第2227号(2012年7月16日)の内容

<1面>
原発・核開発阻止の一大奔流を
原発再稼働阻止! オスプレイ配備阻止! 消費税増税阻止
 極反動野田政権を打倒せよ

<4面>
「連合」式社会保障政策の反動性

<5面>
被災人民切り捨て・独占資本支援の「震災復興策」

<2面>
原発再稼働阻止! 野田政権打倒!」
 全学連先頭に首相官邸に肉迫 7・6

矢臼別演習阻止に起つ 6・10 北海道
野田の「追悼式」参加を弾劾 6・23 沖縄


<3面>
関電・米総領事館に怒りの拳 6・17 大阪
労学が野田政権打倒に決起 6・17 札幌
大飯3号機再稼働反対」金大生がアピール 6・15

<6面>
Topics 対米隷従大連立≠フ応援団=古賀
「国防意識」発揚を叫ぶ「連合」指導部を弾劾 6・23―24 沖縄
介護報酬改定で賃下げ・労働強化

<8面>
第50回国際反戦集会 海外アピール
 全世界で高まる戦争的危機をうち破れ!

<7面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆党分裂がとまらない
◆カイバル峠再開
◆ニュートリオ

●大飯3号機、事故・警報が続発

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号












































  


原発・核開発阻止の一大奔流を!


原発再稼働阻止! オスプレイ配備阻止! 消費税増税阻止!

極反動野田政権を打倒せよ
全学連を先頭に首相官邸に「再稼働反対」の怒りを叩きつける
(7月6日)
 民主党分裂をいとわずに小沢一派を党からたたきだした野田を首班とする民主党政権は、「社会保障と税一体改革関連法案」を何としても参議院において可決=成立させるために、自民・公明両党との政策的部分連合(パーシャル連合)を基礎にして突進している。すでに民主党と自民党は、七月十一日の参議院本会議において消費税増税を柱とするこの法案の審議に入ることを合意した。〔これにたいして、「消費税増税反対」を掲げて民主党を離党した小沢一郎ら五十一人のうち、四十九人が「国民の生活が第一」という名の新会派を結成した。〕
 民主党と自民党は、原子力規制委員会設置法にかんしても一致協力してこれを成立させた。民・自両党は原子力基本法に「我が国の安全保障に資する」という文言をつけ加えることによって、潜在的核保有というドス黒い野望をむきだしにしたのである。
 まさに今、民主・自民両党は、消費税増税のみならず原発・核開発推進の政策にかんして政策的連携を強めている。そしてまた「集団的自衛権行使の合憲化」を策す野田政権は、日米安保強化・改憲を党是とする自民党との結託を強化しているのである。対米自立≠志向する小沢一派を切り捨てた民主党と自民党とのこうした政策的連携の強化こそは、超反動的な民・自対米隷従連合′`成の策動にほかならない。
 この重大局面において、わが同盟は呼びかける! 野田政権が民・自の政策的連携を強化しつつ打ちおろしている、原発再稼働、オスプレイ沖縄配備、消費税増税という画歴史的な一大反動攻撃を打ち砕く闘いの炎を、すべてのたたかう労働者・学生は労学両戦線から燃えあがらせようではないか!
 今、原発再稼働に突き進む野田政権にたいして、首相官邸前を埋めつくした巨万の労働者・学生・市民が「再稼働反対」の怒りの拳をあげている(六月二十九日、七月六日)。全学連のたたかう学生が、この闘いを戦闘的に牽引している。今こそわれわれは、「連合」指導部の闘争抑圧を打ち破り、日共中央をはじめとする既成指導部の「エネルギー政策の転換」要求運動をのりこえ、原発再稼働阻止、全原発・核燃料施設の即時廃棄の闘いの大爆発をかちとるのでなければならない。われわれは、起ちあがりつつある労働者・学生・市民に「再稼働に突進する野田政権を人民の力で打倒せよ!」の檄を発しつつ、闘いの質的転換をかちとるためにたたかおう!
 怒りが全島で噴出する基地の島沖縄、そして全国各地において、「オスプレイ配備阻止! 普天間基地撤去!」の闘いの大爆発をかちとるために、∧反安保∨の旗を高々と掲げてたたかいぬこう。消費税増税法案の参院採決を絶対に阻止するために力の限り奮闘しよう!
 すべての労働者・学生は、反動野田政権を打倒するために、決意も新たに総決起せよ!

