第2204号(2012年2月6日)の内容

<1面>
首都に野田反動政権打倒の火柱
 1・22 既成指導部の底なしの腐敗を突き破り全学連が第一波闘争に決起
<4面>
畑村「失敗学」アテハメの破綻
 福島第一原発・政府事故調査委員会「中間報告」の欺瞞性
<5面>
タイ大洪水で再び露呈したサプライチェーンの断絶
■トヨタ副社長の妄言
<2面>
泊原発3号機
 プルサーマル計画をめぐる政府・道・北電の「やらせ」工作
<6面>
Topics 1・25経団連・「連合」労使トップ会談
超低賃金・超長時間労働を強いられる外国人実習生
「武器輸出三原則」の事実上の撤廃に踏み切った野田政権
わが同盟の二〇一二春闘スローガン
<7面>
『社探』と『社会の弁証法』における〈協働〉の展開について(下)
◆放射線と被曝についての基礎知識 1
<8面>
スマートフォン狂騒曲
『新世紀』最新号(第257号)紹介
<3面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆ホルムズ海峡一触即発
◆どじょうの誓い
◆東シナ海波高し
◆走狗の末路
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号


































  


首都に野田反動政権打倒の火柱

 1・22 既成指導部の底なしの腐敗を突き破り全学連が第一波闘争に決起

<基地撤去・安保破棄!>のかけ声高く
戦闘的デモンストレーションを敢行する全学連
(1月22日、東京)
 「反人民性をむきだしにした野田反動政権を労学の実力で打倒するぞ!」――この烈々たる闘志に燃えて、一月二十二日、わが同盟に指導された全学連のたたかう学生たちは、首都・東京において春期第一波の怒りのデモンストレーションに決起した。
 アジアの覇権をめぐるアメリカと中国との角逐の激化、そして欧州発の国際金融恐慌勃発の危機切迫。こうした国際的激動のただなかで、野田民主党政権は、みずから「日米運命共同体」の道を選びとり、日本帝国主義国家をアメリカ帝国主義国家へとよりいっそう隷従させる道を突き進んでいる。そして今、この極反動政権は、停止中原発の再稼働と原発輸出への突進、米軍の辺野古新基地建設、「社会保障と税の一体改革」の名による消費税大増税と社会保障の切り捨て、TPPへの参加などの、ありとあらゆるウルトラ反動攻撃を、労働者・学生の頭上にふりおろしているのだ。
 反人民的な本性をむきだしにして労働者・人民に襲いかかっている野田政権の諸攻撃を前にして、「連合」古賀指導部は野田政権の諸策動をことごとく支持し・この政権を全面的に支えている。他方の日共の不破=志位指導部もまた、党勢衰退への危機感に駆られて、来る総選挙に向けての選挙カンパニアに埋没している。
 こうした既成反対運動指導部の底なしの腐敗を断固として突き破り、全学連の学生たちは勇躍起ちあがった。一二春闘の高揚のために、「連合」指導部の抑圧に抗して労働戦線深部で奮闘している革命的・戦闘的労働者と連帯し、<原発再稼働阻止!辺野古への米軍新基地建設阻止! 消費税大増税阻止!>を高々と掲げ、首都・東京において<反人民性をむきだしにした野田反動内閣打倒!>の火柱を赤々と燃えあがらせたのである。

以下、見出し
渋谷・原宿を戦闘的デモで席巻

闘志みなぎる総決起集会

原発再稼働・辺野古新基地建設・消費税増税を阻止せよ
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畑村「失敗学」アテハメの破綻

 福島第一原発・政府事故調査委員会「中間報告」の欺瞞性

 昨年十二月二十六日に公表された福島第一原発・政府事故調査委員会の「中間報告」は、停止中の原発の再稼働と原発輸出に突進する独占ブルジョアジーの意向を体現する野田政権の「ステップ2完了・事故収束」宣言を正当化するための道具立てにほかならない。
 「失敗学の畑村洋太郎」を委員長にすることによって、あたかも政府事故調査委員会が政府から独立した中立性≠もった調査機関であるかのように装いおしだされている。〔一定の良心的学者や技術者もそれに幻惑されていた。〕
 だが、この調査委員会の階級的本質はこの「中間報告」に透けて見えるのである。はじめから「事故の責任は追及しない」ことをうたっていた調査委員会は、実体的にも、東京電力事故調「検証委員会」委員長の矢川元基と東大で師弟関係にあった塚越誠一が、この政府事故調査委員会の「事故原因調査チーム」の責任者である。この両者ともに原発推進派の有名教授連中ではないか。しかも委員長である「失敗学」の畑村洋太郎その人が「従来とは全く違う発想で新しい原子力のあり方」を提唱せんがために「調査」しようというのだから、事故調の調査結果は調査する前から「判定」されているのである。

