第2492号(2017年10月30日)の内容

<1面>
安倍政権の改憲攻撃を打ち砕け!
 朝鮮核戦争阻止! 日米核安保粉砕!
 トランプ来日・日米首脳会談反対!

<4〜5面>
強化される対北朝鮮の臨戦態勢 2
 ◇岩国基地の飛躍的強化
 ◇沖縄・先島諸島への増配備
<3面>
「新護岸工事着工阻止!」
 労・学・市民1000が決起 10・7 辺野古

たたかう北大生が奮闘
 さようなら原発北海道集会 10・9 札幌

「自衛隊=合憲」と叫びはじめた代々木官僚
<6面>
Topics 「市民要求の実現」に没入した「全労連」日共系指導部
独占資本家の「働き方改革」に加担する電機連合委員長・野中
またもや死亡事故!
 安全無視の新名神高速道路工事
<7面>
JR九州
 ずさんな保守・点検で大規模運行障害が連続
白タク合法化を許すな
<2面>
ロシア
 ◎金王朝≠フ庇護を強めるプーチン
<8面>
アメリカ
 ◎「シェール開発」で地震多発
 ◎「貧者のヘロイン」が蔓延
 「解放」最新号
   



































  


安倍政権の改憲攻撃を打ち砕け!

朝鮮核戦争阻止! 日米核安保粉砕!
トランプ来日・日米首脳会談反対!


 すべての労働者・学生諸君! わが同盟は重大な決意をこめて訴える。
 自・公両党で衆議院の三分の二をふたたび制圧した安倍ネオ・ファシスト政権が、「第九条破棄」を核心とする憲法改悪とトランプ政権の対北朝鮮軍事攻撃への参戦に一気呵成に突き進もうとしていることを、絶対に阻止するのでなければならない! 朝鮮核戦争・日本の参戦を阻止する闘いを断固として燃えあがらせよ! 安倍政権による憲法大改悪を阻止する労働者・学生・人民の広範な戦線を創造するためにただちに全国で起ちあがろうではないか! 日共中央による闘いの議会主義・市民主義・祖国防衛主義にもとづく歪曲を弾劾し・これをのりこえたたかおう。参戦と改憲に突進するNSC専制の安倍ネオ・ファシスト政権打倒にむかって進撃せよ!
 十一月一日にも発足しようとしている第四次安倍政権が、その直後に戦争狂トランプをここ日本に迎え、日米首脳会談において対北朝鮮核戦争への参戦・日米核軍事同盟の強化を誓約しようとしていることを断じて許すな! すべてのたたかう労働者・学生は、十月二十九日に首都・東京をはじめとして北海道・東海・関西・沖縄で、十一月五日に九州で開催される労学統一行動に起て! ロシア革命一〇〇周年11・12革共同政治集会に全国から結集し、たたかう隊列をうち固めよ!

