第2421号(2016年6月6日)の内容

<1面>
G7サミットに怒りの火柱 5・26名古屋
元米海兵隊員による女性殺害弾劾!
「核なき世界の実現」を煙幕としたアメリカの核軍事力増強反対!
<3面>
元海兵隊員による女性殺害弾劾!
沖縄人民の怒り爆発 嘉手納基地
 5・25 4000人が「基地撤去」の叫び
 5・20 第1ゲート前で緊急抗議集会
<2面>
「南スーダンPKO派兵阻止!」
 道共闘・反戦が千歳現地闘争 5・22
労学が反戦・改憲阻止のデモ 5・14札幌
<4面>
中国の軍事的抑えこみに狂奔する米日両権力者
習近平中国の「強軍の夢」
<5面>
三菱自動車のデータ不正操作
熊本大地震の被災者を放置する安倍政権を許すな
<6面>
郵政事業に奉仕する運動の全面化を許すな!
 郵政労働者委員会
Topics 定年後再雇用労働者の賃下げは「違法」――5・13東京地裁判決
<7面>
日本郵便経営陣による「総合服務・柔軟な要員配置」施策導入を許すな
<8面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
◆宇宙軍拡の尖兵JAXA
◆あなたのすべてを
◆御用学者の「共同」幻想
『新世紀』最新号(第283号)紹介
週間日誌は7面に掲載
 「解放」最新号







































  


G7サミットに怒りの火柱  5・26 名古屋

元米海兵隊員による女性殺害弾劾!

「核なき世界の実現」を煙幕としたアメリカの核軍事力増強反対!

「伊勢志摩サミット反対!」の大横断幕を先頭に進撃する労学のデモ隊列
(5月26日、名古屋市)
「安保破棄めざして闘おう」元海兵隊員の女性殺害を弾劾する県民集会に結集した4000人民とスクラム固く闘う学生が奮闘
(5月25日、嘉手納基地第1ゲート前)

 「伊勢志摩サミット反対!『核なき世界』を煙幕とするアメリカの核軍事力増強反対! 日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対!」「元海兵隊員による女性暴行殺害弾劾! 全米軍基地撤去! 安保破棄!」――五月二十六日、伊勢志摩の賢島(かしこじま)で、ちょうどG7の首脳会合が開催されていたまさにそのときに、たたかう労働者・学生の怒りの雄叫びが名古屋市街に轟きわたった。愛知大学・名古屋大学の学生を先頭に、名古屋に結集した北海道、東京、北陸、関西の全学連のたたかう学生、名古屋地区反戦のたたかう労働者が、二万三〇〇〇人の警察治安部隊と日本国軍・海上保安庁による史上空前の戒厳体制を突き破り、<サミット反対・日米安保粉砕・改憲阻止>の闘いの火柱をぶちあげたのだ。
 日共の不破=志位指導部は、「サミット反対」の意志表示をすることもなく、さらには女性殺害事件にたいしては、「日米地位協定の改定」をもとめるだけで「安保廃棄」はおろか「日米軍事同盟の強化反対」の声もあげない。オバマの広島訪問と「核なき世界」の提唱にたいしては、「歴史的一歩」などと賛美するという、許しがたいオバマの提灯持ちぶりを露わにしている。きたる参院選における民進党との選挙協力にうつつをぬかす代々木官僚どもによって、総じて既成反対運動は「野党共闘」を尻押しするものへとねじ曲げられているのだ。
 「反安保」を完全に放棄した日共系反対運動をのりこえるかたちで、たたかう労働者・学生は<サミット反対! 日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対!>の闘いを、G7諸国の労働者・人民に、自国政府の戦争政策と貧困の強制と圧政に反対してともにたたかうべきことをも呼びかけつつ、唯一革命的にたたかいぬいたのである。

