第2404号(2016年2月8日)の内容

<1面>
首都に<改憲阻止!>の火柱 1・24
 辺野古新基地建設阻止! 16春闘勝利!
 全学連・反戦 国会・首相官邸に進撃
<4〜5面>
辺野古埋め立て工事強行を全力で阻止しよう!
 「反安保」を放棄した日共指導部翼下の基地反対運動をのりこえ闘おう
労・学・市民が工事ゲートを完全封鎖 1・20―21 辺野古
<2面>
日米共同戦闘機演習に抗議 1・17 千歳
◆米日統合軍の対地攻撃能力向上を狙った共同演習
<3面>
TPP締結で打撃をうける北海道の農畜産業
 TPP国会批准を阻止しよう!
◎「電子領収書」の規制緩和
<6面>
Topics 『経労委報告』の居丈高な言辞
君津製鉄所での死亡事故を弾劾する
自動車総連春闘方針の欺瞞
<7面>
『解放』第2402号・中央労働者組織委員会論文の理論的欠陥について
 中央労働者組織委員会
◎わが同盟の2016春闘スローガン
<8面>
万華鏡2016
◇緊急事態条項
◇女性が輝く軍隊=I?
□『新世紀』最新号(第281号)紹介
 「解放」最新号






































首都に<改憲阻止!>の火柱 1・24


辺野古新基地建設阻止! 16春闘勝利!

全学連・反戦 国会・首相官邸に進撃

「安倍政権打倒!」闘う労学が決起 
芝公園23号地から出発するデモ隊(1月24日)
国会に向け怒りの拳
(1・24、霞が関)
首相官邸(右上)にシュプレヒコールを叩きつける
全学連・反戦青年委(1・24)
 一月二十四日、全学連と反戦青年委員会は、安倍政権による憲法改悪を絶対に阻止するという烈々たる闘志を燃やし、国会・首相官邸に肉迫する戦闘的デモンストレーションに断固として起ちあがった。本闘争には、二〇一六春闘をいままさにたたかっている戦闘的・革命的労働者たちが政府・支配階級による戦争と貧困の強制を打ち砕く決意に燃えて結集した。全学連のたたかう学生たちは、首都圏のみならず北信越・東海・関西地方からも結集をかちとり、安倍政権にたいする怒りの拳を叩きつけた。まさしくたたかう労学は、憲法改悪という画歴史的な反動攻撃を打ち砕く総反撃の烽火を高だかとぶちあげたのだ。
 首相・安倍は一月二十二日におこなった施政方針演説において、「三年間のアベノミクスは大きな果実を生み出した」などというウソ・デマを吹きまくった。今夏の衆参ダブル選に勝利し両院議席の三分の二を自民・公明・おおさか維新の「改憲派」議員で制圧する、まさにそのために労働者・人民を徹底的にペテンにかけようとしているのが安倍なのだ。中洋における米仏英露によるシリア空爆とサウジアラビア・イランの一触即発の危機、東アジアにおける北朝鮮の核実験強行と米日韓による対北朝鮮の臨戦態勢への突入――ユーラシア大陸の東西を発火点とした大戦勃発の危機が高まるなかで、安倍政権は、アメリカとともに侵略戦争を遂行する軍事強国へと飛躍するために憲法改悪にむけて全体重をかけた突進を開始したのである。
 この重大な局面において、「連合」指導部は改憲策動にいっさい目をつぶり下からの闘いを抑圧している。日共中央は、参院選に向けた「国民連合政府」構想の宣伝にうつつをぬかし、改憲阻止を正面から呼びかけることを放棄している有様だ。たたかう労学は、「反安保」「反ファシズム」を放棄しいまや「九条改憲阻止」をも後景化させた日共系の「立憲主義守れ」運動を雄々しくのりこえ、改憲阻止・反戦反安保の火柱を首都中枢に赤あかと燃えあがらせた。日本労働者階級人民の命運をかけて、安倍ネオ・ファシスト政権にたいする一大反撃の烽火を断固として噴きあげたのだ。

