第2216号(2012年4月30日)の内容

<1面>
野田訪米・日米首脳会談反対に起て

 日米新軍事同盟強化反対・原発再稼働阻止の闘いを巻き起こせ
<4〜5面>
JP12春季闘争の爆発を!
深まる厚生年金基金の危機
<2面>
PAC3配備に怒り爆発 4・11 那覇
「MDシステム実戦運用反対」の情宣 4・11 福岡
「共通番号法」制定を阻止せよ
<3面>
シリア・アサド政権による人民大虐殺を弾劾せよ!
FLTI青年組織から全学連への手紙
<6面>
Topics 社会保険料増大のウソと真実
破廉恥な企業支援策徹底の要求
新卒者が強いられる「就職戦争」
<7面>
福島第一原発で死亡した労働者に「労災認定」――殺人的な「収束作業」
大飯原発「海水淡水化装置」破損の危険性
トヨタが輸出用SUV車の生産を九州から北米に移転
<8面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆サルコ知恵?
◆被曝強要「協定」
◆35年後の開き直り
◆イスラームの核
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
































  


野田訪米・日米首脳会談反対に起て

 日米新軍事同盟強化反対・原発再稼働阻止の闘いを巻き起こせ


「大飯原発の再稼働阻止!」
たたかう学生が首都中枢をデモ
(4月21日、関西電力東京支店前)
 首相・野田は四月二十九日に訪米し、民主党政権としては初めてのワシントンでの日米首脳会談に臨もうとしている。ここにおいて野田は、在沖縄米軍基地の再編・強化を当面の焦点とする日米新軍事同盟の現実的強化をオバマとともに謳いあげようとしている。まさにそれは、ヤンキー帝国主義への隷従≠フ誓約以外のなにものでもない。
 すべての労働者・学生諸君!
 今こそわれわれは、「連合」指導部の闘争放棄を弾劾し・日共の不破=志位指導部の闘争歪曲をのりこえ、日米新軍事同盟の強化反対! 原発再稼働阻止! 消費税大増税阻止! の闘いを推進せよ。この闘いの一大高揚をもって反動野田政権を打倒せよ。4・29野田訪米を許すな!

「同盟の深化」の名による日米新軍事同盟強化の企み

東アジア・中東を焦点とした米―中露の角逐

大飯原発再稼働へしゃにむに突進する野田政権

「連合」指導部と日共中央の腐敗を弾劾し闘おう

反動野田政権を打倒せよ!


 すべての労働者・学生諸君!
 今こそわれわれは、現下の日本階級闘争の危機を突き破り、日米新軍事同盟の強化反対! 野田政権による原発再稼働阻止! 消費税増税阻止! の一大闘争を創造し、もって反動野田政権を打倒するのでなければならない。
 われわれは第一に、四月三十日の日米首脳会談に断固として反対し、米・日の両権力者が日米新軍事同盟をいよいよ強化しようとしていることに反対する反戦・反安保の闘いを、総力をあげて推進するのでなければならない。
 政府・防衛省は北朝鮮のミサイル発射から四十数分もの間、誤情報を流しつづけ、多額の費用を投入したJアラート(全国瞬時警報システム)もエムネット(緊急情報ネットワーク)もまったく機能しない、という大失態をさらけだした。しかしまさにそうであるからこそ、彼らは汚名返上とばかりに、沖縄を中心にしてPAC3や自衛隊部隊を配備しMDシステムを実戦運用した実績を基礎として、いよいよヤンキー帝国主義にすがりつつ、日米の新軍事同盟の現実的強化・国家総動員体制強化に突進しようとしているのである。
 アジア・中東情勢の新たな激動に促迫されながら、アメリカ帝国主義オバマ政権は「新国防戦略」にもとづいて米軍の世界的な戦力配置を再編し・〈アジア・太平洋版NATO〉というべき対中・対露の多国間軍事同盟を構築するための策動に狂奔している。そして日本の野田政権は日米首脳会談においてこのオバマ政権に全面協力することを改めて誓約しようとしている。
 にもかかわらず、既成平和運動指導部は野田訪米―日米首脳会談に反対する声を何ひとつあげてはいない。今こそわれわれは、この既成平和運動の惨状をのりこえ、日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化に反対し・米(日)―中露の核軍事力増強競争に反対する反戦・反安保の闘いを断固として創造するのでなければならないのだ。全学連の学生は、4・29国会・首相官邸包囲闘争に総決起し、野田訪米阻止・日米首脳会談反対の怒りの声を轟かせようではないか。
 われわれは第二に、野田政権・関西電力による大飯原発再稼働を絶対に阻止し、全原発の廃棄をかちとる闘いの一大高揚を切り拓くのでなければならない。われわれは、政府・独占ブルジョアジーが設定した「エネルギーの安定供給」という土俵の上で、もっぱら「自然エネルギーへの転換」という代案の採用を政府に請願する日共系や社民党系などの「脱原発」運動の限界を突破しこれをのりこえるためにたたかうべきなのだ。
 野田政権が一刻も早い原発の再稼働を企てているのは、彼らが「資源小国」日本の準国産エネルギーとみなしたプルトニウムを活用しての「核燃料サイクル」の確立を「エネルギー安全保障」の観点から戦略的に位置づけていることにもとづく。そしてこのことは、潜在的核保有国としての技術的基盤を確立するという野望と結びついているのだ。しかも、彼らが最大の「原発大国」・「核超大国」としてのアメリカ帝国主義に隷従していることとも不可分なのである。〔「核安全サミット」(三月)において野田が「核テロ対策」こそが福島原発事故の教訓≠ネどと――アメリカ主導の「核テロ防止」=「核管理」体制を構築するというオバマ政権の意に従って――ほざいたことに、それは如実に示されている。〕
 われわれは、これらのことを原発再稼働に反対する闘いに起ちあがっている労働者・人民にあまねく暴露しながら、野田政権による原発再稼働を阻止する闘いを、日米新軍事同盟の強化に反対する反戦・反安保の闘いと同時的・一体的に推進するべきなのだ。
 そしてわれわれは、以上の闘いと同時に、野田政権による消費税大増税阻止、日本のTPP参加反対の闘いをもまきおこし、もって今やダッチ・ロール状態に突入した野田政権を打倒する闘いの一大爆発をかちとるのでなければならない。
 「国民の生活が第一」などというかつての欺瞞的なマニフェストをさえ完全に投げ捨て、いよいよ対米隷従≠フ姿勢をむきだしにしながら反動諸攻撃に突進しているのが今日の野田政権である。今こそわれわれは、「連合」指導部の闘争抑圧を打ち破り日共中央の闘争歪曲を弾劾して、反動野田政権を打倒する闘いの大高揚をかちとるのでなければならないのだ。
 すべての労働者・学生は総決起せよ。
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JP12春季闘争の爆発を!

