第2167号(2011年5月9日)の内容

<1面>
「全原発を廃棄せよ」の声轟く 4・29
被災民見殺しの菅政権を打倒せよ
全学連 経産省・東電に怒りのデモ

<4〜5面>
被災人民を見殺しにする菅政権を打倒せよ
東日本大震災・福島原発大事故と革命的左翼の任務

中央労働者組織委員会
<2面>
政府・東電に4500がデモ 4・24
レーガン佐世保寄港に抗議 4・19
<3面>
普天間基地撤去! 辺野古新基地建設阻止!
5・15平和行進・県民大会に<反安保>の旗高く起て!

沖縄県委員会
<6面>
日本郵政の被災した非正規労働者の解雇を許すな
福島原発事故に「完黙」を決めこむ電力総連指導部
Topics 東電従業員の年収2割カット
<7面>
経産省の泥縄式原発事故「緊急対策」
住民を放射能にさらす菅政権
ガレキの故郷へ
●う た
<8面>
投稿 東日本大震災 被災者支援を担って
今こそ<全原発即時停止!>を声高く叫ばん!

週間日誌は6面に掲載
  解放」最新号

































  


「全原発を廃棄せよ」の声轟く 4・29

被災民見殺しの菅政権を打倒せよ

全学連 経産省・東電に怒りのデモ

東電本社前で怒りのシュプレヒコールを叩きつける全学連
(4月29日)


経産省に向けて弾劾の拳を突き上げる
(4月29日)
 「福島原発事故弾劾! すべての原発をただちに停止し、廃棄せよ!」――わが同盟の指導のもとにたたかう全学連の学生たちは四月二十九日、政府・経済産業省、東京電力本社にたいする怒りのデモンストレーションにたちあがった。
 東日本大震災から一ヵ月半を経たいまも、福島第一原発からは大量の放射性物質が大気に、海に放出されつづけている。1号機から3号機の炉心のみならず4号機の使用済み核燃料プールも極めて不安定な状態が続いている。原発労働者たちが放射線を身に浴びながらも、炉心の冷却や汚染水の漏出回避のための作業を続けている。とはいえ、事故収束のメドはなおたってはいない。まさにいま進行しているのは、ちょうど二十五年前にひきおこされた世紀のカタストローファ=チェルノブイリ原発事故(一九八六年四月二十六日)に匹敵する、いやこれをもしのぐ未曽有の核惨事にほかならない。
 菅政府は、この事故を小さく見せかけるために放射線放出量などにかんする情報操作・情報隠しに腐心し、住民を放射能にさらしたうえに、なんの保障もなく避難を強いるという「棄民」政策をとってきた。それはみずからの延命をはかるためであるとともに、今回の事故を経てもなお原発・核開発推進の政策を護持してゆくためなのだ。チェルノブイリ原発事故の情報を隠蔽し、数百万の人民を放射能禍にたたきこんだ旧ソ連・ゴルバチョフ指導部――これと同様の大罪を犯しているのが菅政権なのだ! 断じて許すな!
 福島県をはじめとして日本の労働者・農漁民・市民が放射能汚染に日々さらされているこのときに、「連合」古賀指導部は、「原発問題には絶対触れるな」などと傘下労組員を統制し、「原発反対」のとりくみを上から抑圧している。日共・不破=志位指導部もまた、「原発反対」の闘いにまったくとりくまず、政府への「安全対策」提言にうつつをぬかしている。こうした既成指導部の度しがたい腐敗への憤激に燃え、原発・核開発反対闘争の一大爆発をかちとる決意も固く、全学連のたたかう学生たちは断固として決起した。「復興」を名分とした消費税増税阻止・日米新軍事同盟の強化反対をも掲げ、「菅政権打倒」の火柱を首都中枢に燃えあがらせたのだ。

以下、見出し
白ヘル部隊が首都中枢を進撃

「原発・核開発反対のうねりを巻き起こせ」――決起集会

本闘争の革命的意義にふまえ前進せよ
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被災人民を見殺しにする菅政権を打倒せよ