「国難突破」を名分としたネオ・ファシストの議会制圧

 十月二十二日に投開票がおこなわれた総選挙において、「自衛隊の明記」「緊急事態対応」などを内容とする「憲法改正」を公然と公約に掲げた安倍自民党が、解散時と同じく二八四議席を獲得し、公明党とあわせて衆議院三一三もの議席を確保した。「日本維新の会」「希望の党」をふくめれば、衆議院の八割を改憲勢力≠ェ占拠するという事態がつくりだされた。
 わが同盟とその指導のもとにたたかう戦闘的な労働者・学生の獅子奮迅の闘いによって、安倍政権による共謀罪法の制定強行や森友・加計疑獄にたいする労働者人民の怒りの声が広範にまきおこっている。にもかかわらず、代々木共産党や「連合」の既成反対運動指導部の底なしの腐敗に助けられて、安倍政権与党・自公が改憲発議に必要な三分の二の議席をふたたび制したのだ。
 安倍政権は、北朝鮮の核・ミサイル開発を「戦後最大の国難」と狂乱的にキャンペーンして労働者人民の恐怖心を掻きたて、これを突破できるのはトランプ政権と協調して断固たる対処をとっている自公政権以外にない、と労働者人民を洗脳することに狂奔した。安倍政権による「北朝鮮の脅威」の鼓吹に完全に屈服したのが日共・不破=志位指導部だ。彼らは、全学連のたたかう学生たちが最先頭にたってきりひらいてきた朝鮮核戦争阻止の闘いに敵対し、あまつさえ「危機の根本」は北朝鮮だと叫び経済制裁の強化を主張して「北の脅威」の煽りたてに加担してきたのである。この日共のテイタラクゆえにカサにかかった首相・安倍は、国連の演壇などで「対話などありえない」と叫び、先制核攻撃の態勢をうち固めているトランプの無二の盟友≠ニして北朝鮮に軍事的威嚇をしかけ・経済制裁を強化することを、ますます誇示してきたのだ。
 しかも安倍は、新たな貧困と格差を拡大する以外のなにものでもないにもかかわらず、「アベノミクスの成功」とその「加速」なるものを傲然と叫びたてた。この大ウソを労働者人民に信じこませるために、算出方式を改定することによってGDPを水増しし、日本のGDPは安倍政権のもとで急成長した≠ネどと描きだした。非正規雇用労働者と限定正社員という新たな貧困層を大量にうみだしたことにはフタをして、有効求人倍率はかつてない水準≠ニ語り、雇用状況を改善したとねつ造した。実質賃金の低下をおし隠し「四年連続の賃上げの意義」なるものを吹聴する「連合」神津執行部の犯罪的対応によって、右のような安倍政権のイカサマが大手を振ってまかり通ることが許されてしまっているのだ。しかも安倍政権は、日銀とGPIFの二頭のクジラ≠フ巨額の資金を惜しげもなくつぎこんで、十四営業日連続値上がりという高度成長期以来の株高≠演出しさえした。
 それだけではない。安倍は、党首討論で「モリ・カケ問題」を質問した『朝日』論説委員に「国家戦略特区は行政を歪めたのではなく歪んだ行政を正した」という前愛媛県知事・加戸の発言を「『朝日新聞』は報道していない」と食ってかかるなど、マスコミに恫喝を加え統制を強めた。総じて安倍による強権的なマスコミ統制のもとで大手マスコミはこぞって「モリ・カケ」疑惑などをめぐる安倍政権への追及を自粛し、「自民党大勝」へと世論を誘導する「報道」に終始したのだ。
 この安倍による選挙戦術≠フ駆使にもまして安倍自民党の勝利≠もたらしたのは、民進党代表・前原と「連合」会長・神津がたばかって、都知事・小池が旗あげした「希望の党」に民進党を解党して合流させようとしたことによって、民進党が希望と、枝野・立憲民主と、無所属とに三分解したことであった。まさにこの野党第一党の分裂・候補者乱立という敵失≠ノ助けられたからこそ自民党は、小選挙区制度のカラクリを存分に生かして圧勝することができたのだ。〔自民党の全有権者にしめる絶対得票率は、比例区でわずか一七%、小選挙区でも二五%にすぎないが、全議席の六一%を獲得した。〕