オバマ広島演説の欺瞞を暴きだし日米新軍事同盟の構築に反対せよ

 五月二十六日から二十七日にかけて開催されたG7伊勢志摩サミット。これに先立つ二十五日の夜、日米首脳会談がサミット会場のホテルで急きょ開催された。沖縄、そして全国各地で、元海兵隊員による女性暴行殺害にたいして労働者・学生・人民の怒りが沸騰している。来日するオバマを迎え撃つかたちで、沖縄では「米軍基地撤去」を掲げた四〇〇〇名もの労働者・学生・人民が米軍嘉手納基地を封鎖する闘争が爆発した(二十五日)。
 反基地・反米軍の怒りにつつまれたアメリカ大統領オバマは、安倍との首脳会談および共同記者会見において、許しがたい対応に終始した。オバマは、沖縄の労働者・人民に元米軍兵士の犯罪についての「謝罪」の言葉もいっさい口にせず、あろうことか在日米海兵隊に「感謝を伝えることを楽しみにしている」などと言い放った。この労働者・人民を愚弄しきったオバマにたいして、女性殺害事件にたいする一片の「抗議」を表明するだけで、日米地位協定の改定はおろか・その運用にかんしても首脳会談で一言も口にしなかったのが、属国の宰相・安倍にほかならない。われわれは、元海兵隊員による女性殺害を満身の怒りをこめて弾劾する。首脳会談において反人民性をむき出しにしたオバマと安倍を絶対に許してはならない。
 米兵への「感謝」を口にしたオバマと「日米同盟は希望の同盟」とほざく安倍とは、日米首脳会談で「強固な日米同盟」の名において日米新軍事同盟の飛躍的な強化を相互に確認した。元米兵による女性殺害にたいする怒りに燃えて「米軍基地撤去」をもとめる沖縄の労働者・人民の闘い、これを傲然と踏みにじって「辺野古移設が唯一の解決策」と称して辺野古への米海兵隊の巨大基地建設を推進することをも宣言した。何が「沖縄に寄り添う」(安倍)だ。断じて許すわけにはいかない。
 沖縄の若き女性が、殺人鬼として育成されてきた元海兵隊員に暴行され惨殺され遺棄された。この許すまじき蛮行がまたしてもくりかえされたのは、イラク、アフガニスタンでムスリム人民を虫けらのように殺戮し陵辱してきた米軍兵士を再び戦場に送り出すために、米軍基地で殺人訓練≠ェ日常的におこなわれているからだ。そして、反基地闘争を憎悪する米軍当局が、沖縄の労働者・人民を侮蔑する新兵教育を米兵に日常的におこなっているからなのだ。
 元米軍兵士による凶悪な事件が引き起こされたまさにこのときに、在沖(在日)米軍基地を中国や中東イスラム圏にたいする侵略戦争の拠点としていっそう強化・拡大することを誓い合ったオバマと安倍。この日米両権力者にたいして、たたかう労働者・学生・人民は、沖縄、そして全国で、いまこそ階級的怒りをたぎらせ「基地撤去・安保粉砕」の大闘争をたたきつけようではないか! <安保破棄>めざして、総力を挙げてたたかおうではないか!
 そして同時に、われわれは、五月二十七日の夕方、G7サミットを終えたオバマがおこなった被爆地・広島への訪問の欺瞞を満天下に暴きだし、「核なき世界」を煙幕としたアメリカの核軍事力増強と日米核軍事同盟の強化に反対する革命的反戦闘争の嵐を巻き起こすのでなければならない。
 広島の平和記念公園で原爆ドームを背にしてアメリカ大統領オバマがおこなった「核なき世界」を謳った演説は、わが同盟がすでに喝破してきたとおりに、アメリカの新たなかたちでの核軍事力の増強をおしかくす煙幕いがいのなにものでもない。演説では「七十一年前の快晴の朝、空から死が降ってきた」だの「キノコ雲の姿に人類の根本矛盾を想起する」だの「科学は殺人の道具になってしまうことがある」などという、聞くに堪えない空々しい言辞が並べたてられた。だがしかし、人類史上初めて広島と長崎とに原子爆弾を投下し、合わせて三十数万の命を一瞬にして奪いさったのは、いったい誰か。それは、人類一般ではなくして、階級国家たるアメリカ帝国主義国家の政府・支配階級ではないか。このアメリカ政府・支配階級の人類史に刻まれる国家犯罪について、アメリカ帝国主義権力者として「謝罪」もせず、「人類」とか「科学」とかの抽象的な言葉でごまかすというレトリックを駆使し、そうすることによって居直ることを、われわれは断じて許してはならない。
 そればかりではない。オバマは「核兵器の備蓄がある国は、恐怖の論理から抜け出す勇気を持ち、核兵器なき世界を追求しなければならない」などと吹聴した。だがしかし、国連での核兵器禁止条約の締結を、子分≠スる日本を動員して葬りさるための策動を執拗にくりひろげ、いまこのときも自国の核軍事力の増強をおしすすめているのはどこのどいつか。アメリカ帝国主義の最高権力者たるオバマではないか。核ミサイルの発射ボタンを内蔵した「フットボール」と呼ばれる黒い鞄をもつ軍人を被爆者のすぐ脇に立たせて、いったい何が「核なき世界」だ! 大統領オバマが現におこなっていることは、配備してから四十年が過ぎ老朽化した核弾頭を順次廃棄し、使える¥ャ型核兵器など最新鋭の核兵器に置きかえるかたちでの核戦力の増強と、中国・ロシアの核戦力を無力化することを企図したミサイル迎撃(MD)システムの世界的な配備とによる核軍事力の質的増強にほかならない。アメリカの核軍事力の圧倒的優位は護持するかたちで、中国・ロシア両国に核弾頭の量的削減を迫るという薄汚い計略が、オバマ演説のなかに透けて見えるではないか。
 このオバマの隣で、一言だけ「核兵器のない世界を実現する」と口にしたのが、首相・安倍にほかならない。だが、これもまた労働者・人民を愚弄するものではないか。首相・安倍その人は、「憲法第九条は、一切の核兵器の保有・使用を禁止しているわけではない」という閣議決定(四月一日)をあえておこない、そうすることで米軍による核先制攻撃の作戦に日本が参戦するという国家意志を誇示した張本人である。安倍は内心では、日本の核武装の野望さえたぎらせているではないか。
 われわれは、オバマが安倍を引き連れておこなった広島訪問なるものが、日米グローバル戦争同盟の構築・強化のための欺瞞の儀式にほかならないことを満天下に暴きだすのでなければならない。オバマによる「核なき世界」の高唱の裏側では、核軍事力の増強をおしすすめるアメリカと、新ガイドライン・戦争法にもとづいてアメリカの対中国軍事攻撃に参戦する体制をも築きつつある日本とが核軍事同盟を強化することを相互に確認した。このことの重大な意味を、日本の労働者・学生・人民はいまこそ直覚し、「『核なき世界』を煙幕にしたアメリカの核軍事力増強反対」「日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対」の革命的反戦闘争を創造するべきときなのだ。
 だがしかし、この決定的局面において、代々木官僚どもは、オバマの広島演説を「核なき世界への歴史的な一歩」だとか「被爆者の願いにこたえたもの」だとかと最大限の賛辞を送っている始末だ。これほど犯罪的なことがあろうか。核兵器禁止条約の締結には背をむけ、イスラエルの核保有を擁護する魂胆からアラブ諸国が提案した中東非核化構想にも反対しているのが、アメリカ大統領オバマではないのか。代々木官僚のように「核なき世界」の提唱や広島訪問というオバマの外交姿勢の一面だけをとりあげ賛美するのは、その他面でオバマがおしすすめている小型核兵器の開発や弾道ミサイル実験などの核軍事力の強化を実質的には免罪するに等しいのだ。いま重要なことは、「核なき世界の実現」なる謳い文句を隠れ蓑にしたアメリカによる核軍事力の増強に断固反対するとともに、これに対抗するかたちでロシア・中国権力者によっておしすすめられている対抗的核軍事力増強にも断固反対する労働者・学生の反戦闘争を組織することである。一方では「核なき世界」だの「核軍縮」だのを語りながら・敵国の核軍事力増強の手を縛るための術策を弄し、他方では、みずからは相手を圧伏する核軍事力の増強をおしすすめるアメリカおよびロシア・中国などの権力者。こうした権力者どもの理性≠ノ期待を寄せることほど無力なことはないのだ。米―中・露の核軍事力増強競争に反対する反戦闘争の国際的な創造こそが、米―中・露対決下で高まる世界的大戦の勃発を阻止し・原爆によって苦しめられつづけてきた被爆者の願いとは裏腹に切迫する熱核戦争勃発の危機を突き破る唯一の道なのだ。
 われわれは、オバマの応援団になりさがった日共翼下の反対運動の死滅状況をのりこえて、米―中・露の核軍事力増強競争反対の革命的反戦闘争の怒濤の前進をかちとるために、全世界の労働者・人民の最先頭において、今こそ奮闘するのでなければならない。