以下、見出し

原発再稼働・核燃料サイクル開発に突進する野田政権

オスプレイの沖縄配備に狂奔する米日両権力者

既成指導部の「エネルギー政策転換」要求運動をのりこえ闘おう
Top

  


「全世代支援」をシンボルとする「連合」式社会保障政策の反動性


 「与党の中から反対が多数出たのは残念である」(古賀)と、「連合」中央の労働貴族どもは、反対票を投じた小沢・鳩山一派を公然と非難し、民自公三党による「社会保障と税一体改革」関連法案の衆院での可決を賛美する態度を表明した。民主党政権の「大綱」から社会保障関連の諸項目をことごとく削り落とし実質上消費税増税だけとしてしまったこの法案にたいして、野田が「社会保障の充実という理念は捨てていない」とおしだしていることをもって、彼らはなおも「改革を一歩でも進めるためのものとして受けとめる」(南雲)と、おく面もなく語っている。独占ブルジョアジーの意向を体現した「連合」指導部は、自民・公明と結託し消費税増税に突進する野田政権をあくまでも支持し、参院でのこの法案の早期成立を要請しているのだ。
 古賀指導部は、二〇一一年六月に、『連合新二一世紀社会保障ビジョン』(以下『ビジョン』――断わりなき引用は同文書より)を「第三次税制改革基本大綱」と一体のものとしてうちだした。この『ビジョン』は、当時、民主党政権がねりあげつつあった構想に呼応したものであり、野田政権の「社会保障・税一体改革大綱」(二〇一二年二月十七日に閣議決定)の内容と基本的に同一の代物である。ここでは、「全世代支援型の社会保障体系」と「就労支援」という二つの問題に絞って、「連合」が提唱する「社会保障改革」なるものの反労働者性を明らかにする。

以下見出し

A 「少子高齢化による機能不全」という把捉

B 「高齢者偏重」の是正の名による切り捨て

C 「トランポリン型セーフティネット」論の欺瞞

D 野田政権による社会保障制度大改悪の補完
Top
 

   

被災人民切り捨て・独占資本支援の「震災復興策」


以下見出し

被災人民を見殺しにする野田政権

経団連とオバマ政権の意向を体現

「創造的復興」をシンボルとした諸施策の反人民性

 暴利をむさぼるゼネコン・ハウスメーカー

 大手ゼネコンに「除染」事業を丸投げ

 放射能被害の隠蔽のための「福島県民健康管理」

 「再生可能エネルギー」開発に群がる原発メーカー

 地元農家を切り捨てる「農と食のフロンティア推進特区」
Top

    


第50回国際反戦集会 海外アピール


全世界で高まる戦争的危機をうち破れ!

米(日)―中露の核軍事力増強競争反対!


第50回国際反戦集会実行委員会(全学連/反戦青年委/革共同革マル派)

全世界労働者人民の国際連帯の強化を!

原発再稼働反対! 原発輸出を許すな!


 原発再稼働に反対し、日米新軍事同盟強化に反対する闘いの炎が燃えあがっている日本から、全世界の仲間に呼びかける。来たる八月五日にわれわれは、第五十回国際反戦集会を全国各地で開催する。世界の労働者人民は団結して反戦の闘いを国際的に推進しよう! 経済危機のツケを勤労人民に押しつける悪辣な攻撃を全世界労働者の力で粉砕しよう!

