第2317-2318合併号(2014年5月5日-12日)の内容

<1面>
日米共同の対中戦争遂行体制づくりの加速

 
オバマ・安倍首脳会談の反人民的意味
<4〜5面>
ロシア版図拡大の野望をたぎらすプーチン
<9面>
日米首脳会談粉砕の炎
 反安保の旗高く全学連が決起 4・24

「ボーリング調査実力阻止!」
 
労・学・市民が辺野古海上デモ 4・19
<2面>
「集団的自衛権行使の合憲化反対!」
 闘う学生が国会前行動で奮闘 4・22
「Xバンドレーダー基地建設反対!」
 空自経ヶ岬基地に怒りのデモ 4・20
<3面>
辺野古新基地ボーリング調査阻止!
 沖縄<5・15闘争>の戦闘的高揚を!
<6面>
Topics
残業代ゼロ! しかも労働時間規制の根幹を破壊

 産業競争力会議の民間議員提言
「派遣法改悪反対」の声轟く 4・18 日比谷
震災復興で事業拡大に走るバス会社経営者 北陸道事故
<7面>
全教 第三十一回大会

 「参加と共同の学校づくり」の弥縫に汲々とする本部
<8面>
歴史主義の克服のために
 『実践と場所』を学んで
<10面>
写真特集 全国で燃えあがる闘いの炎
  「解放」最新号






































  


日米共同の対中戦争遂行体制づくりの加速

 オバマ・安倍首脳会談の反人民的意味

首都中枢に日米首脳会談粉砕の炎 4・24
 アジア歴訪の最初に日本を訪れたアメリカ大統領オバマと、このオバマを「国賓」として招いた首相・安倍は四月二十四日、東京の迎賓館において首脳会談を開催した。オバマは、歴代アメリカ大統領として初めて「日本の施政下にある領土、尖閣諸島も含めて、日米安保条約第五条の適用対象となる」と明言した。そして、「米国は、集団的自衛権の行使に関する事項について日本が検討を行っていることを歓迎し、支持する」と表明した。
 これらが日米共同声明に明記されたことをもって、安倍とその政権の閣僚どもは「満額回答だ」などと満面に笑みをうかべておしだし、「かけがえのない日米同盟は揺るぎない」と誇示している。権力者どものこの高笑い、実に許しがたいではないか。日米共同声明における右の二点の表明こそ、米・日両国家共同で対中国戦争を遂行する軍事体制の構築を加速することの宣明なのだ。「日米防衛協力のための指針の見直し」の名のもとに日米共同の対中国戦争遂行計画たる新ガイドラインの最終策定を今年末までに完了するという意志の宣明なのだ。
 それゆえに、この日米共同声明の発表は、中国・習近平政権の反発と対抗をただちに呼び起こしている。習近平政権は、オバマが尖閣諸島への「日米安保条約第五条の適用」に言及した発言にたいして「断固反対する」と表明し、「日米安保条約は冷戦時代の産物であり、中国の領土主権を傷つけるべきではない」と強い警告を発した。まさに今回の日米首脳会談は、中国との対決の激化をもたらし、東アジアにおける戦争的危機をいよいよ高めるインパクトとなっているのである。
 全学連のたたかう学生は、オバマと安倍が会談をおこなっていたまさにそのとき、この首脳会談を粉砕するために断固として戦闘的なデモンストレーションを決行した。日共中央ら既成指導部の闘争放棄を弾劾しつつ、唯一、日米新軍事同盟強化反対の炎を噴きあげたのだ。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! いまこそわれわれは、<反安保>を放棄したいっさいの既成反対運動をのりこえ、日米新軍事同盟の強化に反対する反戦反安保闘争をおしすすめるのでなければならない。「集団的自衛権行使」合憲化阻止! 新ガイドラインの策定反対! 辺野古新基地建設阻止! 反戦反安保闘争の奔流を巻きおこせ!

以下見出し
中国封じ込め≠フための「日米協力」の確認

対中国包囲網の構築・強化に狂奔するオバマ政権

 多国間軍事同盟=アジア太平洋版NATOの形成

 TPP交渉の早期妥結のゴリ押し

軍事強国への飛躍を策す安倍政権の反動攻撃

オバマへの幻想を煽る日共中央を弾劾し、反戦反安保闘争の高揚をかちとれ!
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ロシア版図拡大の野望をたぎらすプーチンの犯罪

