第2512号(2018年4月2日)の内容

<1面>
森友疑獄もみ消しを許すな!
 憲法改悪策動を粉砕せよ!
 反安倍政権の闘いの爆発を!
3・16
 「安倍政権打倒」の声轟く
 闘う学生が国会前行動で奮闘
<4面>
EV化をめぐり激化する自動車独占体の国際競争
<5面>
反動攻撃への対応不能を露わにする自治労連本部
<2面>
全学連第140回中央委かちとる 3・12〜13
◎仮想通貨バブル
<3面>
各地で原発再稼働阻止の声 3・11
 大阪鹿児島札幌
<6面>
「働き方改革」唱和に抗し奮闘
 3・10「連合福岡」集会/3・6「連合石川」集会
Topics 競争力強化に奉仕する春闘≠自画自賛する神津
<7面>
高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設を許すな
否定された「東海地震予知可能」説
<8面>
<安倍・森友疑獄>の核心
 「愛国心」教育モデル校建設のための国有地不当廉売
安倍直系極右議員の立ち回り――前川「授業」調査

 「解放」最新号   




































  


森友疑獄もみ消しを許すな!

憲法改悪策動を粉砕せよ!
反安倍政権の闘いの爆発を!

3・16「安倍政権打倒」の声轟く闘う学生が国会前行動で奮闘
風雨をついてたたかう学生が奮闘
(3月16日、参院議員会館前)

 首都東京をはじめとする全国各地において、安倍政権による森友疑獄もみ消しにたいする労働者・人民の怒りの炎がいまや一挙に燃え広がっている。昨春いこう、「森友・加計疑獄弾劾」の闘いをつねに最先頭において牽引してきたわが同盟とその指導のもとにあるたたかう労働者・学生は、3・11労学統一行動につづいて国会・首相官邸を包囲する闘いに連日にわたって決起している。
 <戦争と貧困とファシズム支配>を労働者・人民に強制してきた安倍政権の数々の極反動諸攻撃に憤激しているすべての労働者・人民諸君! いまこそ闘いに起ちあがるときだ。改憲阻止・反戦反安保、労働諸法制改悪反対、原発再稼働阻止などの諸闘争を「反安倍政権」の旗のもとに総集約し、ネオ・ファシズム政権打倒にむけて断固として進撃しようではないか!

断末魔の安倍政権を労学の力で打ち倒せ!

 わが同盟を先頭とする労働者・人民の闘いに追いつめられた首相・安倍は、公文書改ざんの責任を前財務省理財局長・佐川になすりつけ疑獄幕引きを図ろうとしている。国会証人喚問(三月二十七日)において佐川は、文書改ざんが誰の指示なのか、何のためなのかについては「刑事訴追の恐れ」をタテにして証言拒否(計四十六回)をくりかえし、ただただ「首相官邸の指示はなかった」などと強弁しつづけた。まさに、労働者・人民の怒りはいよいよ燃えさかっている。政権存続のために官僚への恫喝と口封じに狂奔する安倍の姑息なのりきりを断じて許してはならない。
 労働者・人民の闘いに包囲されヨレヨレの安倍は、三月二十五日の自民党大会において「憲法改正は自民党の結党いらいの党是」だと安倍おろし≠フ気運渦まく党内に向けてわめいた。<軍国日本>を再興するという執念に燃える安倍の憲法改悪を絶対に許すな!
 わが同盟がつとに暴きだしてきたように、「戦争する国」に日本をつくりかえるためにネオ・ファシスト政権が国家主義教育=「愛国心」教育のモデル校をつくりだそうとしてきたこと、これこそが森友学園への国有地不当廉売事件の深層にほかならない。財務省の決裁文書に記載された「いい土地ですから、前に進めてください」という妻・昭恵の発言にたいして安倍は、いまだに知らぬ存ぜぬを決めこんでいる。だが、つい一年前に「教育にたいする熱意は素晴らしいと聞いている」「私の考えに共鳴している」などと森友学園前理事長・籠池を絶賛する国会答弁をおこなってきたのが安倍その人ではないのか。
 安倍・菅を中心とする国家安全保障会議(NSC)のもとで徹底した服従を強いられてきた行政機構の官僚たちは、今いっせいに叛旗を翻しはじめている。森友学園にたいする国有地払い下げにかんする妻・昭恵を介しての安倍による破格の便宜供与、近畿財務局職員を自殺に追いこんだ卑劣なもみ消し・文書偽造にまつわる暴露・リークが相次いでいる。
 九月の総裁選をまえにして、今や自民党政治エリートたちが続々と「安倍三選阻止」を期してうごめきを加速している。「安倍支持」を標榜してきた額賀を引きずりおろし新会長の座についた竹下亘は、「変身」を公言し石破を総裁選候補として担ぎあげる意図を隠そうともしていない。旧竹下派=経世会の流れを汲む幹事長・二階も「総裁選への影響はないとはいえない」とうそぶいている。水面下で画策されている二階派と新竹下派の野合=「大経世会」創設への動き、これと連動して「安倍おろし」を公言する元副総裁・山崎拓(石原派)を招いての会合を石破が開催するという動きをみせている。岸田派と谷垣グループとの再統合をもくろむ古賀誠は、「大宏池会構想」を掲げてきた麻生派との連携をも策している。
 すべての労働者・人民に訴える! 内閣支持率の急落にもあらわれている労働者・人民の怒りに包囲され、断末魔にあえぐ安倍政権をいまこそ打ち倒せ!

