第2207号(2012年2月27日)の内容

<1面>
「救国」春闘を突き破る陣形構築
2・12 春闘総決起集会で怒りの雄叫び
 一三〇〇名の闘う労働者が結集

<4〜5面>
2・12労働者怒りの総決起集会 基調報告
 「救国」産報運動を突き破り12春闘の戦闘的高揚を!

<2面>
原発再稼働を許すな!
 労・学・市民1万2000が決起
 
2・11「さようなら原発1000万人アクション」

沖縄防衛局に怒りの拳 1・28
<6面>
生活保護の打ち切りに狂奔する那覇市当局
Topics 政府が介護報酬引き上げ??
 実は事実上0.8%マイナス
<7面>
大飯原発で偽装請負が発覚
 下請け労働者集めに暴力団を利用
福島原発事故と「戦後歴史学」
◆放射線と被曝についての基礎知識 2
<8面>
アラブの統一≠めざすエジプト・ムスリム同胞団
<下>

<3面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◇雷帝の黄昏
◇礼砲19発
◇薄氷の「重慶モデル」
◇震災失業12万人
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号


































  


「救国」春闘を突き破る陣形構築

2・12 春闘総決起集会で怒りの雄叫び

 一三〇〇名の闘う労働者が結集

春闘勝利の決意固く
(2月12日、東京・「ティアラこうとう」)
 たたかう労働者たちは、二月十二日に東京・「ティアラこうとう」において、「労働者怒りの総決起集会」を戦闘的に実現した。
 今集会は激動する情勢下で開催された。「イスラームの核」開発に突進するイラン・アフマディネジャド政権にたいしてアメリカ帝国主義のオバマ政権は、全世界の政府・企業にイラン産原油の禁輸を強要する経済制裁にふみきっている。それだけではなく、ペルシャ湾に原子力空母リンカーンを進入させ軍事的恫喝をかけているのだ。しかも、国家存亡の危機に震撼させられているイスラエルのネタニヤフ政権は、イラン核施設への軍事攻撃にうってでる機会を虎視眈々と狙っている。こうして今まさに中東における戦争勃発の危機がいよいよ高まっているのである。そしてまた、欧州のソブリン危機を発火点とする国際金融恐慌の危機がさし迫るとともに、世界同時大不況が深刻化しつつある。アジアにおいては米・中の政治的・軍事的角逐が激化している。
 こうした現代世界の激動のもとで対米隷従≠深める野田政権が、日米新軍事同盟の強化と消費税大増税の攻撃を労働者・人民にかけてきている。そして独占資本家どもは、大震災・円高による経営危機を口実として首切り・賃下げ攻撃をうちおろしているのである。
 これらの一大攻撃を前にして、「連合」指導部は「国難に立ち向かうためのオールジャパン体制の確立」を叫びたて、政府・独占資本への協力を誓っている。許しがたいことに彼らは、例年はまがりなりにも屋外でもたれてきた春闘中央集会を今年は二〇〇〇名規模の屋内集会にきりちぢめ、「給与総額の一%の配分是正」などというかたちばかりの要求さえ本気でかちとるつもりなどないことをはっきりと示した。われわれは怒りも新たに「連合」指導部による「救国」春闘への歪曲をつき破り、一二春闘の戦闘的高揚を断固かちとるのでなければならない。
 わが労働者たちは、このような今一二春闘にむけて烈々たる闘志をわきたたせつつ闘いの拠点をがっちりとうち固め、今総決起集会を大成功させたのである。

以下、見出し
12春闘の戦闘的高揚を!
 ――闘志あふれる基調報告

戦争と貧困の強制に抗して闘う全世界人民との連帯を
 ――同志西條が特別アピール

労働者階級の闘いの炎を!
 各戦線の労働者と全学連が決意

春闘の大爆発で反動野田政権を打倒せよ!
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二〇一二春闘勝利! 2・12労働者怒りの総決起集会 基調報告

「救国」産報運動を突き破り一二春闘の戦闘的高揚を!

野田政権による消費税大増税阻止!