東日本大震災・福島原発大事故と革命的左翼の任務

 3・11東日本大震災、そして福島第一原発の炉心溶融・水素爆発事故の発生から早くも五十日が経った。家族を奪われ、家・船・田畑・職場を失った十数万の被災人民は、いまも過酷な避難所生活を強いられている。地震・津波被害に追い打ちをかけた福島第一原発の大事故は、現在も収束のめどがたたないまま放射能を放出しつづけ、なお最悪の事態=i水素爆発・水蒸気爆発による格納容器の破壊=放射性物質の大量放出)への発展の危険が去ってはいない。
 この未曽有の大震災・原発事故は、菅民主党政権の絶望的なまでの無能さと反人民性を露わにした。巨大地震・大津波発生直後の救援にもたつき、多くの被災者を見殺しにしてきただけではない。福島第一原発の全電源喪失という非常事態への初動対処においても決定的に遅れ、いなむしろ自信過剰≠フ指揮・行動によってとりかえしのつかない大事故への発展をみずから招きよせたのが、首相・菅なのだ。だが菅は、このみずからの犯罪をいっさい認めることなく、「このような大震災のときに政権を担うのも私の宿命」などとうそぶきながら、何食わぬ顔して「復興」の旗をうちふっている。
 だがこの政権がいまうちだそうとしている「復興」策こそは、「震災復興税」の合唱に象徴されるように、大震災と放射能禍で塗炭の苦しみを強いられている労働者・勤労人民にさらなる苦難を強いるものでしかない。それは、日本帝国主義経済の未曽有の危機を労働者・人民に犠牲をしわ寄せしてのりきろうとしている大独占体・大銀行のブルジョアども、その意を体現する「復興」策にほかならない。菅政権と独占資本家どもは、大マスコミに「日本はひとつ」と連呼させ、「連合」労働貴族の全面的な協力をとりつけながら、こうした独占資本支援第一≠フ「復興」策を、すべての日本人民に受け入れさせようとしている。
 それゆえに、すべての労働者・勤労人民にとって問題は厳として次のように立てられている。――独占資本救済のための「復興」策を許すのか、被災した労働者・農民・漁民などの利益を守りぬくためにそれとたたかうのか。地震列島に林立する原発・核施設を稼働させつづけることのうえにたつ「復興」を許すのか否か、と。
 われわれは、新たな収奪と失業と貧困を、そして核惨禍のさらなる拡大を強いる反人民的な「復興」策を絶対に許してはならない。
 わが同盟は、すべての労働者に、そしてすべての農民・漁民・市民に訴える。核惨事を招来し原発避難民と被災民を平然と見殺しにしてきた菅政権を、労働者・勤労人民の力でただちに打倒せよ!

中央労働者組織委員会

以下見出し
T「震災復興」をめぐる<政・資・労>の結託

U被災人民切り捨ての「復興」策を許すな
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普天間基地撤去! 辺野古新基地建設阻止!

5・15平和行進・県民大会に<反安保>の旗高く起て!

沖縄県委員会

 未曽有の大震災・大津波と福島第一原発事故の放射能禍によって、万余の被災人民が塗炭の苦しみに突き落とされながらも必死に生き抜こうと苦闘している。そのさなかに、オバマ政権は「トモダチ作戦」と称する米軍による「震災支援」のパフォーマンスをくりひろげた。オバマ政権は、この惨禍を日本国家をアメリカの属国として未来永劫みずからの足下に組み敷く千載一遇の好機ととらえたからこそ、米軍を迅速≠ノ出動させて「救援活動」を日本国軍を従えるかたちで日本有事≠ノおける米日共同作戦として展開したのである。しかも、この作戦を担った在日米軍の「存在意義」を大々的に宣伝することにこれつとめたのだ。
 この成果≠誇示するオバマ政権にたいして、「アメリカの支援は永久に忘れない」(首相・菅)などと媚びへつらっているのが菅政権だ。米日両国権力者は、――「日米同盟の絆が示された」などと謳いあげながら――震災後も日本近海での軍事行動をくりかえしている中国とロシアにたいする危機意識を高ぶらせ、日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化にますます狂奔している。彼らは、東日本大震災のゆえに延期を余儀なくされていた「2+2」(日米安全保障協議委員会)と日米首脳会談を早期に開催することを企んでいる。来日した米国務長官クリントンに押しこまれ、菅政権はオバマ政権の要求どおりに辺野古新基地の滑走路の形状をV字型にする方針を固め、着工の道筋をつけるための策動を再開した。
 全国の労働者・学生諸君! われわれは、東日本大震災の被災者を支援する取り組みや<福島第一原発事故弾劾! すべての原発をただちに停止・廃棄せよ!>の闘いを推進すると同時に、「連合」古賀指導部による闘いの抑圧をはねのけ、日共・不破=志位指導部をはじめとする既成指導部翼下の「反安保」なき「基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、今こそ<普天間基地撤去! 辺野古新基地建設阻止! 日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化反対!>の反戦・反安保闘争の高揚をかちとるのでなければならない! 沖縄・宜野湾市で開催される5・15平和行進・県民大会に結集し、<反安保>のうねりを巻き起こそうではないか!