<反安保・反ファシズム>の旗高く白ヘル部隊がデモ

 午後二時三十分、全学連と反戦青年委員会のデモ隊は芝公園二十三号地を出発した。
 「憲法改悪阻止! 日米グローバル戦争同盟の構築反対!」と大書した横断幕を掲げた全学連の学生たちを先頭に、「米仏英露のシリア空爆弾劾!」「安倍ネオ・ファシスト政権打倒!」などと書かれた色とりどりののぼり旗を掲げ、労学の白ヘル部隊は意気高く前進する。第二梯団には、「辺野古新基地建設阻止! 一六春闘勝利! 安倍政権打倒!」の大横断幕を掲げた反戦青年委員会の部隊がつづく。
 「安保粉砕! 改憲阻止!」「ファシズム反対! 内閣打倒!」
 力強いかけ声を沿道に響かせつつ、労学の部隊は国会にむけて一路、愛宕通りを北進する。
 西幸門前の交差点を左折したデモ隊は、眼前の国会にむけて進撃した。憲法改悪に突進するネオ・ファシストどもへの怒りに燃えて、たたかう労学は満身の力でシュプレヒコールを叩きつけた。
 「憲法改悪阻止!」「グローバル戦争同盟の構築反対!」「安倍政権を打倒するぞ!」
 さらにデモ隊はアメリカ大使館前へと進撃する。オバマ政権はいままさに、日韓を従えて対北朝鮮の臨戦態勢をとるとともに、安倍政権にたいして辺野古新基地建設の埋め立て工事着工を急がせている。中東においてはシリアなどでの無差別空爆を強行しムスリム人民を虫けらのごとく殺戮している。このオバマ政権にたいする怒りに燃えて、労学はシュプレヒコールを叩きつけた。
 「辺野古新基地建設阻止!」「<安保破棄>めざしてたたかうぞ!」「シリア・イラク空爆弾劾!」「たたかうムスリム人民と連帯してたたかうぞ!」
 溜池交差点を直進した労学のデモ隊の右手に、首相官邸が見えてきた。安倍政権は改憲の手始めとして「緊急事態条項」の新設を狙っている。これは首相に、宣言ひとつで民主主義的諸権利を剥奪する非常大権を与えるネオ・ファシズム的攻撃にほかならない。労学は、改憲に突進し戦争と貧窮を強制する安倍政権にたいして、幾度も怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。
 「憲法改悪阻止!」「ネオ・ファシズム支配体制の強化反対!」「アベノミクス粉砕!」「消費税大増税阻止!」「安倍政権を打倒するぞ!」
 こうして全学連と反戦青年委員会は、この日のデモを終始戦闘的にたたかいぬいたのだ。

改憲阻止・大戦勃発阻止の巨大な闘争を! 総決起集会

日共系の「反安保」なき「立憲主義守れ」運動をのりこえ闘う

 改憲総攻撃を打ち砕く闘いに総決起せよ!

 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 安倍政権による憲法改悪を阻止する闘いはこれからが正念場だ。本闘争の画期的地平にふまえてさらに前進せよ!
 安倍政権・自民党はこの夏に衆参同日選挙を強行し、おおさか維新の会・公明党を従えて、この改憲勢力で議会を制圧しようとしている。これを絶対に許してはならない。政府・国家権力によるいっさいの弾圧を打ち砕きつつ、すべての職場・学園から憲法改悪阻止の一大闘争を創造するべく総決起しようではないか!
 われわれはオバマ政権に尻を叩かれた安倍政権による辺野古新基地の本体工事着工をなんとしても阻止しようではないか! 安倍政権・自民党は、先の宜野湾市長選(一月二十四日投開票)において、「ディズニーリゾートの誘致」などの露骨な利益誘導と国政選挙なみの支援体制とをもって、辺野古新基地建設推進派の現職・佐喜真を全面的にバックアップし再選させた。これを見届けるや、沖縄の民意は辺野古移設反対一つではない≠ネどとほざきつつ、沖縄の労働者・人民の新基地建設反対の運動と意志を傲然と踏みにじって、辺野古の海に埋め立ての土砂をぶち込もうとしているのだ。いまこそ、沖縄の労学を先頭にして、全国津々浦々で米日両権力者による辺野古新基地建設阻止の一大闘争をまきおこそう! 普天間基地即時撤去! 米日韓の対北朝鮮臨戦態勢の強化反対! 日米グローバル戦争同盟の構築を打ち砕け! <基地撤去・安保破棄>めざしてたたかおう!
 高浜原発3号機の再稼働弾劾!停止中原発の再稼働阻止!
 安倍政権が、すでにアベノミクスの貫徹によって未曽有の貧窮を強いられている労働者・人民を、さらなる貧窮と無権利状態に叩きこもうとしていることを、われわれは、断じて許すわけにはいかない。折しも一月二十八日、TPP交渉の先導役にして安倍政権の経済政策推進の要とされてきた経産相・甘利が、建設会社への事業斡旋・収賄事件の暴露に直撃され、辞任に追いこまれた。これこそ、アベノミクス諸施策によって人民を貧困のどん底に叩きこんできた安倍政権の閣僚どもが、醜悪きわまる金権腐敗にまみれていることを満天下に露わにしたものにほかならない。政官財の黒い癒着と金権腐敗にまみれた安倍政権の反人民的本性を暴きだし、怒りで包囲せよ! 八時間労働制の破壊を狙った労働法制の改悪を断固として阻止しよう! 消費税の一〇%への再増税断固阻止! 弱者切り捨ての社会保障制度大改悪を許すな! TPP協定の批准阻止!
 すべての戦闘的・革命的労働者は、改憲策動にはいっさい目をつぶり、春闘においても「二%程度」の超低額の賃金要求しか掲げない「連合」指導部の腐敗した対応をのりこえたたかおう!「大幅一律賃上げ! 改憲阻止! 反戦反安保・ファシズム反対」を掲げ、二〇一六年春闘の戦闘的高揚をかちとるためにたたかおう! 2・7労働者怒りの総決起集会に結集せよ!
 すべての労働者・学生諸君! いまこそ腐敗をきわめる日共系反対運動をのりこえ、改憲阻止をはじめとして、反戦反安保、原発再稼働反対、アベノミクス粉砕・消費税増税阻止などの諸闘争の戦闘的高揚をかちとれ! <反ファシズム統一戦線>を構築せよ! 安倍ネオ・ファシスト政権打倒へ、いざ進撃せん!
Top