日共指導部の「民主主義の取り戻し」請願運動への歪曲をのりこえ闘おう

 わが同盟をはじめとする労働者・人民の闘いによっていよいよ断崖絶壁に追いつめられている安倍政権は、この窮地を突破するためにこそ「北朝鮮の脅威」なるものを意図的に煽りたてながら、日本を「アメリカとともに戦争をやれる国」へと改造することを策して憲法改悪をなしとげることに固執しているのだ。自民党内政治エリート・現職閣僚からさえも噴きだしている「時期尚早」という非難に直面して安倍は、憲法第九条への自衛隊明記を核心とする「改憲四項目」の条文案を自民党大会に提起することもできず、かろうじて「叩き台素案」なるものをしめしたにすぎない。ガタガタ安倍政権による改憲策動をいまこそ完全粉砕するために総決起しよう。
 トランプ政権との「蜜月関係」を誇示してきた安倍は、当のトランプから日本の頭越しでの「米朝対話」の発表、さらには中国とならべて日本を対象とした鉄鋼・アルミの高関税=輸入制限措置をつきつけられ、面目丸つぶれのピエロぶりをさらけだしている。「アメリカ・ファースト」を呼号するトランプ政権が全世界的な貿易戦争の招来をもいとわず保護貿易主義的な通商政策にふみきったことを要因として、世界同時株価下落と円高=ドル安局面へと推転しつつある。このことが、輸出に依存する製造業独占体を中心とする日本経済に景気減退を一挙にもたらす可能性が高まっているのだ。
 この期におよんでなお、トランプ政権の要求に唯々諾々と従い、イージス・アショアやF35戦闘機などの高額なアメリカ製兵器を購入しようとしているのが「属国」日本の安倍政権なのだ。しかも、「核戦力体制の見直し」(NPR)において敵国への核先制使用をも辞さない姿勢を誇示しているトランプ政権にたいして、安倍政権は支持≠表明してもいる。日米核軍事同盟の飛躍的強化を許すな! <トランプの戦争>への日本の参戦を断固として阻止せよ!
 安倍・菅を頭とするNSCは、六〇〇人以上にのぼる各省庁幹部の人事権を内閣人事局のもとに掌握し、諸政策をトップダウンで貫徹する構造を創出してきた。国会議席の三分の二を制圧したことにおごり高ぶった安倍政権は、このNSC専制体制を踏み台として特定秘密保護法、安保関連法=侵略戦争法、共謀罪新設法などの極悪立法を相次いで強行してきた。米海兵隊新基地建設を阻止するために辺野古現地でたたかう労働者・学生にたいしては「公務執行妨害」をでっちあげ不当弾圧をくりかえしている。さらには、自衛隊の南スーダンPKO派兵にかんする「日報」の防衛省による隠蔽、裁量労働制をめぐる厚労省による「調査データ」の偽造……。NSC主導の強権的=軍事的支配体制による人民弾圧・情報操作という悪行の数かず、その首謀者こそ首相・安倍なのだ。
 いまこそすべての労働者・人民は、安倍政権の日本型ネオ・ファシズム政権としての本質を直覚せよ!「日本会議」という名の正真正銘のネオ・ファシスト集団が閣僚のほとんどを占めている安倍政権の、その反動性・階級性をいまこそ徹底的に暴きだせ! 改憲阻止闘争、辺野古新基地建設阻止闘争、労働法制改悪阻止闘争、原発再稼働阻止闘争に決起しているすべての労働者・人民の総力を結集し、反安倍政権の闘いの爆発をかちとろうではないか。
 すべての労働者・人民諸君! 安倍の「総裁三選」にむけた悪あがきを断ちNSC専制下の暗黒支配を突き破る力はほかならぬみずからの内にあることを自覚し階級的に団結し、もって安倍政権打倒の巨大な闘いを創造せよ! わが同盟は、一切の闘いを「真相究明」「民主主義の取り戻し」の請願に解消する日共指導部の議会主義的な闘争歪曲を許さず、労働者・人民の最先頭に立ってたたかう決意である。わが革マル派とともに今こそ起ちあがれ!

