第2222号(2012年6月11日)の内容

<1面>
今こそ労働戦線から反安保の炎を
 「連合」中央の「救国」産報運動を突き破り闘う戦列を強化せよ
夏季一時金の三割カンパを訴える
<4〜5面>
「社会保障と税の一体改革」大綱の反人民性
 日本帝国主義国家の財政危機突破策
<2面>
闘う学生が関電支社に抗議 5・17 名古屋
<3面>
エジプト 激突の大統領選への突入
<6面>
道教委の反動的「学力向上」施策に反対しよう!
ルネサスが1万4千人を削減
被災地 自治体労働者に急増する自主退職・精神疾患
Topics 政府・東電が家庭向け電気料金を大幅値上げ
<7面>
うた
万華鏡2012
◆ムラの秘密勉強会
◆「除染」すれば安全?
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<8面>
反スターリン主義運動の<原点>をわがものに
 『黒田寛一初期論稿集』第七巻発刊に思う
  「解放」最新号





























  


今こそ労働戦線から反安保の炎を

 
「連合」中央の「救国」産報運動を突き破り闘う戦列を強化せよ

 首相・野田は五月三十日、ついに関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を決断する時機がきたと言明した――この野田政権の反動諸攻勢がいよいよ激化するもとで、「連合」古賀指導部は、この政権の安全保障=外交政策、原発=エネルギー政策、そして「社会保障と税の一体改革」の名による消費税増税策などについて公々然たる支持・協力を表明している。のみならず、政府の諸政策に反対したり企業の諸施策(リストラなど)に抵抗したりする労働組合運動を徹底的に抑圧している。
 このような現状において、労働戦線の深部から反戦・反安保の闘いをきりひらくことは困難をきわめている。しかし、わが革命的・戦闘的労働者たちは、「救国」産報運動に邁進する「連合」労働貴族どものぶ厚い壁をぶち破るとともに、「保守層との共同」の拡大を自己目的化する日共スターリニスト党による反戦・反安保や消費税増税反対の諸闘争のねじ曲げを突き破るために組織的に奮闘している。危機と変質を深める日本労働運動の現状をドラスチックに変革する力をもっているのは、革命的マルクス主義でみずからを武装し日夜組織的に奮闘しているわが革命的・戦闘的労働者以外にはありえない。今こそ、労働戦線の深部から反戦・反基地・反安保の炎を燃えあがらせねばならない。

以下見出し
対米隷従を深める野田政権と日本労働運動の危機

「安保堅持」を謳い原発再稼働を尻押しする「連合」労働貴族

 武器輸出三原則の見直しを絶賛する基幹労連指導部

 「連合」中央の「国際政策」の欺瞞性

 「安保廃棄後の展望」を空叫びする日共中央

反戦反安保・原発再稼働阻止・消費税増税阻止の奔流を!

 安保破棄をめざす戦列を創造せよ

 大飯原発3・4号機の再稼働を阻止せよ

 大増税=人民への犠牲転嫁を許すな
Top

  