「安保粉砕! 憲法改悪阻止!」
闘う労学が市街中心部をデモ


 五月二十六日午後六時、たたかう労学は名古屋市中区の栄公園から、栄市街中心部へのデモ行進に勇躍うってでた。ちょうどこのときサミット会場においては安倍、オバマをはじめとするG7権力者どもが全体会合をおこなっていた。
 「伊勢志摩サミット反対!『核なき世界の実現』を煙幕としたアメリカの核軍事力増強反対! 日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対!」と大書された横断幕を先頭に、全学連、名古屋地区反戦、革マル派の真紅の旗、さらに愛大学生自治会をはじめとする各自治会旗がつづく。白ヘルとゼッケンに身を固めた労学は、「日米新軍事同盟の強化反対!」「憲法改悪阻止!」「安倍政権打倒!」と記された色とりどりののぼりを風にはためかせ進撃する。
 「サミット反対! 安保粉砕! 改憲阻止!」
 力強いかけ声を沿道に響かせながら、デモ隊は、空前の警備体制を打ち破り市街中心部に向けて驀進する。
 「伊勢志摩サミット反対!」「元海兵隊員による女性暴行殺害弾劾!」「すべての基地を撤去せよ!」「安保粉砕!」戦闘的なシュプレヒコールが、市街地一帯に轟きわたる。
 前日の日米首脳会談において元海兵隊員による女性暴行殺害について謝罪すらしなかったオバマ、そして「辺野古移設が唯一の解決策」などと「日米同盟の強化」をオバマに確約した首相・安倍を断じて許すな! 日米のグローバル戦争同盟を粉砕せよ! 労学のシュプレヒコールに一層の力がこもる。
 先頭の街宣車の女子学生が、街頭の労働者・人民に呼びかけた。
 「元米海兵隊員による残忍きわまりない女性殺害を、絶対に許すことはできない! 全基地撤去・安保破棄の声をあげよう!」「伊勢志摩サミットに反対しよう!『核なき世界の実現』を煙幕としたアメリカの核軍事力増強に反対する闘いにともに起ちあがろう!」
 繁華街を行きかう多数の労働者・学生・市民がいっせいにデモ隊の勇姿に共感の眼差しをむける。たたかう労働者・学生の部隊は、名古屋市中心部の繁華街を席巻し、久屋大通公園沿いをテレビ塔を前方に見ながらさらに進撃する。
 「日本の軍事強国化反対!」「憲法改悪阻止!」
 こうして労学のデモ隊は、伊勢志摩サミットとオバマ広島訪問の反人民性を満天下に暴きだしつつ、栄公園までのデモ行進を最後まで戦闘的に貫徹したのである。

既成指導部の闘争放棄を弾劾
熱気みなぎる総決起集会


 デモに先だって、たたかう労学は、午後四時半から栄公園において総決起集会をかちとった。会場中央の「伊勢志摩サミット反対!」の大横断幕を背にして、司会の女子学生が集会の開会を宣言する。
 全学連酒井委員長が登壇し、基調提起にたった。彼は開口一番怒りをこめて訴えた。
 「われわれは、元米海兵隊員による沖縄の女性暴行殺害を満腔の怒りをこめて弾劾する! この凶悪きわまる蛮行は、在日米軍基地を対中国・『対IS』の侵略戦争の出撃拠点として強化しているアメリカ帝国主義権力者、彼らが殺人マシーンとして鍛えあげた元海兵隊員による許しがたい犯罪だ。われわれは、『反安保』を完全放棄する日共中央をのりこえ、米軍犯罪の元凶たるグローバル戦争同盟強化の攻撃を打ち砕く闘いに決起しよう! <全基地撤去! 安保粉砕!>めざして起ちあがれ!」「ヨーシ!」会場の労学が力強く呼応する。
 オバマと安倍とは、サミット会合において、中国の南シナ海における軍事拠点構築にたいする非難や、「対テロ戦争」強化を仏・英・独・伊・加の権力者とともに謳いあげることを画策した。酒井委員長は、その犯罪性を暴露し、今こそ、反戦反安保闘争の巨大な火柱をぶちあげようと呼びかけたのだ。
 さらに彼は、翌二十七日に予定されていたオバマの広島訪問の欺瞞性を満天下に突き出し、「核なき世界の実現」を煙幕としたアメリカの核軍事力増強に断固反対してたたかうべきことを訴えた。「中国・ロシアにたいする核軍事力の質的優位を護持するために、新型核兵器の開発やMDシステム配備をはじめとする核軍事力増強に狂奔しているのがオバマ政権だ。そして、核使用も合憲とする閣議決定を強行し、核攻撃を含むアメリカの戦争に参戦することを正当とする国家意志をうちかためているのが安倍政権だ。広島訪問を利用しての日米の核軍事同盟強化を許すな! 米―中露の核軍事力増強競争反対の革命的反戦闘争をたたかおう!」
 労学は酒井委員長の熱烈な基調提起をがっちりと受けとめ拍手で応えた。
 つづいて全学連東海地方共闘会議の仲間からの決意表明だ。オバマ政権は核戦略にもとづいて、新型核兵器「B61モデル12」を搭載可能なステルス戦闘機F35を岩国基地に配備することを企み、同時に愛知県小牧にその整備拠点を設置しようとしている。これに全面加担しているのが安倍政権だ。絶対に許すな! 彼は怒りをこめて訴えた。
 次に関西共闘の女子学生が、奈良女子大学と神戸大学においてサミット反対、改憲阻止の闘いをつくりだしてきたことを誇らかに報告しつつ、サミット反対闘争をたたかう決意を表明した。北信越地方共闘の学生は、オバマ・オランドといった米・仏の権力者たちが、シリア・イラクにおいてムスリム人民を無差別空爆により虐殺してきたこと、安倍やメルケルがこれを支持し協力加担してきたことを怒りをこめて弾劾し、闘いの決意を表明した。
 会場の熱気が最高潮に達するなかで、わが同盟東海地方委員会の代表が連帯挨拶にたった。彼はまず、この日午後のG7首脳による世界経済をめぐる討論の反人民性を暴露した。
 「首相・安倍は、金融・財政・構造政策の総合的実施を国際版『三本の矢』と称してG7首脳宣言に盛りこみ、財政出動を国際的なお墨付きをえたものとしておしだそうとしている。この安倍の魂胆が、消費税増税を先送りして参院選に勝利することにあることは明らかだ」わが同志の熱烈なアジテーションが響きわたる。
 彼は、安倍が「国際版三本の矢」などと称して、アベノミクスの完全破綻を糊塗しのりきろうとしていることを弾劾した。
 第二に彼は、サミットの議題のひとつとされている「大企業・富裕層の課税逃れ対策」なるもののペテン性を暴露した。「いまや世界各国の権力者どもや多国籍企業の資本家どもが、世界中の労働者・人民から搾取・収奪した資産をタックスヘイブンというかたちで隠匿し、課税を逃れ蓄財していることが露わになっているではないか。しかも、安倍をはじめとする各国権力者どもは、独占体優遇策をとりつづけることによってみずから招いた財政危機ののりきりをかけて、労働者・人民によりいっそうの社会保障削減・消費税増税を押しつけることを策している。これを絶対に許してはならない!」
 彼は、帝国主義各国の政府・支配階級と中国の北京官僚どもの悪を満天下に暴きだし、G7諸国権力者による各国の労働者・人民にたいする貧窮の強制に抗する労働者階級の団結した闘いを創造すべきことを熱烈に訴えたのだ。このわが同盟代表の挨拶にたいして会場の労学は万雷の拍手をもって応えた。
 全身に闘志をみなぎらせた仲間たちの発言をがっちりと受けとめた闘う労学はただちにデモにうってでたのだ。

