第2130号(2010年8月2日)の内容

<1面>
8・1国際反戦集会の高揚を!
 米―中・露の臨戦的対峙下の戦争・戦乱の危機を突き破れ
 死の沈黙≠ノ沈む既成反対運動をのりこえ反戦反安保のうねりを!

<4〜5面>
「反米・反占領」戦勝利に向けて驀進するタリバン
 ヤンキー帝国主義のアフガニスタン侵略・占領支配の最期的破産

<3面>
各地で<反安保>の旗高く奮闘
 上陸演習に怒り 7・9 浜大樹
 イージス艦寄港に抗議 7・9 鹿児島
◆米海兵隊が白リン弾猛射 矢臼別
<2面>
ロシア版GPS構築の企み
<6面>
Topics 人事院 2年連続賃下げ勧告の企み
10春闘を敗北に導いた日共系ダラ幹
 国民春闘共闘委「春闘最終集計」の欺瞞
参院選大敗北に茫然自失
 ――代々木官僚の「陳謝」の弁
兵庫県加西市が「市役所業務のアウトソーシング」計画
<7面>
「郵政改革法成立」と「新たな郵政づくり」への協力を呼号
 ――JP労組第3回全国大会
<8面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
みんなの正体
◆イトカワの箱
◆富二代・貧二代
◆東方征服(ウラジボストーク)

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号




































  


8・1国際反戦集会の高揚を!

米―中・露の臨戦的対峙下の戦争・戦乱の危機を突き破れ

 死の沈黙≠ノ沈む既成反対運動をのりこえ反戦反安保のうねりを!

米韓合同軍事演習への自衛官派遣に全学連が緊急抗議(7月25日、防衛省前)
 今まさに、日本海・黄海において狂瀾怒濤の戦争・戦乱勃発の危機が切迫している! アメリカのオバマ政権と韓国の李明博政権が、原子力空母G・ワシントンを中核とする米第七艦隊の空母機動部隊および韓国軍を動員して、ついに日本海において一大合同軍事演習を開始したのだ(七月二十五日)。この軍事演習には日本の菅政権も「オブザーバー参加」の名で海自自衛官を派遣している。実質上の史上初の米日韓三国合同の軍事演習が、「北朝鮮の脅威にたいする抑止力強化」を名分として、現にいま強行されているのである。
 傲岸にして挑発的な軍事的示威行動にうってでた米・日・韓の権力者どもにたいして、中国の胡錦濤政権は、「黄海や中国近海での軍事演習に断固反対する」と叫びたてながら、みずから対抗的な軍事演習を黄海・東シナ海などにおいて連続的に強行している。米(・日・韓)と中(・露)とが相互対抗的に軍事演習を黄海・日本海周辺で恒常的にくりひろげるというかたちで、臨戦的対峙≠ニいうべき軍事的角逐・緊張が一挙に高まっているのである。まさしく一触即発の危機!
 われわれは、米・中の相互対抗的な軍事演習の強行に反対する反戦闘争に断固として総決起するのでなければならない。われわれ日本の・そしてアジア諸国の労働者・学生・人民がいま・ここで起ちあがらないならば、東アジアにおいて戦争・戦乱が暴発しかねない切迫した危機的状況に現に突入しているのだ。
 ところが、「連合」の古賀指導部や平和フォーラム指導部にしても、代々木官僚にしても、既成平和運動の指導部どもはおしなべて「原水禁大会」に向けての取り組みをそれじたい惰性的に・細々とおこなっているだけであり、眼前で今くりひろげられている米・日・韓―中・露の軍事演習にかんしては完全に沈黙を決めこんでいる始末なのだ。さし迫る戦争勃発の危機を感得することさえできずにノホホンと闘争放棄を決めこむのは、致命的な犯罪いがいのなにものでもない。
 たたかう労働者・学生諸君! われわれは、貝のごとく沈黙し死滅状況を露わにしている既成平和運動をのりこえ、米―中・露の臨戦的対峙下でいやましに高まっている戦争・戦乱の危機を突き破る革命的反戦闘争の炎を、今こそ赤々と燃えあがらせるのでなければならない。わが同盟と全学連・反戦青年委員会が全国七ヵ所で開催する8・1国際反戦集会に総結集せよ!

