闘戦下の世界的戦乱・人民窮乏化の危機を突き破れ


 アメリカ大統領選挙(十一月四日投票)において、「チェンジ」というスローガンをひたすら連呼してきたバラク・オバマが共和党のジョン・マケインに圧勝し、次期大統領(来年一月二十日就任)の座を掌中にした。だが、「チェンジ」=アメリカの「一超」世界支配の復興などはとうていかなわぬ幻夢でしかない。
 先制攻撃戦略にもとづいてブッシュ帝国が強行したアフガニスタンとイラク両国にたいする侵略戦争・軍事占領の完全破産。新自由主義を根幹とした経済・社会保障政策の貫徹によってもたらされたアメリカ社会の階層的分化=貧富の格差の拡大。そして、とどのつまりは今や国際金融恐慌の勃発寸前にまでたちいたっているアメリカ発の国際金融危機・世界同時不況。……これらの諸事態こそは、アメリカ帝国主義の「一超」世界支配の根幹からの破産を浮き彫りにしている。アメリカ帝国主義国家の存亡の危機に震(ふる)えあがった米支配階級は、ブッシュ政権がとってきた諸政策の基調をなお継承しようとしたマケインの共和党を見限り、とにもかくにも「変革」をおしだしたオバマの民主党を政権の座におしあげたのである。
 しかし、オバマの新政権は、発足の前からして、その難破を約束される手痛い洗礼を浴びた。オバマ当選が決定するや否や挑戦の祝砲≠撃ちはなってみせたのが、ロシア大統領メドベージェフにほかならない。初の大統領年次教書において、プーチンの操(あやつ)り人形たるこの輩は、「アメリカが中欧へのMDシステム配備計画を撤回しないかぎり、カリーニングラード〔ポーランドに隣接するロシアの飛び地領土〕に新型ミサイル・システム『イスカンダル』を配備する」と宣言したのだ(十一月五日)。プーチン=メドベージェフ政権は、MDシステムの中欧配備を中止に追いこむために、「性能が技術的に証明されればMDシステム配備を推進する」と表明しているオバマの次期政権にたいして、軍事的対抗の意志をつきつけたのだ。
 オバマ当選への手荒い祝砲を撃ちあげたこのメドベージェフ=プーチン政権と固く握手をかわしながら、フランス大統領サルコジは唱和してみせた――「欧州にミサイル防衛を持ちこんでも無意味だ」と(十一月十四日、EU・ロシア首脳会議)。NATO同盟の主導権をアメリカから奪い取り・みずからのイニシアチブのもとに欧州独自の安全保障体制を構築してゆくという野望にもとづいて、サルコジはアメリカ主導のMDシステム配備にたいして公然と反対する姿勢を表明したのだ。
 ヤンキー帝国主義の「一超」世界支配を最期的に打ち砕く意志と野望をむきだしにした号砲が、オバマ当選のノッケから打ち上げられた。まさにいま国際金融大恐慌勃発前夜にある状況のもとで。「国際金融危機の克服のために各国が共同で対処する」という謳い文句のもとに、G7各国のみならず中・露両国を先頭とする新興諸国・開発途上諸国の代表をも加え、二十ヵ国の首脳が参加して十一月十四日・十五日の両日に開催されたG20=金融サミット。このサミットこそは、<米・日連合>と<中・露主導の新興諸国・途上諸国連合>と<仏=独枢軸のEU連合>との<三極>間の新たな性格の経済的争闘戦の本格的激化を告げる号砲にほかならない。

以下、見出し
〈三極〉間の金融=経済戦争の幕開け

〈ドル体制〉崩壊と新たな経済ブロック形成への転回

アメリカ「一超」支配の崩落と新たな大戦の危機の高まり

延命を策すヨレヨレ麻生政権を打倒せよ
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八方塞がりの危機に喘ぐ日本経済 

 十一月六日、トヨタ・ショック≠ェ日本独占ブルジョアジーとその政府を震(ふる)えあがらせた。二〇〇八年上半期には自動車販売台数でGMを凌駕(りょうが)し世界一の座をついに射止めるにいたり、「日本最大・最優良企業」と賞賛されてきたトヨタ自動車。この巨大独占体の経営者が、〇九年三月期の連結営業利益にかんして前期比七割減、従来予想を一兆円ほど下方修正せざるをえないと発表したのだ(減益の要因としては、円高による差損が六九〇〇億円、資源価格の高騰による生産コスト増が三六〇〇億円、需要減による収入減が六一〇〇億円とされている)。
 このトヨタを筆頭にして、自動車・同部品や電子部品・デバイス、半導体製造装置を含む一般機械などの輸出関連諸企業の業績(売り上げ高・収益)が一気に悪化している。不動産・建設業や小売業の諸企業の業績もさらに悪化している。米・欧の金融諸機関に比してホームローン関連証券化商品にまつわる損失が小さいと言われてきた日本の金融諸機関にしても、米投資銀行などから購入した証券化商品の歯止めなき価格暴落のゆえの損失増大に加えて、不動産・建設関連企業・中小企業への貸し付けの不良債権化、史上最安値近くまでの株価下落による保有株の評価損などによって、自己資本の毀損(きそん)に見舞われている。このことからして金融諸機関が中小企業にたいする貸し渋り・貸し剥がしを強めているがゆえに、中小企業の倒産が相次ぎ、景気がいっそう悪化しているのだ。
 六年間続いてきた増収増益、しかもこの五年間は毎年最高収益の更新を謳歌してきた日本の諸独占体は、アメリカ帝国主義発の金融大破綻と不況に直撃されて急速な業績悪化に見舞われている。日本政府・独占ブルジョアジーは、世界同時不況の長期化の危機が高まり輸出不振に輪がかかることに慄(おのの)き、国際金融恐慌が勃発するかもしれないことを恐れている。アメリカ帝国主義政府の要求に応じて歴代自民党政府がおしすすめてきた新自由主義的な「金融市場改革・市場開放・規制緩和」の促進によって、日本諸独占体が<対米輸出依存体質>を深め<アメリカ型金融システム>への再編(対米の金融的従属=jが進行してきたことのゆえに、いま、日本帝国主義経済は深刻な危機に陥っているのである。