「連合」神津の裏切りと「北朝鮮脅威」論に屈服した日共

 わが革命的左翼はこのかん、安倍政権の共謀罪法制定の強行や、安倍とその側近による森友・加計疑獄の露見にたいして、労働者人民の先頭でこれを弾劾する闘いをきりひらいてきた。これに鼓舞されて広範な労働者人民が、戦争とファシズムの道を驀進する安倍への怒りに燃えて起ちあがった。だが、民進党の小池新党への解党的合流を尻押しした「連合」指導部の大裏切りと、日共中央による闘いの議会主義的歪曲と祖国防衛主義への陥没にもとづく「北朝鮮脅威」論への唱和のゆえに、安倍への怒りの高まり――安倍政権の支持率は選挙戦の過程においてもさらに低落した――にもかかわらず、安倍自民党の当面の勝利≠ェ許されてしまったのだ。
 都知事・小池がしかけた「希望の党」のたちあげに「民共共闘」を完全に解消するためにものっかったのが民進党代表の前原であり、「連合」会長の神津であった。だが「安倍一強支配からの脱却」を共通の名分として結託した三者の術策は、これを主導した小池が「改憲・戦争法是認」を踏み絵として「リベラル派は排除する」と傲然と言い放ったことを契機として、かつ「『希望の党』は安倍自民党と改憲・安保強化を競い合う新たなファシスト党にほかならない」というわが同盟の暴露によって、安倍政権に怒りを燃やす労働者人民に小池新党のファシスト的本性を見抜かれて、たちまちにして破綻した。
 とりわけ、わが革命的左翼に鼓舞された下部組合員の突きあげによって、また組織内候補者を小池に排除されたことともあいまって、旧総評系労組や地方組織から、「連合」を丸ごと小池新党の支持母体としてさしだそうとした神津執行部へのゴウゴウたる非難がまきおこった。だが神津は、十月四〜五日の「連合」大会の壇上で「なんとしても一強政治に終止符を打たんとする、身を捨てる覚悟をともなった決断であった」などと、みずからの所業を傲然と居直った。当面は三分解した民進党のそれぞれに顔を向けながらも、あくまでも「民共共闘」を峻拒し「連合」総体を「安保強化容認・改憲支持」にいざなおうとしているのだ。傘下組合をネオ・ファシストどもに売り渡す「連合」労働貴族どもの大裏切りを絶対に許すな!
 他方、日共中央の不破=志位指導部は、前回の二十一議席から十二議席への激減を突きつけられて動揺しながらも、「市民と野党の共闘勢力全体としては議席を大きく増やしたことは大変うれしい」(志位)と強がっている。「市民と野党の共闘」という今日の基本路線≠フ破産をけっして認めることなく、あくまでも正当であると強弁し護持しようとしているのだ。
 彼らは今選挙でもっぱら「憲法をないがしろにし、民意を踏みつけにし、国政を私物化する安倍政権に退場の審判を」と、「保守の人びと」でも賛同できるような俗耳になじむスローガンをのみ叫びつづけた。
 それだけではない。北朝鮮核問題をめぐって彼らは、もっぱら北朝鮮だけを悪≠ニみなし、これにたいしてトランプをふくむ「国際社会」が共同して対処することを要請してきた。トランプとこれに盲従する安倍こそがウォーモンガー(戦争放火者)であることを何ひとつ暴きだすことも弾劾することもなく。しかも北朝鮮が攻撃をしかけてきたならば、「自衛隊を活用」し「安保条約第五条にもとづいて」日米共同作戦を発動するとまで公言し、第二インターばりの祖国防衛主義を全面開花させた。いまや代々木官僚は、「野党連合政権」ができても「自衛隊はその政府の憲法解釈では合憲となる」と平然とほざいてすらいる。まさにそうすることによって、対北朝鮮戦争への参戦と憲法改悪に突き進む安倍のまえに労働者人民を武装解除しさしだしているのが、彼ら日共指導部なのだ。まさに「反安保」も「反ファシズム」も完全に蒸発させ、安倍の「北朝鮮脅威」論に事実上唱和しさえした彼らの対応こそが、安倍の勝利≠フ道を掃き清めることとなったのだ。
 総選挙での勝利≠手にした安倍はいま、十一月一日にも国会を召集して第四次安倍内閣を成立させ、憲法改悪に・朝鮮核戦争への参戦に突進しようとしている。われわれは、むざむざ安倍自民党の「圧勝」に手を貸したに等しい「連合」神津執行部と日共・不破=志位指導部の腐敗を怒りを込めて弾劾し、決意も新たに「反安倍政権」の闘いの奔流を創造するのでなければならない。
 すべての労働者・学生・人民諸君! 今こそ安倍政権の日本型ネオ・ファシズム政権としての本質を直覚し、目醒めよ! この政権は、参戦と改憲に突進するために、NSC専制の強権的=軍事的支配体制をいっそう強化せんとしている。ネオ・ファシズム的反動化を打ち砕く力は、議会政治の平面での政党・議員の合従連衡にあるのではない。労働組合や学生諸団体のたたかう団結をうち固め、労働者階級を中軸とする反ファシズム統一戦線を構築するために奮闘することこそが、改憲と参戦と暗黒支配に抗する主体的力を創造する唯一の道なのである。

安倍政権の参戦・憲法改悪への突進を許すな!