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EV化をめぐり激化する自動車独占体の国際的競争

 自動車産業は「一〇〇年に一度の大変革の時代を迎えた」と言われている。
 ドイツのダイムラー社は次世代の自動車について「CASE」を提唱している。――インターネットを介して様ざまなサービスを利用できるように自動車に通信機能をもたせる(Connected)。車の自動運転(Autonomous)。クルマを従来のように個人で所有するのではなく、多人数で分有(Sharing)する。つまり、自動車というモノを販売するのではなく、移動というサービスを提供する。こうしたシステムと適合性が高いのは電気自動車(Electricity)である、と。
 これに象徴される動きが自動車産業に巻き起こっている。コネクテッドにかんしては、ウーバーやリフトなどのライドシェア企業や中国の百度(バイドゥ)、また自動運転についてはグーグルやアップルなどのICT企業、さらに搭載電池についてはパナソニックやLG電子やサムスンなどの電機企業、これら異業種の諸独占体が自動車産業に参入してきている。また特定の分野の突出した専門的技術(たとえば、自動運転車のマイコンをハッキングから防衛するなど)を開発する新興企業(「スタートアップ企業」と呼ばれるそれ)が雨後の筍のようにうみだされてもいる。
 これらのなお未確立の技術をめぐる開発競争は、EVの世界標準≠めぐる争いでもある。新技術の開発において先行する可能性をもつ企業の株式は、ヘッジファンドなどの金融諸資本の投機の格好の対象ともなっているのだ。
 「次の一〇〇年も自動車メーカーがモビリティ社会の主役をはれる保証はない。『勝つか負けるか』ではなく、『生きるか、死ぬか』という瀬戸際の戦いが始まっている」。トヨタ自動車社長の豊田章男はこのように危機意識を煽りたてている。この輩は、「仕事の進め方変革」と称する企業組織と労働組織の再編を次々とうちだしてきている。トヨタの職場では今、TNGAという名の新しい設計思想にもとづく車づくりとも重なって、開発にかかわる労働者をはじめ、全労働者にこれまでにない労働強化が強いられている。われわれは断固たる反撃の闘いを組織するのでなくてはならない。労働者への犠牲の強要を許してはならない。

(以下、見出し)
トヨタの世界標準¢いへの参入――ロードマップ発表

ドイツ企業のEV化戦略≠ニ中国政府の市場規制

EVの技術的=経済的な壁
 労働者への一切の犠牲転嫁を許すな!

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全学連第140回中央委かちとる 3・12〜13

改憲阻止・朝鮮核戦争阻止の一大闘争へ! 磐石の態勢築く
安倍ネオ・ファシスト政権を打倒せよ

全国各学園での春期の闘いへの決意を打ち固める全学連
(3月13日、東京)

 三月十二・十三日の両日、首都・東京において、全学連は第一四〇回中央委員会を開催した。前日十一日には、全学連は全国結集のもとに、「憲法改悪阻止! 朝鮮核戦争阻止! 森友疑獄のもみ消しを許すな! 安倍政権打倒!」を掲げ、反戦青年委員会の労働者とともに労学統一行動を断固としてたたかいぬいた。この地平にふまえて、全学連は本中央委員会において今春期闘争の革命的指針を確立し闘争態勢を築きあげたのだ。

(以下、見出し)
「森友疑獄もみ消し許すな」の怒り渦巻く
各地方の代表がはつらつと報告
春期闘争の高揚を切り拓く指針を確立
たたかう労働者と連帯し「反安倍政権」の闘いを

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高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設を許すな


使用済み核燃料の処分に関する日共式代案の犯罪性

<原発・核開発阻止>の旗高くたたかおう!