 まったく許しがたいことに、日本の野田政権は、福島原発事故被災者の悲痛な叫びも万余の勤労人民の反対の声も踏みにじり、原発再稼働(福井県大飯原発)にふみきった。
 再稼働を正当化するために政府が語ってきた福島第一原発「事故収束」の弁は、真っ赤な嘘である。1〜3号機では、溶融し圧力容器をつき破った核燃料はいつ再臨界にいたってもおかしくはない。崩壊熱をなお発している使用済核燃料を入れた4号機のプールは建屋もろとも崩壊しかかっている。政府・東電は、一般人の被曝限度とされている数値の二十倍(年間二〇ミリシーベルト)という放射線量が記録されている地域で住民を・子供たちをふくめて生活させ、原発労働者には大量被曝のもとでの作業を強い、彼らを使い捨てている。すべて「事故収束」を演出するためである。なんという人非人!
 独占資本家どもの要求に全面的に応え、首相・野田は大飯原発の再稼働をいそいだ。ベトナム・トルコなどへの原発プラント輸出をすすめるためだけではない。日本政府は原発・核開発を、「エネルギー安全保障」および「潜在的核兵器保有」という日本帝国主義の国家戦略にもとづいて推進しているのである。
 アメリカのオバマ政権も、早急な原発再稼働を日本政府に強く促している。米日共同での新興諸国への原発輸出を、これら諸国の権力者を米日の側に引きつける重要な術とみなしているのである。また、日本の原発・核開発をアメリカ政府の管理・統制下に置き、「共同研究」の名のもとに日本の核関連技術を活用してゆくことをもくろんでいる。このアメリカ権力者どもは、福島の惨事を「高放射能下での軍事作戦のまたとない実験場」(海兵隊指揮官の弁)として活用したのだった。
 再稼働弾劾! 日本の原発・核開発にわれわれは断固として反対する。核惨事と放射能禍を世界にひろげる原発輸出反対! 原発・核開発反対の闘いを全世界におしひろげよ!