すべてのたたかう仲間に

 夏季一時金の三割カンパを訴える

 日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 野田政権はいま、原発再稼働、日米新軍事同盟の飛躍的強化、消費税大増税の一大反動攻撃を、労働者・人民の頭上にうちおろしてきている。
 この政権は、電力の「低コスト・安定供給」という独占資本家どもの要求に応えるとともに、エネルギー安全保障・潜在的核兵器保有能力の保持という国家戦略を護持するために、いまなお続く原発被災民の苦しみを一顧だにせず、全国で高まる「再稼働反対!」の声を踏みにじり、原発の再稼働に突進している。アメリカ・オバマ政権への隷従を誓って「日米共同声明」において「動的防衛協力の強化」を謳いあげ、日米新軍事同盟を対中・対露攻守同盟として飛躍的に強化することを傲然とうちだしてもいる。そして、国家財政危機のもとで、膨れあがる軍事費支出を確保するためにも、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに消費税大増税を強行しようとしているのだ。
 野田政権のこの一大反動攻撃にたいして、だが労働者・人民の闘いは、既成指導部の腐敗のゆえに低迷し危機的状況に追いやられている。「連合」労働貴族は、反労働者性をむきだしにしているこの政権をなおも全面的に翼賛し、「日米安保条約堅持」「原発推進」の姿勢をとりつづけ「社会保障と税の一体改革」を尻押しするという、「救国」産業報国運動を労働者たちに強制しつづけている。日共の不破=志位指導部は、「あるべき外交ビジョン」として「安保条約廃棄」を、エネルギー政策の転換を求めて「原発ゼロ」を、そして「消費税によらない財政再建策」を掲げ、選挙での票集めのためにこれらの代案の宣伝に明け暮れているにすぎない。既成指導部のこうした腐敗を弾劾し、原発再稼働阻止・日米新軍事同盟の強化反対・消費税大増税反対の一大闘争を爆発させるために、今こそ全力で奮闘しようではないか!
 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 いまソブリン危機・金融危機にゆれるヨーロッパやアメリカなど世界各地において、失業と貧困と格差拡大への怒りに燃えて、労働者・人民が起ちあがっている。資本主義のどん詰まりの危機に根ざして燃え広がっているこの闘いは、しかしスターリン主義ソ連邦の自己崩壊がもたらした脱イデオロギー状況のゆえに、プロレタリアートの階級的自己組織化をめざすものへと発展させられずにいる。民族排外主義の台頭さえもがうみだされている。
 このような階級闘争の危機的現実を根底から覆すために、いまこそ自己崩壊したスターリン主義の反マルクス主義的本質を徹底的にあばきだし、マルクス共産主義思想を甦らせる思想的=組織的闘いが断固として展開されなければならない。わが反スターリン主義運動の飛躍と全世界への拡大を全力でおしすすめよう!
 こうした闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。
 二〇一二年六月

<送り先> 東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三 解放社
 (振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六)

Top
 

   

「社会保障と税の一体改革」大綱の反人民性

 日本帝国主義国家の財政危機突破策

 五月八日、極反動・野田民主党政権が今国会に提出した「社会保障と税の一体改革」関連法案をめぐって衆議院本会議での審議がついに開始された。首相・野田は、「消費税の問題をもはや先送りする時間はない」「政治生命をかける」と言いはなち、今国会において消費税増税法案をはじめとして関連法案を何が何でも成立させるために突進している。小沢一郎の政治資金規正法違反問題「無罪」判決と民主党幹事長・輿石による小沢の処分解除≠ノよって勢いづく小沢系議員の消費税増税法案反対を叫んでの造反=Bその動きに揺さぶられながらも、野田は「一〇%への増税」を公約としてきた自民党との連携の策謀をもめぐらしつつ、関連法案を成立させるために強行突破をはかろうとしている。
 こうした野田の強硬姿勢こそは、EU発国際金融恐慌勃発の危機の切迫と世界的大不況の深まり・歴史的な円高に直面して未曽有の経済危機の泥沼にのたうつ日本帝国主義、これを「国難」と騒ぎたて危機感を募らせている独占ブルジョアジーの強力な圧力にもとづく。「社会保障と税の一体改革」なるものは、こうした日本帝国主義の危機を労働者・勤労人民への犠牲転嫁=消費税大増税と社会保障制度の改悪とによってのりきるための方策にほかならない。しかも、「国難突破」のための国民の「負担の分かち合い」=「きずな」強化を煽りたてつつ仕掛けられているこの攻撃は、まさに日本型ネオ・ファシズム支配体制を強化していくための反動的諸攻撃の一環をもなすのである。
 われわれは、消費税税率大幅引き上げと社会保障制度の改悪を粉砕する闘いを、原発再稼働阻止の闘い、そして日米新軍事同盟の強化に反対する闘いとともに同時的・一体的に創造し断固としておしすすめるのでなければならない。この闘いの爆発をかちとり、もって極反動・野田政権を打倒しようではないか。
 以下、消費税増税法案のベースになっている「社会保障と税の一体改革」大綱の反人民性を暴きだしていくことにする。

