第2220(号2012年5月28日)の内容

<1面>
日共の「安保廃棄後の展望」論の欺瞞を暴き<反安保>の奔流を!
<4面>
野田政権による欺瞞的「郵政民営化見直し」を許すな
<5面>
社会的弱者$リり捨ての社会保障制度改悪を粉砕せよ
<2〜3面>
〈5・15沖縄〉反安保の炎立つ 5・13〜15沖縄
 県民大会の大高揚かちとる 5・13
 平和行進―普天間基地に怒り 5・13
 全学連が沖縄防衛局に抗議 5・14
 「復帰40年式典」糾弾闘争 5・15
関西学生が日米首脳会談反対 4・28 神戸
金大生が野田政権打倒を掲げデモ 4・30
沖縄全県学生マーチ 4・29 那覇
<6面>
UIゼンセン同盟のJSD併呑
「求職者支援制度」が破綻
Topics 日共の「安保条約をなくしたら」論
<7面>
各地のメーデーで奮闘
 「連合北海道」メーデー「連合石川」メーデー「愛労連」メーデー
<8面>
「東西権力者による一切の原発・核開発反対」のスローガンについて考えたこと
大阪市長・橋下が再稼働を止めたら増税だ
元日共官僚・松竹の「九条の軍事戦略」
◆うた
週間日誌は6面に掲載
 「解放」最新号
































  


日共の「安保廃棄後の展望」論の欺瞞を暴き<反安保>の奔流を!