  


辺野古埋め立て工事強行を全力で阻止しよう!


「反安保」を放棄した日共指導部翼下の基地反対運動をのりこえ闘おう

沖縄県委員会

 全国のたたかう労働者・学生諸君! いま辺野古新基地建設阻止をめぐる安倍政権との攻防は、重大局面にさしかかっている。この戦後最悪・最凶暴のネオ・ファシスト政権は、宜野湾市長選挙に政権の全体重をかけてヒトとカネ≠投入し「辺野古新基地建設反対」をかかげる候補を力ずくで押さえこんだいま、辺野古新基地建設の本体工事の再開に突進している。すぐにでも辺野古の海に汚濁防止膜設置用のおびただしい数のコンクリートブロックの投入を開始し、仮設岸壁設置工事のための道路付け替え工事を手はじめに、いよいよ埋め立て本体工事に着手しようとしているのだ。
 折しも北朝鮮・金正恩政権による反労働者的な「水爆」核実験を好機とばかりに、アメリカ・オバマ政権は、対中国・対北朝鮮の包囲網を飛躍的に強化するために、米日韓三角軍事同盟の構築・強化にのりだした。これにたいして中国・習近平指導部は、対米(対日)の核軍事力を飛躍的に強化しつつ、東シナ海・南シナ海における軍事的地歩を固めようと狂奔している。米・仏・英・露によるシリア・イラク空爆のエスカレートとスンナ派サウジアラビア―シーア派イランの二大地域大国の激突をもにらんで、いま米日両権力者は日米安保同盟をグローバルな侵略戦争同盟として構築・強化する策動を急いでいるのだ。
 「国民連合政府」構想の宣伝にうつつを抜かす日共・不破=志位指導部翼下の「反安保」を抜きにした基地反対運動をのりこえ、いまこそ辺野古新基地建設を打ち砕く<反戦・反安保>の闘いに全国から決起せよ! 安倍政権・防衛局による辺野古埋め立て工事を断じて許すな!

工事再開に突進する安倍政権・防衛省

 日米グローバル侵略戦争同盟の構築・強化

東アジアで激化する米・日―中の軍事的・政治的角逐


既成指導部の選挙への埋没と沖縄労働者・人民の闘い


辺野古新基地建設阻止の闘いを<反戦・反安保>の闘いとして高揚させよ!


 全島・全国から総決起せよ!