日米安保強化と中・露の対抗的核軍事力増強に反対しよう

 全世界のたたかう仲間たち!
 東アジアでは今、アメリカと中国とが鎬(しのぎ)をけずっている。「二十一世紀の超大国」をめざす中国は核軍事力とりわけ海軍力の飛躍的強化を基礎にして、南沙・西沙諸島の実効支配強化と南シナ海・東シナ海の「内海化」、さらには西太平洋の制海権奪取にのりだしている。この中国にたいしてアメリカ帝国主義は必死の巻き返しにうってでている。
 イラクにつづいてアフガニスタンにおいてもアメリカの軍事占領は破産した。かつて「一超」を誇ったアメリカ帝国主義は、ムスリム人民の怒りの火に包まれて這う這うの体でアフガニスタンからも逃げだしつつある。膨大な政府債務を抱えこんだオバマ政権は、国防予算削減(十年間で五〇〇〇億ドル)を義務づけられてもいる。
 この没落帝国主義は、中東・アジア「二正面戦略」を最後的に放棄し、中国を主敵とする「新国防戦略」をうちだした。これにもとづいて彼らは、対中国の軍事的包囲網構築に躍起になっている。米軍兵力をアジア太平洋地域に重点配備し、空軍海軍一体となって敵=中国軍をうち破る態勢をつくり、日本をはじめ韓国、オーストラリアなどこの地域の同盟国軍をこの米軍に連結してゆくことをオバマ政権はもくろんでいる。
 日本政府には、米日軍事同盟の未曽有の強化を約束させた(四月、米日首脳会談)。日本国軍を実戦部隊ごと米軍指揮下に組みこみ、この実質的な米日統合軍≠アジア太平洋地域における対中・対露軍事作戦の実動部隊にする、というのがその核心だ。日本は、とりわけ南西端の沖縄は、対中軍事包囲網の最前線と位置づけられた。東西冷戦の時代にはアメリカ帝国主義の「反共」核軍事基地網の最前線基地の島に――第二次大戦後にアメリカの軍事支配下におかれた時も、日本に返還された後も――されてきた沖縄が、今日では、対中臨戦態勢をとる米日両軍の最先端基地として強化されようとしているのである。現にいま、アメリカ権力者は日本政府の全面的協力のもとに、垂直離着陸機MV22オスプレイの普天間基地配備と日本全国での飛行訓練を、沖縄そして全国の労働者人民の抗議の声を踏みにじって強行しようとしている。
 アメリカ権力者は属国%本の国軍を米軍の手足として活用しようとしているだけではない。在日米軍駐留経費負担の増額はもちろん、米海兵隊の移転費や米領土グアムの米軍基地補修費まで、日本政府に押しつけている。
 オバマ政権のこうした要求を、現民主党政権は――これまでの自民党政権以上の対米忠犬ぶりを発揮して――すべて受け入れている。中国の「人民元経済圏」形成の策動に対抗してオバマが画策している「環太平洋経済連携協定(TPP)」にもとづく経済圏構築にも、日本の労働者・農民の反対の声を踏みにじって馳せ参じようとしている。
 アメリカ帝国主義の「アジア回帰」の名による対中(軍事)包囲網構築の策動にたいして、中国権力者はいっそうの海軍力強化と、ロシア権力者との同盟的結束の強化を誇示することをもって応えている。三たび大統領の座についたプーチンを胡錦濤は最大級の国賓待遇をもって迎え、両権力者は「アジア太平洋地域安全保障での協力」を改めて声高に宣言したのだった(六月、中露首脳会談)。
 強大化した海軍力をバックにしての中国の海洋進出――南・東シナ海の海底資源の独占および資源の海洋輸送路確保のためでもある――と、この中国に反発しおびえるフィリピンやベトナムの権力者を抱きこみ利用しつつ必死の巻き返しをはかる没落帝国主義アメリカ。米(日)と中(露)の角逐は、ASEAN諸国をも巻きこみつつ、火花を散らさんばかりに激化している。アメリカ帝国主義は日本や韓国などとの大規模軍事演習を絶え間なくくりかえし、他方で中国も、ロシアとの合同演習をふくめ、大規模海上演習でくりかえし力を誇示する。南シナ海のスカボロー礁=黄岩島をはさんでフィリピンと中国の艦船が二ヵ月以上にわたって角を突きあわせる事態もひきおこされた。
 米日新軍事同盟強化をわれわれは絶対に許さない! オスプレイ配備反対! 米海兵隊の普天間基地への居座りを許すな! 米日帝国主義と中露両国の相互対抗的軍事演習に反対し、米―中・露の核軍事力増強競争に反対する反戦闘争をただちに巻きおこせ! 各国政府権力者が鼓吹する民族排外主義に勤労人民が呑みこまれ屈することほどの悲劇はない。各国の労働者人民は民族の違い・国家の違いを超えて団結し、反戦闘争に総決起せよ!