日米両軍一体化への突進と既成反対運動指導部の腐敗

 日米首脳会談において「二国間の動的防衛協力」をシンボルとして日米新軍事同盟を飛躍的に強化する契りをかわしたアメリカのオバマ政権と日本の野田政権は、今まさに、米軍と日本国軍とをアジア・太平洋全域を作戦域とする日米統合軍として一体化させる策動に狂奔している。対中国(対ロシア)の軍事基地包囲網を構築・強化するというアメリカ帝国主義の軍事戦略にのっとって、米・日両権力者は、とりわけ沖縄の米軍基地を海兵空地任務部隊(MAGTF)のローテーション配備の環をなす最前線拠点として強化することに血眼になっているのだ。
 辺野古新基地の建設を「唯一の有効な解決策」と称してあくまでもゴリ押ししているだけではない。七月にも垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを普天間基地に新配備しようとしている。「復帰四〇年」沖縄県民大会が開催された翌日の五月十四日には、労働者・学生の反基地の声を蹂躙するかのように在沖米軍が過去最大規模のPAC3移動訓練を強行した。そして「5・15沖縄復帰式典」において首相・野田は、普天間基地の固定化と辺野古新基地の建設に反対する沖縄の労働者・人民の眼前で、「沖縄の負担軽減」というお為ごかしを厚顔無恥にも吹聴しながら「日米安保体制の役割は重要だ」などと傲然と言い放ったのだ。
 他方、中国の胡錦濤政権は、米・日両権力者がグアムおよび北マリアナ諸島の訓練場共同使用を合意するや、ただちにその近辺海域に中国海軍をさしむけ・これみよがしに軍事演習をおこなった(五月初め)。日米首脳会談において対中国軍事包囲網構築の企みが合意されたことにたいして、嫌悪感をむきだしにして牽制にうってでたのだ。しかも胡錦濤は、北京で開催された中・韓・日首脳会談(五月十三日)の際に、李明博とは個別会談をしておきながら、野田との会談は拒否するというシッペ返しを食らわせた。米・日―中(・露)の権力者どもは、ますます熾烈に政治的・軍事的角逐をくりひろげているのだ。
 同時に、失業と貧困を強制されているギリシャ労働者・人民の反逆―総選挙における「緊縮財政」政策反対派の躍進、これを引き金としたEU発国際金融危機の一挙的昂進に直撃されて、帝国主義諸国権力者は震撼させられている。アメリカ・キャンプデービッドで開催されたG8サミット(五月十八〜十九日)に集った権力者どもは、「ギリシャ危機」をめぐって右往左往し、「経済成長と財政再建の両立」などという空文句を「宣言」しただけで、実効的な対策を何ひとつ決めることができない無様な姿をさらけだした。中国を先頭とする経済新興諸国を抜きにした「主要国サミット」そのものの無意味化を、その最期的終焉を露わにしたのである。
 あらゆる部面で沈没の危機に瀕しているアメリカ帝国主義のオバマ政権は、「アメリカのグローバルな指導性を維持する」(いわゆる「新国防戦略」文書のタイトル)と叫びたてながら、軍事的には対中国の軍事基地包囲網の構築を眼目とする米軍再配置計画の推進に狂奔している。経済的・政治的にはTPPという名のアメリカ主導の環太平洋経済圏を創出することに、中国にたいする巻き返しの活路を見いだそうとしている。このオバマ政権のアガキに男妾(オカケ)よろしく身を捧げて全面協力することを誓っているのが野田政権なのだ。
 「集団的自衛権の行使」を禁じた日本国憲法第九条を亡きものにする日本国軍の米軍への一体化、「社会保障と税の一体改革」の名による消費税大増税と社会保障制度改悪、日本の農畜産漁業を壊滅に追いこむTPPへの参加、そして「原子力利用分野での日米協力」をおしだしながらの原発再稼働・原発プラント輸出の促進……これらの反人民的所業に猪突猛進している最悪の対米隷従$ュ権を、もはや一時たりとものさばらせておくわけにはいかない。日本全国の労働者・学生・人民は、いま・ここでただちに断固たる闘争をまきおこすのでなければならない。
 ところが、既成反対運動の指導部どものありさまときたらどうだ。「連合」古賀指導部は、日米新軍事同盟の強化にたいしては沈黙≠フ支持を与え、現に傘下組合における反戦・平和の取り組みを抑圧しているのだ。消費税税率の引き上げについてはあろうことか尻押ししてさえいる。野田政権にたいしてチョッピリ苦言を呈することを免罪符として、あくまでもこの政権を支える産業報国運動を組合員に強制しているのが古賀指導部なのである。反労働者的本性をむきだしにしている「連合」労働貴族どもを怒りを込めて弾劾せよ!
 代々木共産党の不破=志位指導部は、「アメリカいいなり・財界中心という二つの害悪を断ち切る改革」なるものを掲げて、野田政権にたいする対決姿勢を精いっぱいおしだしてはいる。とりわけ、日米首脳会談における合意(「共同声明」および2+2「共同文書」)を「日米軍事同盟の侵略的強化をはかるもの」と捉え、「基地強化反対、普天間基地の無条件撤去、憲法改悪反対など、一致する要求にもとづく共同のたたかいを前進させながら、『アメリカいいなり政治』の根源にある日米安保条約廃棄を求める国民的世論をひろげる」(5・1志位談話)という方針をうちだしている。そこでは「日米安保条約廃棄」がことさらにおしだされている。だがその内実たるや、日米新軍事同盟の強化に反対する闘いを次期総選挙向けの票集めに従属化し解消してしまうものでしかない、というだけではない。実質的には日米の帝国主義的軍事同盟を補完する役割を果たしさえする、きわめて犯罪的なシロモノなのである。
 米・日両権力者が戦後史を画する日米新軍事同盟の飛躍的強化の合意をかわし、日米統合軍の創設というべき日米両軍の一体化へ突進していることに抗して、われわれは日共翼下の「米軍基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、総力をあげて反戦・反基地・反安保の闘いの巨大な火柱をぶちあげるのでなければならない。この闘争のただなかで、日米新軍事同盟強化の法的根拠である日米安保条約の階級的本質を暴きだし、その破棄をかちとる意志をかためた労働者・学生を大量にうみだし組織化するために、われわれは今こそ奮闘するべきなのだ。そのためには、代々木官僚が吹聴している「安保廃棄」なるものの欺瞞性・犯罪性を満天下に暴きだすことが必要不可欠なのである。

以下見出し
「安保廃棄後の素晴らしい展望」なるものの空叫び

「中国主敵」を曖昧にした「日米軍事同盟の侵略的変質」論

「日米友好条約への転換」への解消=反安保の放棄

権力者どもの理性にすがる「平和的安全保障」

日米新軍事同盟の飛躍的強化に反対する戦列を強化せよ
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野田政権による欺瞞的「郵政民営化見直し」を許すな

「民営化法」の完全撤廃を闘いとろう!

