第2135号(2010年9月13日)の内容

<1面>
米・中の相互対抗的軍事演習弾劾! 
菅政権による大衆収奪の強化反対!
 既成反対運動指導部の腐敗を弾劾し闘おう

<4〜5面>
菅式「地域主権改革」の極反動性
 ネオ・ファシズム支配体制の柔構造での再編・強化の策動を許すな!

<2面>
「徳之島への米軍移転反対!」
 鹿大生が<反安保>の息吹 8・8

<3面>
全学連第129回中央委員会に結集せよ
草の根≠装った親米右翼「在特会」の蠢動
<6面>
外国人実習生の過労死を初めて労災認定 鹿嶋労基署
札幌市グループホーム火災
 市・政府のお座なりな事故対策
Topics 第60回医労連定期大会
<7面>
中洋イスラーム圏の大国をめざすエルドアンのトルコ
<8面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆「中国影帝」
◆希土哀楽
◆「戦後」65年に想う
◆どうして惨敗?

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号
































  


米・中の相互対抗的軍事演習弾劾!

菅政権による大衆収奪の強化反対!

 既成反対運動指導部の腐敗を弾劾し闘おう

 アメリカのオバマ政権は今、米第七艦隊と韓国海軍を動員して、黄海での米韓合同軍事演習を強行しようとしている。「中国の安全に影響を与える行動に断固反対する」という中国政府の激しい抗議と米空母の黄海突入阻止を目的とした連続的な軍事演習に直面して、延期に延期を重ねてきたこの海域における軍事訓練を、オバマ政権はあくまでも強行しようとしている。世界一の軍事大国は決して中国に屈服しないという意志をアメリカ帝国主義権力者は誇示しているのだ。これにたいして、数次にわたる軍事演習をもって黄海に米軍艦船を寄せつけず制海権を確立してきたことを一大戦果として凱歌をあげてきた中国・胡錦濤政権は、嵩にかかってこの米韓合同演習への対抗的演習をくりひろげている。今まさに東アジアにおいて、米・中両大国が意地と面子をかけて臨戦的に対峙し、一触即発で戦争が勃発しかねない危機が醸成されているのである。
 アメリカの金融緩和策を契機として日本を襲っている一ドル=八十五円を超える円高は、菅政権・日銀の形ばかりの「対策」をあざ笑うかのように、ますます長期化する様相を呈している。この円高に独占ブルジョアジーは悲鳴をあげ、政府にたいして企業支援策の早期実施を要求するとともに、この危機をのりきるために一切の犠牲を下請けの中小零細企業および労働者に転嫁している。まさにこのゆえに、労働者・勤労人民は、失業と貧窮を強制されているのだ。
 いまや日本帝国主義国家は、<米・中本格対決>の激流≠ノ翻弄され、政治的・軍事的にも、そして経済的にも、脱出口なしの窮地に追いつめられている。このもとで、安保・外交政策において対米自立≠フ姿勢を後景におしやり当面はオバマ政権につき従っていく道を選びとるのみならず、円高への対応不能をさらけだし・「財政再建」を優先させる経済・財政政策をとっている菅政権。この政権にたいして小沢一郎が真っ向から対抗する姿勢をおしだし・民主党代表選に立候補している。この菅と小沢との抗争こそは、日本国家が直面している未曽有の危機をいかなる方向において突破するのかをめぐる、日本国家の国家戦略策定をめぐる、政府・支配階級内対立の表出にほかならない。
 われわれは、この民主党内の権力抗争の意味するところのものを的確に分析するとともに、新たなかたちでかけられてくるであろう<戦争と貧困>の強制を打ち砕く闘いを構築するのでなければならない。国難突破≠ノ労働者を駆りたてる「連合」労働貴族や、「反安保」も「反独占」も放棄した代々木官僚を弾劾し、反戦反安保闘争と政治経済闘争の高揚をかちとれ! 菅政権の打倒をめざして奮闘しよう!

(以下見出し)
<米・中本格対決>の狭間で混迷を深める日本帝国主義

東アジア全域において激化する米・中の軍事的角逐

中国の台頭をインパクトとした三極間角逐の新転回

日米軍事同盟を肯定する代々木官僚の腐敗を暴け
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菅式「地域主権改革」の極反動性

 ネオ・ファシズム支配体制の柔構造での再編・強化の策動を許すな!

 参院選公示を直前にした六月二十二日、菅政権は「地域主権戦略大綱」を急きょ閣議決定した。
 「鳩山内閣の一丁目一番地」として位置づけ、「活力にみちた地域社会を再生させる」「地域主権革命」という謳い文句のもとに検討してきた「地域主権改革」。その第一弾として二〇一〇年通常国会に提出していた「地域主権推進一括法案(第一次)」は、鳩山政権の倒壊と菅新政権の成立、参院選へのなだれ込みによって、通常国会での成立は頓挫し「継続審議」を余儀なくされた。鳩山の跡目を継いだ菅政権は、参院選における民主党支持票を少しでも増やすために、独占諸資本にたいする庇護・支援策を中心とする「新成長戦略」を発表する(六月十八日)とともに、この「地域主権戦略大綱」をとりまとめうちだしたのである。
 この「大綱」の内実たるや、実に許し難いしろものである。「地域主権改革」の名のもとに、住民の生活にかかわる「公共サービス」の提供を地方自治体とりわけ「基礎自治体」と位置づけている市町村に押しつけるとともに、国家ならびに地方自治体の公的サービス諸部門・諸機構の縮小・解体・民営化=住民向け「公共サービス」の大幅削減をはかり、これにともなって公務労働者に首切りと賃下げを強要するものにほかならない。しかも、「活力ある地域社会の再生」のためとして位置づけられている諸施策の内実は、「地域経済活性化」の名のもとに、独占資本家どもの強力な要請に応えて「大都市圏の空港、港湾、道路等への重点投資」などに莫大な国家財政を投入するというしろものなのだ。
 「地域社会の再生」「支え合いのネットワークから誰一人として排除されることのない社会」の構築などという甘美≠ネイデオロギー的粉飾が施されている菅政権の「地域主権改革」なるものは、労働者・人民にさらなる犠牲を強いる極めて反労働者的で反人民的な諸施策にほかならない。