 日本核武装の策動を打ち砕け

 電気料金への上乗せ=収奪強化を許すな

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<安倍・森友疑獄>の核心

「愛国心」教育モデル校建設のための国有地不当廉売

 わが同盟・革命的左翼を先頭とする労働者・人民の「森友疑獄弾劾!」の闘いの炎が、ついに安倍政権を断崖絶壁に追いつめた。わが同盟がこの一年間、連続的に放った<森友・加計疑獄>暴露の弾丸が、驕りに驕ってきた安倍政権の心臓≠直撃した。いまこそ安倍ネオ・ファシスト政権にトドメを刺せ!
 森友学園への国有地売却にかんする財務省の「決裁文書」が改ざんされていたことが『朝日新聞』(三月二日付)で暴露され、財務省がそれを認めた(三月十二日)。この暴露こそは、首相・安倍と内閣官房の専制支配のもとで服従を強制されてきた行政諸機構の官僚による反逆の狼煙であり、これを利用して安倍の総裁三選阻止を狙う政府・自民党内政治エリートの安倍その人を標的にした権力闘争の号砲にほかならない。
 いまやガタガタの安倍政権による森友疑獄のもみ消し・のりきりを断じて許すな! 改憲策動、労働諸法制改悪、大増税など、数かずの反動攻撃によって労働者・人民を<戦争と貧困>の奈落に叩きこんできたこの極悪政権の息の根を止めよ! 今こそそのときだ。安倍反動政権打倒へと突き進め!

「教育勅語」礼賛・安倍翼賛の森友学園

 森友学園への利益供与の実態が満天下に暴露された安倍は、顔面蒼白になりながら「私も妻もいっさい関係していない」などと黒を白といいくるめることに躍起になっている。「決裁文書」改ざんの責任を財務省前理財局長・佐川になすりつけ延命をはかっている。
 わが同盟は昨年来、<安倍・森友疑獄>の本質をえぐりだし、これを弾劾する闘いを総力をあげて推進してきた。わが同盟が暴露してきたように、安倍式「忠君愛国」教育のモデル校を建設するために安倍を頭目とするNSCが森友学園に国有地不当廉売・破格の利益誘導をはかった――ここに森友疑獄の核心がある。
 <軍国日本>再興をめざしている首相・安倍は、憲法第九条の改定=破棄に突進するとともに<戦争をする国>にふさわしく日本型ネオ・ファシズム支配体制を強化する策動に拍車をかけてきた。その一つの環として、お国のために命を捧げる臣民≠育てることを目的とする安倍式「愛国心」教育の導入・強化に狂奔してきた。この安倍にとって「愛国心の醸成」を「教育の要」にすえる「瑞穂の國記念小學院」の教育方針は、安倍式「教育再生」方針を具現化するモデルにほかならなかった。まさにこのゆえに安倍は、森友学園に「小學院」建設のための破格の便宜を供与したのだ。
 安倍の名代≠ニして森友学園・塚本幼稚園を訪問した妻・昭恵が「教育勅語」を暗唱する園児を見て感涙≠ノむせび(二〇一四年四月)、「小學院」の名誉校長就任の挨拶で「こちらの教育方針はたいへん主人もすばらしいと思っている」と絶賛した(一五年九月)。安倍じしんが国会答弁で「しつけをしっかりする、伝統や文化を大切にする。日本の歴史等についてもしっかりと大切にしている」と森友学園の教育方針をほめちぎった(国有地八億円引き*竭阡ュ覚後の一七年三月一日)。「文書改ざん」暴露後においても、野党からの「教育勅語を推奨する教育方針」についての評価をただした質問に、安倍は「(森友学園が)実際にその精神で学校を運営しているかどうか何とも言えない」と答えた(一八年三月二十一日)。「教育勅語の精神」につらぬかれた森友学園の教育方針そのものについては、安倍は今現在も肯定してはばからないのだ。
 森友学園が運営する塚本幼稚園では、園児に「日の丸」への最敬礼・「君が代」斉唱を強要し、「教育勅語」を暗唱させ、軍歌を歌わせ、「安倍首相ガンバレ! 安保法制、国会通過よかったです」と叫ばせる幼児洗脳≠ノくわえ、反韓・反中の民族排外主義むきだしのヘイト教育≠おこなっていた。こうした教育内容・実態は、安倍政権の「日の丸・君が代」の学校現場への強制、「道徳の教科化」をはじめとする「愛国心」教育強化の策動に呼応し連動するものだ。だからこそ安倍は、森友学園の「小學院」設立を実現するために破格の便宜をはかったのだ。
 「瑞穂の國記念小學院」が謳う「教育の要」の筆頭三項目は「天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ」、「愛国心の醸成。国家観を確立」、「教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成」とされていた。これらは、極右団体「日本会議」の「基本運動方針」を丸写ししたものである。「日本会議」の極右イデオロギーを背骨とした国家主義的教育を貫徹するモデル小学校を設立するためにこそ、安倍政権が強力にバックアップし・財務省や国交省を統制し操縦して国有地不当廉売・便宜供与をおこなった、このことが<安倍・森友疑獄>の第一の核心問題なのだ。