「反米・反シオニズム」の旗高く闘う中東人民と連帯しよう

 アラブ・中東世界において決定的孤立に追いこまれ国家存亡の危機におびえるイスラエル権力者は、「反米・反シオニズム」を国是とするシーア派国家イランの核開発を阻止するべく、軍事攻撃の衝動をいよいよ強めている。イスラエルによるイラン核施設空爆を絶対に許すな! イスラエルのモサドはアメリカCIAと結託して、イランにたいする宣戦布告なき戦争≠ノすでに突入している。相次ぐイラン科学者暗殺・ミサイル関連施設の爆破、そして原発など核施設にたいするサイバー攻撃を、原子炉の暴走という事態もいとわずにくりかえしている。
 オバマ政権は、欧州諸国権力者とともに、イランにたいする経済制裁をさらに一段と強化している。自身は一万発以上の核弾頭を保有し、二〇〇発以上の核兵器を有するイスラエルを擁護し、しかしイランの「核開発」にたいしては、この国の原油輸出を全面停止に追いこむような経済制裁を加え、軍事的威嚇にもうってでる――この二重基準(ダブル・スタンダード)が、アメリカ帝国主義の傲岸無比な国家エゴイズムの発露でなくして何であろう。帝国主義諸国権力者の対イラン経済制裁を弾劾せよ!
 パレスチナにたいしてイスラエル権力者は、西岸地区入植地拡大・ガザ地区民衆にたいする軍事攻撃、パレスチナ戦士の大量拘留をつづけている。「檻のなかのミニ・パレスチナ国家樹立」を受け入れ屈服するアッバス指導部をのりこえ、パレスチナ人民とアラブ・中東人民はパレスチナ解放をめざして闘いを推進せよ! 世界の労働者人民は、彼らを支援し連帯してたたかおう!
 シリアにおいては、アサド政権が国軍・治安部隊・ならず者民兵組織を総動員して、この政権に反対する人民を虐殺しつづけている。この暴虐をわれわれは怒りをこめて弾劾する。
 アメリカやEUの帝国主義権力者は「アサド非難」をけたたましく叫んでいる。「反米・反シオニズム」を掲げるムスリム組織が政権を握るのを阻止しつつ、親米分子による政権奪取を願望してうごめいている。他方でロシアのプーチンは、シリアに有してきたロシア海軍基地をはじめとする自国権益の保持に血眼になっている。
 シリア人民は、アサドが言う「反米・反シオニズム」の欺瞞性をあばき、人民の血にまみれたこの軍事ボナパルチスト政権を打倒せよ! 全世界の労働者人民は、アサド政権の暴虐を弾劾し、帝国主義諸国の介入策動に反対する反戦闘争を推進せよ!
 チュニジア・エジプトをはじめとする人民の決起を「民主主義と自由のための革命」とみなすのは、米欧マスコミに毒された俗論でしかない。北アフリカ・中東世界の・その多くがムスリムである勤労人民は、腐敗せる自国政府を打倒する闘いに決起した。「アラブの大義」とか「アラブ社会主義」とかを唱えながらも、米欧帝国主義およびイスラエル権力に屈従を重ね、パレスチナの同胞を見捨てて恥じず、帝国主義国と結んで自国人民を抑圧支配し膨大な富を手中にしてきた自国政府、これを弾劾し覆すために決起したのである。この闘いは地域全域にひろがり、そして継続している。
 ムスリム同胞団のモルシが大統領選挙に勝利したエジプトでは、アメリカ帝国主義に尻押しされたタンタウィの軍最高評議会が、議会選挙やり直し命令や新「憲法宣言」を発するなど、なりふりかまわず権力の座にしがみつこうとし、これにたいして人民は怒りをたぎらせている。リビアでは、打倒されたカダフィにかわって権力を握った・米欧帝国主義の傀儡「国民評」暫定政府にたいして、各地で労働者人民が起ちあがりつつある。
 中東・北アフリカのすべての勤労人民は「反米・反シオニズム」の旗を高く掲げ、宗教・宗派の違いを超え国境を越えて団結し、自己解放をめざして前進せよ! 全世界の労働者・人民はたたかう中東・北アフリカ人民と固く連帯してたたかおう!

全世界勤労人民への貧困強制を許すな!

