第2127号(2010年7月12日)の内容

<1面>
<戦争と貧窮>の強制を打ち砕け
米日韓と中露の相互対抗的軍事演習反対!
参院選に埋没する既成指導部を弾劾し反戦・政経闘争の爆発を!

<4〜5面>
<米・中本格対決>下のG8・G20サミット
米―中・露の臨戦的対峙≠ニ〈三極〉間争闘戦の新展開

<2面>
戦闘的労学が那覇市街を席巻 6・20
米総領事館に<反安保>の拳 6・20 大阪
<3面>
一触即発!米・日・韓―中・露が相互に大軍事演習
<6面>
「職場復帰支援」とは名ばかり
都教委が病休中教員に退職強要
トヨタ下請企業が次々倒産
Topics 独占資本家が「期間工・請負」を活用
<7面>
「過密労働」という表現(または規定)について
<8面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
造反有理?/黄海波高し/検察の裏はドブ/「いまだ真相は不明」

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号





























  


<戦争と貧窮>の強制を打ち砕け

米日韓と中露の相互対抗的軍事演習反対!

参院選に埋没する既成指導部を弾劾し反戦・政経闘争の爆発を!

 アメリカのオバマ政権は、韓国の李明博政権や日本の菅政権とともに、対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢をとりつづけている。現に今オバマ政権は、近日中に、米・韓両軍による対北朝鮮潜水艦の軍事演習を、中国の北海艦隊の基地・青島の目と鼻の先に位置する黄海上において大々的に展開しようとしている。「中国の領海に近く、強く反対する」という胡錦濤政権の警告を無視して、アメリカ権力者は、米軍横須賀基地を母港とする原子力空母G・ワシントンをも動員し、あえて挑発的・威嚇的な軍事演習を強行しようとしている。すでにオバマ政権は、日・豪両権力者とともに、沖縄近海において対中国海軍の作戦計画にもとづいて米・日・豪の合同艦隊による軍事演習を強行しているのだ(六月二十一日から)。
 この米・日・韓(・豪)権力者どもの挑戦的軍事演習に対抗して胡錦濤政権は、東海艦隊の実弾射撃演習を東シナ海においてくりひろげている(六月三十日から七月五日まで)。この演習では、敵空母を攻撃する対艦弾道ミサイルの試射をも実施したといわれている。それだけではない。この胡錦濤政権との同盟的結束を強めているロシアのプーチン=メドべージェフ政権もまた、メドベージェフじしんの「視察」のもとで、「朝鮮半島における米軍の展開に対応する」という作戦計画にもとづいて、太平洋艦隊・北方艦隊・黒海艦隊を動員しての大規模軍事演習「ボストーク2010」を日本海・オホーツク海においてくりひろげている(六月二十九日から七月八日まで)。中・露両国家も、事実上準臨戦態勢に突入しているのだ。いままさに米・日・韓と中・露との相互対抗的・挑発的な軍事演習の強行のゆえにこそ、朝鮮半島―東アジアは一触即発の戦争勃発の危機におおわれているのである(三面参照)。
 菅政権はいま、オバマ政権が企む米日韓三角軍事同盟の再構築・強化の策動に全面協力している。のみならず、「強い経済・強い財政・強い社会保障の一体的実現」の名のもとに、独占諸資本への庇護・支援策をとる一方で、日本の労働者・人民にたいしては消費税増税の大攻撃をうちおろそうとしている。
 菅政権が<新たな戦争と貧窮>を労働者・人民に強要しようとしているにもかかわらず、「連合」指導部や代々木官僚ら既成指導部は、大衆的闘いの一切を放棄し参院選の集票活動にうつつを抜かしている。「連合」古賀指導部は、米・韓両権力者とともに対北朝鮮臨戦態勢をとっている菅新政権を「全面支持」することを傘下労組の組合員に号令し、民主党の集票活動に駆りたてている。日本共産党の不破=志位指導部は、朝鮮半島における戦争勃発の危機切迫から意図的に目を覆い、対北朝鮮臨戦態勢をとり米日韓三角軍事同盟の再構築・強化にのりだしているオバマ政権を弾劾するどころか、この権力者を「聞く耳を持った政権」などと賛美している始末なのだ。
 われわれはいまこそ、既成反対運動指導部の腐敗を弾劾し、「米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対! 辺野古新基地建設阻止! 米・中露の核軍事力増強競争反対!」の反戦反安保闘争を断固として推進しよう! 菅新政権の消費税増税攻撃を打ち砕く政治経済闘争の高揚を切りひらこう!
 すべてのたたかう労働者・学生・人民は全国各地で開催される8・1国際反戦集会に総結集しよう!

