第2050号(2009年1月1日)新年特別号(12頁)の内容

<1〜4面>
世界大動乱を突き破る闘いの砦を
21世紀世界の腐蝕に抗し今こそマルクス主義の現代的復権を!

<5面>
「健全な金融」の夢妄想
<6〜7面>
漫・破綻・落壁大瓦落・綺譚 李満亭阿呆久斎
<8〜9面>
「強大国化」の翳りに怯えるプーチンのロシア
<10面>
年頭の決意
 関西/北海道/九州
<11面>
郵政/電機/自治体/交通運輸
<12面>
写真特集 激闘2008
  「解放」 最新号
 





  


世界大動乱を突き破る闘いの砦を


二十一世紀世界の腐蝕に抗し今こそマルクス主義の現代的復権を!

米原子力空母G・ワシントンの横須賀配備阻止! 
――全学連が勇躍決起(08年9月25日)


 アメリカ帝国主義に発した国際金融破綻の大津波は、いまや日本を、そして全世界を席巻し、アメリカ独占ブルジョアジーが「百年に一度の危機」と悲鳴をあげざるをえないほどに、各国経済は震撼させられている。アメリカでは自動車独占体・旧ビッグスリーの救済法案が議会で廃案となったことによって、「アメリカの象徴」たるビッグスリーが揃って倒産のガケッ縁に追いつめられる、というまさに決定的事態が到来している。いまや全世界が国際金融恐慌への突入の瀬戸際に立たされ、危機の泥沼にのたうちまわる各国の独占ブルジョアジーは、その犠牲のすべてを労働者・勤労人民に無慈悲に転嫁することによってのりきろうとしている。「業績悪化」を理由にして、とつぜん解雇され、明日の生活もままならないままに路頭に放り出される労働者が全世界にあふれかえっている。
 それだけではない。この世界経済の大破綻を震源として、「一超」世界支配の根底的崩壊にあえぐ没落帝国主義アメリカと、これに挑戦する中国・ロシア、そしてこの米―中・露新対決のはざまで<第三極>を志向する仏=独枢軸のEU諸国とのあいだでの相互角逐がいちだんと激化している。とりわけグルジアをめぐる米・露間の激突は新たな世界大戦勃発の危機さえも激成しているのだ。
 すべての労働者・人民諸君。この「百年に一度の危機」は、現代資本主義のどんづまりの危機を、それゆえに二十一世紀現代世界の歴史的転換を告げ知らせるものである。まさにいま、この転換を主導する国際労働者階級の大闘争の爆発をこそかちとるのでなければならない。そのために、わが反スターリン主義革命的左翼はみずからの真価を存分に発揮し、わが底力を数層倍する飛躍をもかけて国際労働者階級の最先頭で闘いを牽引するのでなければならない。いまこそ労働貴族どもや転向スターリニストどもの軛から労働者階級を解き放ち、その解放にむけての闘いを飛躍的に前進させる決定的瞬間が到来している!――この血湧き肉躍る現実感覚と透徹した時代認識をもって、すべての革命的労働者・学生は、わが革共同とともに総決起せよ!

以下、見出し
T <米―中・露新対決>下の《三極》間角逐の新たな激化

 A アメリカ「一超」世界支配の最後的終焉
 B 新自由主義の根本的破産
 C 奈落に落ちた日本帝国主義と労働者階級への犠牲転嫁

U 今こそマルクス主義の現代的復権を!

 A ネオ・ケインズ主義的¢繹トの虚妄
 B 世界的戦乱と人民貧窮化を突き破る革命的拠点を!
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「健全な金融」の夢妄想

転向スターリン主義のなれの果て

 「『カジノ資本主義』への追随からの根本的転換を」――このようなスローガンを掲げて、現存ブルジョア政府(麻生ガタガタ政権)に現行の金融・経済諸施策の「見直し」を請願しているのが、代々木共産党の不破=志位指導部である(「景気悪化から国民生活を守る日本共産党の緊急経済提言」、二〇〇八年十一月十一日発表)。「根本的転換」などという勇ましい$Gれこみにもかかわらず、彼らが自民党政府に懇願(こんがん)している「見直し」の内実たるや、まことに些(ささ)やかにして愚劣なものでしかない。それというのも、ヘッジファンドなどの「過度の投機」を許さないルールの確立とか、「アメリカをお手本≠ノした金融自由化路線」からの抜本的転換とかという代案≠ヘ、「EUなみのルールある資本主義」ないしは「健全な資本主義」というそれじたいが曖昧模糊とした理念、いや幻夢にもとづいて提唱されているものにすぎないのだからである。
 二十一世紀現代世界を襲っているアメリカ帝国主義発の国際金融危機、世界同時不況を誘発し・かつそれと相乗して亢進(こうしん)しているこの国際金融大破綻の危機を、代々木官僚も「カジノ資本主義」=「ばくち経済」そのものの破綻として捉えてはいる。だが、このヤンキー帝国主義型<カジノ資本主義>の劇的大破綻の構造とその根拠・根源についても、その歴史的性格・位相についても、その意味するものについても、代々木官僚は本質的につかみとり省察することを何ひとつなしえないのである。ケインズ主義型の国家独占資本主義、その新自由主義にもとづく再編成をつうじて生みだされた<カジノ資本主義>のこの大破綻が、現代帝国主義の延命策そのものの究極的な破産という歴史的位相をもち、したがって資本主義の根本的な破産=終焉をこそ意味する。このことを彼らは何らつかみとりえない、ということにほかならない。
 破綻した「カジノ資本主義」を「健全な資本主義」なるものに「改良」しうる――転向スターリン主義者が想い描くこの夢妄想は、スターリン主義の本質的に反マルクス主義的な「社会主義」理念をすらも否定し放擲(ほうてき)したがゆえのみならず、もとよりマルクスのマルクス主義とは無縁な没社会科学のゆえの、所産いがいのなにものでもないのである。
 本稿では、「健全な資本主義」などという今日の代々木官僚の理念を正当化するための理論的″シ術、その一つである「健全な金融」論に限って批判を浴びせておこう。

