第2180号(2011年8月8日)の内容

<1面>
全原発の即時停止・廃棄をかちとれ
菅政権に原発再稼働を要請する「連合」労働貴族を弾劾し闘おう

<4〜5面>
中東地殻変動♂コのパレスチナ 
<2面>
「志賀原発の再稼働反対!」
 金沢市街に労・学・市民の声轟く 7・24
F15戦闘機墜落事故弾劾! 7・8沖縄
「泊原発の再稼働を許すな!」
 闘う学生が北電本社へデモ 7・10札幌

天王寺で学生が熱く訴え 7・10大阪
<3面>
福島原発3号機の冷却配管は地震で破断していた!
投稿 津波に負けてたまるか≠ニ苦闘する被災民に胸うたれ
<6面>
タクシー会社が違法な「制裁金」
中国人「技能実習生」に依存した地場産業の崩壊
Topics 最低賃金目安額の低額決定弾劾!
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<7面>
危険きわまりない若狭湾の原発群を廃炉にせよ!
ベトナム人「原発実習生」大量受け入れの真相
<8面>
万華鏡2011――情勢の断層を読む
◆菅語
◆ポチの転向
◆放射線ホルミシス@
『新世紀』最新号(第254号)紹介
  解放」最新号

































  


全原発の即時停止・廃棄をかちとれ

菅政権に原発再稼働を要請する「連合」労働貴族を弾劾し闘おう

「全原発とめろ!」全学連が首都を席巻 7・28
 菅政権の「エネルギー・環境会議」が七月二十九日、「減原発」をうたう「中間整理案」を発表した。いまや国民の八割近くに達している「脱原発」の世論に乗っかって首相としての延命をはかろうと目論む菅の肝いりで、この報告はうちだされたのだ。だが、この報告には、「原発への依存度低減」が「理念」として掲げられるとともに、「向こう三年間のエネルギー需給安定策」として「安全性が確認された原発の再稼働」がはっきりと盛りこまれている。菅政権は、独占資本家どもの要求に応えて、現在停止中の原発を速やかに再稼働させようと策しているのだ。
 いま電機連合や基幹労連などの労働貴族どもは菅政権にたいして「停止中の原発の再稼働」を要求しはじめている。傘下諸単産・諸労組の原発反対運動への取り組みを抑圧してきた「連合」古賀執行部は、こうした労働貴族どもの声をバックにして、いったんは凍結した「原発の新増設支持」の方針を復活≠ウせようとしているのだ。われわれは、「連合」古賀指導部による原発反対の闘いの抑圧を許すことなく、また代々木官僚による「原発からの撤退」請願運動をのりこえ、「すべての原発の停止・廃棄!」の旗幟も鮮明に原発・核開発反対の闘いを推進しなければならない。
 さらにわれわれは、この原発・核開発反対闘争を、菅政権の被災民切り捨て・独占資本支援の「復興」策と大増税策に反対する政治経済闘争、ならびに日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化に反対する反戦反安保闘争と同時的・一体的に推進し、もって末期の菅政権を打倒しなければならない。すべての労働者・学生・市民は、全世界のたたかう労働者・人民と連帯し、8・7第四十九回国際反戦集会に結集せよ!

(以下見出し)
「原発依存度の低減」を煙幕に早期再稼働を策す菅政権

「エネルギー戦略見直し」をめぐる支配階級内の対立

東・南両シナ海の制海権をかけた米・日―中の角逐

反戦闘争、原発・核開発反対闘争の爆発をかちとれ!
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中東地殻変動♂コのパレスチナ