独占資本家による首切り・賃下げ攻撃粉砕!


 結集された闘う労働者の皆さん!
 わたしたち労働者の団結した闘いが、いまほど重要なときはありません。昨年の<3・11>東日本大震災と福島第一原発事故によって苦難のどん底につき落とされた日本の労働者・人民にたいして野田民主党政権と独占資本家は、かさにかかって大攻撃を振りおろしています。独占資本家どもは、震災被害をも格好の口実にして、労働者の大量首切りと賃金切り下げをどしどしとおしすすめています。それとともに彼ら独占資本家たちは、消費税を上げろ、社会保障の費用は切り詰めろ!≠ニ叫びたてています。この絶叫を全面的にうけとめ、野田政権は、いま消費税大増税の一大攻撃を振りおろそうとしています。昨年の「復興増税」の決定に続き、消費税税率の大幅引き上げをなんとしてでも今国会で決定することを企んでいるのです。
 一二万人とも言われる「震災失業者」にたいして、いま政府はどんどんと失業手当の支給を打ち切っています。大地震・津波と原発事故によって家と仕事を奪われた人々は、生活苦と先行きの見えない不安にたたき込まれ、大雪と厳しい寒さまでが、被災人民の苦しみに追い討ちをかけています。野田政権の「復興」策は、被災人民の生活再建には何の役にもたっていません。それどころか、野田首相は「復興のための痛みの分かち合い」などと言い、「復興税」の名によって、ワーキングプアからも、失業者からも、被災人民からも情け容赦なく税金をむしりとろうというのです。そのうえさらに「社会保障財源の確保」を名目とした消費税の大増税がいま企まれている。この歴史的な大増税攻撃は、労働者を徹底的に搾り取りみずからの生き残りに血眼になっている独占資本家たちへの手厚い支援策によって生じた莫大な財政赤字のツケを、労働者に押しつけるもの以外の何ものでもありません。一体どこまで、労働者・人民を踏みにじり犠牲を強制しようというのでしょうか。わたしたちは絶対にこのような資本家どもと政府の攻撃を許すことはできません!
 野田政権は、原発事故の収束もまったく見込めないにもかかわらず、停止中原発の再稼働を狙っています。また、沖縄の労働者・人民の闘いを踏みにじり、アメリカのオバマ政権につきしたがって、米軍の普天間基地への居座りと辺野古新基地建設に協力しているのです。
 こうした野田政権と独占資本家どもの反動攻撃の嵐にたいして、「連合」指導部は、「国難に立ち向かう」ためには協力するなどと公言し、労働者の闘いを「救国」産報運動へとねじ曲げています。わたしたちは既成労組指導部の闘争歪曲を許さず、今春闘を戦闘的にきりひらくために奮闘しなければなりません。
 一二春闘の高揚をかちとり、もって、労働者・学生・人民の団結した力で反動・野田政権を打ち倒そうではありませんか!

(以下、見出し)
T 一切の犠牲を労働者・人民に転嫁する政府・支配階級

A 震災・円高を口実にした独占資本家どもの大リストラ攻撃

B 大増税と社会保障制度改悪に突進する野田政権

U 「救国」春闘への歪曲を許さず春闘の爆発をかちとれ

A 「国難突破」を呼号し産報運動に労働者を駆り立てる「連合」労働貴族

B 「内需拡大」要求春闘に歪曲する「全労連」日共系指導部

C 一二春闘の爆発で反動・野田政権を打ち倒そう!
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わが同盟の二〇一二春闘スローガン

野田政権の消費税大増税阻止!
独占資本家による首切り・賃下げ攻撃粉砕!
「救国」春闘をつき破り一二春闘の戦闘的高揚をかちとれ!


T 震災・円高を口実にした大量解雇・賃下げ攻撃をうち砕け! 大幅一律賃上げをかちとろう! 非正規雇用労働者の解雇反対、待遇の抜本的改善をかちとれ!「人財への配分」を哀訴し独占資本家に全面協力する「連合」労働貴族を弾劾せよ!