 今、あらゆる国で・あらゆる地域で勤労人民は失業・貧窮化・低賃金・諸権利剥奪に苦しめられている。とりわけ米・日・欧の深まりゆく経済危機のなかで、独占資本家階級とその政治的代弁人である各国政府は、いっさいの犠牲を労働者・人民に押しつけようとしている。これにたいして、労働者たちは怒りに燃えて次々と起ちあがっている。
 ユーロ圏分解の瀬戸際にある欧州。ギリシャやスペインでは若者の失業率は五〇%を超える。ギリシャ再選挙において緊縮財政を是とする新民主主義党が辛うじて第一党となり連立政権を形成しはした。だがEU中枢の権力者どもが迫る苛酷な緊縮財政政策の実行にたいして、勤労人民はますます怒りを募らせている。いっそうの公務員削減・解雇・賃下げ・社会保障縮減・増税。それは、すでに貧窮の極みにある彼らを絞め殺すに等しいものなのだ。
 ここにいたり、今になって、EU中枢の権力者どもは言う――「緊縮財政だけではなく経済成長促進も」と。いよいよ深刻化する大不況と、ますます高まる労働者人民の怒り、そして迫りくるユーロ圏崩壊の予兆に、欧州の帝国主義権力者と独占資本家どもは恐怖しおびえているのだ。だが今さら「経済成長も」と謳ったところで、何ができるというものではない。経済成長を促すことを意図して財政支出をしようにも、それは、各国政府の債務危機を深刻化させるだけであり、これが引き金となって世界金融恐慌が勃発しかねないのである。
 欧州だけではない。アメリカ政府が景気刺激≠フ最後の手として金融の量的緩和策を実施しても、これは不況の打開とはならずに金融投機を呼びおこしているだけだ。日本もまた不況の深まりから一歩もぬけだせない。欧州においても、アメリカや日本においても、現代帝国主義の国家がとる財政・金融政策は完全に機能不全をきたしている。現代資本主義はすでに生命力を失い、そのどん詰まりにきているのである。
 「社会主義国」の看板を掲げながら、その政治経済構造を国家資本主義に転態させてきた中国。「昇龍」と呼ばれてきたこの中国も、欧・米・日大不況の煽りを受けて経済成長率の鈍化にみまわれている。この中国においても労働者たちは低賃金や一方的解雇に抗議して次々と起ちあがっている。
 危機にあえぐ独占資本家階級とその政府の大攻撃にたいする勤労人民の怒りに燃えた闘いが、しかしながら、労働者階級の勝利を導きうる質を有していない、ということもまた痛苦な現実である。資本主義の「最後の鐘が鳴っている」にもかかわらず、この資本主義をいかにして転覆し何を切りひらいてゆくかの方途を、労働者たちは見いだせないでいる。ソ連邦の自己崩壊を「社会主義の破産」とみなす帝国主義者のデマゴギーが、なお社会的に通用してしまっているのである。こうしたなかで、共産党や労働者党を自称する多くの党の指導部が――スターリン主義との対決を回避しつづけてきたがゆえに、ソ連邦崩壊とともにおのれの精神的支柱も崩れおち――「社会主義理念」を放擲(ほうてき)しさった。また、労働組合官僚どもは労働貴族としての本性をますますあらわにしている。これら既成指導部による労働者階級闘争の歪曲と対決し、突破してゆくことが、今日われわれすべてに課せられているのである。
 日本においては、かの大震災・原発事故を――自身の責任に頬被りして――「国難」と呼び、「国難突破」のためと称して政府・独占資本家どもは、消費税大増税・大幅賃下げ・大量解雇等の空前の大攻撃を勤労人民にかけてきている。今や自民党と手を組んだ極反動・野田の民主党政権と独占資本家どもに全面協力しているのが、最大の労組ナショナルセンター「連合」の指導部である。日本共産党を名乗る転向スターリン主義者の党は、「ヨーロッパなみのルールある資本主義」なるものを空想し「日本経済の健全な発展」を願望している。これら既成指導部による労働者・学生の闘いの抑圧・闘争歪曲を批判しのりこえて、われわれは、反戦闘争や原発・核開発反対闘争とともに、消費税大増税反対! 解雇・賃下げ反対! TPP参加反対! の政治経済闘争をたたかっている。
 世界の労働者は、労働貴族や社会民主主義者、修正資本主義の党に変質した共産党指導部などによる闘争の抑圧・歪曲をのりこえて前進せよ!