金融二社株の売却「凍結」解除
郵便局会社と事業会社の合併

ユニバーサルサービスを名分とする「見直し」策の反動性

郵政経営陣の大リストラ攻撃を打ち砕け! 「民営化法」完全撤廃をめざして闘おう

 野田政権による「一部改正法」の成立を区切りにして、郵政経営陣は経営上の足枷となっていた郵便局会社と郵便事業会社の分社化の壁≠フ解消に欣喜雀躍し、すでに郵便・貯金・保険の三分野で新規事業への参入に意欲を示している。だが分社化の壁≠ェ取りはらわれたからといって、会社間取り引きにかかわる消費税負担(五〇〇億円と言われている)が軽減されはするものの、郵便事業会社の経営危機と郵便局会社の経営不振が打開しうるわけではない。ましてや郵便物の年三%の減少による約五〇〇億円の減収傾向が改善されるわけでもない。このことを承知している経営陣は、分社化の壁♂消をも契機として、本社・支社の統合、郵便局の統廃合、郵便窓口の一本化をはじめとする郵政再構築を企んでいるのである。斎藤経営陣は「人件費などコスト見直し」の徹底と「郵便再生ビジョン」にもとづくリストラ策によりいっそう力を注ぐことを表明している。
 郵政経営陣は、「一部改正法」が成立したからといっても、小泉政権が強行した「郵政民営化」によって切り下げられたサービスと大幅に値上げされたサービス利用料金を修復することなく、そのまま固定化させたうえで、合併を契機にして郵便局の統廃合や郵便局の簡易郵便局化をおしすすめようとしている。利用者である労働者勤労人民にとっては、新たなサービスの切り下げが必至なのだ。
 経営陣は、郵政労働者にたいしては、「仕事・役割・貢献度」を基準として成果主義・実績主義を貫いた「メリハリある人事・給与制度」を導入しようとしている。固定的な業務を担い、決して昇級することもない「新一般職」なるものを導入しその賃金を切り下げる、(小集団マネジメント=班別収支管理の導入と結びついた)日々の業務にたいする貢献度をポイント制で評価する、基本給部分を大幅に縮小し役割成果給部分を拡大するとともに業績にもとづく手当てを拡充する、などを強制しようとしているのだ。さらに「郵便再生」リストラを加速し、郵便区分作業やコールセンター業務や各種間接部門を集中化し、労働生産性を高めつつ大幅な人員削減を強行しようとしているのだ。

JP労組本部の労使協議への陥没を弾劾し闘おう!

 JP労組本部は、この「一部改正法」の成立を「グループ各社の持続的発展をめざすことができる内容だ」(委員長・臼杵)ともろ手をあげて賛成し、郵政経営陣とともに「新たな郵政づくり労使協議会」の設置を確認した。本部は「郵政改革の目的は、@利便性の向上、A事業の成長発展、B雇用安定と労働条件確保」だ、と述べ労使協議に全力をあげると宣言している。
 だが本部の言う「利便性の向上」にしても「雇用安定と労働条件確保」にしても、「事業の成長発展」によってのみ確保できるものと位置づけられており、経営陣が策定するリストラ策にたいしては会社経営の「効率性・収益性」が上がるか否かを基準として要求しているにすぎない。「新たな郵政づくり」と言っても株式会社形態を維持する以上、経営陣は郵政株式売却のために事業業績を上げることに狂奔することは必至なのであり、そのために利用者にはサービスの切り捨てを押しつけ、郵政労働者には大リストラをうちおろしているのだ。こうした経営陣との労使協議にうつつをぬかすJP労組本部の反労働者性は明らかではないか。
 われわれ革命的・戦闘的労働者は、野田政権による「郵政民営化見直し」策の欺瞞性を徹底的に暴きだし、郵政当局の新たなリストラ攻撃を粉砕しよう。JP労組本部の「新たな郵政づくり」を掲げた労使協議への陥没を弾劾し、今こそ「郵政民営化法」の完全撤廃をめざして奮闘しようではないか!
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社会的弱者$リり捨ての社会保障制度改悪を粉砕せよ