安倍日本会議内閣≠ノよる便宜供与

 森友学園への国有地廉売・異例の利益誘導を、首相・安倍は、「日本会議」人脈を動員し、NSC専制の強権体制をフル稼働させ強行した。これが第二の問題だ。
 森友学園に賛同した安倍じしんが「日本会議国会議員懇談会」副会長であることをはじめとして閣僚のほとんどが「懇談会」のメンバーである日本会議内閣≠ニいうべき安倍政権が、「日本会議大阪代表」であった森友学園理事長・籠池を支え便宜をはかってきたのだ。
 首相・安倍と内閣官房長官・菅は、政府の要所に「日本会議」のネオ・ファシスト分子を配置してきただけではない。官僚の人事権を一元的に掌握する内閣人事局を設置し(一四年五月)、これをテコとして首相=内閣官房が官僚諸機構を支配する強権体制をつくりあげてきた。
 財務省近畿財務局と森友学園との交渉過程は、まさにこの時期とピッタリと重なっている。首相・安倍じしんが当時の理財局長・迫田と頻繁に面談を重ねた(一五年七月〜十二月の半年間に五回)。まさに総理の意向と威光≠官僚に見せつけ、財務省理財局に国有地の大幅値引きをねじこんだ。「地下三・八bのごみ」という虚偽報告をデッチあげ、それを口実に撤去費用を差し引きほぼタダ≠ナの森友学園への国有地売却を、首相=内閣官房の指令のもとに決定させたのだ(一六年六月)。
 首相・安倍と官房長官・菅ら内閣官房は、国有地売却を管轄する財務省の官僚にたいして、通常の慣行を無視して森友学園に便宜を供与するように強制した。首相=内閣官房の専制支配のもとに行政諸機構の官僚を組みしき操って、森友学園への利益誘導を貫徹したのである。

NSC専制・安倍政権を打倒せよ!

