第2390号(2015年10月19日)の内容

<1面>
今こそ戦争法撤廃をかちとれ!
 <反安保・反ファシズム>の旗高く10・18労学統一行動に総決起せよ

<2〜3面>
日米戦争同盟構築を許すな!
 奈良 労・学・市民800が怒り 9・19
 鹿児島大生が連日決起 9・16〜18
 北九州 安倍政権許すなの声 9・23
 福岡・天神で情宣 9・17〜19
<4〜5面>
社会保障制度の大改悪を粉砕せよ
 「医療保険制度改革法」の反動性

■外国人の家事労働者としての活用を解禁
<6面>
Topics 「介護離職ゼロ」の欺瞞
防衛装備庁の発足
経団連「防衛産業政策の提言」
<7面>
難民の殺到に直面し対立と混乱をさらけだすEU
万華鏡2015
 ◆賓客交替
 ◆ツキディデスの罠
<8面>
一九五六年の黒田の飛躍に学ぶ

 「解放」最新号

































  


今こそ戦争法撤廃をかちとれ!

<反安保・反ファシズム>の旗高く10・18労学統一行動に総決起せよ

 わがたたかう労働者・学生を先頭にして「侵略戦争法撤廃! 安倍政権打倒!」の怒りの炎が日本全土で燃えあがっている。安倍政権は、この労働者・人民の反対の声を傲然とおしつぶし、南シナ海や中東・アフリカへの本格的海外派兵に向けて突進している。日本版NSC(国家安全保障会議)の専決でどしどしと海外派兵にうってでる体制をうちかためるために、安倍は、十月七日におこなった内閣改造において官房長官・菅をはじめ、防衛相・中谷、外相・岸田ら、日本版NSC(国家安全保障会議)四大臣会合を構成する閣僚をすべて留任させた。アメリカ権力者とともに対中国戦争や「対テロ」戦争を遂行する戦争司令部≠フ構築・強化に狂奔している。
 それだけではない。「この三年間、時代が求める憲法の姿、国の形について国民的な議論を深めたい」などとほざき、二〇一八年までのみずからの任期中に「自主憲法制定」=憲法そのものの改定を成し遂げるという悪らつな意志をむきだしにしているのだ。こうした野望を実現するためにこそ、次期首相の座を狙って蠢きを開始している石破や「脱原発」を持論としてきた河野太郎らを閣内に取りこみ動きを封じるという術策を弄して、安倍専制¢フ制にたいする反抗の芽≠あらかじめつみとったのである。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 米・日―中・露の角逐下で戦乱の危機高まる南シナ海や戦火燃え広がる中東への海外派兵に本格的に踏みだそうとしている第三次安倍改造内閣の策動を断じて許してはならない。われわれは、<日米共同作戦体制の強化反対・米軍辺野古新基地建設阻止・日米新軍事同盟=グローバル侵略戦争同盟の構築反対>の反戦反安保闘争の大爆発をかちとるために全力を傾注するのでなければならない。そして憲法の明文改悪という一大反動攻撃を労働者・学生・人民の実力で打ち砕こうではないか。
 この重大局面において、日共の不破=志位指導部は、「戦争法廃止の一点での国民連合政府」樹立をシンボルとして、来年夏の参院選に向けての選挙カンパニアに大衆的闘いの一切を解消しようとしている。国会を大包囲した七〜九月の闘いの高揚をひきついで、いま、戦争法撤廃の闘いを創造するために労働者・人民が奮闘しているまさにこの時に、民主党や維新の党との「野党共闘」をなによりも優先して、「反安保」を掲げることを徹底的に統制してまわっているのだ。この代々木官僚の犯罪を怒りを込めて弾劾せよ!「反安保」を放棄した日共系の反対運動をのりこえたたかおう。
 <反ファシズム統一戦線>を構築し、安倍ネオ・ファシスト政権を労働者・人民の実力で打倒せよ! 10・18労働者・学生統一行動に全国で総決起せよ!

(以下、見出し)

シリア内戦への軍事介入をめぐる米露両権力者の激突

 プーチン・ロシアのシリア空爆を弾劾せよ!

東アジアにおける米・日―中・露の角逐

「反安保」なき「立憲主義守れ」運動をのりこえ闘おう

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安倍政権による社会保障制度の大改悪を粉砕せよ

 「医療保険制度改革法」の反動性

 安倍政権は、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」(以下、「医療保険制度改革法」と略す)を参議院で強行可決・成立させた(五月二十七日)。<軍国日本>再興へとひた走る安倍ネオ・ファシスト政権は、一切の犠牲を労働者人民に押しつける社会保障制度の大改悪に、いま猛突進しているのだ。
 安倍政権は、昨年制定した「地域医療・介護総合確保法」にのっとって、すでに医療・介護サービスの削減・負担増、「医療から介護」へといわれる医療・介護のサービス提供体制の大改悪に着手している。そのうえにたって、今回、日本の公的医療保険制度の根幹をかえるような医療保険制度の改悪にのりだしている。
 安倍政権は、一方では、国家財政からの公的医療保険給付のための支出を徹底的に削減し、他方では、独占資本家どもの儲け口として医療産業を活性化させることを狙っているのだ。
 以下、今春制定された「医療保険制度改革法」の特徴と反動性を明らかにしたい。

T 公的医療保険制度の根幹を変える「改革法」
 1 自己負担増と保険料の大幅引き上げ

 2 国保移管=都道府県当局への保険給付抑制の強要

 3 混合診療の全面解禁をもたらす「患者申出療養」の創設

U <軍国日本>再興のための社会保障費支出の徹底的削減
 「成長産業」としての「医療の産業化」

 国民総監視≠ナ医療もガラス張り≠ノ

 「健康=自己責任」論の流布

V 労働者人民への犠牲転嫁・貧困強要を許すな!