 十一月五〜七日に安倍はトランプを日本に迎え、ゴルフにうち興じるという人民を愚弄する演出をもこらして、日・米両帝国主義の結束を謳いあげようとしている。
 金正恩政権がアメリカ本土を射程に収める核弾頭搭載ICBMを手にするのをなんとしても阻止するために、トランプ政権は――政権内の対立をあらわにしながらも――「北朝鮮を完全に破壊する」と叫びつつ先制核攻撃の態勢をうち固め、猛然たる「圧力」をかけている。総選挙のさなかの十月十六日から二十日には、北朝鮮の目と鼻の先の日本海と黄海上で原子力空母ロナルド・レーガンをくりだし韓国軍を従え、さらには「斬首作戦」部隊をも参加させて、北朝鮮を威嚇する大軍事演習を強行した。戦略爆撃機B1Bをくりかえし北朝鮮をかすめて飛行させ、金正恩を震えあがらせた。
 この世界の嫌われ者<gランプに、世界でただひとりつき従っているのが安倍だ。国連総会で「対話は意味がない」と喚きちらすとともに、九月中・下旬には海自艦隊を出動させ、日本近海やバシー海峡などでロナルド・レーガン空母打撃群との共同演習をおこなわせた。B1Bの朝鮮地域への飛来にさいしては空自戦闘機にその護衛を務めさせ、米軍艦船への給油や護衛などに海自艦艇を従事させるなど、日常的に米軍と一体化しての対北朝鮮威嚇行動をくりひろげ、臨戦態勢をとっているのだ。
 このトランプと安倍とは来たる首脳会談において、北朝鮮にたいする先制核攻撃をふくむ共同対処にかんする意志一致をはかり、さらに安倍はトランプにたいして、アメリカ製の高価な兵器の大量購入や日米共同作戦における日本の役割の拡大など、日米新軍事同盟=核軍事同盟を飛躍的に強化する誓いをたてようとしている。「北朝鮮にたいする断固とした対応」を要請する「連合」指導部を弾劾し、「北朝鮮脅威」キャンペーンに事実上唱和する日共・不破=志位指導部を弾劾して、朝鮮核戦争を阻止し、日本の参戦を絶対に許さないために決起しよう! トランプ来日阻止! 戦争放火者どもによる日米首脳会談を許すな! 日米核安保の強化反対! 日本の核武装化阻止!
 総選挙の大勢が決した十月二十二日夜、安倍は「自衛隊の違憲論争に終止符をうつ」と称して憲法九条の改定を早期にめざす意志を表明した。朝鮮核戦争への参戦と日米核軍事同盟強化に突き進む安倍は、いつでも・世界中どこででも戦争のできる軍事強国として日本国家を飛躍させるために、憲法改悪=第九条の破棄に一気呵成に突き進もうとしている。さらに「緊急事態対応」という名で――ナチスの「授権法」にならって――首相に「非常大権」を付与することを明文化しようとしてもいる。今年中に自民党の改憲案を提示し、来年一月からの通常国会で一気に発議にもちこもうとしているのだ。
 「改憲論議を開始する」という名において「改憲支持」へと日本労働者階級を導こうとする「連合」労働貴族どもを弾劾し(逢見のUAゼンセン執行部などは「改憲賛成」を声高に公言している)、改憲阻止の闘いをあらゆる労働組合・学生自治会・地域からまきおこそう。
 他方、日共中央は、「安倍政権のもとでの九条改正への反対」を「野党共闘」の一致点として掲げてはいるが、彼らはいまや「保守層をまきこむ」という名において、日共が参画する政府でも「自衛隊=合憲」の立場をとるとまで言いきっている始末なのだ。憲法改悪に反対する拠点をみずから掘りくずし、自衛隊=帝国主義軍隊を全面的に肯定する日共中央の闘争歪曲をのりこえたたかおう。安倍政権による憲法改悪・軍事強国としての飛躍に危機感に燃える労働者人民を大量に組織して広範な「反改憲」の戦線を築くためにたたかおう!
 「アベノミクスの成功」などという虚偽宣伝をふりまき人民を欺瞞してきた安倍は、今「生産性革命」の名のもとに「高度プロフェッショナル制度」という名の定額働かせ放題・残業代ゼロ$ァ度の創設をはじめとする労働法制の大改悪に突進している。いったんはこれに同意したものの、傘下労組・組合員からの猛反発をくらって合意撤回≠表明した「連合」神津指導部を、安倍政権はあらためてからめとり再度賛同させることを企んでいる。そのために、労基法、労働者派遣法、労働契約法などの改悪案に、「連合」指導部が賛美してきた「罰則付き残業時間上限規制」などを抱きあわせ「一括法案」として提出する、という策を弄している。あいついで暴露されている日産や神戸製鋼の不正にも象徴される日本製造業独占体の劣化・国際競争力低下――この事態を、もっぱら労働者にさらなる長時間で過酷な労働を強制することによってのりきろうとしているのが独占ブルジョアどもである。そして、この意を受けて、「働き方改革」の美名のもとに、労働者が歴史的にかちとってきた労働法による規制を実質上なきものとしようとしているのが安倍政権なのだ。「連合」指導部の大裏切りを許さず、労働法制改悪を絶対に阻止しよう!
 安倍政権は、軍事費を突出させ大企業支援策に巨額の国家資金を投じるために、消費税税率の一〇%への引き上げを一九年十月にも強行しようとしている。国家財政赤字が一〇〇〇兆円をはるかに超える最悪水準にあるにもかかわらず。賃上げの抑制や、各企業および公務員の人事賃金制度改悪のもとで名目および実質賃金の相次ぐ低落に見舞われ、社会保障給付の切り下げと負担の増大に見舞われている労働者人民にさらなる窮乏を強いるこの大衆課税の一挙的強化を打ち砕け! 大衆収奪の攻撃が労働者人民にかけられているまさにこのときに「応能負担」の名において増税の代案対置にうつつをぬかす日共中央の議会主義的対応を弾劾せよ! 大衆収奪強化反対・社会保障切り下げ反対の政治経済闘争を高揚させ増税を阻止しよう!
 すべての労働者・学生諸君! 安倍政権の憲法改悪・朝鮮戦争参戦への突進を阻止するために、来たる10・29に全国各地で開催される労学統一行動に総結集し、闘いの烽火を上げよう。
 11・12首都東京において開催されるロシア革命一〇〇周年革共同政治集会に全国から結集せよ! レーニンのボルシェビキに指導されたロシア・プロレタリアートがきりひらいたロシア革命の人類史的意義をかみしめ、その精神を二十一世紀現代世界において甦らせわが反スターリン主義運動の飛躍をかちとる、その拠点をうち固めるために本政治集会を断固としてかちとれ!