米・ソ核実験反対闘争の教訓を現在的によみがえらせよ

 国際反戦集会は今年で五十回目を迎える。この集会は、米・ソ核実験反対闘争の激動のなかから出発した。ソ連邦の核実験再開(一九六一年)は、広島・長崎へのアメリカ帝国主義による原爆投下と南太平洋でのアメリカ水爆実験の「死の灰」による被爆という悲痛な体験を胸に原水爆反対の運動に起ちあがっていた勤労人民の願いを、踏みにじる以外のなにものでもなかった。ところが、ソ連邦指導部に盲従する原水禁運動指導部は、ソ連核実験にたいしては沈黙する、というかたちでそれを擁護した。われわれはこれを断固として批判し、全学連を先頭にして、アメリカ帝国主義の核実験に反対するとともにソ連邦のそれにも反対する大闘争を全国で展開した。それだけではない。三名の全学連代表は、モスクワの赤の広場で「米・ソ核実験反対!」のデモを敢行した(一九六二年八月六日)。こうした闘いをひきついで、第一回国際反戦集会が広島において原爆記念の日に開催されたのであった。
 ソ連邦指導部は「平和の砦」を自称しながら、帝国主義の核実験にたいして、プロレタリア階級闘争の彼岸において・同じく核実験をもって対抗した。それは、全世界プロレタリアートの階級的諸利害の普遍的実現を犠牲にして「一国社会主義」ソ連邦の防衛というソ連官僚の特殊的=国家的利害をつらぬくことであり、プロレタリア国際主義の破壊以外のなにものでもない。スターリン主義・ソ連邦がおこなった対抗的核軍拡と他方での軍縮交渉という二面政策、これは、プロレタリア的原則を放擲してブルジョア的「権力政治の論理」にソ連邦指導部が完全に転落していることを示して余りある。
 帝国主義の戦争政策・戦争挑発・軍事的威嚇にたいしては、その足元を揺るがす帝国主義諸国労働者の闘いをはじめ、全世界の国ぐにでの労働者人民の反戦闘争の断固たる推進をもって反撃するべきである。労働者人民の国際的に団結した闘いをもってこそ、帝国主義の戦争政策・軍事挑発をうち砕くことができるのである。
 全世界の同志たち、仲間たち!
 いま日本では、大震災・原発事故被災者の苦難を思いやる勤労人民の気持に乗じて、政府やその御用マスコミなどが「日本人の絆」とか「日本人として一丸となって国難突破」とかと叫びたてている。これは、いっさいの犠牲を労働者人民に甘受させるためのイデオロギー攻撃にほかならない。政府・支配階級は、自己の特殊的利害を「国益・全国民の利益」としておしだしつつ貫徹するために、自国のナショナリズムや排外主義のイデオロギーを喧伝する。人民が抱く素朴な郷土意識をくすぐりつつ、自己の階級的利害をつらぬくために、「全国民で痛みを分かち合って国難突破」と叫びたてるのである。政府権力者や独占資本家どもがふりかざす「絆」なるものの欺瞞性・その階級的本質をあばきだし粉砕して、われわれは、勤労人民の階級的団結を強化したたかっている。
 政府・支配階級が流布するこうした虚偽のイデオロギーをはねかえし粉砕して、労働者人民は自国においてだけではなく国境を越えて団結しなければならない。真の意味で絆≠ニ言いうるのは、労働者階級のこの団結以外にはない。労働者階級の国際的団結だけが、今日の世界を覆っている深い危機を、戦争・貧窮化・放射能汚染・環境破壊など今や人類を破滅の瀬戸際に立たせていると言わなければならないほどの危機を、真に突破する道を切りひらくことができるのである。このことの真理性は、今日いよいよ明らかになっている。
 全世界の勤労人民は、プロレタリア国際主義の立場に立脚し連帯をうち固めて、ともにたたかおう!
(二〇一二年七月六日)
Top
 