 憲法第九条改悪に執念を燃やす首相・安倍は、内閣官房・NSCを改憲勢力「日本会議」所属の極右分子で占拠し、この日本版NSCに権限を集中するかたちで強権的=軍事的支配体制を強化してきた。NSC・内閣官房を基軸として、日本国家の安保・外交・軍事の諸政策を策定・執行するとともに、巨大与党の数の力をもって秘密保護法・共謀罪法・侵略戦争法の制定を強行するなど、日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化に狂奔してきた。
 だが、首相=内閣官房の指令のもとに、官僚が森友学園や加計学園など「安倍案件」での便宜供与に従事させられ、それが発覚すると一切の責任をかぶせられ切り捨てられる。この安倍・NSC専制の強権的体制にいま官僚たちが反発を噴出させている。これを自民党内政治エリートの安倍の総裁三選を阻もうとする部分が利用し、反安倍≠フ権力闘争を激化させている。
 悪行のかぎりを尽くしてきた極反動安倍政権を打ち倒すために、今こそ労働者・人民の怒りを総集約せよ! 独占資本家どもに巨額の利益をもたらす一方で、労働者・人民を過労死、超長時間労働、低賃金のさらなる貧困地獄へと叩きこむ労働諸法制の大改悪や大衆収奪のあくなき強行。アメリカ・トランプ政権と共同しての対北朝鮮戦争への参戦策動の推進、軍事強国・日本への改造を総仕上げするための憲法第九条の最後的破棄への突進。これら安倍政権の反動攻撃を木っ端微塵に粉砕するために、労働者・人民は団結して起ちあがれ!
 すべての労働者・人民諸君! 安倍政権のネオ・ファシスト性に覚醒せよ! 森友疑獄のもみ消しに狂奔する安倍政権をまえにして、日本共産党は「議会制民主主義の破壊だ」などと問題にしているにすぎない。国会内の駆け引きに反対運動を収斂させる既成反対運動をのりこえ、憲法改悪阻止・労働諸法制改悪反対の諸闘争をひとつに合流させ、今こそ、断末魔の安倍ネオ・ファシスト政権を打倒する一大闘争に総決起せよ! 労働者階級の実力で安倍政権を最後的に打倒しよう!

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安倍直系の極右議員が文科省に前川「授業」調査を指示

 名古屋市の市立中学校でおこなわれた前文部科学省事務次官・前川の「授業」の内容を調査・報告せよ、と文科省が名古屋市教育委員会にたいして要求したのは、自民党の文部科学部会長・赤池誠章(参院議員)と部会長代理・池田佳隆(衆院議員)による文科省への指示にもとづくものであった――このことを、文科相・林が、三月二十日に実質上認めた。共に安倍の「清和政策研究会」(細田派)に所属するこの二人の文科族議員は、そろって「日本会議」の「国会議員懇談会」に参加しており、しかも赤池はその事務局次長。まさに安倍の子飼い中の子飼いの極右分子どもだ。彼ら安倍式ネオ・ファシズム反動教育政策推進の先兵どもが、文科省官房長に強圧をかけて文科省を操っていたのだ。
 当の赤池と池田は、次のように経過説明している。――名古屋市を地元とする池田が、二月十七日に『中日新聞』で報じられた十六日の「授業」の記事を見て、赤池と協議し、ただちに赤池が文科省官房長にメールで「国家公務員法違反者が教壇に立てるのか」とただし、「事実確認」を指示。池田も当該の『中日新聞』を文科省に渡した。文科省が名古屋市教育委員会にたいする「授業」内容を照会し録音の提出を求める文書を作成するに際して、池田が添削し、質問に「謝礼はあったか」「参加者に動員はあったか」と盛りこむなどの修正をした。……赤池・池田は、これらはすべて「日常業務」であって、「文科省がこれを圧力と感じるならすべてそうなり、国会議員は仕事ができなくなる」(赤池)などと言い放ち、居直っている。
 まさにいま国家官僚の反乱≠ェ続出するなかで安倍・菅のNSCは、安倍政権に反逆≠オた前川の動向を監視するとともに、安倍直系の極右分子を使って、文科省に、前川を「教育現場」に招いた名古屋市教育委員会に、ひいては全国の自治体当局や教育委員会に、統制に従え≠ニ警告したのである。〔本紙第二五一一号三面参照〕