 ハマス・ファタハの「和解」とアメリカ帝国主義の「中東和平」策動の完全破綻

 パレスチナ自治政府はこんにち、パレスチナを独立国家として承認する国連総会決議案と国連加盟とを求める申請書を国連に提出しようとしている。ヨルダン川西岸地区を支配するファタハの代表(パレスチナ解放機構議長)アッバスとガザ地区を支配するハマスの最高指導者メシャルとがエジプトの首都カイロにおいて交わした4・28合意〔後述〕にのっとって。
 九月の国連総会においてこのパレスチナ国家承認・国連加盟決議案の可決をかちとるために、エジプトの――ムスリム人民の反政府闘争に揺さぶられている――軍事政権などのアラブ連盟加盟諸国の政府は、トルコのエルドアン政権とともに多数派工作を展開している。ブラジル、アルゼンチンなど経済新興諸国・途上諸国を中心に一二〇ヵ国以上の政府がすでにパレスチナ提出決議案に支持を表明しているがゆえに、国連総会において国家承認決議案が可決されることは確実なのである。だが、安保理決議が必要とされる国連加盟については、アメリカの拒否権行使によって阻止されることもまた確実なのである。九月の国連総会は、まさにアメリカ帝国主義がアラブ・イスラームの敵、新興諸国・途上諸国の敵≠ニしての正体を満天下にさらす場になることが必至となっているのである。
 そうなることを恐れているオバマ政権は、パレスチナ自治政府にたいして国連決議案の取り下げを執拗に求めている。「イスラエルを孤立させる行為からパレスチナ独立はうまれない」(オバマ)などと恫喝しながら。しかし、これまでひたすらアメリカ政府に屈従してきたアッバスでさえも、いまやオバマにヒジ鉄を食わせている。
 他方でオバマ政権は、イスラエル・ネタニヤフ政権にたいしてはヨルダン川西岸地区への入植拡大の停止を求めているが、これも完全に無視されている。ネタニヤフ政権は、「国家安全保障」を理由にして西岸入植地の併呑やヨルダン川沿岸へのイスラエル軍の長期駐留を傲然と宣言し、またレバノンやガザ地区にたいする軍事攻撃の機会さえうかがっている。中東の三大大国たるエジプトとイランとトルコが<反シオニズム>の旗幟のもとに結託してイスラエルを政治的に挟撃する姿勢を示していることを、シオニスト政権は、国家存亡の危機とみなして焦りに焦っているのだ。
 こうしたオバマ政権の統制力の喪失をみてとった仏・独・英やロシアの各国権力者は口をそろえて公言している、「従来の〔アメリカ主導の〕パレスチナ和平交渉の枠組みにかわる新たな和平交渉の枠組みが必要である」と。かくして、一九九三年のオスロ合意いらい中東和平交渉を専断的にとり仕切りパレスチナ問題解決≠フ主導権を一手に握ってきたアメリカ帝国主義は、いまやその主導権を急速に喪失しつつある。孤立し国家存亡の危機に直面しているイスラエルのネタニヤフ政権は、危機の軍事的のりきりの衝動を募らせている。アフガニスタンとリビアにおける米・NATO軍の侵略・空爆強行に加えて、中東において、いまや新たな戦争・戦乱の危機が胚胎しているのである。

以下、見出し
A 独立国家承認・国連加盟≠ノむけての「和解」合意

B エジプト・トルコ・イランの<反シオニズム>の共同歩調

C イスラエルの暴走≠巡って迷走するオバマ政権

D シオニスト権力による戦争放火を阻止せよ!
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最新号紹介


新世紀 The Communist 

第254号

2011年9月

全原発を廃炉に!