(以下見出し)
朝鮮半島・中東における一触即発の危機の高まり

労働者・勤労人民に貧窮を強要する菅政権

反戦反安保・消費税増税阻止の火柱を噴き上げよ
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<米・中本格対決>下のG8・G20サミット 

 米―中・露の臨戦的対峙≠ニ<三極>間争闘戦の新展開

 かの韓国哨戒艦「天安」沈没事件を「北朝鮮潜水艇の魚雷発射」によるものと断定し、これを名分にしてアメリカ帝国主義のオバマ政権は韓国・李明博政権ならびに日本の民主党主力政権を動員しつつ対北朝鮮の臨戦態勢をとっている。これにたいして北朝鮮の金正日政権は、韓国首都ソウルを「火の海」にすることも辞さぬと叫びたてつつ、国家総動員態勢をとっている。
 それだけではない。中国北海艦隊基地の目と鼻の先の黄海海域において在日米軍の空母機動部隊を投入しての米韓合同演習を六月下旬に強行する計画をも発表したアメリカ帝国主義にたいして、中国の胡錦濤政権は黄海海域への米軍突入を断固として阻止する意志をむきだしにしつつ中国軍を動員しての阻止線≠張りめぐらす作戦にうってでようとしている。これと呼応してロシアのプーチン=メドベージェフ政権も、「朝鮮有事」のさいの対米作戦の名のもとに、黒海艦隊をも投入しての太平洋艦隊の軍事演習を北朝鮮隣接の日本海海域で六月二十九日から実施しているのだ。
 まさにいま、朝鮮半島を焦点に米・日・韓と北朝鮮・中・露とが軍事的に対峙し、一触即発で大戦が勃発しかねない危機がさし迫っている。しかも、これと同時に中東地域では、イスラエルの狂信派シオニスト=ネタニヤフ政権が、トルコのエルドアン政権肝煎りのガザ救援船団への強襲を号砲にガザ空爆をくりかえすのみならず、イランのアフマディネジャド政権がおしすすめているイスラムの核兵器♀J発にたいする危機感に駆られてイラン核施設空爆の機会を虎視眈々と狙っているのだ。シオニスト政権のこの暴走≠ヘ、中東戦争の引き金を引く危険を一気に高めるにちがいない。
 まさに朝鮮半島と中東とにおいて戦争が勃発しかねない由々しい危機が切迫している情勢のただなかで、カナダにおいてG8・G20サミットが開催された(G8は六月二十五日〜二十六日。それに直続してG20は二十六日〜二十七日)。朝鮮半島・アジア北東部で、そして中東で戦争・戦乱の危機を巻き起こしている当事者・張本人どもが一堂に会したこの両サミットは、韓国哨戒艦沈没事件(実はアメリカ帝国主義が仕組んだ一大謀略)、北朝鮮とイランの核開発をめぐる角逐・確執を、とりわけ相互瞞着のベールで包もうとも包み隠せないその非和解性を浮き彫りにした。それだけではない。現代世界を暗雲で覆う戦争の危機とも輻輳(ふくそう)しながら進行し、ますます深刻化している世界的経済危機へのG8・G20諸国権力者どもの対応不能をも白日のもとにさらけだしたのである。
 ギリシャの財政破綻=国家的デフォルト(債務不履行)危機を発端とし連鎖して露呈しているEU(ユーロ通貨圏)の財政・金融危機は、かのリーマン・ショック≠ニ同様の国際金融大破局・世界的大不況への発展転化の兆しをいよいよ露わにしつつ進行し深刻化している。それにもかかわらず、この危機の防止策の選択をめぐって米・日・欧の――かつEU連合内の――対立が激化し、またこの米・日・欧と中国・経済新興諸国との新たな次元での対立・対抗が激しさを増している。まさに<三極>間争闘戦の激化を告げるこの事態のゆえに、すでに有名無実化し「使命」を終えたG8に代えて泥縄的に構築されたG20にしても、早くもその限界を露呈しているのである。これが、今回のG8・G20サミットの意味にほかならない。

以下、見出し
T G8の無意味化=終焉

U 米―中・露の臨戦的対峙

V 〈三極〉間経済争闘戦の新たな次元への突入
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戦闘的労学が那覇市街を席巻 6・20
 「辺野古新基地建設は絶対に許さない!」沖縄・全国の労働者・人民の怒りの声を傲然と踏みにじり、辺野古に新基地を建設するための日米協議に踏みだした菅政権にたいする怒りに燃えて、沖縄県学連の学生と県反戦労働者委員会の労働者は6・20労学統一行動に決起した。
「安保破棄!」の声高く国際通りを進撃する闘う労学(6月20日、那覇)
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米総領事館に<反安保>の拳 6・20 大阪
 六月二十日、全学連関西共闘会議と反戦青年委員会のたたかう労働者・学生は大阪において、米日韓の対北朝鮮臨戦態勢に反対し、菅新政権の新たな<戦争と貧困>の強制をうち砕くべく、断固として労学統一行動に決起した。
(6月20日、大阪)
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