以下見出し
「トモダチ作戦」をテコとした日米新軍事同盟強化の策動

激化する米・日―中・露の軍事的角逐

「反安保」を放棄した日共翼下の既成平和運動をのりこえ闘おう
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ガレキの故郷へ

松田のり子

 陸前高田市には、遠野を抜けてバスで向かった。山々の雑木がふっくらと芽吹く早春の景色に思わず心が和む。だが、気仙川の合流点に近付いた時、風景は唐突に一変した。
 まず、川を横切るガレキの堆積と、大きく歪んで垂れる太い鉄線が視界にとびこむ。それは鉄橋とレールだと気付いた時には、バスは巨大なガレキの山をかきわけた道に突入していた。
 折れ、ひしゃげ、からまりあった柱材や屋根や服や布団や洗濯機や机や椅子や何もかもが泥まみれで家の高さに重なり、間に車がつぶれてはさまり、しかもその上にそちこちに三〇メートルはある松の大木が枝も葉もちぎれ根だけ付いた丸太のようになって転がっている。それが見渡す限り延々と続いている。だがここは、まだ海岸から四キロメートルは離れた、水田地帯のはずなのだ。想像を超える物凄い光景に、絶句し、身動きもできず、ただ見入るしかなかった。
 後日歩いた海に近い地域では、根元から折れた電柱や太い鉄骨が残るだけで、家々はほぼ跡形もない。山側に行くにつれガレキの量が増え、波がそこまでで止まった小学校の校庭には、市街地の残骸が四〜五メートルの高さでメチャクチャに積み重なっている。階段を登った体育館の扉には乗用車が突っ込んで宙に浮いている。それらは、大津波の巨大な残酷な力を生々しく突きつけている。人がもう行き交わないガレキの街には思いがけず奥まった部落の放送が大きく聞こえて、もうここは街がないのだという実感が迫る。ガレキはまた、何らかの有毒な気体や土ぼこりをまきちらしており、目鼻喉を強く刺激するので、マスクをしても長くガレキの中には留まれない。
 そしてかなり近くに海が見えるようになっていることも驚かされる。市街地が消滅しただけでなく、松原がなくなって海が接近したためである。江戸時代から篤志家が植え、町と農地を守ってきた七万本の松原は、白い砂浜に映えて美しく住民の誇りでもあった。だがその松が根こそぎもがれて、黒い水塊とともに町と人々を襲ったのだ。接近した海は、残った住民には危険なものに感じられている。
 大きな余震によって再び津波警報が出たが、皆が、避難所に居てさえさらに山へ山へと登った。今度は海が近寄っているし堤防も松原もない、という危機感である。その底には津波に直面した恐怖があることは言うまでもない。「土煙が上がってね、(時速)一〇〇キロだって。」と語る、辛うじて逃げ切った女性は、頬の震えが止まらない。そして一月たっても肉親を捜し続ける人々がいる。ほとんどの家には犠牲者がいる。皆の顔は一種独特な緊張した表情だ。眉根を寄せ眼を見開いて、泣き笑いが固まったようで、切ない。多くの人は、今なお、災いの只中にいるために、泣き崩れる余裕もない。「東北人はガマン強い」などというのは見当違いもはなはだしいのだ。ましてこの機に乗じて「強い日本」などのキャンペーンをはるなどまったく許し難いことである。
 市内は町内会が地縁血縁を基に強固につくられている。避難所も、残った周辺の部落も、給水・物資配給・市公報配布等はすべて町内会を通して滞りなく運営されている。もともと行政からの恩恵をあまり期待せず、地域のつながりで生活する土地柄である。このため、お年寄りを見に行って命を落とした「班長さん」や若い人も多い。町内で早々と市民会館に避難して多数の人々が亡くなったりもしている。(市民会館や体育館の職員は多数の避難者を迎えとどまったためにほぼ全員が殉職した。)
 四月二日、菅首相が市内の避難所にパフォーマンスよろしく現われたが、拍手もおきなかったうえに、「なぜ一番条件のいい所に来るのか」とヤユされる始末であった。(菅の現われた米崎小は、湧き水・風呂・洗濯場があり住宅も建築中の市内一の避難所。)それにしても菅政権の対応は怒りなしには語れない。三月十一日、津波襲来を各地で空撮していた自衛隊機を、なぜ即、流された人々の救助に飛ばさなかったのか? なぜ一週間近くも、被災地に物資空輸ができなかったのか? 原発事故への最悪な対応は別としても、救える命をどれほど見捨てたのか。大犯罪ではないか。
 リアス海岸の津々浦々の避難所で卒業式がおこなわれた時、涙ながらに生徒達が歌い、人々が聴いたのは「故郷」だった。彼らのよりどころは、破壊され肉親を奪われた今も忘れ難く心にある、山青く水清いふるさとであり、災厄を共にした人々のつながりなのだと強く感じた。
 未曽有の大津波と原発事故に直面した故郷の現状はしかし困難に満ちている。もともと高齢化・過疎化が進行していた所であらゆるインフラが破壊され、海までが東電資本と政府により汚染されつくそうとしている。追いつめられる被災者と苦しみを共にし、労働者的連帯をもって支援していきたいと思う。
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投稿 東日本大震災 被災者支援を担って