安倍・菅専制支配≠フ先兵

 「安倍の愛弟子」を自任する池田は、日本青年会議所会頭を務めていた二〇〇六年に衆院で参考人として改憲を主張、安倍に気に入られて政界入りした。会頭時代には、「誇り〜伝えようこの日本のあゆみ」と題するアニメを制作するなど、安倍の国家主義的な教育政策を実施する先兵として、いわゆる「自虐史観」への非難をがなりたててきた。そして「今こそ道徳教育が必要だと考え、義務教育の現場へ直接働きかけた」ことを誇示している輩だ〔註1〕。安倍側近の萩生田らが軸となって設立した若手タカ派議員の勉強会=u文化芸術懇話会」にも参加している〔註2〕。
 他方の赤池は、松下政経塾出身で、新進党を経て自民党入りし、保守議員による「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美)の事務局長を務める。自主憲法制定や首相の靖国神社公式参拝などを主張するこの男は、二〇〇六年十月号の雑誌『WiLL』に掲載された「自民党新人議員討論」において、教育勅語を礼賛し「民主主義の根幹は徴兵制だ」などと吹聴した。〔この討論において稲田朋美が、森友学園・塚本幼稚園の教育理念をもちあげつつ、文科省は幼稚園における教育勅語の教育に否定的だ、と声高に非難した。〕
 <軍国日本>の復興のためにお国のために命を投げうつ臣民≠フ育成をたくらむ「愛国心」教育政策の推進、そしてNSC専制というべき強権的政治支配体制構築・強化の策動、その先兵としてネオ・ファシスト安倍がみずからの子飼いの極右分子どもを使っていることは鮮明ではないか。
 三月十九日には、これまた「日本会議国会議員懇談会」参加の自民党議員・和田政宗〔註3〕が、「森友文書」改ざんをめぐる参院予算委員会の質疑において、現財務省理財局長・太田にたいして「アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしている」などと恫喝した。安倍の総裁三選を阻止せんとする蠢きが自民党内政治エリートのなかから開始されているなかで、安倍・菅の専制支配♂コに組みしいてきた官僚どもが公然と反旗をひるがえし、政権の罪業を次々暴露するかもしれない、と安倍が戦々恐々となっていることが、この安倍盲従分子の血迷った追及≠ノ露わとなっているではないか。
 わが同盟を先頭にした労働者人民の闘いは、今や、安倍政権を断崖絶壁の縁に立たせている。安倍ネオ・ファシスト政権の打倒へ進撃しよう!

 〔註1〕日本青年会議所が「憲法改正への契機とすべく」企画したキャラクター「宇予くん」(右翼≠フ意で日の丸を背負ったムキムキマン)が、昨年末から、ツイッター上で「中国や韓国にミサイル爆撃したほうがいい」と書きこんだり、改憲に反対する人を「頭がいかれてる」と中傷したりした。「国家としての自立」を「運動指針」のひとつとして掲げるこの組織は、改憲や「道徳教育」推進の一拠点≠ニなっている。
 〔註2〕安倍政権の閣僚や政務官が多数参加。多くが日本会議議員懇談会メンバーだ。二〇一五年六月の初回会合において、参加者は「マスコミをこらしめるには広告収入をなくす」などと報道統制の必要を吹きまくったりした。百田尚樹が「沖縄の二つの新聞社はつぶさなあかん」と言ったのもこの場だった。
 〔註3〕「みんなの党」出身の和田であるが、安倍のとりまきにほかならない。和田がフェイスブックで、森友・加計問題にかんして朝日新聞を非難した昨年十一月にはその投稿を安倍がシェア。今年二月にも、和田の投稿の二日後に安倍が「哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳」とコメントしたのであった。

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3・11 各地で原発再稼働阻止の声 
労・学・市民850が関電に抗議 大阪
 三月十一日に、大阪市中央区の「エルおおさか」で「さよなら原発 関西アクション」(主催は同実行委員会)がおこなわれた。神戸大学のたたかう学生は、この日の集会・デモに決起し、結集した八五〇名の労働者・市民の先頭で奮闘した。
「原発・核開発反対!」労働者・市民と共に神戸大生がデモ
(3・11、大阪市)
  
 「玄海原発再稼働を許すな!」
集会・デモで鹿大生が奮闘 鹿児島
 東京電力福島第一原発事故から七年目の三月十一日、鹿児島市中心部において、「ストップ川内原発かごしまパレード」と銘打った集会・デモがおこなわれた(「ストップ川内原発! 3・11鹿児島実行委員会」主催)。鹿児島大学のたたかう学生たちは、「川内原発即時停止! 玄海原発3号機の再稼働阻止!」の決意に燃えて、これに参加し奮闘した。
会場に鹿大生の横断幕がひるがえる
(3月11日、鹿児島市
  
 泊原発再稼働反対 怒りの拳 札幌                                           
 三月十一日、「原発事故から七年 フクシマを忘れない! さようなら原発北海道集会」(主催「さようなら原発一〇〇〇万人アクション」実行委員会)が札幌市中央区で開催された。怒りに燃えて七〇〇人の労働者・学生・市民がこの集会に結集した。
「ファシズム反対!」をも掲げ学生たちが奮闘
(3・11、札幌市)
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