第2116号(2010年4月26日)の内容

<1面>
沖縄の怒りを反安保の全国的うねりへ
 米軍新基地建設阻止! 普天間基地即時撤去!
 米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対!
   4・25沖縄県民大会の戦闘的高揚を!
<4〜5面>
「世界一」トヨタの落日の始まり
アメリカ発「リコール騒動」の深層
<2面>
陸自第一混成団の旅団化に怒り3・26那覇
<6面>
亀井「郵政10万人正社員化」案の欺瞞
関経連との「連携」合意に喜色満面の「連合大阪」本部―2・19大阪労使会議
Topics 第2回「政府・連合トップ会談」
◆2・7労働者怒りの総決起集会に参加して
<7面>
日本郵政経営陣の賃下げ・大量解雇攻撃を許すな
<8面>
「生死の場所の自己省察」に学ぶ
<3面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
ふたつの追悼式典/メコンの格差/軌道修正/劉将軍の遺言

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号






























  


沖縄の怒りを反安保の全国的うねりへ

 米軍新基地建設阻止! 普天間基地即時撤去!

 米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対!

   4・25沖縄県民大会の戦闘的高揚を!

 米軍海兵隊の新基地建設を阻止し普天間基地の即時撤去をかちとる闘いは、いままさに正念場を迎えている。
 オバマ政権が普天間基地の代替基地は沖縄につくるのでなければ認めないという居丈高なゴリ押しをしていることにたいして、そしてこのオバマ政権の圧力を受けながら「分散移転」の名のもとにキャンプ・シュワブ陸上部と鹿児島県・徳之島に海兵隊新基地を建設する政府案を提示している鳩山政権にたいして、沖縄の労働者・人民の怒りはまさしく沸点に達している。四月二十五日に読谷村で開催される沖縄県民大会を一大焦点にして、沖縄と全国各地を結ぶかたちで、海兵隊新基地建設を阻止し・普天間基地の撤去をかちとる闘いのうねりが大きく盛りあがっている。四月十八日には、徳之島において開催された「移設反対」集会に、島の人口の半数を超す一万五〇〇〇名が結集した。
 それにもかかわらず、米・日両権力者にたいする労働者・人民の怒りの高まりに恐れをなしているのが、「連合」古賀指導部だ。彼らは、鳩山政権をこれ以上窮地に追いこまないようにとの思惑にもとづいて、4・25沖縄県民大会に向けての取り組みを「連合」内から創造することそのものを抑圧する挙に出ている始末なのだ。日共の不破=志位指導部は、日米交渉と「移設先探し」が行きづまった今こそ「無条件撤去を求めて米側と堂々たる交渉をおこなえ」などと鳩山政権に向かって要請している。代々木官僚は、「県外または国外への移設」という公約を守り「本腰を入れた対米交渉」をすべきことを鳩山政権に請願する圧力手段に闘いをおし歪めているのだ。
 これら既成指導部の腐敗のゆえに、海兵隊新基地建設に反対する労働者・人民の声が空前の盛りあがりをみせているにもかかわらず、反対運動は総体としてはもっぱら鳩山政権に「公約遵守」を求める方向に収れんされようとしているという脆弱性をかかえているといわなければならない。
 われわれは、日共系の「基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、いまこそ、米海兵隊新基地建設阻止・普天間基地撤去の闘いを日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての現実的強化に反対する反安保闘争としてたたかうのでなければならない。4・25沖縄県民大会の戦闘的大高揚をかちとり、<反安保>の巨大なうねりをまきおこそうではないか。

(以下、見出し)
普天間基地移設をめぐる米・日両権力者のさやあて

「核軍縮・核管理」をめぐる米・露の瞞着

対米対抗の核軍事力増強に突進する胡錦濤中国

「基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ闘おう
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「世界一」トヨタの落日の始まり