春闘裏切り妥結弾劾! 新「人事・給与制度」導入反対! 郵政大リストラ反対! 欺瞞的「民営化見直し」弾劾!

 すべての郵政労働者諸君!
 日本郵政経営陣は、「郵便再生」(郵便事業会社)、「経営体質転換」(郵便局会社)をシンボルとして掲げた事業再構築策をうちだし、そのリストラ諸施策の実現のためにすべての郵政労働者に首切り・強制配転・労働強化の攻撃を熾烈にかけている。そして三月十五日、経営陣は、JP労組が要求する「定期昇給の完全実施」「一時金三・五ヵ月」等にたいして、「定期昇給は実施」「一時金年間三・〇ヵ月」「業績が計画を大幅に上回った場合、特別手当を支給する」と回答し「組合員の皆さんのモチベーションを高めていただくため」(社長・斎藤)だなどとコメントした。これにたいして本部労働貴族は、「厳しく『人への投資』をもとめた。(経営陣の)英断に敬意を表したい」「事業の持続的発展のために労組として責任を果たす」(委員長・臼杵)と呼応しすぐさま妥結した。労使のトップがたがいに賞賛しあい、一昨年と比して一人あたり年間四十数万円にもなる二年連続での年間賃金大幅切り下げと、生産性向上への献身≠駆りたてる「特別手当」とを合意したのだ。それだけではなく、当局が「新『人事・給与制度』の交渉再開」を求めたことにたいして、本部は「事業改革・損益改善の取り組み速度を早める必要がある」と積極的に応じた。このことは、現行の成果主義にもとづく「人事・給与制度」を、仕事・役割・貢献度≠ネるものを基軸としてよりいっそう能力主義・実績主義をつらぬいたものへ改悪することを労使で合意した、という意味をもつ。本部労働貴族にとっては、困窮を極める郵政労働者の切実な「生活改善」要求は二の次ぎ三の次ぎのことでしかない。賃上げは我慢しろ≠ニ言うだけでなく、賃上げのためにはもっと生産性を上げよ≠ニ宣まわっているのだ。これを断じて許してはならない。本部は、当局の掲げる「一二年度黒字必達は至上命題」という経営目標をおのれのものとし、春闘要求の基礎づけを「業績向上」のための「人への投資」に歪め、今春闘を「郵便再生」「経営効率の向上」を掲げたリストラをめぐる労使協議の場に歪曲したのだ。われわれは、本部の裏切りを満腔の怒りを込めて弾劾しよう! そして、本部の裏切り的指導をのりこえ、郵政当局による首切り・配転・労働強化の攻撃を総力で粉砕しよう!
 われわれは同時に、野田反動政権がすすめる消費税増税、原発再稼働をはじめとする反動諸攻撃に反対しよう。さらに、野田政権による欺瞞的「郵政民営化見直し」に反対し、「郵政民営化法」の完全撤廃をたたかいとろう。われわれは、「心ひとつに」を看板とし「郵政各社の持続的発展」を掲げて「事業救済」を号令する本部労働貴族の闘争抑圧を打ち砕き、今春季闘争を戦闘的にたたかおう!