以下、見出し

米・中激突=\―日本海・黄海で軍事演習の応酬

<アジア・太平洋版NATO>創出の企みと<三極>間角逐の新転回

米・中本格対決の狭間で生き残りに狂奔する日本帝国主義

オバマへの幻想に浸り闘争放棄を決めこむ代々木官僚を弾劾せよ

アジア諸国人民と連帯し革命的反戦闘争の炎を!
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「反米・反占領」戦勝利に向けて驀進するタリバン

ヤンキー帝国主義のアフガニスタン侵略・占領支配の最期的破産

 七月二十日、アフガニスタンにおける「和平と復興」促進を謳う国際会議が首都カーブルで開催された。七十余の諸国家の政府代表(主として外相)および国際機関(国連)が参加し、しかもアフガンの地では初めて開かれたこの国際会議においては、「治安権限」を二〇一四年までに国際治安支援部隊(ISAF)からアフガニスタン政府に移譲することが合意された。
 その実態はカーブル地域政権≠ナしかないカルザイ政権が形のうえでは主唱・主催し、アフガニスタン国家の「自立」がことさらに押しだされたとはいえ、しかし、それは実に空疎なものでしかない。
 アフガニスタン「和平」を米占領軍の名誉ある撤退≠ニいう形で実現するという虫のいい構想を描くアメリカ帝国主義・オバマ政権は、「和平」を少しでも有利な形でなしとげるためにタリバン掃討戦に必死で力を注いでいるものの、タリバンの猛攻のまえに米占領軍が敗北に次ぐ敗北を重ねており、もはや万策尽きている。この米占領軍とともに自国の派遣軍が甚大な打撃を蒙っているフランス・ドイツ・イギリスなどのEU諸国権力者どもは、一刻も早く自国軍を撤退させるために、カルザイ政権の「自立」支援を謳っているにすぎない。そして、いずれは必至の米占領軍およびISAFの撤退を見計らいながら、アフガニスタン(その一定部分の地域)を自国の政治的翼下に絡めとり・かつ眠れる資源の権益を手に入れるために、まさに火事場泥棒%Iに「復興支援」への関与を企んでいるのが、胡錦濤の中国ならびにプーチン=メドベージェフのロシアなのである。
 アフガニスタンの「和平・復興」をめぐって、いま、こうした諸国権力者どものまさに酷(むご)たらしい駆け引きと角逐がくりひろげられているのだ。この状況の渦中において、みずからのカーブル地域政権の延命を少しでも時間的未来に先延ばしにし、その猶予のあいだに諸国政府・国際諸機構からの巨額の「復興」支援金を掠(かす)めとることに腐心しているのが、カルザイをはじめとする一握りの支配層の徒輩にほかならない。このような己れの邪(よこし)まな思惑・利害を貫徹していくためにカルザイは、米と中・露との角逐・対立の狭間で、コウモリ%Iな立ち回り、画策をくりひろげているのである。
 だが、このカルザイはおろか、米・欧諸国の、また中・露両国の権力者どものいずれの策略・策動も、破産を約束されている。米占領軍・ISAF軍を各地で打ち破り実効支配地をますます押し拡げているタリバンが、かさにかかって軍事的攻勢を強化しているのだからである。

(以下、見出し)
T タリバンの猛攻とカルザイ式「和平」策の頓挫

U 「アフガン新戦略」の全面的破綻にあえぐオバマ政権

V 生き残りに狂奔するカルザイのコウモリ的立ち回り

W カルザイの絡めとり強化を企む胡錦濤の中国
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みんなの正体

