第2086号(2009年9月21日)の内容

<1面>
鳩山新政権の新たな反動攻撃粉砕!
笑顔のネオ・ファシズム@ヮ^の「連合」指導部・日共中央を弾劾せよ

<4〜5面>
「個人加盟ユニオン」への底抜けの讃歌 下
木下武男『格差社会にいどむユニオン』への批判

<2面>
全学連第127回中央委に結集せよ
<3面>
ビジョン懇「道州制構想」の反動性(下)
スーパーエリートの育成を目論む政府・文科省
<6面>
三協立山アルミの大リストラ攻撃
許せない労災隠し
Topics アメリカの失業率9・7%
<7面>
破綻寸前の介護保険制度の補修≠ノ大わらわの厚労省
◆続発する「老々介護」殺人
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<8面>
万華鏡2009――情勢の断層を読む
勝ったのは誰/失地回復?/ユキだるま/先制的牽制
  「解放」 最新号

























 

  


鳩山新政権の新たな反動攻撃粉砕!

笑顔のネオ・ファシズム@ヮ^の「連合」指導部・日共中央を弾劾せよ


 九月十六日、国会での首相指名選において民主党代表・鳩山由紀夫が選出され、ここに民主党主力政権の成立が画された。社民党・国民新党両党をつきしたがえて成立したこの民主党主力政権は、「国民の生活が第一」などという偽善的な看板を掲げた「家計支援」などの選挙公約をともかく第一に実施することを宣明すると同時に、こうした諸政策を実施していくために、「政治主導」「内閣一元化」の名のもとに首相=内閣官房専決の強権的な政治支配体制の確立をみずからの使命としている。また、この政権は、安保・外交政策上の基本指針としては対米自立≠フ旗幟を鮮明にしているのだとはいえ、「日米地位協定の改定」や「米軍再編の見直し」という主張にたいするオバマ政権の強硬な恫喝と圧力を受けて当座の現実的対応としてはアメリカ政府の対日要求に応えていこうとしている。
 それだけではない。労使運命共同体イデオロギーに染まりきり労資協議路線を運動路線としている「連合」労働貴族どもを、政使労協議の定着化・恒常的実施をつうじて深々と搦(から)めとり、もって「連合」をこの政権を下支えする基盤たらしめようと策している。「連合」会長・高木は、総選挙での民主党の大勝に欣喜雀躍(きんきじゃくやく)し、政権立ちあげの過程からの「人的支援」の意向を表明し、この政権を内と外から積極的に支えていこうとしているのだ。
 日共の不破=志位指導部もまた「建設的野党」を自称して閣外協力≠フ姿勢を鮮明にしている。
 まさに今、われわれはこと改めて警鐘を乱打しなければならない。既成反対運動指導部の右のごとき腐敗のゆえに、労働者・人民がこれを許してしまうならば、日本階級闘争とりわけ労働運動は、まさに鳩山新政権を下支えするものへと変質せしめられ、完全に窒息死させられかねないのである。
 たたかう労働者・学生諸君! いまこそ、「民主党鳩山政権」への幻想を煽りたて、この新政権が笑顔≠ふりまきつつ仕掛けようとしている新たな形のネオ・ファシズム反動攻勢への翼賛運動に突進する「連合」指導部や「建設的野党」を標榜する日共・不破=志位指導部、彼らのこの腐敗と犯罪性を断固として暴きだせ! 鳩山新政権の笑顔≠フベールをひきはがし、首相=内閣官房専決体制を確立するための「政治主導確立法」案の臨時国会上程、国家公務員人件費二〇%削減の策動、「臨検法」制定、MDシステム拡大配備、ソマリア沖・ジブチ共和国への自衛隊の派遣継続などの反動諸攻撃を打ち砕く闘いに各学園・各職場から全力で決起せよ!

(以下見出し)
民・社・国による「連立政権合意」

新たな<戦争と貧困>を強制する鳩山ネオ・ファシスト政権

「民主党政権」を下支えする既成指導部を弾劾して闘おう
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「個人加盟ユニオン」への底抜けの讃歌

 木下武男『格差社会にいどむユニオン』への批判

目  次
 A 「労働運動のルネッサンス」とは何か?