 「医療・介護機能再編の将来像」の反動性

 野田政権は今、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに、消費税大増税と社会保障制度の大改悪の攻撃を労働者・人民の頭上にふりおろしている。五月八日には、「消費税一〇%への引き上げ」を明示している自民党や公明党と結託して、消費税を「二〇一四年四月までに八%、二〇一五年十月に一〇%に引き上げる」ことを柱とした増税法案をはじめとする七法案の国会審議を開始した。「社会保障の安定的財源と財政健全化の同時達成の第一歩」だなどと喧伝しながら。
 日本人民の多くがみんなで支え合うことの大切さ≠感じている東日本大震災後のいまこそが絶好のチャンスとばかりに、この政権は、何がなんでも今国会での諸法案の成立を成しとげようとしているのだ。
 ここでは、消費税増税阻止・社会保障制度改悪阻止の政治経済闘争の爆発をかちとるために、政府・厚生労働省が描いている「医療・介護機能再編」(「二〇二五年モデル」)の反動性を暴きだしておきたい。

以下見出し

「消費税は社会保障の安定的財源」論のまやかし

社会保障サービスの削減と自己負担の増大

医療・介護サービス提供体制の再編

被災人民・社会的弱者≠見捨てる野田政権を許すな
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<5・15沖縄>反安保の炎立つ!

県民大会の大高揚かちとる 5・13
「基地撤去・安保破棄めざして闘おう」の革命的檄に3000労学がふるい立つ
(5・13、宜野湾市)
 「復帰四十年」を迎えた核基地の島・オキナワに、「日米新軍事同盟の飛躍的強化反対」の雄叫びが轟きわたった。わが同盟に指導された全学連のたたかう学生は、全国からの労働者の結集のもとに開催された沖縄本島での平和行進(五月十一日〜十三日)および県民大会(十三日)、そして十五日に開催された「まやかしの復帰式典を糾弾する県民集会」(主催・沖縄平和運動センター)の最先頭で奮闘した。革命的・戦闘的労働者たちと連帯して、「普天間基地撤去・オスプレイ配備阻止・辺野古新基地建設阻止」の反基地闘争を<反安保>の闘いとして高揚させるべく奮闘しぬいたのだ。
 まさに今、アメリカ帝国主義のオバマ政権と野田政権とは、「動的防衛協力」の推進をうたった四月三十日の日米首脳会談を区切りとして、日米新軍事同盟を対中・対露の攻守同盟として飛躍的に強化するための攻撃にうってでている。東・南シナ海の制海権奪取をたくらむ中国を封じこめるために、米日両権力者は、米海兵隊の沖縄・グアム・ハワイ・オーストラリア・フィリピンへの分散配備、米日統合軍≠フアジア・太平洋全域への展開にふみだそうとしている。いまや沖縄は、米・中の軍事的角逐の最前線に位置する一大軍事拠点として飛躍的に強化されつつある。この決定的局面において、琉球大学・沖縄国際大学のたたかう学生を先頭にした全学連の学生たちは、たたかう労働者と連帯しつつ、<反安保>を放棄した日共系平和運動をのりこえて諸闘争を終始戦闘的に牽引したのである。