マニフェストとアジェンダの間には……

 今回の参院選で改選議席ゼロから一気に十議席を獲得し、大躍進≠オた渡辺喜美の「みんなの党」。参院選告示の一週間前になっていきなり消費税増税をうちだした菅政権に反対して曰く、「増税の前にやるべきことがあるだろう」と。「官僚の天下り根絶」こそが核心だ、「国会議員定数削減」や「公務員の徹底したリストラ」が重要だ、と。こうした宣伝が功を奏して、というよりなんか良さそう、新しそう≠ニいうマスコミの宣伝のおかげで、比例では八〇〇万票近くを獲得した。
 「みんなの党」の議員どもは、大敗し与党過半数割れを喫した民主党政権を揺さぶるために、「この指とまれの政界再編を仕掛ける」(渡辺喜美)とか「〔政府に〕反対のための反対はしない。建設的野党でいく」(幹事長・江田憲司)とかとうそぶいている。
 この「みんなの党」が参院選で掲げた「アジェンダ」を一見すると、「バラマキ」と非難されている高速道路無料化とか農家戸別所得補償とかが無く、「対米自立」の外交政策が無いこと以外のところは、昨年の衆院選で民主党が掲げた「マニフェスト」とよく似ている。じっさい、渡辺喜美が宣伝した「脱官僚」「地域主権」「生活重視」などというフレーズは、去年の夏に民主党が言っていたことと表面的には瓜二つ。もともとは民主党に期待しつつも、これに裏切られて幻滅した「無党派層」の票をかきあつめるために、小泉=竹中式「構造改革」推進などの市場原理主義的政策をおしださず、むしろ「増税反対・生活重視」のポピュリズム的厚化粧をこらしたのが、「政治は反射神経」を政治信条としている渡辺喜美。
 だが「みんなの党」の「アジェンダ」の核心部分は、極めて反人民的なシロモノだ。「増税の前にやるべき」政策課題の中心は「公務員制度改革」だとおしだしながら、一部の高級官僚と一般の公務労働者とを意図的に同一視したうえで、「国家公務員一〇万人削減」(現在約三〇万人)とか「国家公務員・地方公務員すべての給与二〇%カット・ボーナス三〇%カット」とかを呼号しているのだから許し難い。日本国家が陥っている財政危機の根源は「官僚主導」の財政政策にある、と言いながら、実践的には一般の公務労働者に一切の犠牲を負わせよ、公務労働者から既得権をはく奪せよ、民主党政府は公務員の労組と絶縁せよ、と叫んでいるのが「みんなの党」なのだ。「国会議員が身を削る」などと称して社民党や日共が議席ゼロになるような「議員定数削減」を提唱してもいるのだ。
 党代表・渡辺喜美が「ワンフレーズ・ポリティックス」で大衆受けする耳障りのよい政策を絶叫しているという点で小泉のファシスト的政治手法をマネている、というだけではない。「小さな政府」「官から民へ」「成長戦略」という彼らの基本政策は、新自由主義・市場経済万能主義の小泉=竹中路線、その時期はずれのリバイバルでしかない。佐藤ゆかりなどの小泉チルドレンどもがこの党への入党希望に殺到したというのも、むべなるかな。
 この党のナンバー2の江田憲司は、二〇〇六年秋に米軍の文書を入手してインド洋の自衛艦がイラク攻撃作戦中の米軍艦船に給油していることを暴露した男。橋本龍太郎政権時代に首相秘書官をつとめる以前には、通産省からハーバード大に研究員として出向したことも。アメリカ大統領府型統治システムの日本への移植を理想とし公言してもいるこの男がオバマ民主党政権との太いパイプを持っていることは、まちがいない。〔日本では森派(=小泉)が、アメリカではブッシュ共和党が政権を握っていた時期にハワイで「浪人」をしていたという。そのころにアメリカ民主党からヒモを付けられたのかも。〕そして政調会長の浅尾慶一郎、民主党にいた当時は党内きっての親米派を自任。普天間基地の「県外・国外」移設の公約化に異を唱え、小沢一郎によって党から叩きだされた。
 こういう党幹部どもの素性からしても明らかではないか。「みんなの党」が、<小泉・竹中なき小泉・竹中路線>の党であり<親米=親オバマ政権>の党であることが。
 だからして、彼らの実践的役割は、民主党政権を、その内部の前原グループと連携しながら、公務員労組をはじめとする一切の労働組合の運動と組織の破壊にふみださせることであり、日米新軍事同盟をいっそう強化する諸攻撃にふみださせること。とはいえ、この連中が提唱する「改革」政策には、日本帝国主義がおちこんでいる袋小路状況を打開しうる現実性のひとかけらもありはしない。<米―中本格対決>の時代において、そして世界的金融大破綻の前夜≠ノおいて、このこともまた明らかなんだけどね。
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上陸演習に怒りの拳 7・9十勝・浜大樹
道共闘が千名の労働者と固く連帯
 七月九日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生たちは、自衛隊の浜大樹上陸演習を阻止する現地闘争に断固として決起した。道共闘のたたかう学生たちは、東アジアにおける戦争的危機を断ち切るという決意に燃えて、現地に結集した平和運動フォーラム・「連合」傘下の一〇〇〇名の労働者と固く連帯して、浜大樹での現地闘争をたたかいぬいたのである。
「LCAC揚陸演習阻止!」浜大樹現地闘争に道共闘の学生が勇躍決起(7月9日)
「自衛隊の揚陸訓練を許すな!」浜大樹の海岸に労・学の怒りの声(7月9日、十勝・浜大樹)
弾劾のシュプレヒコールを叩きつける全学連道共闘(7・9、浜大樹)
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イージス艦寄港に抗議 7・9 鹿児島
 七月九日、鹿児島大学共通教育自治会のたたかう学生たちは、米軍のイージス艦ジョン・S・マケインと海自イージス艦「ちょうかい」の鹿児島・谷山港への同時寄港を阻止する現地闘争に断固として決起した。「県護憲フォーラム」の呼びかけのもとに決起した労働者たちと固く連帯して。
米イージス艦マケインに怒り爆発(7月9日、鹿児島・谷山港)
入港したマケイン(奥)と自衛艦(左)を弾劾
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