闘争の革命的意義を打ち固め安倍政権打倒へ進撃せよ!

 全学連・名古屋地区反戦のたたかう労学は、伊勢志摩サミットおよび日米首脳会談・オバマの広島訪問のすべてにたいして、断固たる反対闘争を敢行した。改憲を企む首相・安倍は、選挙において改憲発議に必要な三分の二議席の獲得を狙って、サミットや一連の政治的セレモニーをマスコミを総動員して喧伝している。こうした安倍政権のどす黒い策謀を、わがたたかう労働者・学生は、断固として暴きだし、「憲法改悪阻止」「安倍政権打倒」の旗を高く掲げてたたかいぬいた。日共中央をはじめとする一切の既成反対運動指導部が、闘争放棄をきめこむなかで、唯一わが労学のみが、日米首脳会談に反対しサミットに反対する闘争の火柱を赤あかとぶちあげたのである。
 この闘争の革命的意義は、まず第一に、元米海兵隊員による女性殺害を満身の怒りをこめて弾劾し、「日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対! 全基地撤去! 安保粉砕!」の戦闘的デモンストレーションをもって、憎き米・日の両最高権力者にたいする断固たる反戦反安保の闘いをうちぬいたことにある。沖縄全島においていま、沖縄のたたかう労学の奮闘に鼓舞され「全基地撤去」の怒りに燃えた労働者・学生・人民が、元海兵隊員の所属する嘉手納基地、海兵隊新基地建設工事の進むキャンプ・シュワブ、さらには在沖米四軍調整官の居座る石平司令部に押し寄せ、ゲート封鎖闘争に連続的に決起している。六月十九日には「米軍撤退」を掲げて一〇万人規模の県民大会を開催することも決まった。こうした闘いを最先頭で牽引している沖縄のたたかう労学と固く連帯して、全国のたたかう学生と労働者は、「安保破棄めざしてたたかおう! 改憲・安保強化に突き進む安倍政権を打倒せよ!」のスローガンを高だかと掲げて、本闘争をスクラム固くたたかいぬいたのである。
 米軍基地の存在と日米安保同盟の反人民性がこのうえなく露わになり、巨万の労働者・人民が「全基地撤去!」の声をあげ反基地闘争に決起しつつある。まさにこのときに、許しがたいことに日共中央は、民進党とも一致できる「日米地位協定の抜本改定」をもとめているだけで「反安保」のハの字も語らない。これは犯罪的ではないか。こうした腐敗の根拠こそは、彼らが「安保廃棄」の内実をNATO並みの対等・平等な軍事同盟へと改良することを自己目的化するものへ変質させてきたことにある。
 われわれは日共中央の犯罪性を弾劾し、「反安保」を放棄した既成反対運動をのりこえるかたちにおいて、たたかいぬいたのだ。
 本闘争の革命的意義の第二は、オバマの広島訪問という欺瞞に満ちたセレモニーにたいして、「『核なき世界』を煙幕としたアメリカの核軍事力増強反対! MDシステムの日本・韓国への増配備阻止! 日米核軍事同盟の強化を許すな! 中国・ロシアの対抗的核軍拡反対!」の旗を高く掲げて、唯一起ちあがったことである。
 七千発余の核兵器を保有する世界最大最悪の核大国の大統領が被爆地・広島において、アメリカ国家の原爆投下という世紀の犯罪についてはいっさい謝罪することもなく空ぞらしい言辞を弄して実質的に居直った。しかも、オバマがベトナム・日本に滞在している全期間をとおして、沖縄に核戦争の指令センター機E―4Bを待機させた。それどころか、ほかならぬ被爆地・広島の平和記念公園に「フットボール」という核発射指令装置を携行したのがオバマだ。核発射ボタンに片手をかけつつ「核なき世界」を語るとは、何という偽善か! そしてこのオバマとともに、「希望の同盟」の名による日米グローバル戦争同盟の強化を宣言したのが首相・安倍である。中国や北朝鮮に対抗して独自核武装の野望をもたぎらせているこのネオ・ファシストが、核兵器の保有も使用も合憲とする閣議決定を強行し、あまつさえ、日米核軍事同盟の強化を「広島、長崎で原子爆弾の犠牲となった数多の霊の思いに応える唯一の道」などと正当化したのだ。断じて許すな!
 この米・日両権力者の策動に、中国・ロシアの両権力者も対抗的な核軍拡によってこたえている。アメリカのMDシステムの配備と小型核兵器の開発に対抗して、核弾頭の多弾頭化・SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)搭載の戦略原潜の配備などの核軍事力増強に突き進んでいるのだ。アメリカの核軍拡と、これにたいする中・露の対抗的な核軍事力増強とによって、熱核戦争の危機はいやましに高まっているのだ。
 この決定的なときに、オバマの広島訪問を「前向きの歴史的な一歩」(委員長・志位)、「被爆者の願いを反映したもの」(『しんぶん赤旗』五月二十九日付「主張」)などと賛美したのが日共中央なのだ。「反米」も「反安保」も投げ捨てた転向スターリニストどものこのあまりの腐敗を、わが革命的・戦闘的労働者・学生は満腔の怒りをこめて弾劾したたかいぬいた。
 わが労学は、「米―中・露の核軍事力増強競争反対!」の革命的スローガンを高だかと掲げ、革命的反戦闘争の炎を赤あかと燃えあがらせた。米・日帝国主義両国の労働者・人民にたいして核軍拡や戦争政策に突き進む自国政府を許さず闘いに起ちあがるべきことを、そしてまた、ネオ・スターリン主義中国、およびロシアの政府の圧政のもとで呻吟する労働者・人民にたいして、自国政府の核軍事力増強に反対して起ちあがるべきことを断固として呼びかけた。
 たたかう労学は、5・26闘争をかちとることをつうじて、プロレタリア・インターナショナリズムに立脚したわが革命的反戦闘争の創造こそが、現代世界の戦争的危機を根底から突破する唯一の道であることを、全世界の労働者・人民にさし示したのである。
 第三の意義は、帝国主義権力者どもによる伊勢志摩サミットが、全世界の労働者・人民に生き地獄のような貧窮を強制する跳躍台にほかならないというその反人民的な意味を明らかにし、断固としてこれに反対する闘いをぶちぬいたことである。
 中国の経済危機を震源とする国際金融危機・世界同時不況の再来におびえているG7諸国権力者は、首脳会合において、金融政策、財政政策、構造政策をめぐって各国間の軋轢を露わにしながらも、現下の経済危機を、労働者・人民に犠牲転嫁するかたちでのりきるための反人民的な政策を競い合った。ここにG7サミットなるものが自国の労働者・人民に、さらには経済新興諸国・途上諸国の労働者・人民にさらなる貧困を強制する反人民的セレモニーにほかならないことが浮き彫りとなった。
 まさしくサミット版「三本の矢」なるものは、各国の独占資本家・富裕層をますます富ませる他方で、労働者・勤労人民を極限的な貧窮と無権利の地獄に突き落とすものであることは明らかではないか! これを、断じて許さずに闘いに起ちあがるべきことを全世界の労働者・勤労人民に呼びかけつつたたかいぬいたのである。
 5・26闘争を断固としてたたかいぬいたすべての労働者・学生諸君! 全国でたたかう労働者・学生の諸君!
 われわれは、本闘争の革命的地平にふまえ、この六―七月、<憲法改悪阻止・日米グローバル戦争同盟構築反対>の巨大な闘争を、日本全国から巻きおこすために総力でたたかおうではないか!
 「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえ、沖縄全島で「全基地撤去!」の声高らかに燃え広がる「元海兵隊員による女性殺害弾劾!」「辺野古新基地建設阻止!」の反戦反安保闘争の大爆発をかちとるために奮闘しよう! 日本全土で、「全基地撤去! 安保破棄!」めざして起ちあがろう! いざ、改憲・軍事同盟強化に突き進む安倍ネオ・ファシスト政権打倒へ進撃しようではないか。
 すべての労働者・学生は6・19労働者・学生統一行動に決意も固く決起せよ!