(以下、各章の見出し)
T 金融大破綻・大不況の犠牲を労働者・人民に転嫁する麻生政権

U 日本経済の基盤的脆弱性の露呈
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神奈川県警公安三課の尾行を摘発・粉砕

革命的左翼への悪らつな弾圧を打ち砕け

【写真@】手を挙げてタクシーを捕まえようとしている公安デカ・男Xと男Y。ラガーシャツに着替え(綿シャツの上に重ね着)をした男Xは携帯電話で通話をしながら、男Yは無線連絡用のイヤホーンを耳にして、連絡をとりながら尾行している。


【写真A】変装・着替えをする直前の男X。ベージュの綿シャツを着て黒ぶちメガネをしている。


【写真B】路上で人目もはばからず着替えをする男Xの後ろ姿。大きめの黒い肩掛けバッグの中に変装用の衣服や小道具が入っている。


 見よ! これが悪辣な尾行=弾圧をくりかえす神奈川県警公安三課の私服刑事(デカ)どもの素顔だ。
 神奈川県に在住する戦闘的労働者Aさんにたいする神奈川県警公安三課のデカどもによる卑劣で執拗な尾行・弾圧行為の一部始終を、われわれは完全に捕捉するとともに、これを敢然と摘発し粉砕した。その一端と歴然たる証拠写真をここに明らかにする。
 十月十一日(土)の午前十一時三十分すぎ、神奈川県横浜市の東急東横線・東白楽駅で下車したAさんを、公安デカどもは十数名の体制をとってグループ(男X、Yのほかの男女を含む)で連動しつつ尾行した。ここに暴露するのはそのごく一部である。
 公安デカ・男Xは当初、ベージュ地のチェック柄の地味な綿シャツを着て黒縁メガネをかけてAさんを尾行していた【写真2】。
 ところが、尾行をAさんに気づかれると、なおも執拗に追尾をつづけるために、「目くらまし」を狙って「変装」までおこなった【写真3】。メガネをはずし、ベージュ地のシャツの上に赤と青のド派手なラガーシャツを着込んで、雰囲気を変えたつもりになったこの男Xは、これでAさんの目を誤魔化すことができたとでも思ったのか、またしても尾行を開始したのだ。
 着替えをした男Xは、別の道からAさんを尾行していた男Yと合流して、Aさんを追尾しつづけようとした。Aさんが素早くタクシーに乗って走り去ったことに大あわてになった二人は、必死で別のタクシーを捕まえ、Aさんへの追尾をさらに続行した【写真1】。
 Aさんを執拗に尾行しつづけた神奈川県警の公安デカ、彼らの全動態をわれわれは完全に捕捉した。すべてわれわれの掌のうえにあることにまったく無自覚なままに反動的な尾行行動をくりひろげた公安デカどもは、タクシー到着地点でAさんに直接、摘発・追及され弾劾されて、顔面蒼白になって逃走したのだ。
 わが革命的反戦闘争の高揚や労働運動の危機を突き破る闘い、これを基礎としての組織的基盤の拡大に恐怖し憎悪する国家権力者の意を受けて、その暴力装置=警察権力は、わが同盟および職場・組合で奮闘する戦闘的・革命的労働者の闘いを破壊し活動を妨害するために非合法的弾圧を重ねてきた。
 日本政府が、アメリカ政府とともに日本を対中・対露の最前線基地へと飛躍させるためにMDシステムを配備し準臨戦態勢を強化するこの攻撃をうち砕くために、わが革命的左翼は9・25G・ワシントン配備阻止横須賀現地闘争を既成反対運動の腐敗をうち破り創造した。また現下の経済大動乱のもとで金融大破綻・大不況の犠牲を労働者・人民に転嫁してのりきろうとする日本政府・独占ブルジョアジーの策動に断固として反対する闘いを、「連合」労働貴族や「全労連」指導部の闘争放棄に抗して、わが同盟と革命的・戦闘的労働者は粘り強く展開している。
 まさにこのゆえに、政府=支配階級および警察権力は、危機意識と焦燥感をむきだしにしてわが革命的左翼の運動と組織を破壊しようと躍起になっている。そのために彼らは日夜執拗に違法行為をも駆使して、待ち伏せや尾行・追尾などの妨害・弾圧行為をくりかえしている。その卑劣で姑息なやり口を、われわれは怒りをこめて暴露し弾劾する。ここに暴露した神奈川県警公安三課によるAさん追尾の実態は、われわれが掌握している警察権力の犯罪行為の一端にすぎない。彼らのわが革命的左翼にたいする弾圧・組織破壊攻撃の実態を、われわれは今後も必要に応じて暴露し、うち砕いてゆく。
 全国の革命的・戦闘的労働者およびたたかう学生諸君! 革命的警戒心をさらに高め研ぎすまし、警察権力による破壊・妨害行為を断じて許すな! この手口・この風貌を脳裏に刻みこみ、警察権力による弾圧攻撃を断固としてはね返そう!
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「新テロ特措法の期限延長阻止!」
 沖縄の学生が自民党県連にデモ 10・26
10・26沖縄全県学生マーチ
「新基地建設STOP!」学生の怒り轟く
(10月26日、那覇市)
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