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強化される対北朝鮮の臨戦態勢 第2回

在日米軍
対北・対中国の戦争に向け岩国基地を飛躍的に強化

 いま、アメリカ・トランプ政権と北朝鮮・金正恩政権との対立が極限にまで達し、火を噴く寸前にたちいたっている。米日両権力者は、対北朝鮮臨戦態勢を飛躍的に強化するために在日米軍基地をフル稼働させ、かつ強化しているのだ。ここでは米軍岩国基地(山口県)強化の実態を明らかにする。

以下、見出し

増配備されたF35Bが北朝鮮侵略の予行演習

「統合アクセス作戦構想」にもとづく基地機能の一挙的強化

空母打撃群なみに強化される遠征打撃群
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沖縄・先島諸島への自衛隊増配備を阻止せよ

 安倍政権・防衛省は、南西諸島とりわけ対中国の最前線に位置する先島地方(沖縄県の宮古島・石垣島・与那国島など)への自衛隊増配備に突進している。宮古島においては、沖縄防衛局がいよいよ来年一月にも陸上自衛隊ミサイル部隊・警備部隊の隊舎・宿舎の建設工事を開始しようとしている。地元の労働者・住民の反対の声を踏みにじって、先島地方では初となる陸自戦闘部隊の軍事拠点づくりについに着手したのだ。
 米・日両政府権力者は、辺野古新基地建設とともに先島への自衛隊増配備を日米新軍事同盟強化の重要環と位置づけている。八月十七日に開催した「日米安保協議委員会(2プラス2)」において、両国の大臣どもは「日米同盟をさらに強化する」ことをうたいあげた。そのための具体策として、辺野古新基地建設の「着実な実施」、そして南西諸島の自衛隊基地を米・日両軍が共同使用することをぶちあげたのだ。
 米軍が対北朝鮮の臨戦態勢をとっていた五月十七日、米太平洋軍司令官ハリスが自衛隊統合幕僚長・河野と陸自西部方面総監をともなって「国境の島」与那国島の自衛隊基地をあえて訪問し、陸自沿岸監視部隊を激励した。まさに対中国の最前線に位置する先島地方を米・日統合軍の重要拠点とする意志を傲然と示したのだ。
 アメリカのトランプ政権は、北朝鮮への先制核攻撃をかまえて米軍の臨戦態勢をとりつづけると同時に、中国への軍事的圧力を強めている。このトランプ政権につき従う安倍政権は、アメリカの対北朝鮮戦争に参戦する態勢をとると同時に、南シナ海における米軍の「航行の自由」作戦に海自艦船を実質的に参加させ、もって対中国の軍事作戦に出動させているのだ。それだけではない。台頭する中国に危機感と憎悪を募らせるこのネオ・ファシスト政権は、対中国の最前線に位置する南西諸島とりわけ先島地方への自衛隊基地建設に躍起になっているのだ。