 目 次
T 「実体経済からの金融の乖離」論の変貌

U ブルジョア経済学的錯視
(本 号)

V 資本主義への夢託す「健全な金融」論
(次 号)
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漫・破綻・落壁大瓦落・綺譚


 李満亭阿呆久斎

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「強大国化」の翳りに怯えるプーチンのロシア

 ロシアの三色旗をたなびかせて北方艦隊主力艦「ピョートル大帝」が、アメリカ帝国主義国家の目と鼻の先に位置するカリブ海を威風堂々と荒波をたてて進撃する。随伴の大型対潜艦は一九九九年までアメリカ管理下にあったパナマ運河を、まさにロシア(旧ソ連)の軍艦としては第二次大戦後初めて突き進む。――この軍事的デモンストレーションを挑戦的かつ挑発的にしかけながら、〇八年十一月二十八日にキューバを訪問し前国家評議会議長フィデル・カストロと会談したロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは居丈高に宣言した。「ロシアはラテンアメリカに帰ってきた」「中南米はもはやアメリカの裏庭ではない」と。
 子飼いのメドベージェフを大統領にすえた首相ウラジーミル・プーチンの政権のこの軍事的示威行動は、アメリカ帝国主義のタカ派政治エリートと軍幹部どもをして「第二のキューバ危機」と心胆寒からしめた。ロシアのグルジア侵略を非難し「人道援助」を名分にして黒海に米軍艦を急派したブッシュ政権にたいして、プーチン=メドベージェフ政権は、何よりも「等価の対応」(プーチン)を見せつけるためにこの軍事行動を強行したのだ。
 今回の軍事行動に先立って、「アメリカのチェンジ」を掲げるオバマが大統領選勝利を掌中にしたわずか三時間後に、メドベージェフは、MDシステム配備をオバマをして断念に追いこむために、ロシアの飛び地≠ナあるカリーニングラード州への最新鋭の地対地ミサイル「イスカンダル」の配備をブチあげた(十一月五日、大統領年次教書演説)。ロシア権力者は、アメリカの新政権誕生にたいして手荒い祝砲≠打ちあげたのだ。追い討ちをかけるようにプーチンは言い放った――「今後の露米関係がどうなるかはオバマ新政権の出方次第だ」と。
 〔こうしたロシアの対米挑戦をも見てとりつつ、アル・カーイダなどのイスラム武装勢力は、インド・ムンバイにおけるゲリラ攻撃を、アフガニスタンこそ「対テロ戦の主戦場」と主張するオバマにたいして、先制的に宣戦布告として突きつけたのだ。〕
 まさにいまプーチン=メドベージェフ政権は、イラク軍事占領の全面的破産にあえぎ<カジノ資本主義>の大破綻に直面しているアメリカ帝国主義の苦境につけこみ、今こそが「一超」世界支配を根幹から最後的に打ち砕く絶好の機会と捉えて戦争瀬戸際的政策にうってでているのである。
 だが、アメリカ帝国主義発の国際金融恐慌勃発の危機が、とりわけ原油の国際価格暴落とEUの不況との大津波がロシア経済を直撃している。資源依存・対EU貿易依存の産業構造・経済構造の決定的脆弱性があらわになり、ロシア権力者の足元が大きく揺らいでいるのだ。ヤンキー帝国主義の「一超」世界支配を打ち破り「強大国」としてのロシアの復権≠実現する野望をたぎらせながらも、この野望の達成にとっての巨大な障壁に衝(つ)き当たり、野望が難破しかねない危機に直面しているのが、プーチン=メドベージェフ政権にほかならない。

以下、見出し
T ロシアの「強大国化」への障壁

U 国際金融危機・世界同時不況下のロシア経済危機の突破策

V アメリカ「一超」支配打破を企む大攻勢
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写真特集 激闘 2008 戦乱と貧窮化に抗して

「偽善のサミット粉砕!」の声 世界に轟く

闘う学生がサミットの犯罪性を暴露し「ピースウォーク」の先頭で奮闘
(7月5日、札幌)

 5千余の労・学・市民が決起
(7月5日、同)

世界のメディアが闘う学生に注目

反戦・政治経済闘争を断固推進

吹きすさぶ雪をついて千歳市街をデモ
(2月23日)

「ガソリン税暫定税率復活阻止! 後期高齢者医療制度撤廃!」
〈戦争と貧困〉を強制する福田政権に怒りの拳
(4月30日、国会前)


「辺野古新基地建設阻止!」
沖縄平和行進の先頭で県学連が奮闘
(5月18日、米軍石平司令部前)

米原子力空母レーガンの佐世保寄港阻止に決起
(7月28日、野崎岸壁)

「ロシアのグルジア軍事侵略弾劾!」
全学連が唯一決起
(8月21日、東京)

「MDシステム日本配備阻止!」を掲げて
(9月25日、横須賀)

「ガタガタ麻生内閣打倒!」国会に進撃
(10・26労学統一行動、東京)
「日本の原発・核開発阻止!」を掲げて 「もんじゅ運転再開阻止!」労・学・市民が決起
(12月6日、敦賀)

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