  

 

   


  
「原発再稼働阻止! 野田政権打倒!」 全学連先頭に首相官邸に肉迫 7・6 
七月六日、大飯原発3号機の再稼働(七月一日)に踏みきった野田政府・関西電力にたいする怒りに燃えて、主催者発表で一五万人もの労働者・人民が、六車線の車道いっぱいにあふれ、首相官邸前の路上を埋めつくした。労働者・人民の最先頭で全学連は、真紅の全学連旗をひるがえし、「原発再稼働阻止! 野田政権打倒!」の檄を発しつつ、闘いを戦闘的に牽引した。
全学連、阻止線を張る機動隊と対峙しつつ首相官邸に迫る
(7月6日)
Top

  
矢臼別演習阻止に起つ 6・10 北海道 
「連合北海道」と北海道農民連盟は、六月十日、午前十一時から矢臼別演習場近くの中標津(なかしべつ)町(釧路市から北東に約九〇キロ)において「在沖縄米海兵隊の矢臼別移転実弾演習反対 全道総決起集会」を道東圏を中心に労組員約五〇〇名を結集して開催した。わが同盟は、「安保堅持」の立場にたって基地縮小をお願いするにすぎない「連合」ダラ幹を弾劾し、「『動的防衛協力』の名による日米新軍事同盟の飛躍的強化反対! 今こそ反安保の大闘争を構築せよ」と力強く訴え、集会を戦闘的につくりかえるために奮闘した。また全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生も、六月八日に首相・野田が大飯原発3・4号機の再稼働を宣言したことを糾弾する北海道大学農学部と帯広畜産大学と旭川教育大学の三大学学生自治会執行委員会が発した緊急声明を配布し、結集した労働者に大飯原発再稼働阻止の闘いを熱烈に訴えた。
米海兵隊の実弾演習に反対して結集した「連合」傘下の労組員
(6・10、中標津)
Top

  
野田の「追悼式」参加を弾劾 6・23 沖縄
沖縄県学連のたたかう学生たちは、日米両権力者にたいする怒りに燃えて、首相・野田の「戦没者追悼式」への参加に反対する闘いに起ちあがった。六月二十三日、首相・野田は「沖縄全戦没者追悼式」(沖縄県主催)に参加し、そこにおいて「国の安全保障に万全を期すことは国政を預かる者の務め。その責務はわずかなりともおろそかにできない」などと言い放った。
「オスプレイ配備阻止!」拳をあげる沖縄県学連
(6・23、県庁前)
Top

  
関電・米総領事館に怒りの拳 6・17 大阪
六月十七日、反戦青年委員会の労働者と全学連関西共闘会議の学生は、全関西労学統一行動に勇躍決起した。
「今こそ野田政権を打倒するぞ!」怒れる労学が戦闘的デモ
(6・17、大阪)
 「大飯原発再稼働阻止!」労学が関電本社に怒りのシュプレヒコール
(6・17)
Top

  
  
労学が野田政権打倒に決起 6・17 札幌
六月十七日、全学連北海道地方共闘会議と反戦青年委員会は、札幌において全道労学統一行動にたちあがった。
総決起集会をかちとる全道の労学
(6・17、札幌大通公園)
札幌市街をデモ行進する道共闘と反戦の部隊
(6月17日)
  Top
  
大飯3号機再稼働反対」金大生がアピール 6・15
六月十五日、野田政権が大飯原発3・4号機再稼働の「最終判断」をくだそうとしていたその前日、金沢大学共通教育学生自治会執行委員会を先頭とするたたかう金大生は、「野田政権の再稼働『最終判断』を許すな! 大飯原発再稼働絶対阻止!」を訴える緊急声明を発し情宣をおこなった。
 「大飯再稼働反対」の声をともにあげるべきことを呼びかける闘う金大生
(6月15日、金沢大角間キャンパス)
Top