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ一〇〇機と最新鋭垂直離着陸ステルス戦闘機F35B(海兵隊仕様)数十機を運用することも可能なV字型に交差する一八〇〇メートル滑走路二本と、強襲揚陸艦ボノム・リシャールも運用可能な軍港機能を備えたこの巨大な新基地の建設を、米日両国権力者は対中国軍事包囲網の一大拠点として位置づけている。いやそれだけではなく、いまや中洋・アフリカにおける「対テロ」の名によるムスリム皆殺し戦争≠遂行するための米日共同の出撃拠点としても位置づけているのだ。まさにそれゆえに、われわれは辺野古新基地建設阻止の闘いを、日米新軍事同盟=侵略戦争同盟構築・強化に反対する<反安保>の闘いとしていまこそ赤々と燃えあがらせるのでなければならない。
 いままさに安倍政権が強行を策しているコンクリートブロックの大浦湾への投入・付け替え道路設置工事をはじめとするいっさいの埋め立て本体工事を、労働者・人民の総力を結集して阻止しよう!
 われわれは同時に、辺野古新基地建設阻止の闘いと合わせて、安倍政権がいまおしすすめつつある南西諸島を軍事要塞化する策動にまっこうから反対しこれを打ち砕くためにたたかおう。
 与那国・石垣・宮古から奄美大島にいたる南西諸島にレーダー基地やミサイル基地を建設し日本国軍部隊を配備するこの策動を、安倍政権は、辺野古への巨大な海兵隊新基地の建設とともにまさに日米新軍事同盟構築のカナメをなすものと位置づけ推進している。安倍政権は、南西諸島の全域を対中国戦争の戦場と化すこともいとわずに、対中国軍事包囲網の「南西の壁」=最前線基地に仕立てあげようとしているのだ。断じて許すな! すでに石垣島や宮古島・与那国島では、基地建設予定地の住民が団結し「自衛隊基地反対!」の声をあげて起ちあがっている。これら離島の人民と連帯して南西諸島への自衛隊部隊配備・基地建設に反対しよう。
 米日両権力者は、辺野古の海兵隊新基地を米日共同で使用する計画のもとに建設している。このことは、彼らが日米新軍事同盟にもとづいて日本国軍を米軍の指揮統制のもとに南シナ海の対中国哨戒監視行動に出動させようとしているだけでなく、遠く中東・アフリカでの対ISの空爆を含む軍事行動にも駆り出そうとたくらんでいることにもとづくのだ。辺野古闘争のただなかにおいてこうした米日両権力者の悪逆なたくらみをも果敢にあばきだし、日米グローバル侵略戦争同盟の構築・強化に反対してたたかおうではないか。
 われわれは、こうした<反戦・反安保>の闘いとして辺野古新基地建設阻止の闘いの高揚を断固としてかちとるとともに、そのただなかにおいて<全米軍基地撤去・安保破棄>の過渡的要求のスローガンを果敢に提起し、起ちあがった労働者・人民の自覚を高め運動の内容的高揚をかちとるために全力をあげて奮闘するのでなければならない。
 辺野古新基地建設阻止を、侵略戦争法撤廃・改憲阻止と一体の課題としてたたかい、二〇一六年春闘における大幅賃上げ獲得や消費税の一〇%への大増税阻止の闘いと同時的に推進しよう! そうした闘いのただなかにおいて、諸労働組合を主体とするナショナルセンターを超えた共同行動の積み重ねを基礎に、<反ファシズム統一戦線>を構築せよ! もって安倍ネオ・ファシスト政権の打倒へと攻めのぼろうではないか!
Top
 

   

辺野古


車両・資材搬入を連日阻止

労・学・市民が工事ゲートを完全封鎖

「新基地建設許さん!」県学連の学生を先頭に300名が決起
(1月20日、キャンプシュワブ第1ゲート・新ゲート前)
420名の労働者・人民が早朝から資材搬入阻止に決起
(1月21日、キャンプシュワブ第1ゲート・旧ゲート)
米軍ストライカー装甲車の前に立ちはだかる労働者
(1・21、第1ゲート・新ゲート)
 沖縄の労働者・人民はたたかう労働者・学生を先頭に一月二十日、二十一日と連日早朝から搬入阻止大行動に決起した。二十日・水曜日は三〇〇名余が、翌日木曜日には四二〇名が結集し、全国から駆けつけた闘う仲間と共にキャンプシュワブ工事ゲートを完全に封鎖して工事車両・資材の搬入を阻止したのだ。
 沖縄の労働者・人民は、年明け早々の一月四日以降連日早朝六時からゲート前での座り込みの闘いをくりひろげている。一月十三日以降は毎週水曜日に加えて木曜日も大規模結集による阻止行動日として設定し、県警・警視庁機動隊の凶暴な弾圧をものともせず埋め立て本体工事着工を実力阻止するために奮闘しているのだ。