以下見出し
現場の技術無知≠ニ操作ミス≠もっぱら強調

地震の揺れによる原子炉の破損をあくまで否定

「多重防護システム」の危険性

「本質安全」を掲げた原発推進の犯罪性

労働者人民に被曝を強制する野田政権に怒りを!
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わが同盟の二〇一二春闘スローガン

野田政権の消費税大増税阻止! 
独占資本家による首切り・賃下げ攻撃粉砕!

「救国」春闘をつき破り一二春闘の戦闘的高揚をかちとれ!

T 震災・円高を口実にした大量解雇・賃下げ攻撃をうち砕け! 大幅一律賃上げをかちとろう! 非正規雇用労働者の解雇反対、待遇の抜本的改善をかちとれ! 「人財への配分」を哀訴し独占資本家に全面協力する「連合」労働貴族を弾劾せよ!

 ◇ 諸独占体の海外進出・国内工場の統廃合を許すな! 解雇・配転攻撃をうち砕け! 賃金支払い形態の改悪反対! 大企業による中小零細企業の収奪強化を許すな! 公務員の人員削減・賃金切り下げ反対!
 ◇ 「正規」・「非正規」、公務・民間の分断を許さず、すべての労働者は連帯してたたかおう!


U いっさいの犠牲を労働者・人民に転嫁する大増税攻撃を粉砕せよ! 社会保障制度改悪反対!

 ◇ 独占体支援優先・零細農漁民切り捨ての「復興」策を許すな! TPPへの日本の参加反対!
 ◇ 労働者派遣法の撤廃をかちとれ!


V 原発・核開発反対闘争、反戦反安保闘争の爆発をかちとろう!

 ◇ 停止中原発の再稼働を許すな! すべての原発・核燃料サイクル施設を即時停止し廃棄せよ! 原発プラント輸出反対!
 ◇ 辺野古新基地建設阻止・普天間基地撤去! 米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対! 安保破棄めざしてたたかおう!


W 「国難突破」を呼号し「産業力強化」に労働者を駆りたてるネオ産業報国会=「連合」を脱構築せよ! 日本労働運動の戦闘的再生をかちとれ!

 ◇ 「全労連」日共系指導部の「内需拡大」要求春闘への歪曲をのりこえたたかおう!
 ◇ 労働組合の戦闘的強化をかちとれ! あらゆる職場に労働組合を組織せよ!


労働者・人民に<戦争と貧困>を強制する極反動野田政権を打倒せよ!

自国政府の圧政に抗してたたかう全世界の労働者・人民と連帯してたたかおう!
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新世紀 The Communist 第257号