 現代の雷帝<vーチンは、隣国ウクライナにおいて親露$ュ権倒壊の政変が惹起するや否や間髪をいれずにクリミア半島を軍事占領し、「住民投票」を盾にしてロシア国家に編入=併呑するという、領土強奪を傲然とやってのけた。驚愕し度肝を抜かれた米・欧帝国主義諸国権力者のロシア非難の大合唱と「経済制裁」強化をもあざ笑うかのように、この政権は、さらにウクライナをはじめとする旧ソ連邦構成諸国のロシア系住民に向けて大ロシア民族主義を煽りたてながら、軍事力をバックにしてロシアの勢力圏を拡大する野望をたぎらせている。
 「社会主義大国」を自称したスターリン主義国家・ソ連邦の崩壊を「二十世紀最大の地政学的破局」と屈辱をもって受けとめ、中国との同盟的結託を基礎にして「強い大国ロシアの復権」を果たすことを悲願としてきたプーチン。この雷帝≠ヘ、ウクライナにおける民族的・エスニック的の反目を煽り内戦の火を放ち、そうすることによって経済的困窮に突き落とされている労働者階級・勤労人民に新たな苦難と悲劇を強いている。それだけではない。没落帝国主義アメリカと自称「社会主義国」中国との政治的・軍事的の角逐が激化し宗教的および民族的・エスニック的の対立と衝突に覆われている現代世界において、戦争放火者として立ちあらわれてさえいるのだ。
 われわれは、ロシアのクリミア併合を弾劾し米・欧帝国主義諸国の干渉・介入に反対する闘いを、プーチン・ロシアの新たな犯罪の階級的意味を暴きだし、ウクライナ労働者階級の真実の解放の方向性を指し示しつつ、たたかうのでなければならない。

以下見出し
T クリミア軍事占領――新たな戦争放火

 「ロシア系住民保護」の名による電撃的侵攻

 対ロシア制裁をめぐる米・欧・日の不協和音

 新たな宗教=民族戦争勃発・拡大の危機

U ウクライナの内戦勃発―東西分裂の危機

 「連邦制への移行」をめぐる角逐

 腐敗せるヤヌコビッチ政権の自滅的崩壊

 ウクライナ民族主義台頭の底流にあるもの

V スターリン主義ソ連邦崩壊の思想的意味

 スターリン式民族政策の反労働者性とゴルバチョフ式「改革」の茶番

 スターリン主義の真実の超克を!
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辺野古新基地ボーリング調査阻止!

<5・15闘争>の戦闘的高揚を!

沖縄県委員会

 四月二十四日に首脳会談に臨んだアメリカ大統領オバマと日本の首相・安倍は、「共同声明」において「東シナ海及び南シナ海において緊張を高めている最近の〔中国の〕行動に強い懸念を共有する」とうちあげた(発表は翌二十五日午前)。ここにおいて米・日両権力者は、中国の脅威≠煽りたて、これに対抗するために日米新ガイドライン策定の協議を加速すると同時に辺野古海兵隊新基地建設を早期に実現する意志を再確認したのだ。
 辺野古への海兵隊新基地建設を阻止しうるか否か、いよいよこれからが決戦のときだ! オバマ政権から尻をたたかれた安倍政権は、沖縄の労働者・人民の囂々(ごうごう)たる反対の声を踏みにじり、辺野古沿岸部埋め立てにむけた手続きを急ピッチでおしすすめている。六月にも防衛局は海上ボーリング調査を強行せんと身構えているのだ。さらに安倍政権は、対中国の最前線に位置する与那国島に自衛隊基地を建設することに着手した。
 われわれは、これら日米新軍事同盟の対中(・対露)攻守同盟としての飛躍的な強化の策動を、木っ端微塵に粉砕するのでなければならない。いま沖縄の労働者・学生・人民は怒りを湧きたたせ辺野古現地で、そして与那国島で断固たる反撃の闘いに起ちあがっている。「辺野古の海に杭一本うたせない」「日米政府に目にものを見せてやる!」四月十九日に海上デモをたたかいぬいた労働者・学生・市民は、ボーリング調査を実力で阻止する烈々たる決意をみなぎらせ戦闘態勢を構築している。
 すべての労働者・学生諸君! われわれは、辺野古新基地建設阻止・「集団的自衛権行使」合憲化反対を焦眉の課題として、きたる「5・15平和行進・県民大会」を戦闘的に高揚させるために奮闘しようではないか。日共翼下の「反安保」なき「米軍基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、<全米軍基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう。沖縄から全国へ反戦反安保・改憲阻止の巨大なうねりを巻き起こせ!