(以下、見出し)
A 日本郵政がおしすすめる大リストラ

1 「郵便再生・経営効率の向上」を掲げた諸攻撃

2 「郵政民営化見直し」に期待をかける日本郵政経営陣

B 郵政大リストラ反対! 欺瞞的「郵政民営化見直し」を許すな!

1 JP労組本部方針の反労働者性

2 本部の賃下げ妥結≠弾劾し春季闘争を断固として闘おう
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シリア・アサド政権による人民大虐殺を弾劾せよ!


勤労人民にたいする暴圧を続けるアサド政権

シリア―中東をめぐるロシア・中国と米・欧の角逐の激化

介入≠ノ二の足を踏むオバマ政権

暴虐に抗し闘うシリア人民と連帯し闘おう


 ロシア(ならびにイラン政府)の軍事的なバックアップを受けることによって主要都市を軍事的に制圧しているアサド政権は、アメとムチの政策を使い分けながら瓦解寸前の支配体制をなんとか維持しようとしている。とりわけ、反政府勢力が現政権との「対話」の是非をめぐって、また米・欧(イスラム諸国)にたいする「介入要請」の是非やその程度をめぐって分裂している現状につけこんで、この政権は対イスラエル最強硬派≠任じていることをおしだしつつ、「国外勢力の陰謀を許すな」とことさらに強調してみせているのである。
 宗教的には人口の一割程度を占めているにすぎないアラウィー派(土着宗教とキリスト教とシーア派的イスラームとの折衷)系部族を支持基盤にしている彼らは、ネポチズム支配体制を維持するために国家権力の暴力装置の主要部分に一族郎党を配している。それだけではなく、シリアの勤労人民がイスラエルと、これを支持して対中東の二重基準をとっているアメリカ帝国主義権力者とにたいして憤激を抱いていることにつけこんで、アサド政権は<反米・反シオニズム>の旗幟をおしだしている。対外的にはイランのアフマディネジャド政権と連携して<反米・反シオニズム>の共同戦線≠構築し、ハマスやヒズボラを支援しているのである。国内でも与党連合「国民進歩戦線」を結成し、そのもとにシリア共産党などの「左」派諸組織やナセル主義諸グループをとりこんできていた。
 だがいまや、<反米・反シオニズム>を国是としておしだし、あたかも「アラブの大義」、シリア・パレスチナ人民の利害を体現しているかのようにおしだしているアサド政権の化けの皮がはがれたというべきである。一万人以上のシリア民衆の屍のうえに君臨しているアサド政権とは何か! 彼らは、アラウィー派の支配層・二〇〇〇年以来の「経済自由化」諸施策の恩恵を被ってきた都市新興ブルジョアジーと、イスラエルによるゴラン高原占領に憤るシリアの労働者・農民のうえに君臨し、あたかもシリア人民共通の利害を体しているかのようにおしだしながらも、その実、前者の利害を貫いて強権的支配をおこなっている軍事ボナパルチズム権力以外の何ものでもない。国民評議会指導部と全国調整委員会との主要な対立点のひとつは、政権との「対話」を容認するかどうかにある。それは畢竟、このアサド政権をどのように評価するのかの問題に帰着するのである。
 シリアのたたかう勤労人民は、アサド政権の暴圧下においても「アサド退陣!」を掲げて、全国各地で果敢にデモンストレーションにたちあがり、また自由シリア軍傘下の兵士たちは勇敢に武装闘争を展開している。彼らは、アサド政権による残虐な大弾圧や政権の腐敗を弾劾しているだけではなく、「経済自由化」と食糧国際価格の高騰によっていっそう悪化した貧困(国民の三分の一が一日一ドル未満で生活している)に抗議して決起している。そして、パレスチナのハマスも「自由と民主主義、改革のためにたたかうシリアの勇敢な人々をたたえる」(二月二十四日、パレスチナ「自治政府首相」ハニヤ)と民衆の決起を支持している。
 われわれは、アサド政権の暴圧に抗してたたかうシリア人民と連帯するとともに、彼らにたいして、反目し・離合集散をくりかえしている反政府勢力指導部をのりこえ、労働者・勤労人民の<反アサド、反米・反シオニズム>の強固な統一戦線を結成することを呼びかけなければならない。
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PAC3配備に怒り爆発 4・11 那覇
 四月十一日、那覇市県民広場で「PAC3の配備運用に反対し平和的解決を求める県民集会」が沖縄平和運動センター、統一連、平和市民連絡会など県内十団体の呼びかけで開催され、三〇〇人の労働者・学生・市民が結集した。沖縄のたたかう労働者・学生は、米日合同の対北朝鮮臨戦態勢をとる日米両権力者にたいする怒りに燃えて、県民集会の戦闘的高揚をかちとるために奮闘したのだ。
 「PAC3の実戦運用を許すな!」労働者・学生・市民の怒りの声が轟く
(4月11日、那覇市県民広場)

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