Top

  


中国の軍事的抑えこみに狂奔する米日両権力者

 五月十七日、南シナ海の上空において、中国軍の戦闘機「殲11」二機が、海南島の中国海軍基地周辺海域で警戒監視活動をおこなっていた米軍の電子偵察機EP3にたいして約一五bまで急接近し威嚇するという事態が発生した。五月十日に三度目の「航行の自由作戦」を強行したオバマ政権にたいして、習近平政権が軍事的に対抗する姿勢を傲然と突きつけたのだ。まさに今、南シナ海は米―中の一触即発の危機にある!
 南シナ海において岩礁の埋めたてやミサイル・レーダー・戦闘機の配備に突き進む習近平政権にたいして、オバマ政権は、属国%本の安倍政権を従えつつ、韓国・朴政権をも巻きこんでの米日韓三ヵ国のMDシステムの構築や、米軍・日本国軍一体となっての南シナ海への軍事的展開、フィリピン・ベトナムなどとの軍事的協力関係の強化にのりだしている。安倍政権が侵略戦争法の施行に踏みきったことにふまえ、オバマ政権と安倍政権とは、日本の軍事的な「役割」をいっそう拡大するかたちで、中国にたいする軍事的包囲網の構築・強化に突進しているのだ。
 本稿では、米日両権力者がおしすすめている対中国の軍事的対抗の実態について明らかにする。

(以下、見出し)

米日韓三ヵ国でのMDシステムの構築

南シナ海における米日一体での軍事行動の展開

フィリピンの対中前線拠点化の策動
Top
 

   


三菱自動車のデータ不正操作
 ――労働者への犠牲転嫁を許すな――

 データ偽造が明らかになった三菱自動車が、不正の対象となった軽自動車の生産と販売を停止していこう、三菱自動車・水島製作所の労働者約三六〇〇人およびその一次下請けと二次・孫請けの企業(約八〇〇〇社弱)の多くの労働者が、自宅待機あるいは休業を強いられている。休業は長期におよび復帰の展望はまったく見えていない。いったい労働者の生活はどうなるのか!
 すべての責任は、三菱自動車資本家どもと奴らの休業提案に全面協力する労組幹部にある。

(以下、見出し)

燃費データ偽造の悪らつな手口

軽自動車市場でのシェア拡大を狙った不正

 ザル検査――偽造データを鵜呑みにした国交省

自宅待機・賃金削減・首切り攻撃を許すな

追記
日産ゴーン経営陣の一大攻撃を打ち砕け

Top

    


郵政事業に奉仕する運動の全面化を許すな!

 JP労組本部の経営陣への全面協力を弾劾しリストラ・合理化に反対しよう!

  郵政労働者委員会

 郵政労働者のみなさん! 第九回全国大会に参集された代議員・傍聴者のみなさん!
 JP労組本部は第九回定期全国大会において、一六春闘での「ベアゼロ」妥結を自画自賛するとともに、労使協議の総括と称して「企業業績の向上が必要」を強調し、これをJP労組の運動方針を貫く考え方(原理)として露骨に提示している。本部は今年度の運動についても、「業績向上」「収益性の向上」を基軸として組合員を生産性向上にかりたてる方針を提起している。まさにこれらは、JP労組の運動を、極限的な労働強化と低賃金による生活苦を強いられている組合員を無視し、郵政資本によるリストラ・合理化を下支えする運動として全面化させることではないか。さらに本部は、今大会を跳躍台として第十回全国大会において、「生産性向上運動」を核心とする「新たな運動の創造」方針を決定しようとしている。断じて許してはならない! 安倍ネオ・ファシスト政権が憲法改悪の野望をむきだしにしているにもかかわらず、本部は「政権の横暴」と言うのみで改憲反対とは言わず、反対する闘いをつくろうとしない。われわれは本部の闘争放棄・闘争抑圧を弾劾し、<憲法改悪阻止、安倍政権打倒>を掲げ今こそたちあがろうではないか!