以下、見出し

T 基地建設に躍起となる政府・防衛省

U 新ガイドラインにもとづく対中国戦争の拠点化
 奄美大島から石垣島までミサイルの壁≠構築

 ISR(情報収集・警戒監視・偵察)能力の高度化

 陸自部隊の即応・展開能力の強化

V 日米グローバル侵略戦争同盟の強化を打ち砕け!
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「自衛隊=合憲」と叫びはじめた代々木官僚を弾劾せよ

 総選挙において日共は九議席減の惨敗を喫した。「市民と野党の共闘の勝利」なるものを代々木官僚が叫び、もっぱら「保守の人々」にすりよってきたことの結果として、立憲民主党に従来の日共支持層の票をさらわれたというだけではない。総選挙戦のただなかで委員長・志位じしんが、あろうことか「日本共産党参加の政府としては自衛隊合憲の(憲法)解釈をとる」などと宣言した! ここに如実に露わになった不破=志位指導部のイデオロギー的変節にたいして、良心的な労働者・学生・市民から三行半(みくだりはん)を突きつけられたのだ、というべきである。

安倍政権の改憲攻撃に白旗

 総選挙に向けての党首討論会において、「共産党が入る連合政権ができたとき、自衛隊は違憲だという立場を取るのか。そんなことをすればすぐに自衛隊を解消しなければならなくなる」と首相・安倍から追及された日共委員長・志位は、次のようにほざいた。「安倍さんがおっしゃる通りですよ。私が仮に総理大臣になったとして『(自衛隊は)違憲』ともし言ったとしたら、これはその瞬間に解消の措置をとらないといけません。ですから、政府の立場としては合憲という立場を引き継ぐことになるんです」(十月七日、ニコニコ動画・ネット党首討論)。さらに志位は言う――自衛隊(と天皇制)の「存廃の是非」は「将来、(情勢が)熟したときに国民が決めること」であって、私たちは「自衛隊(と天皇制)の問題」で「運動をやったり、たたかいをやったりするんじゃない」と(十月八日、日本記者クラブの党首討論会)。
 ついに日共・不破=志位指導部は「野党連合政権」では「自衛隊=合憲」という歴代自民党政府の憲法解釈を「引き継ぐ」と明言するにいたったのだ! これまで彼らは、日共が参加する政府は「憲法と自衛隊の矛盾を引き継ぐ」と言ってごまかしてきたのであったが、いまや自衛隊を「戦力不保持」を謳う憲法第九条に合致すると強弁する解釈改憲≠フ立場をとることを積極的に主張しはじめたのである。
 「国民の大多数が自衛隊を合憲と考えている」と代々木官僚じしんがみなし・これに迎合して、自衛隊を肯定する「国民」の意識を変革する追求をいっさい放棄する徹底した現実肯定主義の立場を、むしろおしだしてすらいる始末なのだ。これでは、憲法への「自衛隊の明記」を自民党の選挙公約に掲げた安倍が総選挙後ただちに憲法九条の大改悪に猛突進せんとしているときに、たたかわずして白旗を掲げたも同然ではないか!