以下見出し
在沖米軍基地の飛躍的強化に狂奔する米日両権力者

 対中国軍事包囲網の構築強化の策動

 南西諸島への自衛隊増配備

 対米・対日の軍事的威嚇をエスカレートする中国

 怒れる沖縄人民の最先頭で闘う県学連

<全米軍基地撤去・安保破棄>をめざして闘おう
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Topics

残業代ゼロ! しかも労働時間規制の根幹を破壊

 産業競争力会議の民間議員提言

「時間ではなく成果で評価せよ」と安倍が号令

 首相・安倍は四月二十二日に、産業競争力会議と経済財政諮問会議の合同会議に出席して「時間ではなく成果で評価される働き方にふさわしい新たな労働時間制度の仕組みを検討してほしい」と指示した。産業競争力会議の民間議員である経済同友会代表幹事・長谷川閑史らがかねてから提言していた「労働時間規制の適用除外」(いわゆるエグゼンプション)制度――これを六月の成長戦略の柱に盛りこむ意志を、安倍は公然と表明したのである。
 産業競争力会議雇用・人材分科会主査の長谷川が、この日の合同会議に出した提言(「個人と企業の成長のための新たな働き方」)――そこに盛りこまれた「新たな労働時間制度の創設」なるものの核心は以下のものである。@年収一〇〇〇万円以上の高収入の社員を対象に、労働時間に関係なく仕事の成果にもとづく報酬とする(「高収入・ハイパフォーマー型」)。A年収額に関係なく、本人の同意と労使の合意があれば労働時間に関係なく「目標達成度に応じた報酬」とする(「労働時間上限要件型」)。
 後者について、「労働時間上限」などを「労使合意で選択する」としてはいるものの、核心は「労働管理を労働時間ベースではなく成果ベースにし、労働時間と報酬のリンクを外す」ことにある。したがってこの長谷川の提言は、労働基準法の規定――一日の労働時間を八時間とし、これを超える残業や休日・深夜労働には割増賃金を払う――この現行の大原則を否定しさるものであって、労働時間規制の根幹をぶちこわすことを目論むものにほかならない。長谷川ら独占資本家どもは、残業代支払いから解放され、労働者には「目標達成」のための長時間労働を強制し、また「目標が達成できない」ことを口実にして労働者の解雇をほしいままにすることをこそ狙っているのだ。
 長谷川は、「高度な職業能力を持ち自律的かつ創造的に働ける」とか「働く時間や場所を選ぶことができ、国際的な仕事を時差を気にせず進めたり自宅で仕事がしやすくなる」とか「子育て・介護をしている女性が働きやすくなる」とかと言いくるめて、この「新たな労働時間制度」を強引に押しとおそうとしている。あるいはまた、「国が(または『あらかじめ労使が』)年間労働時間の上限を示し、従業員の健康への配慮措置を設ける」とか「労使合意・本人同意が前提だ」とかと並べたてて、批判を封じようとしている。
 だが、現行制度のもとにおいてさえ、「ブラック企業」が横行し、資本家どもは労基法無視の超長時間労働・タダ働き残業を労働者に強制しているではないか。右のような言辞が資本家どもの本音をおし隠したコジツケのたぐいにすぎないことは明らかだ。
 屈辱的なことに、「労使合意の下で」という言辞は、既存の組合指導部を容易に巻きこみうるという彼らの自信を示しているではないか。しかも「当初は過半数組合のあるところで先行的に」などと言う。まずは労働貴族の支配する労組の同意のもとに、そしてこれを切り口に全労働者におよぼそうという意図を隠そうともしていない。いやもっとストレートに、労働政策審議会の委員である経団連の鈴木重也などは「判断を個別の労使に委ねることが肝だ」と公言さえもしているのだ。
 この長谷川の提言にたいして「連合」指導部は、一応は「極めて遺憾」という事務局長談話をだしはした。彼らは「サービス残業の合法化で過労死の続発につながる」とか「企業のさじ加減で決まる」とかと懸念≠口にしてはいる。けれども「連合」指導部が昨年末いらい「STOP THE 格差社会」とか「労働者保護ルール改悪に反対」とかの声をあげているとしても、傘下大企業労組は笛吹けど踊らず=Bそもそも企業経営者が容赦なく労働者にたいして振りおろしているリストラ攻撃に手を貸しつづけているのが、彼ら「連合」指導部とその傘下の労働組合を牛耳る労働貴族どもだ。また政労使会議にくわわって「限定正社員制度」の導入に同意し、また生産性向上のために粉骨砕身することを誓約したのが「連合」指導部だ。
 「行き過ぎた労働規制緩和」は望ましくない、とただ口先だけで哀訴し事実上の容認への道を掃き清める既成労組指導部をのりこえ、全労働者の力でこの一大攻撃を粉砕しよう。
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全教 第三十一回大会