アメリカ発「リコール騒動」の深層


 トヨタ経営陣は、アメリカ製トヨタ車のアクセル欠陥部品の大規模リコール(回収・無償修理)によって噴出したトヨタ非難≠フ沈静化と事態の収拾をはかるために、二月二日に品質担当の副社長に記者会見で謝罪させた。だがその当日、アメリカ運輸長官ラフードは「トヨタ問題は終わっていない」と発言し、次世代「エコカー」市場の制覇をかけてトヨタが開発を急いできた看板車種・新型プリウスのブレーキ関連の苦情情報を、新たに高速道路交通安全局(NHTSA)に暴露させた。
 このワシントン発「プリウス・ショック」の激震に直撃されたトヨタ経営陣は、周章狼狽したあげく、新型ハイブリッド車のブレーキ制御ソフト組み替えのリコールを余儀なくされた。昨年五月に市場投入した新型プリウスの販売好調(年間販売台数トップ)とアメリカでのトヨタ車のシェア伸張とによって、今年三月期において「黒字回復」のめどを立てた矢先に突如として襲ってきたこの「トヨタ・リコール騒動」は、今年早々「暴風雨は過ぎた」と脳天気にも語っていた社長・豊田章男をして一転「危機的状況」と言わせるまでに、トヨタ経営陣を奈落の底に突き落としたのである。
 米国内だけで二三〇万台(全世界では四四五万台)にものぼる大規模なアクセル部品のリコール。これに追い討ちをかけるかのごとく暴露された新型プリウスのブレーキ電子制御の欠陥とリコール(日米だけでも二七万台)。「高品質で安全」というトヨタ神話を崩落させたこれらの事態は、直接的には、品質管理の破綻の露呈であり、トヨタ経営陣が「世界一」の座を奪取するために遮二無二生産を拡大させるなかでそのうちにはらんできた生産基盤・技術基盤の劣化をその根拠としているといわなければならない。
 だが同時に、いまアメリカ国内で吹き荒れている「トヨタ・バッシング」の狂騒は、惨敗が予想されている今秋の中間選挙での人気挽回に焦るオバマ政権が、トヨタ製自動車の欠陥情報でつかんだトヨタの弱みにつけ込み、ここがGM再建のための千載一遇のチャンス≠ニばかりに、政府をあげて仕掛けたものにほかならない。それは次世代の環境対策車開発をめぐる国際競争で完全に後れをとっているアメリカ自動車産業諸独占体を救済するためにオバマ政権が仕組んだ排外主義剥き出しの政治的術策以外のなにものでもないのだ。

一 空前の規模のリコール続出にうろたえるトヨタ経営陣

二 グローバルな生産拡大にともなう矛盾の噴出

  アメリカ現地生産の急拡大にともなう品質管理の破綻

  トヨタ式ハイブリッドシステムの技術的脆弱性の露呈

三 GM再建のためにオバマ政権が仕掛けたトヨタ・バッシング

  トヨタ車のシェア拡大をくいとめるための強権発動

  GM再建策の軌道修正

  環境技術開発競争での排外主義的巻き返し

労働者へのさらなる犠牲強要を許すな!
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「生死の場所の自己省察」に学ぶ