早朝から三〇〇名がゲート前に座り込み――1・20

 一月二十日、午前六時。沖縄にはめずらしい冷え込みだ。まだ真っ暗ななかで、労働者、学生、市民が次つぎと結集してくる。七時すぎ、うすあかく夜がしらみはじめるころ、旧ゲート(工事用ゲート)前に座りこむ労働者・市民は三〇〇名にふくれあがった。県学連の学生たちは、「安保破棄・全基地撤去」のゼッケンとプラカードを掲げ闘いの方向性をさししめす。基地撤去の赤ハチマキをしめた学生たちは労働者や市民とがっちりとスクラムをくんで座りこみ、ゲート前は戦闘的熱気があふれていった。
 全体が意気あがるなか司会の平和運動センター議長が発言にたった。「水曜日、木曜日の連続大結集で新基地建設を阻止しよう! 全国に闘いをひろげ、さしせまる埋め立てのための土砂搬入、大型ケーソンの搬入を阻止しよう!」とよびかけた。
 県議会議員、市町村議会議員二十名が決意表明をおこなったあと、京都、熊本、千葉、三重など全国から結集した闘う仲間が次つぎと挨拶にたった。大分の日出生台で米軍演習に反対してきた男性が「権力はどこでもおなじ悪辣なことをやる。連帯してたたかおう!」と決意をのべた。つぎに韓国から来た男性が連帯を訴えた。「米軍基地は戦争のためのものです。これはわたしが韓国で体感してきたことです。基地をなくすために一緒にたたかいましょう!」と。
 九時すぎ、全体立ち上がり、新ゲートへ抗議のデモにたった。「軍事基地いらない!」「埋め立て止めるぞ!」とシュプレヒコールをたたきつけた。デモのあとふたたび、旧ゲート前で座り込み封鎖を敢行したたかいぬいた。県警ならびに警視庁の機動隊による凶暴な弾圧をはねかえしこの日は終日たたかいぬいたのだ。

米軍ストライカー装甲車に怒り爆発――1・21

 翌二十一日も、労働者・学生・市民は早朝六時からゲート前に結集した。たたかう労働者たちは早朝出勤するまえに結集して次つぎと座りこむ。労組の旗を掲げて参加する労働者たちでゲート前はふくれあがっていった。
 六時三十分、新ゲートにむかってシュワブ基地の奥からストライカー装甲車が次つぎと出てくるではないか。まだ暗闇のなか、ヘルメットと戦闘服の米兵が乗りこんだ戦闘装甲車が隊列を組んで基地を出ようとしている。緊迫する朝鮮半島へ、中東・アフリカの「対IS戦争」へ出撃するための軍事演習にちがいない。イラクでムスリム人民を殺戮してきた悪魔の戦闘車の前に労働者・学生・市民は体をはってたちはだかり立ち往生させる。怒りのシュプレヒコールをあびせ抗議の拳をあげたのだ。

 弾圧に抗し四二〇名がスクラム

 七時すぎ、沖縄中部のうるま市、沖縄市、浦添市からチャーターバスが次つぎに到着した。旧ゲート前は四二〇名の労働者・学生・市民でふくれあがり、座り込みによってゲートは完全に封鎖された。
 主催者が「今日こそ水曜、木曜連続して工事車両の進入を阻止しよう」と訴える。「やるぞ!」と参加者が呼応する。
 参加者が次つぎに発言にたつ。そのなかで東京からきた福島出身の女性は熱烈にうったえた。「日本が戦争につきすすんではいけない。戦争法案廃案にしなさい。原発は再稼働させてはいけない。沖縄に基地をつくってはいけない。世界のみんなと連帯してたたかいましょう!」と。降りつづく冷たい雨をものともせず、結集した労働者・人民は意気高く座り込みをつづけた。この闘いに圧倒された沖縄県警は一歩も動くことができない。
 十二時、午前中はついに一台の工事車両の進入も許さなかった。「やったぞ!」座り込み行動をたたかいぬいた労働者・人民は、勝利の雄叫びをあげ、力強く拳をつきあげた。
 二日連続してゲート前に大結集をかちとり座り込み封鎖によって本格埋め立て工事にむけた資材搬入・準備工事を許さないという新たな地平をかちとったのだ。
 だがこの日午後一時すぎ、政府・防衛局は機動隊をさしむけ昼食をとりながら座り込みを続行している労働者・学生・市民を暴力的に排除する挙に出た。そしてわずか二台のダンプトラックを、しかも荷台は空っぽのものを基地内に進入させた。
 集中行動日が週二日へと強化され、これが定着化することを恐れた彼らは、トラックの進入を強行したのだ。この国家権力による威圧・恫喝に結集した労働者・人民の怒りが爆発した。「絶対に阻止するぞ!」労働者・人民の決意がいよいよ高まったのはいうまでもない。
 いままさに北朝鮮・金正恩政権による核実験強行をチャンスとばかりに、アメリカ・オバマ政権は東アジアにおける対中国・対北朝鮮包囲網を飛躍的に強化する米日韓三角軍事同盟の構築・強化にのりだしている。これに積極的にこたえているのが日本の安倍政権にほかならない。米・日の権力者は、対中国のみならず、さらに中洋・アフリカにおける「対テロ」の名によるムスリム皆殺し戦争≠も遂行しうる米日共同の出撃拠点として辺野古新基地を早期に建設するために血眼になっている。
 「反安保」を完全になげすて参議院選挙にむけた運動に埋没している日共中央指導部を弾劾し、いまこそ辺野古新基地建設阻止の闘いを日米新軍事同盟=グローバル侵略戦争同盟構築・強化に反対する<反安保>の闘いとして燃えあがらせ安倍政権を打倒するために奮闘しよう!
Top