今こそ〈全原発即時停止!〉を声高く叫ばん!

 大津波・原発事故に襲われた福島にて


「廃業か首をくくるしかない」酪農家の無念

泥濘のなかに重機が何台も。
作業中に「避難指示」が出て置き去りにしたのだろう
(南相馬市)
飯舘村を訪れ村長から「いいたて再生プロジェクト」の
説明をうける農水相・鹿野〔左〕(4月9日)
訪れる被災住民と忙しく応対する公務労働者
(南相馬市役所)
「すみやかに避難してください」と
貼り紙して閉鎖された小高区役所
東電提供のテントは放りだしたまま
 四月十一日、官房長官・枝野は東京電力福島第一原子力発電所から半径二〇キロ圏外に位置する飯舘村全域・南相馬市の一部など五市町村を「計画的避難区域」に指定すると記者会見で発表した。
 「なんとかこの地で酪農をつづけたい」という酪農家の一縷の望みを菅政権は断ち切ったのである。

時が止まった「二〇キロ圏内」怒り満ちる「屋内退避地域」

 南相馬市のもっとも南にある小高区(行政区)の役場玄関には「小高区役所は閉鎖しました。すみやかに避難してください。三月十四日」の貼り紙があった。菅政権が「避難指示」を第一原発から半径二〇キロ圏内に拡大した(三月十二日夜)のを受けて、自治体当局は一切の業務を停止したのだ。なんたることか、「原子力は地球にやさしいエネルギー」と書かれた東電提供のテントを組立中のまま放置して(南相馬市として合併する前の小高町は議会が原発「誘致決議」)。
 「屋内退避地域」(二〇〜三〇キロ圏)に指定されている地域で生活をしている人々は政府・行政当局にたいして心底憤慨していた。「仕事をしないと給料がもらえない。ここにいないと生活できないんです。一方的な『屋内退避』の指示などあってはならない。国も市も東電も悪い!」と、わずかに開いていたコンビニのパート女性労働者は私たちに怒りをぶちまけた。

被災人民とともに闘わん!

 阿武隈山系一帯の村々、さらには原発が立地する太平洋岸の町は、かつては「出稼ぎの村」であった。
 農・漁村の疲弊につけこみ、劣悪な「雇用」と電源開発費という名の巨額の買収費をちらつかせることによって、かつまた「五重の防護が施されている絶対安全な原発」などというデマゴギーを振りまくことによって、原発建設を強行したのが政府・東電資本だ。政府・独占資本がおしすすめてきた原発・核開発こそが取り返しのつかない大厄災をもたらしたのである。
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政府・東電に4500がデモ 4・24
 四月二十四日に、「くり返すな! 原発震災 つくろう! 脱原発社会 4・24集会」が東京・芝公園二十三号地で開かれた。原子力資料情報室、日本消費者連盟、たんぽぽ舎、プルトニウムなんていらないよ! 東京、大地を守る会などの市民団体でつくる「原発とめよう! 東京ネットワーク」が主催したこの日の集会とデモには、四五〇〇人にのぼる労働者や学生そして市民が参加した。たたかう労働者や「首都圏学生ネット」の学生は、それぞれの職場・学園で創意工夫をこらした闘いをつくりだし多くの組合員や自治会員とともにこの場に結集した。
戦闘的シュプレヒコールをあげる学生の隊列
(4月24日、新橋)
闘う学生は被災者支援をも掲げ奮闘
(4月24日、芝公園23号地)
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レーガン佐世保寄港に抗議 4・19
 四月十九日、全学連九州地方共闘会議の学生と反戦青年委員会の労働者たちは、米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」の佐世保寄港を阻止する現地闘争に起ちあがった。佐世保地区労が開催した抗議集会に参加し、地元の労働者とあい固く連帯して奮闘したのだ。
入港を強行する空母レーガンに怒りのシュプレヒコール
(4・19、佐世保市野崎)
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