(見出し)
同志飛梅の気迫をわがものに

実践的唯物論者としての生き方

<魂の転回>の共時的実現のために

<おわりに>
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ふたつの追悼式典

カチンスキは「カチン」で墜落死

 ポーランド大統領一行を乗せた専用機がロシア最西部スモレンスクで着陸に失敗。カチンスキをはじめ全員が死亡した。四月十日、スモレンスクの「カチンの森」でポーランド大統領が主催する追悼式典が開かれようとしていた日のことである。
 急報を受け、モスクワの執務室で独(ひと)り言(ご)つのは首相プーチン――
 ……カチンスキの自業自得! 航空管制官の再三にわたる制止を無視し、ほとんど視界ゼロという濃霧のなかでの着陸をパイロットに強要したからだ。ロシアが爆撃を浴びせている真っ最中のグルジアに着陸せよ、という無茶な命令を拒否したパイロットを「不服従」とみなして処罰しようとした、という前歴がこの男にはあるという。どんな恫喝をしたのか知らないが、気の毒なのはメクラ飛行を強要されて死んだパイロットたちよ。
 この惨事は、もちろん「FSBの仕業」でもなければ、ツポレフ154という古い機体のせいでもない。何が何でもスモレンスクに降りたたなければならぬ、と焦り狂ったカチンスキじしんが招いたものだ。「カチンの森事件」七十年にあたって、ポーランド首相トゥスクを招待してロシア政府が主催した七日の犠牲者追悼式典。これに対抗する自前の式典を華々しく演出しようとして、愚かにも、この男はみずから墜落死への道を選んだ。軍最高幹部全員や中央銀行総裁やをすべて道連れにして。
 アンジェイ・ワイダをふくめ多くの犠牲者遺族やポーランド市民、両国の歴史家や政治家などの列席のもとに開催されたわがロシア主催の追悼式典。これは、ロシアとポーランドとの、いや、ロシアと欧州との新たな関係をひらく画期的なものとなった。
 ソ連およびロシアの時代をつうじてカチンの地を踏んだ初の国家首脳となった俺様は、トゥスクと並んで慰霊碑に献花し犠牲者を悼んだ。「ロシアの首相がこうしてポーランド人犠牲者のまえにひざまずくとは……考えられなかったことだ」とトゥスクは感激して涙を流さんばかりだった。
 俺様は明言した――スターリン体制の犯罪は決して正当化できない、ソ連時代にはカチンの真実をおし隠すウソがつづいた、と。この地には、ソ連秘密警察によって殺された四〇〇〇余のポーランド人将校だけではなく、その数を倍するソ連市民――一九三〇年代に銃殺された人々や、侵略したナチスとたたかい殺されたソ連兵士たち――も眠っている。ロシア国民とポーランド国民とは、「全体主義」とナチズムの犠牲者≠ニいう共通の過去をもつのだ、と。「カチンの悲劇を己れの政治的目的に利用してはならない」とも言っておいた。もちろん俺様のことではない。反露・反独の狂乱的民族排外主義者カチンスキのことだ。隣りでトゥスクも大きくうなずいていた。
 「カチンの森事件」をソ連指導部の犯罪と断じて非難するロシア政府の立場を行動をもって示したこと、これが七日のわが式典の意義だ。
 ……つまり……ナチス・ドイツのポーランド侵攻七十周年を記念して、昨年グダニスクで開かれた式典で俺様がとったいささか硬直した態度を手直ししたのである。あの時には、「ソ連こそがファシズムとたたかった」ことをもっぱらおしだし、カチンについては触れず、独ソ不可侵条約についても中途半端なことしか言わなかった。この発言は、ポーランドではもとより、全ヨーロッパで悪評を買ってしまった。考えてみれば、KGB将校という過去をもつとはいえ、「社会主義」の思想を信奉したわけではなく、そもそもソ連「社会主義」解体のうえにうちたてられた新生ロシア国家の権力者である俺様が、スターリンの犯罪行為にまで肩をもつような態度をとるのはヘンな話だ。イワン雷帝であろうとピョートル大帝であろうとスターリンであろうと、大国ロシア建設に邁進した支配者はすべて尊敬してしまう俺様の大ロシア国家主義の為せる業かもしれない。「大虐殺という点でソ連とナチス・ドイツは同じだ」とわめいて「反露=反ソ」を呼号するカチンスキらに頭に来て直対応してしまったとも言える。
 昨年九月にポーランドを訪問した時に、トゥスクは小声で言った――「プーチン閣下、あれではポーランド国民はオルグれません。カチンスキの思うツボです」と。元をたどれば、カチンスキと同じく「連帯」の流れをくむこの男は、もちろん「親ロシア」ではない。とはいえカチンスキとは犬猿の仲。ひたすらアメリカに追従してEUの孤児になり、没落帝国アメリカと心中するのを良しとはしていない。このトゥスクとの腹合わせのもとに今回の追悼式典を準備してきた、というわけなのだ。
 ともかく、わがロシア政府が「カチンの森」でひざまずいて犠牲者を悼む、という新機軸はまんまと大成功。カチンスキの文字どおりの自滅というオマケまで付いた。ロシア―ポーランド関係に突き刺さった「歴史のトゲ」を抜いただけではない。ことある度にドイツに盾突きEUを内部から攪乱してきたカチンスキという「トゲ」も抜いてやった。メルケルも、さぞかし俺様に感謝していることだろう。
 おっ、墜落現場に飛ぶ時間だ。バラバラになったカチンスキらの遺体を集め、トゥスクと抱きあって哀悼の意を表するのだから、沈痛な顔をしなければならぬ……〔鏡を見て〕まだ目がほくそ笑んでいる……なかなか難しい。
 さて、これからの仕事は、カチンならぬカチンスキを悼む俺様の人間味あふれる姿を、ポーランドの連中やEUの面々に見せつけることだ。わが同盟者であるとはいえ胡錦濤の中国に一人デカい顔をさせないためにも、わが国にとって、EUとの協調関係の強化が急務なのだ。……おお忙しい……
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陸自第一混成団の旅団化に怒り3・26那覇

「陸自第一混成団の旅団化反対!」
那覇駐屯地前で労学が奮闘 3・26
防衛相・北沢出席の編成式会場にデモ


弾圧をはね返し編成式典を弾劾
(3月26日、陸自那覇駐屯地前)
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