    


『解放』第二四〇二号・中央労働者組織委員会論文の理論的欠陥について


 中央労働者組織委員会

以下、見出し

A 「パイの分け前」論の批判をめぐって

B 「大企業による中小企業の収奪」をめぐって
Top
 

  


緊急事態条項

銀河帝国もアベ政治もナチスがモデル


 正月休みに首相・安倍は映画「スター・ウォーズ エピソードZ」を観たそうだ。奴は知らなかったんだろう、この映画のエピソードT〜Vの粗筋になぞらえて安倍政権・自民党が企む「緊急事態条項」新設に警鐘をならす解説が、弁護士やジャーナリストによって巷間でひろめられていることを。
 <……むかしむかし、はるか彼方の銀河系で、銀河共和国が通商連合の軍事的反乱に直面。共和国議会は圧倒的多数で最高議長に非常大権を与えた。軍隊を創設して戦争に突入。だが反乱じたいがじつは議長が仕組んだ謀略。議長は反乱鎮圧後も非常大権を手放さず、共和国の守護者である騎士(ジェダイ)たちを抹殺。共和国を廃止し、強大な軍事力で恐怖支配をしく銀河帝国の皇帝となる。>……こんなふうに、「緊急事態条項」ができてしまったら邪悪な「暗黒面(ダークサイド)の力」をもつ権力者がそれを悪用して軍事独裁国家≠ノなっちゃう危険性があるよ、というのがあらまし。
 ちなみに銀河帝国軍の兵隊の格好はナチス・ドイツ軍にそっくり。「スター・ウォーズ」の生みの親=ジョージ・ルーカスがヒトラーによる権力掌握の過程を参考にして舞台設定を考えたのは明らか。
 ドイツで何が起こったか。先進的な人権規定をもっていたとされるワイマール憲法だが、第四十八条では「公共の安全および秩序」が脅かされるまたはその恐れがある場合には大統領が非常大権を発動し「緊急令」を発布できると定められていた。一九三三年、首相に就いたヒトラーは、国会議事堂に火を放ち共産党の仕業と決めつける謀略を強行。この事件を口実として、大統領ヒンデンブルクに「民族と国家防衛のための緊急令」とか「民族への裏切りと国家反逆の策謀防止のための緊急令」とかを発布させ、言論・集会・結社の自由など人民の一切の諸権利を停止。共産党を非合法化、そのうえで、ヒトラー首班の政府が議会での議決抜きに法律を制定できるとする「授権法」=「全権委任法」を議会の三分の二以上の賛成をもって制定し、ナチス独裁政権≠確立した。ただちにユダヤ人排斥を開始、労組・ストを禁止、政党設立も禁止。翌年、ヒトラーは総統に就任。三六年にはラインラント非武装地帯に侵攻、三七年ゲルニカ空爆、三八年オーストリア侵攻・併合、三九年ポーランド侵攻へと突撃してゆく……。
 侵略戦争法を強行的に制定した安倍政権・自民党が憲法改定の「現実的な段階」(安倍)と称して「緊急事態条項」の新設を目論み、「いかなる場合に人権を制限できるか議論する」(自民党政調会長・稲田、一月二十三日)と叫んでいる今このとき、ヒトラー・ナチスがファシズム権力を確立していった手口は「むかしむかし、はるか彼方の」出来事ではない。自民党改憲草案の「緊急事態条項」(第九十八、九十九条)では、内閣総理大臣が「緊急事態の宣言を発することができる」とされ、国会承認は「事後」でもよいとされている。さらに「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」と規定されている。これこそ、ワイマール憲法第四十八条の「非常大権」とヒトラー政府のファシズム支配を合法化した「授権法」を首相が一挙に掌中にするに等しい、反憲法的条項いがいのなにものでもない。
 国会では社民党・福島瑞穂が「緊急事態条項はナチスの授権法とまったく同じ」と追及(一月十九日、この質疑の途中でNHKの国会中継はうち切られた)。福島にたいして「限度を超えた批判は慎んでもらいたい!」と血相をかえてワメキちらしたのが安倍。ズバリ図星だったからこそキレたんだろう。さらに安倍は、「国際的に多数の国が採用している憲法の条文だ」と正当化に躍起になった。
 だが、たとえば現在のドイツ基本法(憲法)にも緊急事態条項はあるが、かつてのワイマール憲法第四十八条とは異なって、事態を確定するのは形式上は議会とされており首相でも政府でもない。しかも「緊急事態」が細かく規定され、たとえば「ストライキ」は除外することを明文化してもいる。また、「緊急事態」下での司法(裁判所)の地位の維持が明記されている。これにたいして自民党改憲草案の「緊急事態」の規定は例によって「等」「その他」をひっつけてなんでもあり≠ノされているし、司法の機能維持にかんする規定はない。現在のドイツ帝国主義の反動的な緊急事態条項に比べてすら、自民党案はほとんど制限なく首相に全権限を集中することを可能にするウルトラ反動のしろものなのだ。
 「スター・ウォーズ」エピソードW〜Yでは、反帝国レジスタンスの主人公が正義の「フォース」(超能力のようなもの)に覚醒してたたかい、皇帝を打倒する。保革を超えて改憲勢力三分の二議席獲得を阻止する一票を投じることこそ「日本国民のフォース」と訴えるむきもあるが、そんなものでは「ナチスの手口」に学んで民族排外主義・国家ナショナリズムの熱狂を焚きつける謀略をも企んでいるにちがいないネオ・ファシスト権力者の「暗黒面の力」に呑みこまれてしまうだろう。憲法改悪を阻止する真の力は、労働者階級の団結にこそある。いまこそ階級的自覚に覚醒せよ!
Top