◇ 諸独占体の海外進出・国内工場の統廃合を許すな! 解雇・配転攻撃をうち砕け! 賃金支払い形態の改悪反対! 大企業による中小零細企業の収奪強化を許すな! 公務員の人員削減・賃金切り下げ反対!
◇ 「正規」・「非正規」、公務・民間の分断を許さず、すべての労働者は連帯してたたかおう!


U いっさいの犠牲を労働者・人民に転嫁する大増税攻撃を粉砕せよ! 社会保障制度改悪反対!

◇ 独占体支援優先・零細農漁民切り捨ての「復興」策を許すな! TPPへの日本の参加反対!
◇ 労働者派遣法の撤廃をかちとれ!


V 原発・核開発反対闘争、反戦反安保闘争の爆発をかちとろう!

◇ 停止中原発の再稼働を許すな! すべての原発・核燃料サイクル施設を即時停止し廃棄せよ! 原発プラント輸出反対!
◇ 辺野古新基地建設阻止・普天間基地撤去! 米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対! 安保破棄めざしてたたかおう!


W 「国難突破」を呼号し「産業力強化」に労働者を駆りたてるネオ産業報国会=「連合」を脱構築せよ! 日本労働運動の戦闘的再生をかちとれ!

◇ 「全労連」日共系指導部の「内需拡大」要求春闘への歪曲をのりこえたたかおう!
◇ 労働組合の戦闘的強化をかちとれ! あらゆる職場に労働組合を組織せよ!


労働者・人民に<戦争と貧困>を強制する極反動野田政権を打倒せよ!
自国政府の圧政に抗してたたかう全世界の労働者・人民と連帯してたたかおう!
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アラブの統一≠めざすエジプト・ムスリム同胞団
<下>

V 〈イスラム国家樹立・アラブの統一〉の基本戦略

戦略実現に向けての「漸進的・段階的」戦術

 ムスリム同胞団が自由公正党としてうちだしている諸政策は、ムバラク政権によるアメリカ帝国主義に押しつけられた新自由主義的諸政策の強行的実施とそれを貫徹するための強権的な治安弾圧、これらのもとにおかれてきたエジプト人民の政治的・経済的の悲惨を打開することをめざしているものといえる。この諸政策は、彼我の力関係の分析にもとづいて緻密化されているとはいえ、その根底には――現在でこそこれを前面におしだすことを避けているとはいえ――「イスラームこそ解決」を謳う同胞団の基本思想が貫かれているのである。
 エジプトの惨憺たる現実をイスラームの理念に反するものと捉え、その理念を実現するために<イスラム国家樹立・アラブ統一>の戦略を練りあげ、これにもとづき・かつ内外の情勢の分析にふまえて現状を改革するための諸政策を具体化しているのである。
 人民議会選挙で勝利した同胞団指導部は、<イスラム国家樹立・アラブ統一>の戦略を実現する橋頭堡を築いたと確信しているにちがいない。それゆえに彼らは、タンタウィ政権がいまだに強大な軍事力を有しており、かつ米・欧諸国権力者が同胞団への警戒心を募らせているという条件のもとで、自由公正党主導政権の樹立と「特別の民族」エジプトのアラブ世界における地位の復権とを漸進的に段階を踏んで着実になしとげていくことをめざしている。

創設者バンナーの理念・思想の今日的実現

 バンナーの主張は、後進国・植民地に土着する勤労人民の素朴な祖国愛≠笆ッ族意識(パトリオティズム)――バンナーはそれを「憧憬の民族主義」と規定した――にふまえて帝国主義列強によって分断されたアラブをイスラームの宗教的理念にもとづいて「統一」することを謳うものである。このことからして、バンナーの主張はアラブ民族主義の一形態であり、したがってまたムスリム同胞団の運動は、民族解放闘争の一形態である、と捉え返すことができる。このようなものとしてバンナーの理念・思想には、トランス‐ナショナリズム、イスラミック・インター‐ナショナリズムが貫かれている、といえるのである。しかもバンナーは、「同胞団は、エジプトのためにたたかっており、そのなかで多くの犠牲を払っている。なぜなら、エジプトはイスラムの土地の一部であり、イスラム諸国の指導者だからだ」と述べ、「アラブの統一」をなしとげていくうえでのエジプトの果たすべき地位と役割を「特別の民族性」として基礎づけている。

W 闘うムスリム人民と連帯し新たな中東戦乱の危機を突き破る闘いを!