2012年3月

最新号紹介

わが革命的共産主義運動の新たな前進のために

野田反動政権打倒の指針を提起

 ◆二〇一二年をむかえ、わが同盟議長・植田琢磨が「反スターリン主義運動の雄飛を」と力強く呼びかける基調論文を、本号の巻頭に掲載した。腐朽を極める二十一世紀現代世界の危機を根底から覆す決意を固め、わが党組織をいっそう強固に鍛えあげ日本階級闘争の巨大な前進を切りひらいていく闘いの武器として、本号をすべての仲間におくる。
 巻頭論文は、東日本大震災と福島第一原発事故という世紀の大惨事に直面した決定的局面において、わが同盟は前衛党たるの自覚に燃えて原発・核開発反対の大衆闘争を領導したたかいぬいたことを、まずもって誇らかに確認している。この革命的地平にふまえて、今こそ反動野田政権を労働者・学生の実力で打倒する反政府闘争を断固として推進すべきことを呼びかけている。植田議長は訴える。全世界的にはなお真の革命党が決定的に微弱であるという屈辱的現実を打ち破るために、われわれ一人ひとりが、同志黒田寛一の<実践の場所の哲学>を背骨とした革命的マルクス主義の思想を場所的に主体化する努力をみずからに課し、わが党組織をその担い手としてのわれわれ自身がさらに強固に鍛えあげていこうではないか、と。
 「野田反動政権を労学の実力で打倒せよ」(中央学生組織委員会)は、反人民性をむきだしにする対米隷従$ュ権を打倒するために、原発・核開発反対闘争、辺野古新基地建設反対の反戦反安保闘争、大増税反対・TPP参加反対の政治経済闘争を同時的・一体的に推進する闘いの革命的指針を鮮明に提起している。未曽有の世界経済危機のもとで、消費税大増税をはじめとした一切の犠牲転嫁の攻撃を粉砕する闘いの一大高揚をかちとることこそ今春期におけるわが労働者・学生の任務なのだ。
 ◆スターリン主義ソ連邦の自己崩壊以後二十年の今日、マルクス思想にもとづく全世界プロレタリア階級闘争の革命的蘇生のために、<いま・ここ>で全力をあげて奮闘すべきことを呼びかけているのが、「スターリン主義を超克し革命の新世紀を切り開け」(大隅剛志)である。ソ連邦を自己崩壊に導いたゴルビー主義の反・革命性を暴きだしたわが歴史的闘いを現在的に学ぶとともに、<一九五六年>の若き黒田がいかにして反スターリン主義の闘いを開始したのか、この黒田の「断絶と飛躍」を追体験し場所的に<原始創造>をくりかえすのでなければならない。本論文は情熱をこめて訴えている。「<歴史の大逆転>をば<再逆転>する、その絶対的基礎は、……われわれ一人ひとりが、まさに『一九五六年の黒田になる』ことにこそある」と。

胡錦濤中国とプーチン・ロシアの腐敗を抉りだす

 ◆「二十一世紀の超大国」にのしあがった胡錦濤中国において、政治経済構造の資本主義的変質を物質的基礎にして、拝金主義・利己主義が蔓延し、今や党=国家官僚が「道徳心の欠如」を大々的に叫びたてるまでにいたっている。高まる人民の不満や怒りをおさえこむために「マルクス主義指導思想」なるものを振りかざしてののりきりに躍起になっている中国スターリニストの犯罪を怒りをこめて暴きだしているのが、「脱色スターリン主義・中国共産党官僚の悲鳴」(寒田遥)である。
 「強大国復権の幻影を追い求めるプーチン・ロシア」(石垣次郎)は、二〇一一年年末に実施された下院選挙における与党・統一ロシアの惨敗と不正選挙にたいする抗議運動の高揚が、プーチン専制体制の根底的動揺をあらわにした事態であると断じている。「双頭体制」のもとでのFSB強権型国家資本主義の諸矛盾が噴出している今こそ、ロシア労働者階級は転向スターリン主義党の議会主義的堕落と民族主義的変質をのりこえプーチン政権打倒の戦列を打ち固めよと、本論文は熱烈に訴えている。
 EU諸国を襲うソブリン危機と金融・経済危機の相乗的深まり、製造業の空洞化と金融収益依存をますます深めるアメリカ経済の腐朽、これらを分析し、ユーロ圏の空中分解とドル体制の最後的崩壊が切迫しつつあることを構造的に明らかにしているのが、「EU発世界金融恐慌勃発の危機」(川谷建)である。
 ◆TPP交渉参加を強行した野田民主党政権を弾劾し、労働者・農漁民・学生の団結した闘いをさらに大きく創造することを呼びかけている「対米隷従・独占資本支援第一のTPP参加を許すな」(朝永隆夫)と、全世界的な「減産ドミノ」に見舞われたトヨタ、日産などの惨状とその根拠を暴きだしている「タイの大洪水被災にあえぐ日本の製造業諸独占体」(三河健二)の二論文を掲載した。「現代技術文明への不安と懐疑」(河内音哉)は、原発(技術)を「手におえない怪物」として物神化し原発事故をやむをえない事態とみなす老哲学者・木田元の福島原発事故評論の俗物性を批判している。
 二〇一二年のわが闘いの巨大な前進を切りひらくために、本号を大いに活用しよう。
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