以下、見出し
T 「地域主権改革」の推進に拍車をかける菅政権

U 「地域主権改革」という名の「行財政改革」の徹底的推進

V 「新しい公共」の名による「行財政改革」の正当化

W 「地域からの成長戦略」なるものの階級的本質

X ネオ・ファシズム支配体制のソフトな形での再編・強化
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中洋イスラーム圏の大国をめざすエルドアンのトルコ<上>

 東アジアにおいて東・南両シナ海の制海権と海底資源の争奪をも賭けてアメリカと中国とが相互対抗的に軍事演習をくりかえし、戦争・戦乱勃発の危機が日増しに高まっているただなかで、中東においても新たな戦争・戦乱の危機が高まっている。
 九月二日に、イスラエルのネタニヤフ政権は、アメリカ・オバマ政権の仲介のもとにパレスチナ自治政府(アッバス議長)との「直接和平交渉」に臨んだ。その背後で、このシオニスト権力は、パレスチナ・ガザ地区を統治しているイスラーム急進主義組織のハマスとこれを支援しているレバノンのヒズボラとにたいして、「テロ勢力の根絶」を名分にして新たな軍事攻撃をしかける構えを見せている。しかも、ロシア政府の支援のもとにブシェール原発の本格稼働に着手するのみならず「イスラームの核」開発に邁進しているイランのアフマディネジャド政権にたいして危機意識を高ぶらせているこの政権は、イラン核施設への攻撃の機会を虎視眈々と狙っているのだ。みずからの後ろ盾であるアメリカ帝国主義のイラク侵略=軍事占領と中東支配そのものが全面的に破産をあらわにし、いまやイスラエル国家そのものが存亡の危機に立たされているシオニスト権力の、この危機のりきりを賭けての軍事的暴走は、新たな中東戦争勃発の危機切迫を告げているのである。
 イスラエル権力者の焦りと危機感を一挙に増幅させているのは、エルドアン=ギュル率いるトルコのイスラーム政党=公正発展党の政権がアフマディネジャド政権と結託し、<脱米・反シオニズム>の旗幟を鮮明にしているからにほかならない。トルコ政府は、みずからの肝煎りで派遣したパレスチナ・ガザ救援船団を急襲・拿捕したネタニヤフ政権を激しく非難し、この蛮行を謝罪しないかぎりイスラエルとの断交も辞さないと強硬姿勢を示している。トルコ首相レジェプ・タイップ・エルドアンは事件の直後に怒りに身を震わせて叫んだ――「これは海賊による大虐殺だ。今日は歴史の転換点だ」と。しかも、エルドアン政権は、米・欧帝国主義諸国権力者の「核開発」を口実にしての制裁強化にさらされているアフマディネジャド政権を――ブラジルのルラ政権と結託しつつ――救済する策にうってでている。「原子力の平和利用の権利擁護」を唱え「外交的努力による解決」を高々と謳いあげながら。
 首相エルドアンと大統領アブドラ・ギュルが率いている公正発展党政権は、まさに中洋イスラーム圏における大国にトルコ国家を押しあげていくことをこそ国家意志として打ち固めているのだ。この生き残り戦略にもとづいてトルコ権力者は、経済新興諸国・途上諸国連合を主導している中国およびロシアの両国権力者との関係改善を基礎にして、イランをはじめとする近隣イスラーム諸国政府との協力関係の構築にのりだしている。それだけではなく、みずからの主導のもとにイスラーム経済圏を形成していくための策動を強化しているのだ。
 中東の地域大国でありNATO加盟国でもあるトルコ、このトルコ権力者の公然たる政策的転回をも旋回軸にして、今や中東の政治的地殻変動が巻き起こされているのである。

(以下見出し)
T <脱米・反シオニズム>への政策的転回

U イスラーム経済圏形成の主導権確立に向けての策略
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「徳之島への米軍移転反対!」  鹿大生が<反安保>の息吹 8・8
 八月八日、鹿児島市において、鹿児島県本土に在住する奄美出身の労働者・市民は、「八・八徳之島への基地移設反対鹿児島集会&ピースウォーキング」と銘打って、在沖米軍の徳之島への移転に反対する集会を鹿児島市役所前のみなと大通り公園で開催し、市街地デモを敢行した(「基地反対! 徳之島に連帯する鹿児島の会」主催)。
 たたかう鹿大生たちは、彼らの呼びかけに応えて「鹿児島集会&ピースウォーキング」に参加し、徳之島・奄美の人民と連帯してたたかい、この日の闘いに戦闘的息吹を吹きこんだ。
手に手にプラカードを持ち労・学・市民がデモに出発
(8・8、鹿児島市)
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