 「軍政打倒」のためにムスリムの労働者・勤労人民の強大な統一戦線を構築することがいまほど切実に問われているときはない。
 われわれは、こうした統一戦線の結成をエジプトのたたかうムスリム労働者・人民に呼びかけるとともに、同胞団指導部の限界をも明らかにし、これを断固としてのりこえたたかうべきことをエジプト労働者・人民にも呼びかける。
 そしてまた、同胞団嫌い≠昂じさせているリベラル・「左翼」諸潮流や街頭闘争の激烈化に活路を見いだしている一部の青年グループの限界をもわれわれはつきださなければならない。
 中東を新たな戦雲と内戦の危機が覆おうとしている現在、日本の地で反戦闘争をたたかうわれわれは、「革命の継続」を誓うエジプトのムスリム人民に、イスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづいてヤンキー帝国主義によるイランへの戦争挑発とイスラエル政府によるイラン核施設への爆撃の策動に反対する反戦闘争と、シリアのアサド政権による人民弾圧に反対する闘いを創造すべきことを断固として呼びかける。
 そしてわれわれはあらためて決意する。スターリン主義をのりこえる真実のマルクス主義を土着化させることがいまほど問われている時はない。われわれはプロレタリア・インターナショナリズムに立脚しエジプトのムスリム労働者・農民と堅く連帯して、アメリカ帝国主義のイラン制裁に反対しイスラエルのイラン核施設攻撃を阻止する反戦闘争を日本の地で創造し・その国際的波及をかちとるのでなければならない。

〈目 次〉

T 人民議会選におけるイスラム主義勢力の大躍進
U トルコを範とした漸進的改革§H線
 (第二二〇六号)
V 〈イスラム国家樹立・アラブの統一〉の基本戦略
W 闘うムスリム人民と連帯し新たな中東戦乱の危機を突き破る闘いを!
 (本 号)
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原発再稼働を許すな!
 労・学・市民1万2000が決起
 
2・11「さようなら原発1000万人アクション」
 二月十一日、東京・代々木公園において「再稼働許すな! 2・11さようなら原発一〇〇〇万人アクション全国一斉行動in東京」が開催された。
 野田政権は、四月中の大飯原発の再稼働に向けて突進している。こうした緊迫した情勢のもとで、集会には原発再稼働を許さないという決意に燃えた労働者・学生・市民一万二〇〇〇名が結集した。闘いに起ちあがった労働者・市民たちと連帯し、「すべての原発をとめよう! 首都圏学生ネット」の学生たちは、「原発再稼働・安保強化・大増税に突き進む野田政権打倒!」を掲げ、集会の戦闘的高揚をかちとるために奮闘したのである。
首都圏の闘う学生たちが2・11「さようなら原発」集会の最先頭で奮闘
(2・11、代々木公園)
怒りに燃えて結集した労・学・市民
(2・11、代々木公園)
新宿周辺に「全原発廃棄!」の声轟く
(2・11)
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沖縄防衛局に怒りの拳 1・28
 一月二十八日、琉球大学・沖縄国際大学のたたかう学生たちは、「辺野古新基地建設阻止! 消費税大増税反対! 民衆に<戦争と貧困>を強制する対米隷従の野田政権をうちたおそう! 1・28学生マーチ」をたたかった。たたかう学生たちは辺野古新基地建設に突進する米日両帝国主義権力者にたいする怒りに燃え、米軍嘉手納基地と沖縄防衛局へのデモ行進を貫徹したのだ。
沖縄防衛局に弾劾のシュプレヒコール
(1月28日、嘉手納)
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