5・13〜15沖縄闘争の革命的意義

米日両権力者の攻撃の焦点=沖縄から一大反撃

平和行進―普天間基地に怒り 5・13
普天間基地第2ゲートに向けて労学が「基地撤去!」のシュプレヒコール
(5・13)
 五月十三日の「平和とくらしを守る県民大会」に先だっておこなわれた5・11〜5・13「平和行進」において、革命的・戦闘的労働者と、たたかう学生たちは、<反安保>の旗高く、その戦闘的な高揚のために奮闘した。
全学連 沖縄防衛局へデモ 5・14
「安保の見える丘」で米軍訓練を弾劾 5・14嘉手納
嘉手納基地フェンス沿いに沖縄防衛局へつき進む
「復帰40周年式典」を糾弾 5・15
雷雨をついて労学が県民集会に起つ 5・15那覇 与儀公園
 わが同盟に領導された全学連の学生たちは、革命的・戦闘的労働者と固く連帯して、沖縄において連日の激闘をたたかいぬいた。その革命的意義は、「動的防衛協力」の名において日米新軍事同盟の飛躍的強化が画された日米首脳会談の直後に、この日米両帝国主義権力者の一大反動攻撃にたいして、断固たる反撃の巨弾をたたきこんできたことにある。
 琉大・沖国大の学生を先頭にした全国のたたかう学生は、平和行進・県民大会および5・15「復帰記念式典糾弾集会」を、既成指導部の「反安保」なき「基地の整理・縮小」請願運動をのりこえ、まさに「安保反対」の旗幟を鮮明にし・反戦反安保闘争へとぬりかえるために奮闘した。平和行進三日目、米軍普天間基地第二ゲート前で全学連の部隊があげた「普天間基地撤去! オスプレイ配備阻止! 日米新軍事同盟強化反対!」のシュプレヒコールに、多くの労働者が唱和しともに拳をあげた。平和行進団の街宣車からも「安保反対!」「日米軍事同盟反対!」のシュプレヒコールが響きわたった。彼らは、「『動的防衛協力』の名による日米新軍事同盟の飛躍的な強化反対」というわが革マル派と全学連の呼びかけに共感し、ともに「安保強化反対」の怒りの拳をあげた。ここに、わが闘いの結実がはっきりと示された。
 「復帰四十年」の今日、ますます在沖米軍基地が強化される現実に「四十年経っても何も変わらない」「政府はどこまで沖縄を痛めつけるのか」と、野田民主党政権にたいする怒りに震えている沖縄の労働者・人民に、わが革マル派の「基地撤去・安保破棄めざしてたたかおう!」という熱い檄が深く広く染みとおったのだ。
 沖縄県内外の革命的・戦闘的労働者たちは、「日米安保条約堅持」を基本方針とする「連合」古賀中央指導部が、下からの反戦反基地運動を抑圧していることに抗して職場から反戦・反基地の闘いを創造してきた。そして、平和フォーラム系の労組をはじめとする労組の幹部を突きあげて、多くの組合員とともに組合旗やのぼりを携えて平和行進・普天間基地包囲行動に参加し、その高揚のために奮闘した。そればかりではない。沖縄でたたかう革命的・戦闘的な労働者たちが、沖縄平和運動センター指導部を突きあげたことによって、来沖する野田に抗議する「復帰式典糾弾集会」がもたれた。この集会を戦闘的に高揚させるために、たたかう労働者たちは雷雨の中を奮闘した。全学連の部隊は、労働者たちと固く連帯して、「反安保」の旗高くたたかいぬき、「沖縄の負担軽減」を吹聴しつつ来沖した首相・野田を怒りの闘いで断固迎え撃ったのである。