春闘の「経営協議」への歪曲・「ゼロ回答」の即刻受け入れ弾劾!

 今一六春闘において長門新経営陣は、JP労組の超低額要求にすら耳を貸さず、徹底して「ベアゼロ回答」に終始した。そのうえ一時金への「特別加算(正社員八〇〇〇円、期間雇用社員上限一万円)」支給を「頑張りへの報酬」などと称して、わずかなおこぼれ金と引き換えに郵政労働者にさらに生産性向上に励むことを強要している。
 だが、JP労組本部は「事業の成長・発展のため」と称して経営陣の「ゼロ回答」を積極的に受け入れ、回答指定日に即刻妥結した。われわれはこれを決して許してはならない。
 本部は大会議案において、「ベアゼロ」妥結が郵政労働者に実質賃金切り下げをもたらすにもかかわらず、「特別加算」にとびつき、「働くものへの配分だ」「一定の成果」などと総括している。だが、長年の賃金抑制と一時金カット、消費税増税、各種社会保険料値上げ、住宅・教育のローン返済に苦しむ郵政労働者にとっては、「特別加算」など焼け石に水にもならない。さらに本部は、「期間雇用社員の処遇改善」は「格差是正に一歩踏み出した」などと自賛している。だが、経営陣は非正規雇用労働者にたいして、時給引き上げを拒絶しただけではなく、「特別加算」にすらスキル評価による三段階の格差(「スキルレベルC」の労働者には無支給)をつけている。さらに「無期労働契約への転換」にともなう労働条件についても、病気休暇は無給・年次有給休暇の時間単位取得は不可とされている。これらは非正規雇用労働者間の格差を拡大し、正社員労働者との格差を固定化するものではないか。どこが「格差是正」なのか。組合員をバカにするのもいい加減にしろ!

「企業業績向上が必要」を強調する欺瞞的な春闘総括を許すな!

 本部は春闘総括において、労使協議の意義をおしだし「営業黒字計画を策定する経営協議を積み上げた」などと天まで舞いあがっている。そして、労使協議の結論として「業績を確保できれば翌年度の処遇に反映できる」ことを強調している。この言辞は、資本家が労働者をダマすためにぬかす欺瞞的なものであり、本部はそれを組合員に吹聴しているのだ。本部は労働者の賃金を、「業績向上」のほんの一部のおこぼれ≠資本家からいただくものと考えているのだ。実際、考えてもみよ、経営陣は、トール社買収、巨額の設備投資、不動産投資、株式配当上乗せなど、事業資金を使いに使いまくった揚げ句、サイフの中には労働者に支払うお金はないとほざいている。
 資本家は労働市場で労働力をより安く買い叩き、生産過程で徹底的に労働者を酷使し剰余価値を搾り取るのであり、これにたいしてわれわれ労働者は食うために§J働組合を結成して賃上げを要求してたたかうのではないか。
 さらに本部は、本部指令にもとづいて支部・分会がおこなった春闘署名や職場集会などの春闘諸行動(運動)の総括をなに一つしない。これはなぜか? 本部にとって組合員は組合運動の主役ではなく、「企業業績向上」のために社員として生産性向上に励めばいい存在でしかないからだ。
 そもそも、われわれ労働者の賃金は「労働の報酬」ではない。賃金が「企業業績」によって決まる、というのは資本家が吹聴する俗論なのだ。本部は資本家のたれながす「支払い能力」論に屈服し、労働者が階級的団結と闘争を手段として賃上げをたたかいとることを否定しているのだ。春闘を生産性向上のための労使協議に歪曲し、春闘の総括として「企業業績の向上が必要」をひねりだす本部を弾劾しよう!

「新たな運動の創造」の名による生産性向上運動の全面化を許すな!

 本部は「浮き彫りとなった経営課題」と称して、「営業や生産性向上、収益性の改善が必要」だなどと経営陣になったかのようにのたまっている。そして「マネジメントを高度化し業績向上に直結させよ」と号令し、「要員課題、営業目標設定と推進、車両・備品に係る課題」について「ギリギリのコントロールが必要」と語り、会社が厳しいのだから人が足りない≠ネどと文句を言わずやりくりしろと言っているのだ。本部は下級機関役員にたいして、「職場段階におけるチェック機能の向上が必要だ」と説教し、労使で合意した経営・労務施策をスムーズに貫徹するために支部・分会での労使委員会で「チェック」し、あたかも問題点がないように「解消」しろと号令している。本部の言う「チェック機能の発揮」方針は、当局の経営・労務施策の貫徹を手助けするものであり、組合員にとってはさらに労働強化を強いられ、精神疾患・過労死の縁にたたされるものでしかない。
 本部は来年の第十回全国大会において、「新たな運動の創造」と称する中期的な運動方針を決定しようとしている。この運動方針は、組合員が日々職場で直面している問題などいっさい封殺し、業績向上のための生産性向上運動を全面化する以外のなにものでもない。郵政事業の成長・発展の礎として郵政労働者に永遠の賃金奴隷状態を強いる本部の「新たな運動の創造」方針に断固反対しようではないか!

新経営陣によるリストラ・合理化攻撃を許すな!

 郵政経営陣は、上場したばかりの株価の低迷、マイナス金利・国債金利低下による収益低下に見舞われ危機意識を高じさせている。経営陣は「機能重視のマネジメント」と称して、「窓口販売」「金融渉外」「郵便物流」と三つの部門(機能)ごとに経営管理体制を新たに構築し、各部門におけるリストラ・合理化攻撃を労働者の頭上にふりおろしている。
 窓口販売部門の労働者は、「総合服務」と「柔軟な要員配置」と称する合理化施策により徹底して人員を削減されたなかで、ミスなく事務処理をしたうえで顧客への多種多様な金融商品の営業を強いられている。郵便労働者は、「郵便・物流ネットワークの再編」と称して、次世代区分機を集中配備した「メガ物流局」に郵便内務作業が集中化され、首切り・配転・労働強化にさらされている。「メガ物流局」では区分機の稼働に対応して、ほぼ九割の労働者が深夜帯勤務のもと極限的な労働強化を強いられている。集配労働者は、全種類の郵便・ゆうパックの併配を強いられ、そのうえ超勤削減と営業・集荷を強要されている。
 ところがJP労組本部は、経営陣と危機感を共有し、「マイナス金利、来客数減少、ゆうパック成長鈍化、進まない生産性向上」などと、経営陣になり代わって事業環境の厳しさを強調している。そして、「極めて低い収益性」の改善が急務と言い、リストラ・合理化施策に全面的に協力し、さらなる生産性向上に組合員をかりたてているのだ。われわれ郵政労働者は、こうした本部の対応をのりこえリストラ・合理化に反対する闘いを職場から創造しようではないか!