以下、見出し
T 消費税大増税と社会保障制度の大改悪

 A 「支え合う社会の回復」の名による消費税税率の大幅引き上げ

 B 反人民的な社会保障切り捨ての強行

 C 「国民総背番号制」の導入

U 財政危機・経済危機突破のための労働者・人民への犠牲転嫁
Top

    


エジプト 激突の大統領選への突入

 こんにち、ムスリム同胞団(以下「同胞団」と記す)が推すモルシと、「革命の継続」を謳う候補者たち、そして国軍・旧ムバラク与党勢力に支えられたシャフィクとが大統領の座を争っている。この大統領選挙の構図を決定したものは、従来は大統領選に候補者をたてないとくりかえし表明していた同胞団が、三月十日の立候補受付開始から三週間もたった三月三十一日になって、突如として独自候補(当初の候補者は同胞団副団長のシャーティル)擁立を決定したことであった。この同胞団の突如の立候補決定はエジプト国家の権力を掌握している軍部=タンタウィを頭目とする国軍最高評議会にたいしてはもちろん、反軍政諸政治勢力にたいしても強い衝撃を与えた。
 同胞団が設立した「自由公正党」が昨年十一月〜今年一月の人民議会選挙において圧勝し過半数に迫る議席を獲得しているだけではない。これまで同胞団は「大統領選には立候補しない」ことをくりかえし表明してきた(『新世紀』第二五八号、嶋論文参照)。その同胞団が方針を急転直下転換したのである。

以下、見出し
軍事政権と同胞団の熾烈な攻防

権力の座への居座りを策すタンタウィ軍部

大統領選立候補に急転換した同胞団

不撓不屈の「反軍政」「反米・反シオニズム」の闘い
Top
 

  


反スターリン主義運動の<原点>をわがものに

 『黒田寛一初期論稿集』第七巻発刊に思う

 待ち望んでいた『黒田寛一初期論稿集』第七巻(こぶし書房)がついに刊行された。「断絶と飛躍――スターリン批判とハンガリー労働者蜂起」の表紙タイトルを見て、私は、わが反スターリン主義運動の<原始創造>の苦闘が、哲学徒から革命家へと跳躍した若き黒田さんの思想的転回と実存的格闘の足跡が、実に鮮やかに・だが重々しく表現されている、と思った。スターリン主義ソ連邦の劇的な自己崩壊から約二十年、革共同第三次分裂=革マル派の結成から約半世紀の今日、私は、本書を糧にして私自身を革命的共産主義者へと鍛えあげていく思想的・実践的の営為を断固としておしすすめていく決意を、あらためて打ち固めている。いや、何よりもまず、一九五六年に勃発したハンガリー動乱にたいして若き黒田さんがプロレタリア・ヒューマニズムと共産主義者としての主体性をつらぬき、全世界でただひとり反スターリン主義の革命的実践に決起した――この偉大な一歩を記した本書は、<戦争と貧困と環境破壊>を強制され呻吟している全世界の労働者階級を鼓舞し、みずからの解放をかちとっていく闘いへの熱烈な檄である、と私は思うのである。

(以下、見出し)
A 苦闘する全世界労働者階級にたいする熱烈な檄

B 哲学徒から反スターリン主義の革命家への飛躍

C 黒田さんの<死んで生きる>実存的格闘に学ぶ
Top
  


  
闘う学生が関電支社に抗議 5・17 名古屋

「大飯原発3・4号機の再稼働阻止!」
 五月十七日、愛知大学昼間部学生自治会と名古屋大学理学部学生自治会のたたかう学生たちは、大飯原発3・4号機の再稼働を企む関西電力にたいする抗議行動に決起した。
愛知大・名古屋大のたたかう学生が関電東海支社に怒りのシュプレヒコール
(5月17日)
Top