   


最新号紹介

新世紀 The Communist 第281号
2016年3月

戦争とファシズムへの暴走を打ち砕く闘いの針路をしめす

 ◆北朝鮮による核実験の強行、中東におけるサウジアラビアとイランとの激突――新たな年の幕開けとともに戦乱の拡大と大戦勃発の危機がますます高まっている。戦争をやれる国へと雄飛する野望をたぎらす安倍ネオ・ファシスト政権は、改憲への「挑戦」をうちあげ、第九条を破棄する攻撃を現実に開始した。二〇一六年をむかえ、わが反スターリン主義運動の前進を切り開くための武器として、『新世紀』第二八一号をすべての仲間におくる。
 ◆巻頭の「ハンガリー革命六〇周年――〈戦争とファシズム〉の暗雲を切り裂く反スターリン主義の拠点を構築せよ」(無署名)は、年頭にあたってわが同盟の決意と闘いの基本的方向性を力強く提起している。11・13パリ銃撃・自爆事件に震撼させられた米・欧・露の権力者どもがシリア内戦をめぐる主導権争いを演じつつ強行している「IS撲滅」の軍事作戦こそ、「文明」の名による国家テロリズム=ムスリム人民皆殺し戦争にほかならない。全世界の労働者・人民はいまこそシリア空爆に反対する国際的反戦闘争をいっせいにまきおこそう。ムスリム人民は宗派的対立を超え、イスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづいて団結し空爆テロ弾劾の闘いをたたかおう、と。
 〈米・日〉〈仏・英・独〉〈中・露〉の権力者が、シリア・中洋、ウクライナ、南シナ海において角逐し相互に火花をちらしている現代世界、この世界を揺り動かす「渦心」をなすのが「火を噴くイスラーム世界」なのだ。だが、イスラーム急進主義者の帝国主義への反抗が先鋭化してあらわれている現実こそ、スターリン主義ソ連邦の自己崩壊と国際階級闘争の衰退がもたらした悲劇いがいのなにものでもない。このゆえに、スターリン主義の破産と国際階級闘争の衰退をのりこえていくことこそが核心問題であり、われわれの立脚点は同志黒田寛一がうちたてた〈革命的マルクス主義の立場〉なのである。いまこそ反スターリン主義の強大な前衛党をともに創造しようと、熱烈に訴えている。
 ◆「憲法改悪阻止の巨大な闘争を!」(中央学生組織委員会)は、東アジアや中東において燃えあがる戦乱の炎を打ち破る反戦闘争にただちに起ちあがろうと満身の力をこめて訴えている。安倍政権は日米グローバル戦争同盟に見合った内実の新憲法の制定、すなわち第九条破棄の改憲攻撃に突進している。真っ先に手をつける改憲項目として「緊急事態条項」の新設を唱えている。この歴史的攻撃をまえにして、民主党などとの「国民連合政府」構想を提唱する日共指導部は、「反安保」を投げ捨て「憲法九条擁護」をさえ棚上げにすることを公言しているのだ。保守協賛党≠ヨと転落した日共の「立憲主義まもれ」運動をのりこえ、改憲阻止・辺野古新基地建設阻止の反戦反安保の一大闘争をまきおこそうと、本論文は呼びかけている。
 「ドキュメント・辺野古新基地本体着工阻止の激闘」は、十月末から十二月にかけての辺野古現地における闘いの迫力にみちた報告だ。
 本号の冒頭にカラーグラビア「二〇一六年―わが運動の一大飛躍を!」を、本紙新年号のマンガとあわせて掲載した。