保守層への節操なき媚売り

 不破=志位指導部は今年一月の党大会で「自衛隊改革」論を明記した決議を採択した。「憲法の完全実施」=「自衛隊解消」を棚上げにして、「専守防衛の自衛隊」を「憲法九条の理念」に沿うものとみなし・その積極的活用を謳うものへと基本政策そのものを緻密化する布石をうったのだ。わが同盟はこうした代々木官僚の悪だくみとイデオロギー的変節をつとに暴露してきた。いまや彼らは、総選挙のただなかで「自衛隊=合憲」「日米安保堅持」を標榜する保守リベラル派≠ニの「共同」をますます自己目的的に追い求めることによって、この変節を一挙に進行させたのである。
 「日本共産党参加の政府としては自衛隊合憲の解釈をとる」とほざく志位の姿は、一九九四年の自社さ連立政権発足時に首相にかつぎあげられ「自衛隊は合憲」と宣言した当時の社会党委員長・村山富市をほうふつとさせるではないか。
 村山社会党にたいしては、「革新の目標そのものを放棄してしまった」とか「現実に妥協して正義の旗をおろした」とかと口を極めて非難してきたのが代々木官僚であった(たとえば、不破の党創立八十一周年記念講演、〇三年七月)。厚顔無恥にも志位は、「党としては違憲という立場は変えません。……ですから、自社さのようなことにはならない」と強弁する。だが自衛隊をめぐる憲法解釈にかんして「党の立場」と「政府の立場」を使い分けることじたいが、詭弁でしかない。ついこのあいだまで志位じしんが次のように明言していたことにはほおかぶりしているのだからだ。
 「民主連合政府ができたとして、私たちが閣僚席に座ったとします。野党になった自民党……は、『総理、自衛隊は違憲ですか、合憲ですか、どちらですか』と聞いてくるでしょう。私たちは、『もちろん違憲です』とズバリ答えます。……『違憲の軍隊をつくったのはあなたがたではないですか。その(憲法と自衛隊との)矛盾を引き継いで解消しようというのが私たち民主連合政府の立場です……』という答弁をします」(志位和夫『綱領教室』第三巻、一三年六月刊)。
 「党として」だけではなく「政府として」も自衛隊は「もちろん違憲の軍隊」としてきた志位総理の仮想答弁≠、「合憲」へと百八十度逆にすりかえ、自称「正義の旗」をみずからひきおろしたことはあまりにも明白ではないか。
 もちろん、「自衛隊は違憲」という見解じたいが「急迫不正の主権侵害にたいしては自衛隊を活用する」という超右翼的な安全保障政策の代案を正当化するための免罪符でしかなかったのであるが、いまやそれさえも軽やかに投げ捨てて「政府としては合憲という立場をとる」と言い切り、自衛隊という名の軍隊=現存帝国主義国家の国家暴力装置を全面的に肯定しているのが代々木官僚なのである。
 安保条約にかんしても、日共が参画する政府では「日本有事」の際に「第五条にもとづいて日米共同対処をする」と、不破=志位指導部はすでに言明している(一五年十月)。彼らが「政府としては日米安保条約を堅持する」と宣言するのも時間の問題にちがいない。

日共式祖国防衛主義を粉砕し参戦・改憲を阻止せよ!

 いま安倍政権は、「北朝鮮の脅威」を「戦後最大の国難」だとがなりたて、トランプ政権による対北朝鮮軍事攻撃への参戦と憲法九条大改悪への突進を正当化している。今こそ、大々的に鼓吹されている反北朝鮮の排外主義・「国防」イデオロギーの虚偽性を暴きだし、労働者・学生・人民に階級的覚醒をうながすために奮闘するのでなければならない。まさにこの決定的なときに、既成平和運動の指導部を自任する代々木官僚が、やれ「軍事的危険が起きたら(自衛隊が)国の防衛任務にあたる」(不破)だのやれ「自衛隊は合憲という立場を堅持する」(志位)だのとほざいているのは、人民を武装解除し安倍政権に売りわたす大犯罪いがいのなにものでもないのだ。
 祖国防衛主義への転落をますます露わにする不破=志位指導部を弾劾し、朝鮮核戦争阻止・憲法改悪阻止の闘いの一大高揚をきりひらこう!
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「新護岸工事着工阻止!」
 
労・学・市民1000が決起 10・7 辺野古
海兵隊員の乗ったバスを包囲し止める学生・労働者
(10月7日、キャンプ・シュワブ新ゲート前

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たたかう北大生が奮闘
 
さようなら原発北海道集会 10・9 札幌
大通公園に原発再稼働・改憲反対の声轟く
(10・9さようなら原発北海道集会、札幌市)

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