 日米新軍事同盟を飛躍的に強化するための新たな攻撃が、日米両権力者によって熾烈にしかけられている「核基地の島オキナワ」。そのど真ん中において、全学連の<安保粉砕>の声が連日にわたって轟きわたった。まさにこの闘いによって沖縄現地闘争の戦闘的な高揚を断固としてきりひらいたのである。
 ところで、この復帰四十年目の「5・15闘争」のうねりから完全にはじきとばされていたのが日本共産党の不破=志位指導部にほかならない。彼らは、オスプレイ配備に抗議して普天間基地第一ゲート前で開催されていた集会に、日共衆院議員・赤嶺や次期総選挙候補者を先頭にごく小規模で参加し、お茶を濁したにすぎなかった(5・13、5・15)。彼ら代々木官僚は二年前、鳩山民主党政権にたいしてオバマ政権が辺野古新基地建設をねじこもうとしたまさにその時に、「オバマ政権は聞く耳を持った政権だ」などとほざくという歴史的大罪に手を染めたのであった。この犯罪をわが同盟が暴露してきたことによって、沖縄の労働者・勤労人民から総スカンを食らい完全に浮きあがったのが代々木官僚にほかならない。
 彼らは、みずからが犯した大罪について一片の自己批判もなく、いままた「アジアと世界の平和の流れ」「米・中の戦争はおこりえない」なる幻想を労働者に垂れ流すとともに、ただ選挙向けの政策宣伝としてのみ、「安保廃棄後の素晴らしい展望」なるものを口先で叫んでいるにすぎない。
 しかもその内実は、「アメリカいいなり」をあらため、「アメリカと対等・平等の友好関係」を築くために日米安保条約を「日米友好条約」に転換するというものであり、現存民主党政権に外交政策の転換をこいねがうものでしかない。現にいま日米両権力者がおしすすめている日米新軍事同盟の現実的な強化の策動とはまったく無縁に、安保同盟の問題性を現存政府のもとでのたんなる外交政策選択上の問題にきりちぢめているのだ。この意味において彼らは口先の「安保廃棄」の強調にもかかわらず、事実上いぜんとして「反安保」を放棄しているのである。
 わが同盟はこの日共指導部の腐敗を満天下に暴露しつつ、いっさいの既成指導部の「反安保」なき「基地の整理・縮小」請願運動をのりこえたたかうべきことを訴えた。わが反戦反安保闘争の本領を発揮するかたちでたたかいぬかれた沖縄現地闘争の地平にふまえて、沖縄・全国のすべてのたたかう労働者・学生は、わが同盟とともに勝利をめざしてさらに前進しようではないか。
 「普天間基地即時撤去・普天間基地へのオスプレイ配備反対・米海兵隊の辺野古新基地建設阻止」の闘いを、「『動的防衛協力』の名による日米新軍事同盟の強化反対」をかかげ・<反安保>の闘いとして断固推進せよ。<基地撤去・安保破棄>めざしてたたかおう。米日両国に対抗して中国とロシア両国がおしすすめている対抗的な核軍事力増強にも断固反対しよう。
 この反戦反安保の闘いを、「大飯原発3・4号機の再稼働絶対阻止」を焦眉の課題とする原発・核開発阻止闘争、さらには消費税大増税阻止の政治経済闘争と同時的・一体的に推進せよ。もって、反動の牙をむきだしにする野田政権を労学の実力で打倒せよ!
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「九条の軍事戦略」を吹聴する元日共中央官僚・松竹