破綻した「参加と共同の学校づくり」の弥縫に汲々とする本部

 二月十五、十六日の両日、東京において、第三十一回全教大会が開催された。<軍国日本>の再興をたくらむ安倍政権が、今国会を「教育再生」国会と位置づけ、「お国のために命を投げ出す」国民を育成するための「愛国心」教育を核心とするネオ・ファシズム的教育再編の攻撃を振り下ろしてきている。今大会は、戦後史を画する安倍政権のこの居丈高な一大攻撃にたいして、全教としていかに対決するか、その方針を決定する極めて重要な大会であった。

(以下、見出し)
「安倍式『教育再生』を許さない共同」の呼びかけ

被災地、原発立地県代議員からの告発相次ぐ

多忙化・長時間残業……
職場の深刻な実態を訴え

「北教組への組織破壊攻撃反対」の声を無視する本部

教育のネオ・ファシズム的再編反対の闘いを推進しよう

教育実践への没入による全教組織の分散化
Top
 

   


歴史主義の克服のために

 「下向と上向」(『実践と場所』第三巻)を学んで

1 「ポイエーシス的実践」を根幹に据えて

2 「過去→現在→未来」という認識方法の誤り

3 「事実にかじりつく」ということ

4 「論理的下向認識が帯びる歴史性」とは?
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「集団的自衛権行使の合憲化反対!」
 闘う学生が国会前行動で奮闘 4・22
 四月二十二日、衆院第二議員会館前において、「『安保法制懇』の『報告書』は欺瞞だ! 4・22国会前行動」が開催された(主催・解釈で憲法9条を壊すな! 実行委員会)。「集団的自衛権行使」の合憲化に突進する安倍政権にたいする怒りと危機感に燃えて、一五〇名余の労働者・学生・市民が、この集会に起ちあがった。早稲田大学、国学院大学などの首都圏のたたかう学生たちは、「日米新軍事同盟の強化反対!」の旗幟を鮮明にさししめし、結集した労働者・市民とともに集会の戦闘的高揚のために奮闘したのだ。
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「Xバンドレーダー基地建設反対!」
 空自経ヶ岬基地に怒りのデモ 4・20
 四月二十日、米軍Xバンドレーダー基地の建設予定地である京都府京丹後市で、「京都にも沖縄にも、どこにも米軍基地はいらない! Xバンドレーダー基地建設着工反対! 4・20京丹後現地集会」(主催、米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会)が開催された。近畿一円から結集した四〇〇名の労働者・学生・市民が、日米両権力者にたいする怒りの声をあげたのだ。神戸大、奈良女子大のたたかう学生もこの集会・デモに参加し、その戦闘的高揚のために奮闘した。
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首都中枢に日米首脳会談粉砕の炎 4・24

 四月二十四日、首相・安倍とアメリカ大統領オバマが東京・元赤坂の迎賓館において会談をおこない「強固な日米同盟」をうたいあげようとしていたまさにそのとき、全学連は「日米首脳会談粉砕!」「日米新軍事同盟の強化反対!」の戦闘的デモンストレーションに決起した。この日、警察権力は一万六〇〇〇人もの警察官を動員し、「テロ警戒」と称して首都・東京を厳戒態勢下においた。この敵国家権力の治安弾圧体制を突き破り全学連は、日共中央をはじめとする既成指導部の闘争放棄を弾劾しつつ、唯一起ちあがったのだ。首都圏のたたかう学生たちは、在沖米総領事館にたいする緊急抗議闘争に決起した沖縄県学連の学生とともに、日米首脳会談粉砕の闘いの炎を首都中枢に燃えあがらせたのである。
首相官邸に向け怒りの拳
六本木通りを進撃する全学連の学生たち
沖縄県学連の学生が米総領事館に断固抗議(4・24 浦添市)
  
「ボーリング調査実力阻止!」
 
労・学・市民が辺野古海上デモ 4・19
 わがたたかう労働者・学生は、政府・防衛省が強行しようとしている辺野古新基地建設のための海上ボーリング調査を実力で阻止するために、「4・19海上抗議パレード&集会」(主催・ヘリ基地反対協)に勇躍決起し闘いの鬨(とき)の声をあげた。
「新基地建設を絶対に許さんぞ!」労・学・市民600名がシュプレヒコール
 抗議船を先頭にカヌー隊がボーリング調査予定海域へとくりだす
「Xバンドレーダー基地建設反対!」
 空自経ヶ岬基地に怒りのデモ 4・20
 四月二十日、米軍Xバンドレーダー基地の建設予定地である京都府京丹後市で、「京都にも沖縄にも、どこにも米軍基地はいらない! Xバンドレーダー基地建設着工反対! 4・20京丹後現地集会」(主催、米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会)が開催された。近畿一円から結集した四〇〇名の労働者・学生・市民が、日米両権力者にたいする怒りの声をあげたのだ。神戸大、奈良女子大のたたかう学生もこの集会・デモに参加し、その戦闘的高揚のために奮闘した。
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