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「介護離職ゼロ」の欺瞞

介護事業所は次々に倒産

労働者には低賃金と労働強化

 連日連夜にわたり国会を包囲した労働者人民の反対の声をふみにじり、侵略戦争法案を強行採決した安倍政権。この政権は、侵略戦争法を制定するやいなや、アメリカとともにいつでも・どこででも戦争する国にみあうように日本の財政的基盤をととのえるために、「アベノミクスの第二ステージ」「経済最優先」の旗をうち振りはじめた(九月二十四日の記者会見)。
 「もはやデフレではない。デフレ脱却は目の前だ」なる安倍の言辞に、実質賃金の低下と消費税増税ゆえの貧窮生活を余儀なくされている労働者人民は、怒りをかきたてられずにはいられない。安倍政権は「新三本の矢」と称して、@強い経済とA子育て支援、さらにB「安心につながる社会保障」などという欺瞞的な表看板を掲げた。
 「社会保障」の形容句に添えられている「安心」などという言葉とは裏腹に、安倍政権は「骨太方針二〇一五」にうたう社会保障サービスの削減策を、よりいっそうおしすすめようとしている。
 今回、社会保障政策の一つに「介護離職ゼロ」というシンボルを掲げた。家族の介護を理由にした離職を減らすために、特別養護老人ホーム(特養)などの介護施設を増加させるなどとさもさもらしくいう。だがこの方針は、御都合主義をきめこむ安倍が選挙向けに掲げたアドバルーン≠セ。そもそも特養の経営主体は社会福祉法人であり、国ではない。安倍は特養を増設すると叫びはしても、国家財政を投入する気などさらさらないのだ。すでにこのかん、「施設から在宅へ」をうたい文句に、報酬単価が相対的に高い「施設サービス」を徹底して削減しているのが安倍政権なのだ。
 安倍政権は、今年四月に、特養に入所できる条件を「要介護1」から「要介護3」に引き上げただけではない。「施設サービス」への介護保険サービス給付(その半分は公費=税からの負担)を削減するために、一五年四月からの介護報酬を二・二七%も引き下げた。それゆえに、特養を経営する社会福祉法人経営者たちの多くが、労働者に犠牲を転嫁することで生き残りを図ろうとしてきた。弱小介護事業所の多くは、バタバタと閉鎖に追いこまれ、介護労働者は路頭に放りだされている。今年に入ってから八月までに、すでに五十五件の介護事業所が倒産した。過去最高だった昨年の年間倒産件数をすでに上回っているという。
 それだけではない。安倍政権が「介護施設の整備」のためと称して人員不足解消のための「介護人材の育成」を呼号するならば、介護事業所経営者たちは、正規雇用労働者の非正規雇用労働者への置き換えをすすめ、「人件費コスト」を抑えたままに人員を確保しようと策す。すでに介護施設の多くでは、非正規労働者の占める割合がとても高くなっている。介護労働者には、ますます低賃金とサービス残業、長時間労働・労働強化が強いられるに違いない。
 安倍政権は、「生産性の低い介護」の生産性を向上するためと称して、介護施設へのロボット導入を推奨している。しかし、どんなロボットがお年寄りの食事介助や入浴介助、おむつ交換をできるというのだ?!
 体の不自由な高齢の利用者にたいする食事やその他の援助には、一定数の介護労働者が必要不可欠である。介護労働者の労働条件は、ますます低位水準で固定化される現状にあるのだ。
 安倍政権による社会保障制度の改悪を許してはならない。