 B 珍奇な「階層社会への転成」論

 C 内部変革なき「企業別労働組合体制からの脱却」論
  (第二〇八五号)

 D <いかに>の欠如した「個人加盟ユニオンの拡大」論

 E 赤色労働組合主義の裏返しとしての「ユニオニズム」

 おわりに
  (本 号)

「おわりに」からの抜すい
 「福祉国家」であれなんであれ、現存資本主義社会の改良=修正を自己目的化する立場、すなわち修正資本主義の立場にたつかぎり、けっきょくのところ労働組合運動論もまた、視野狭窄的で箱庭的な、内向的で脱政治的な、「ルネッサンス」の名によるケチくさい展望論を披瀝しないわけにはいかない。このことを身をもって実証≠オたのが、木下武男である、と言ってよい。しかも、「21世紀労働運動原論」などと称して、十九世紀のフェビアン協会流の労働組合観を宣揚するだけでなく、それをそのまま二十一世紀日本の現在にあてはめて「ユニオニズムは永遠不滅である」(一〇八頁)などと高唱する・この驚くべき歴史感覚は、時代錯誤と呼ぶほかはない。
 善意と意欲に満ちあふれてはいるが運動主体としてのリアリズムに欠け、真剣ではあるけれどもけっして根底的(ラディカル)であるわけではない、そして「新しさ」を装ってはいても、そのじつ本質的にはアナクロニズムに陥没した労働組合運動論。――木下の「労働運動のルネッサンス」論とは、このようなものなのである。
 「連合」労働貴族によって支配され、日共系「全労連」官僚によって補完された日本労働運動の底知れぬ腐敗と閉塞状況のなかで孤軍奮闘する個人加盟ユニオンの活動家たちにとって、木下の、この蛮勇あふれる労働組合論が、一服の気つけ薬≠ノなることはあるかもしれない。だがそれが、「連合」指導部によって主導されているネオ産業報国運動の巨大な堤防≠突き崩す武器たりえないことは歴然としているのである。
 鳩山民主党政権の発足は、日本労働運動の産報化を新たな段階に飛躍させるであろう。この日本労働運動の決定的危機を突破するために、あらゆる労働組合の内部から賃上げ闘争・政治経済闘争・反戦闘争などを大胆に創造し、それをつうじてその内部に革命的労働者のケルンを拡大・強化するとともに、それを実体的基礎として既存の労働組合そのものを戦闘的につくりかえ強化していくこと。――このことこそが、わが革命的左翼に課せられた任務なのだ。
 もとよりわれわれのめざすものは、ネオ産報化し破滅の危機にあえいでいる日本労働運動総体の大どんでん返しであり、それをつうじて、現代資本主義社会そのものを根底から覆す階級的力を創造することにほかならない。まさにそのためにこそわれわれは、木下武男の迷える「ルネッサンス」論をも、われわれじしんの労働運動論の前進のための肥やし≠ノするのでなければならない。
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全学連第127回中央委に結集せよ

鳩山新政権による<戦争と貧困>の強制を打ち砕く闘争態勢をうち固めよ!

 全学連は来たる九月二十一、二十二日の両日、首都・東京において、第一二七回中央委員会を開催する。
 本中央委員会は、自民党を中核とする政治支配体制の終焉が画され、民主党を主力とする政権が樹立されるという歴史的局面において開催される。
 八月三十日に実施された衆議院選挙において三〇八議席獲得という地滑り的大勝を収めた民主党は、社民党・国民新党とのあいだで連立政権の樹立を合意したことにふまえて、九月十六日の特別国会において鳩山が首相指名をうけた直後にも新政権を発足させようとしている。この民主党は、「国民の生活が第一」という偽善のベールを被り労働者・人民の味方づらをしているのだとしても、その本質は、日本国家を対米自立≠フ方向で「戦争をやれる国」へと飛躍させると同時に首相専決体制の抜本的強化を基軸として強権的=軍事的支配体制の強化をたくらむ、笑顔のネオ・ファシズム党≠ノほかならない。それにもかかわらず、「連合」高木指導部は、民主党が衆院選において大勝したことに、ついに「与党としての労働運動」を実現できると欣喜雀躍しながら、「新政権がスムースにスタートできるよう協力していきたい」などというように、民主党政権を全面的に支えていくことを宣言している。そしてまた、「建設的野党」などと自称している日共の不破=志位指導部は、民主党の政策には「部分的には国民の要求を反映した側面」があり、こういう「過渡的な性格をもった新政権」の「良いことには協力」するという姿勢をことさらにおしだしている(九月九日、党創立八十七周年記念講演会における志位の講演)。そうすることによって代々木共産党もまた民主党政権への幻想を煽りたてている。既成反対運動指導部がこぞって民主党政権の尻押しに労働者・人民をかりたてていることのゆえに、まさに、いま日本階級闘争は新たな危機にたたされているといわなければならない。
 全学連のたたかう学生は、このような日本階級闘争の新たな危機を断固として突き破っていく決意に燃えて、今秋期、民主党政権による、新たなかたちでの労働者・人民への<戦争と貧困>の強制を打ち砕く反戦・政治経済闘争を総力をあげて創造するのでなければならない。こうした今秋期の闘いに向けた闘争態勢をがっちりとうち固めることこそが、本中央委員会において全学連の学生が実現すべき任務にほかならない。
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