憲法改悪阻止! 川内原発の稼働反対! 米軍基地撤去!
安倍政権を打倒しよう!

 四月十四日に発生した熊本大地震以降、多くの被災した人びとが不安を抱えながら困難な生活を強いられている。だが、安倍政権はこうした被災人民の救援そっちのけで、逆に震災を政治的に利用してさえいる。官房長官の菅は地震翌日の十五日に、「『緊急事態条項』の新設が必要」などと、改憲の必要性をここぞとばかりにブチあげた。それだけではない。地震が頻発しているにもかかわらず、川内原発の稼働を止めようとしないのが安倍政権だ。福島の惨禍をくりかえしかねないこの蛮行を、断じて許すわけにはいかない。
 JP労組本部は、大会議案では「安倍政権の横暴を許さない」と言うだけで憲法改悪に反対していない。熊本地震の支援・救援についても、川内原発稼働の危険性についてもいっさい触れないのだ。本部は、「連合」方針にもとづくと称して「改憲」論議を容認し、原発再稼働を許容しているのだ。われわれは、「郵政事業を守れ」の観点からのみ、なんば選挙に組合員を引き回す本部を弾劾し、安倍政権による憲法改悪、原発・核開発に反対しよう! 労働者・人民の力で「戦争のできる国づくり」に突き進む安倍政権を打倒しよう!
 (六月一日)

◆一六春闘の裏切り妥結と欺瞞的総括を許すな!
・春闘の「経営協議」への歪曲・「ゼロ回答」の即刻受け入れ弾劾!
・「企業業績向上が必要」を強調する欺瞞的な春闘総括を許すな!
・「生産性向上」を全面化する「新たな運動の創造」に反対しよう!

◆新経営陣によるリストラ・合理化に反対しよう!
・「郵便・物流再編」による郵便労働者への首切り・配転・労働強化に反対しよう!
・「新たな集配体制」と称する併配方式による労働強化をはねかえそう!
・「機能重視のマネジメント」の名による営業活動強要・労務管理強化を許すな!
・成果・実績重視の「新人事給与制度」による格差拡大を弾劾しよう!
・新一般職・非正規雇用労働者の労働条件の抜本的な改善をかちとろう!
・本部の「チェック機能の発揮」方針をのりこえ合理化反対闘争をきりひらこう!

◆なんば参院選への埋没をのりこえ憲法改悪反対の闘いを創造しよう!

◆反戦・反基地、原発・核開発反対、安倍政権を打倒しよう!

Top
 

  


日本郵便
「総合服務・柔軟な要員配置」施策の全面的実施を許すな

 経営陣による徹底的な労働強化反対!

 日本郵便経営陣は、四月から、「機能重視のマネジメント」と称する経営管理体制改編の本格的実施を強行している。
 昨年四月に経営陣は、「新中期経営計画」にふまえて、生産性と営業収益の拡大をめざして「郵便局の機能(郵便・集配、金融渉外、窓口)による三分割」を柱にした「機能重視のマネジメント」施策の基本的なものの「先行」実施に踏み切った。(日本郵便会社経営陣は、郵便・集配部門を「郵便・集配機能」、保険渉外部門を「金融渉外機能」、貯金・保険郵便商品の窓口での販売と内務事務を「窓口機能」というように、部門と機能とをダブらせた規定を用いている。)そして、三つの「機能」ごとに、効率的な要員配置と営業体制の強化をおしすすめてきた。とりわけ、「窓口機能」においては、「総合服務」と「部会を単位とした柔軟な要員配置」施策を遮二無二実施しようとしてきた。
 「窓口機能」の経営管理体制は、部設置の単独マネジメント局(旧普通局)の窓口営業部を、その地域にある複数のエリアマネジメント局(旧特定局)を括ってつくられていた「部会」の一つに組みこみ、この新しい「部会」を基本組織として、その上部に、部会長―地区統括局長―支社―本社を擁する形で再編された。日本全国に設置されている約一一〇〇局の大規模局の窓口営業部が、このような形で「窓口機能」に組みこまれ、三つの「機能」のなかで最大の規模と要員をもつ組織として発足したのである。
 経営陣は、このような「窓口機能」において、人件費が七〇%を占める現状を打開し、要員の効率化と営業活動の最前線として飛躍的な業績拡大をはかることを目指して、「総合服務・柔軟な要員配置」施策を導入したのである。
 こうした施策の導入を許すならば、労働者は、頻繁に変更される三事業の業務内容に習熟することを強いられるばかりではなく、いつでも、どこの局へでも、欠員補充や営業支援に派遣されることになる。今日はA局、明日はB局、または、午前中はC局、午後からはD局と引っ張り回され、まったく職場環境や顧客の利用度などが異なる局での極度に緊張したなかで、営業活動を強いられることになるのである。このような極限的な労働強化を策す「総合服務・柔軟な要員配置」施策の全「部会」への導入を絶対許してはならない。

(以下、見出し)

「機能」ごとに独立した経営管理体制の強化確立

「窓口機能」における「モデル部会」の設定

 (つづく)
Top
 

   