 数年前まで日共政策委員会外交部長であった松竹伸幸が、みずからのブログにて「九条の軍事戦略」と称する新説≠開陳している。その骨子は以下のごとし。
 「国民多数は、九条と軍事力の両方を肯定」しており、「自衛隊を容認する世論はどんどん広がっている」。このもとで、護憲派は「国民多数が支持できる軍事戦略」をもつ必要がある。「安保の抑止力」に代わって「九条の軍事戦略」を、すなわち「九条にもとづいて自衛隊を使いこなしていくことによって日本の安全を確保するという戦略」を提示するべきだ。「九条の軍事戦略の具体的な姿」とは――「九条の制約」のもとで「専守防衛を戦略のベースとする」。「侵略には反撃するが過剰な反撃はしない」。「専守防衛では足らない部分」を「外交戦略」で補う。
 こうした主張は、自衛隊=日本国軍の存在を全面的に肯定するものであり、かつての日本権力者が建て前としてきたがすでに投げ捨てられて久しい「専守防衛」を拾いあげ、ホコリを払って「九条の軍事戦略」というラベルを貼りつけるという体のものでしかない。いわば保守ハト派の防衛論≠ニでもいうべきものだ。
 かつて松竹は、「自衛隊はできるだけ持たないようにしようとか、侵略に対抗するのに自衛隊を使わない方がいいとか、そんなことで一致点をひろげるのでは」ない、「自衛隊を活用するという点では気持ちを共有している」と表明すべきだ、と日共発行の『議会と自治体』で主張した。これが「自衛隊は違憲」とする党中央の「基本的見地」に反する、と断罪され、「自己批判」を強要されたのであった(〇五年)。〔本紙第一八六七号、『新世紀』第二一八号御堂論文を参照。〕代々木中央勤務から離れた今、みずからの主張を心おきなく全面開花させたといえなくもない。
 けれども、そもそも「憲法と自衛隊との共存」「国内と海外での自衛隊の平和的活用」を公言しはじめたのは、当時の議長・不破その人であったのだ。不破=志位指導部じしんが、「自衛隊は憲法違反」ということを枕詞≠ニしながら、そのじつは「自衛隊の段階的解消」を掲げ、安保条約を廃棄したとしても有事の際には自衛隊を活用する≠ニ積極的に謳っている。この「自衛隊の活用」論を「『日本が攻められたらどうするのか』という疑問への説得力のある回答」だと胸を張っているほどだ(志位の「綱領教室」第九回、一一年十二月)。こうした「憲法と自衛隊の共存」論を煎じつめれば、松竹の言う「九条の軍事戦略」のごとき絶対矛盾的自己同一≠フような珍説が飛びだしてくるのはむしろ必然なのである。
 なお、「九条の軍事戦略」という用語は、かつて防衛官僚として新ガイドライン策定にとりくみ・内閣官房副長官補としてイラク派兵を統括した柳澤協二の提起によるもの。現在では『脱・日米同盟』を公刊し「アメリカに頼らない安全保障」を主張している柳澤は、元宜野湾市長・伊波洋一との対談において言う――「護憲派の方々に求められるのも、安保に代わって、九条にもとづく軍事戦略をどう構築するかということ」と(『対論 普天間基地はなくせる 日米安保の賛成・反対を超えて』)。この冊子の編集者であった松竹が、柳澤の提起に飛びついた、というわけなのだ。
 かくして、元防衛官僚などの「保守層」と代々木官僚との橋渡し役をイデオロギー的にも実体的にも買ってでているのが、ズッコケ代々木官僚の松竹なのである。
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日米首脳会談反対の声轟く  関西の学生が三宮を戦闘的デモ 4・28 神戸
「反動野田政権を打倒するぞ!」闘う学生たちの怒りの声がアーケード街にこだます
(4月28日、神戸市中央区)
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金大生が野田政権打倒を掲げデモ 4・30
 「野田反動政権を打倒するぞ!」   香林坊デモに闘う学生が決起
「原発・核開発反対! 増税阻止!」かけ声高く金沢市街を行進
(4・30)
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日米新軍事同盟強化に反撃  沖縄全県学生マーチ 4・29 那覇
国際通りに「日米首脳会談反対! 安保強化反対!」のシュプレヒコールが轟く
(4月29日、那覇)
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各地のメーデーで奮闘
「連合北海道」メーデー
 五月一日、文字通りの五月晴れのもと、「連合北海道」主催のメーデーが北海道各地で総勢八万人の組合員の参加のもとに開催され、札幌集会には五〇〇〇人が結集した。
大通西8丁目広場
「連合石川」メーデー
 「救国」産報運動に抗し奮闘
本部ダラ幹にたいして労働者が怒りのヤジ
(5・1、金沢市・石川県中央公園)
「愛労連」メーデー
日共系ダラ幹の抑圧に抗して奮闘する「愛労連」の労働者
(5・1、名古屋市・白川公園)
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