サウジ・イラン激突――
大戦勃発阻止の国際的反戦闘争を


 ◆シリア・アサド政権をささえるシーア派の大国イラン、これに対抗して反アサド勢力を支援するスンナ派の盟主サウジアラビアが反イランの排外主義をあおりたてついに戦争挑発にふみきった。「中洋イスラム圏を発火点とする大戦勃発の危機」(嶋達雄)は、中東における二大地域大国の激突によって、シリア内戦が新たな段階へと突入し、いまや全中東をまきこんだ戦争が勃発する危機が高まっていることを鋭く抉(えぐ)りだしている。ムスリム人民にたいして、団結してシリア空爆に反対する闘いをつくりだすとともに、サウジアラビアをはじめとした腐敗した自国の王制権力を打倒する闘いに決起するべきことを呼びかけている。
 「ソ連邦崩壊二十五年――資本主義ロシアに反スターリン主義運動の奔流を」(堀場大介)は、ソ連邦崩壊から二十五年の今日、エリツィンとプーチンの統治下のロシアにわが反スターリン主義運動を波及させる闘いをふりかえりその意義を打ち固めるとともに、決意も新たに、プーチン政権を打倒し第二のプロレタリア革命を実現するべくたたかうことを、ロシア労働者階級に呼びかけている。プーチン専制体制の独自性とロシア型国家資本主義への推転の構造を、われわれはどのように分析し明らかにしてきたのか、また資本主義ロシアへのわが同盟の第一次(一九九二年)と第二次(一九九七年)の派遣団の闘いの画期的意義はなにかを、本論文からつかみとることができる。
 ◆「VW排ガス不正事件の意味するもの」(浦内真司)は、今回の不正摘発が、販売台数世界一をめざすドイツ・フォルクスワーゲン社の追いおとしを狙ってアメリカの政府機関が仕組んだものであることを暴きだしている。世界の自動車諸独占体による「環境保護」をうたった「エコカー」開発の偽善性と自動車市場の争奪をかけての〈環境=経済戦争〉の実態を明らかにしている。
 「郵便集配部門の一大合理化を打ち砕け」(高山徹)は、郵政経営陣による「郵便・物流部門」の大リストラ攻撃とその手口を構造的に分析し暴きだしている。「併配・多能工化」、「班別収支」の手法や「変形勤務制」の導入などが集配労働者に強制され、労働強化や悪らつな労務管理手法の導入がたくらまれているのだ。「深夜労働の強制、誤配は責任追及――『マイナンバー郵便』配達」(黒隈源三)をあわせて掲載した。
 本号をわが闘いの武器として大いに活用しよう。
Top


   

  
日米共同戦闘機演習に抗議 1・17 千歳
 一月十二日から二十二日まで、日米両権力者は、北海道の航空自衛隊千歳基地を拠点に日米共同演習を強行した。この日米共同戦闘機演習に反対し、一月十七日、北海道千歳市で、「安保法制・秘密保護法廃止! 米空軍戦闘機千歳基地訓練移転反対全道集会」とデモ行進がおこなわれた(主催は「連合北海道」など、共催は北海道平和運動フォーラム)。全道各地から怒りに燃えて結集した労働者五〇〇名は、「日米共同演習反対!」のこぶしをつきあげた。
職場から反戦反安保の闘いを創造する決意をこめて「団結ガンバロー」
(1月17日、千歳市グリーンベルト)
Top