闘いの方向性を指し示す

 本号では、<原発・核開発反対! 闘いの高揚を>と題する一大特集を総力で組んだ。総ページの八割を占める諸論文はこの闘いを全力でおしすすめているすべての労働者・学生・人民の武器として大いに活用してもらえるものである、とわれわれは確信する。
◆巻頭論文「すべての原発の即時停止・廃棄をかちとれ」(無署名)は、鋭くつきだす、G8サミットとIAEA会議を号砲にして核保有大国の米・仏・英・露の権力者が、デタラメきわまりない「フクシマの教訓」なるものをタテにして、原発推進に拍車をかけようとしていることを。そして、「原発の継続」を誓約させられた首相・菅はこの公約≠お墨付きにして、停止中の原発の運転再開を企んでいる。だが同時に、この男は首相としての延命のために、「脱原発」のうねりの高まりに盗人猛々しくものっかり、「再生可能エネルギー」開発へのとりくみをおしだしはじめてもいるのだ、変節・菅よろしく。本論文は力強く訴える。既成反対運動指導部の腐敗と闘争歪曲を突き破り、原発推進と大増税に奔走する菅政権を、労働者・学生・人民の総力を挙げて打倒せよ、と。
 日共の不破=志位指導部は、福島原発事故から二ヵ月ちかくもたって「原発からの撤退」を急きょ連呼しはじめた。「今すぐ原発を止めろというのは無責任」と言い放った志位ら代々木官僚を徹底的に批判し弾劾するわが同盟のイデオロギー闘争によって、日共下部党員・支持者たちが公然と中央を批判しはじめた。この党的危機への官僚的自己保身にとりつかれたからこそ、彼らは原発政策の転換にふみきったのだ。「『原発ゼロ・プログラム策定』を叫びだした代々木官僚の犯罪」(守門勘九郎)は、「原発ゼロ」を掲げた新たな政策は、「低エネルギー社会への転換」をシンボルにした「日本経済の健全な発展」を促すための現実的な代案として提起されているにすぎない、とえぐりだしている。のみならず、原発反対闘争に一貫して敵対しつづけてきたその歴史的犯罪を反論の余地ないまでに暴きだしている。
 被災した労働者・人民はいまだに悲惨な状況につきおとされている。被災地の復旧・復興の致命的足枷となっているものこそ弱者切り捨て・地方切り捨て≠フ小泉式「構造改革」なのだ。「被災人民を苦しめる新自由主義的『構造改革』の爪痕」(伊狩真人)を読めば、誰もが怒りを新たにせずにおれない。
◆福島原発事故を「文明災」であると断じ「近代文明」からの脱却を唱える梅原猛、「日本学」の泰斗であり「保守派」の論客であるこの老哲学者の「原発事故」評論と対質しその欠陥をつきだしているのが、「怨霊鎮め≠フ『文明災』論」(片桐悠)である。梅原式「近代文明の悪」論をもってしては福島原発事故の根拠や実体構造を明らかにすることができないだけでなく、そもそも「近代文明」のブルジョア階級的本質についての考察が欠如してしまうこと、この欠陥は、マルクスを「『自然の征服』思想の正嫡」と見誤ってしまったことにもとづいていることがつきだされている。「地球と人類を破滅に導きかねない現代独占ブルジョア文明の根底的な超克」は、マルクスの思想を武器とし、<いま・ここ>の場所をその内側からのりこえていくという実践的立場にたつことによってのみ能くなしうるのだと、筆者はパトスをみなぎらせ提起している。
◆さらに、<地震列島――いよいよ高まる原発大事故の危険>のタイトルのもとに、全国各地の原発・核関連施設の危険な実態を暴きだした諸論文を一挙掲載した。
 切迫する東海大地震の想定震源域の真上に位置する最も危険な原発=E浜岡原発をはじめ地震の巣≠フ上に林立する各地の原発や、六ヶ所核燃料再処理工場、高速増殖炉「もんじゅ」は、「安全対策」がおざなりになされているにすぎず、放射能漏れなどの重大事故や故障を頻発させてきた。第二、第三の<フクシマ>がいかに大惨事になるかをわれわれはこれらの論文からリアルにつかみとることができる。

ネグリ<帝国>論を批判

◆「ネグリ<帝国>の死」は、「『共産党宣言』をも超える二十一世紀の新たなパラダイム」と誇大宣伝的にもてはやされている<帝国>論の観念性とその反マルクス主義的本質を理論的に暴きだしている。ソ連邦崩壊以後の現代世界を全世界を呑みこむ単一の<帝国>――その内実はヤンキー帝国主義の「一超」支配にすぎない――の成立とみなし、帝国主義は終わり国民国家のあいだの帝国主義戦争も終焉したととらえるネグリの主張は、カウツキーの「超帝国主義」論の今日的焼き直しでしかないことが明らかにされている。帝国主義戦争にも自国の国家権力にも対決しない反<帝国>の「マルチチュード革命」なるものの観念性とともに。
 「アメリカ帝国主義のビンラーディン殺害=国家テロリズム弾劾!」(無署名)は、「対テロ戦争」の全面破産を鮮明にしムスリム人民との連帯をよびかけるわが同盟の声明である。
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F15戦闘機墜落事故弾劾! 7・8沖縄
 七月八日、航空自衛隊那覇基地ゲート前で、「自衛隊F15戦闘機墜落事故糾弾緊急集会」(沖縄平和運動センター主催)がおこなわれた。琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちは、怒りに燃えて結集した約七十人の労組員たちと連帯して緊急抗議集会に勇躍決起した。
〈反安保〉を鮮明に闘う学生が奮闘
(7・8、空自那覇基地ゲート前)
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「泊原発の再稼働を許すな!」  闘う学生が北電本社へデモ 7・10札幌

七月十日、北海道のたたかう学生たちは、「とめろ! 泊 なくせ! 原発 全道学生デモ」にたちあがった。
「すべての原発を廃炉に!」の声轟かせ札幌市街をデモするたたかう学生たち
(7月10日、札幌駅横)
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天王寺で学生が熱く訴え 7・10大阪
七月十日、関西のたたかう学生たちは、大阪のJR天王寺駅頭において、「原発の再稼働を阻止しよう! すべての原発をただちに廃棄しよう!」と熱く訴える街頭情宣をおこなった。

討論の輪が広がる天王寺駅前(7・10)
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