最新号紹介

新世紀 The Communist 第283号
2016年7月

反戦・改憲阻止! 全原発廃棄!
わが革命的指針を鮮明に提起

 われわれは、沖縄における元米海兵隊員による女性暴行・殺害を満腔の怒りをもって弾劾する。米軍基地の存在と、そのもとでの米軍人・軍属による数多の犯罪とによって呻吟させられ憤怒をたぎらせている沖縄人民と固く連帯し、今こそ女性暴行殺害を弾劾するとともに、全米軍基地撤去・安保破棄をめざして、反戦反安保・改憲阻止の一大闘争の爆発をもって応えようではないか。
 そのための武器として、『新世紀』第二八三号を、すべてのたたかう仲間におくる。本号は「改憲に突進する安倍政権を打倒せよ」を総タイトルとした反戦反安保・改憲阻止闘争の指針を明らかにした諸論文と「特集 熊本大震災――地震列島の全原発を廃棄せよ」を企画の二本柱としている。
 ◆巻頭の「憲法改悪阻止・戦争法撤廃へ起て」(中央学生組織委員会)は、「任期中の改憲実現」を傲然とうちあげたネオ・ファシスト首相・安倍にたいするわが同盟の戦闘宣言だ。安倍政権は三月二十九日に侵略戦争法の施行を強行した。ここに「集団的自衛権行使」の名のもとに世界中で戦争を遂行する国家への飛躍が画された。まさにいま、明文改憲への突破口としてナチスの手口にならって「緊急事態条項」を新設し、そのうえで第九条の破棄に突き進もうとしている。そのために改憲の国民投票の発議に必要な衆参両院三分の二の議席を自民・公明・おおさか維新の会で制圧することを策している。論文は、「立憲主義を守れ」を唱えて反対運動を野党協力の尻押しへと解消している代々木官僚を弾劾し、改憲阻止・反戦反安保の闘いに決起すべきことを熱烈に呼びかけている。
 「辺野古新基地建設阻止! 改憲阻止! <反戦・反安保>闘争の高揚を切り拓け」(沖縄県委員会)は、米日両政府にたいする断固たる反撃の方針だ。わが同盟に導かれた労働者・人民の闘争の高揚を恐れた安倍政権は、これを押さえこみ切り崩すために、県知事・翁長の手を縛ることをも狙って辺野古訴訟での「和解」なるものを演出した。この反動的狙いを論文は的確に暴露し、埋め立て強行阻止・全米軍基地撤去・安保破棄を熱く訴えている。
 「思想的変節を加速する代々木官僚――日共五中総にふれて」(皆川祐)は、改憲総攻撃をまえにした日共指導部の議会主義的腐敗を完膚なきまでに暴いた論文である。@大衆闘争の組織化の完全な欠損、A変革主体の創造ぬきの野党共闘の絶対化、その根拠としての「保守層との共同」路線、B反安保の完全な放棄と「国家の安全保障」の超階級化、C「個人の尊厳の擁護」を強調することに示される背骨的イデオロギーのブルジョア・アトミズムへの溶解、これらを理論的に批判しつくしている。
 ヨーロッパではいま、帝国主義権力者どもが「野蛮なテロリストから自由と民主主義を守れ」と大合唱している。だが、「左翼」を自称する部分はこれに「左」から唱和し、米・仏・英・露のシリア空爆反対の闘いを放棄しているのだ。この腐敗・堕落を暴露し弾劾しているのが「『対テロ戦争』下のヨーロッパ階級闘争」(無署名)である。
 ◆<3・11>五周年のこんにち、九州・熊本大地震が発生した。本号は震災・原発問題を特集した。「川内原発を直ちに停止せよ! 被災人民を踏みにじる安倍政権を打ち倒せ」(無署名)は、熊本大地震被災者の救援を二の次にするだけでなく川内原発の運転を続行する安倍政権を憤激をもって弾劾する。「東日本大震災・福島原発事故五周年 原発・核開発反対闘争の高揚を」(無署名)は、現時点の闘いの方向性をさししめしている。この二つの基調論文を補足する数本の短文も掲載した。これらは、地震列島・日本において強行される原発運転・再稼働の犯罪性をあますところなく批判している。

経団連の危機突破策の欺瞞を暴く

 ◆「労働生産性向上と賃金抑制の大号令――経団連『二〇一六年版経労委報告』批判」(鷲尾洸平)は、「人口減少下での経済の縮小均衡、産業衰退」に焦燥感をつのらせる独占資本家どもの、危機突破策の悪辣さを暴きだしている。「労働力の『量』と『質』の両面からの確保」の名による少数エリートの育成の反面での底辺労働力の捻出策、「グローバル基準」をふりかざしての賃金制度改革、付加価値生産性至上主義というべき労働強化策、アメリカ式「働き方改革」=成果至上主義的な労務管理方式の採用などを構造的に抉りだしている。
 「郵政『人件費コストマネジメント』の反労働者性」(五十里武留)は、経営陣がDOSS(集配業務支援システム)をつうじて全郵便局労働者の業務を集中管理するという新手の労務管理強化・人件費削減策、その過酷な実態を暴き、反撃の指針を提起している。労働者党建設に邁進している革命的郵政労働者の渾身の作である。
 ◆「私にとっての革マル派結成五〇年 生きる気力を得て」(利根七郎)は、わが同盟創成期からのみずからの苦闘と思想変革の歩みをふりかえりつつ、場所的な決意をつづったものだ。「思想形成の原点―唯物論的思惟とは何か――『実践と場所』第三巻『A 実践と認識』を学習して」(臘梅凜)は、筆者が「言葉で考えるのではなく、概念する力を鍛えること」という黒田さんの声に励まされ、論理的思考方法をわがものにしようと努力した意欲あふれる学習ノートである。
Top



  
沖縄労働者・人民の怒り爆発 嘉手納基地
5・25 県民集会 「元海兵隊員による女性暴行殺害弾劾!」
 四千人が「基地撤去」の叫び
 五月二十五日、元米海兵隊員による女性暴行殺害事件にたいして怒れる沖縄の労働者・学生・人民は、容疑者の米軍属が所属していた米空軍嘉手納基地のメインゲートを包囲し米軍当局に怒りを爆発させた。この日、「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」の主催で開催された「元米兵による残虐な蛮行糾弾! 犠牲者を追悼し、米軍の撤退を求める緊急県民集会」には全県から四〇〇〇名の労働者・人民が大結集した。琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちは、その最先頭で集会の戦闘的高揚のために奮闘したのだ。 
闘う沖縄人民の最先頭で琉大・沖国大生が奮闘
(5・25、嘉手納基地第一ゲート前)
「米軍は出ていけ!」全参加者が嘉手納基地に向け怒濤のシュプレヒコール
(5・25)

    
5・20 第1ゲート前で緊急抗議集会
煮えたぎる怒りを胸に嘉手納基地第一ゲート前に結集した労・学・市民
(5月20日)
Top
  
5・22 南スーダンPKO派兵阻止!
 道共闘・反戦 千歳現地闘争に起つ
 五月二十二日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会の労働者は、日本国軍の南スーダンPKO派兵を阻止するために、千歳現地闘争に勇躍決起した。
新千歳空港へ向け学生・労働者が「派兵阻止!」の拳
(5月22日)
Top
  
5・14 「憲法改悪阻止! 安倍政権打倒!」
 闘う労学が札幌市街を席巻

 五月十四日、北海道のたたかう労働者と学生は、「戦争とファシズムに突き進む安倍政権NO! 5・14札幌反戦ウォーク」に決起した。

札幌市街を意気軒昂とデモ行進する北海道のたたかう労働者・学生
(5月14日)
Top