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一九五六年の黒田の飛躍に学ぶ

 「大地を潤す水豊かな川も、その源をたずねれば、山の中腹の小さな湧き水にたどりつく。」――詩情あふれるこの書き出しの一文が私の胸の底にズーンと響いた。『革マル派五十年の軌跡』第一巻第二部の「概説」を、私は幾度も読んだ。読みながら直ちに、ハンガリー革命五〇周年の時点で黒田本人から問いかけられた次の問いを想起した。
 <われわれの運動の出発点はどこにあるのか? あるいはハンガリー革命がわが運動の発端であるということは、どういうことか。あんた自身にとってどうなんだ。>
 この問いにたいして、私はまともに答えられなかった。ただ、「現在自分が、こうしてここで反スタ主義者たらんとして生きようとしているのも、黒田さんという人がいたからこそです。」などと、焦点はずれのことをシドロモドロになってあわてて答え≠スのが、その時の私であった。私は、自分にとってはすでに創造されてある日本反スターリン主義運動と、その組織を創った黒田その人の、私にとっての大きさを言おうとしたのだ。それが<私にとってのハンガリー>を答えることに通じるのだと思いながら。
 『読書のしかた』の「終りの始めに」のなかで表白されている黒田さんの実存そのもの――「『疎外』とは私であり、私とは『疎外』なのである。……この自覚は、同時に、私のどん底をつきぬけてプロレタリアの疎外された実存につきあたり、まじりあい、合一化された。……」――にふれて衝撃を受けたこと。「どん底」からはいあがるために「人間はなんであり、なんであるべきか」と問いつづけた黒田さんが、なにに「なる」べきかと問題を定立し、「なす」ことを決意した。これが、若きマルクス思想と合流することによって獲得したところの、黒田さんの「あらゆる思索と実践がそこから生まれ、かつそこへ回帰していく原点」であることの表明。
 ここに述べられている彼の「どん底」の意味と深みについて、私がどれほど受けとめえたのか、受けとめているのかについては、自信はない。だが私は、この黒田さんによって同時に、私自身のみじめな姿を照らしだされたのだ。ニヒリスティックでたえず揺れ動く小ブルジョア的残滓をまとった自分自身の否定性を自覚させられたと、私は思ってきた。このような自己から根本的に決裂したいと希求し・決裂しようとする意志をわきたたせられたのが私であった。
 自分の「出発点」でもあると思ってきたこのことを再確認しなければ、<われわれの出発点>を語れないと私は思ったのだ。私は生かされている=Bかの問いを問いかけられたとき、まずもって私が言おうとしたことはこのことだった。
 だが私は、自分にとってそれほど大きい黒田その人が、どのようにして「一九五六年の歴史的現実」に対決したのか、いかにみずからの主体性を貫いたのか(それなしにはわが反スターリン主義運動は存在しえなかった)ということについて、きちんと追体験してはこなかったのだ。このことを私は何度も恥じる。
 不勉強のままでいた自分を少しでもこえてゆくために全力を傾注しなければならないと、『革マル派五十年の軌跡』第一巻「概説」に尻をたたかれて=Aあらためて決意した。以下、学んだことをまとめます。

以下見出し

「わが思想の転回点」を読んで思うこと

(1)冒頭の一句

(2)ハンガリー問題への主体的対決

(3)「死んで生きる」とは?

(4)対馬との対決による思想的変革

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日米戦争同盟構築を許すな!
  
奈良 労・学・市民800が怒り 9・19
 九月十九日、奈良市で「戦争法案に反対する奈良県大集会」が開催された(主催は「戦争をさせない奈良一〇〇〇人委員会」)。奈良女子大学、神戸大学のたたかう学生は、安倍政権への怒りを燃えたぎらせ、「侵略戦争法撤廃! 安倍政権打倒!」の旗幟を鮮明にしてこの日の闘いの戦闘的高揚のために奮闘した。
「安倍政権を打ち倒そう!」三条通りに闘う学生のシュプレヒコールが轟く
(9月19日、奈良)
「侵略戦争法撤廃!」自民党奈良県連へ抗議のデモ
(9月19日、奈良)
  
鹿児島大生が連日決起 9・16〜18
 鹿児島大学のたたかう学生たちは、九月十六〜十八日の三日間、侵略戦争法制定を阻止する闘いに決起した。全学連を先頭とした万余の人民の国会前での闘いと連帯して鹿児島の地においてたたかいぬいたのだ。
 「ストップ戦争法! かごしまの会」が主催する緊急の抗議集会が、九月十六〜十八日のそれぞれ午後六時からJR鹿児島中央駅前の広場において、連日約三〇〇名を結集して開催された。たたかう鹿大生たちは、この三日間の集会に参加し奮闘した。
自民党鹿児島県連に怒りの拳を叩きつける鹿大生たち
(9月17日)
鹿児島中央駅前での緊急抗議集会
(9月17日)
集会で熱烈に訴える鹿児島大生
(9月17日)
  
北九州 安倍政権許すなの声 9・23
 九月二十三日、午後二時から北九州市小倉北区勝山公園で「平和をあきらめない@Kita 9 安保法制を廃案にする! ここからはじまる市民集会」(主催:「安保法案の廃案を求める9・6集会実行委員会」など)が開催された。六日の集会に引き続いて、自治労や福教組などのフォーラム加盟の諸労組や日共系諸労組、市民団体との共同行動としてとりくまれたこの集会に、一五〇〇人を超える労働者・学生・市民が結集した。
 わが同盟は、職場から仲間を組織化して結集した革命的・戦闘的労働者と固く連帯して、日本共産党中央の戦争法反対運動の議会主義的かつ市民主義的歪曲を許さず、この日の闘いをその内外から戦闘的・左翼的につくりかえるために奮闘した。
戦争法に反対し1500名の労働者・市民・学生が結集した
(9月23日、北九州市勝山公園)
わが同盟のビラを手にし掲げる労働者たち
(9月23日)
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