第2548号(2018年12月10日)の内容

<1面>
改憲案の国会発議を阻止せよ
 12・6国会前闘争―12・8対国会・首相官邸デモに起て!
<4〜5面>
現代の看護労働について
 川島みどり「看護の自立」論批判
情報提供ネットワークシステムによる人民総監視を許すな!
<2面>
◎空母保有に突進する安倍政権
11・30 G20サミット反対のデモ(アルゼンチン・ブエノスアイレス)
<自治と文化の祭典>を実現
 国学院大学 若木祭 11・2〜4
 愛知大学 愛大祭 11・3〜4
<3面>
国立大学の「一法人複数大学」への統合・再編
<6面>
路線バスで乗客死亡事故
 運転士への責任転嫁を許すな
郵政19春闘 扶養手当削減を許すな
Topics 安倍政権の消費増税「対策」
<7面>
北朝鮮核開発を擁護するロシア共労党の錯誤
<8面>
万華鏡2018――情勢の断層を読む
 ◆「群島の長城」
 ◆自利即互恵
 ◆トンデモ戦闘機
 ◆空母化≠ヨの布石
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号



































  


改憲案の国会発議を阻止せよ

12・6国会前闘争―12・8対国会・首相官邸デモに起て!

憲法審査会での自民党改憲案の提示を許すな!
 安倍政権・自民党は、十二月六日に衆院憲法審査会の開催を強行し、この場において改憲案を提示するという挙にうってでようとしている。
 日本をアメリカとともに戦争する国≠ノ飛躍させるために首相・安倍は、来年前半に改憲発議に踏みきることを構えている。この安倍の号令のもと、国民投票法の改定は来年の通常国会に先送りして、なにがなんでも今国会中に改憲案の提示に踏みきろうと血眼になっているのが政府・自民党にほかならない。この徒輩は、憲法審査会の開催に反対を表明するだけの野党の弱々しい対応を見透かして、十一月二十九日につづいて十二月六日も与党公明党および維新・希望・「未来日本」という改憲翼賛政党・会派だけで憲法審査会の開催を強行せんとしているのだ。
 すべての全学連のたたかう学生諸君! たたかう労働者のみなさん! 改憲案の国会提示という戦後史を画する攻撃を阻止するためにただちに決起せよ! 12・6憲法審査会の開催を阻止するために、国会前闘争に決意も固く起ちあがれ!
 この決定的な局面においてもなお、日共委員長・志位は、「来る参院選で厳しい審判をくだす」などというあまりにも間延びした言辞を弄している。議会主義に陥っている日共・不破=志位指導部は、集会・デモを呼びかけることすらしていない。大衆的な闘いの組織化を完全に放棄している日共中央を弾劾せよ! 今こそわれわれは、職場・学園・地域から自民党改憲案の国会提出阻止の闘いを巻きおこそうではないか!
 全学連は十二月八日の対国会・首相官邸デモに、北海道から沖縄まで全国から結集することを呼びかけている。すべての学生は首都・東京に総結集し闘争の爆発をかちとれ!

以下見出し

軍事強国への飛躍を画す憲法改悪を打ち砕け!

辺野古新基地建設阻止!
土砂投入を実力で阻止せよ

入管難民法の改定阻止!
安倍ネオ・ファシスト政権を打ち倒せ!

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現代の看護労働について

川島みどり「看護の自立」論批判

 安倍政権の社会保障切り捨て$ュ策および医療機関経営者どもの経営効率第一主義の経営労務施策のゆえに、いま看護労働者たちは、日夜苛酷な労働を強いられている。頻繁な患者の入退院への対応、在宅療養の支援、高度な医療機器を使った複雑な医療処置の補助、治癒困難な病気を患った高齢者の看護・介護……これらの労働に心身をすり減らしながら従事しているのが、現代日本の看護労働者たちなのである。彼らは日々、極限的な労働強化と長時間労働にさいなまれており、病気になる者も過労死や過労自殺に追いこまれる者も少なくない。
 だが今日、こうした看護労働者たちにたいして、いまこそ看護の出番≠ナあり看護の神髄を発揮せよ≠ネどと説教をたれているのが、日本赤十字看護大学名誉教授の川島みどりである。
 思想的にも組織的にも日本共産党の影響下にある彼女は、いまも全国の看護労働者たちに「看護研究」を勧めたり、医労連共産党系指導部たちと一緒に「命を守る専門職として戦争に反対」と発言したりしている。
 そして、この川島式の看護論に影響を受けた看護労働者たちは、専門職意識をバネにして苛酷な労働強化にも耐えている。彼らは、経営者が強制する「看護研究」という名の業務実践をあたかも主体的研究活動であるかのようにみなして、そこにのめりこんでもいるのである。
 われわれは、川島式看護論に影響され専門職意識にとらわれている看護労働者をその呪縛から解き放ち、彼らに階級的な自覚を促すために、川島式看護論を批判するのでなければならない。このことはまた同時に、われわれの看護労働論および医療労働論を理論的に深めていくための一助ともなるであろう。
 川島の主張の核心は、「看護の自立」論にある。代表的な著作は『看護の自立』(一九七七年)および『看護の自立A』(一九八二年)である。これらは、一九七〇年代〜八〇年代に少なくない看護労働者に愛読された。ここでは、この二冊を主な対象にして、「看護の自立」論を批判することとする。

目次

T 「看護の技術化」の提唱
 (1)「医師からの自立」の強調
 (2)武谷技術論の御都合主義的アテハメ
 (3)「事例集積」の自己目的化

U 川島式「看護論」の錯誤――その技術学的側面
 (1)プラグマチズムへの陥没
     (第二五四八号)
 (2)医師との協業なき労働組織
 (3)「人間性の回復」の見こまれる患者が対象?
 (4)医療機器や帳票類は分析のラチ外

V 医療サービス労働の経済学的分析の欠如
 (1)場所も実体もない「看護」なるもの
 (2)<疎外された労働>の没却
 (3)職能エリート意識の助長
 (4)「資本主義のもとでの良い看護」の夢想

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国立大学の「一法人複数大学」への統合・再編を許すな!

 いま全国の多くの国立大学が「アンブレラ方式」と呼ばれる「一法人複数大学」への統合・再編を開始している。全国の国立大学は二〇〇四年に導入された独立法人化以降、政府・文部科学省が運営費交付金を削減しつづけてきたことによって、研究・教育費のひっ迫にみまわれている。このなかで各大学当局は、政府・文科省の指導を受けながら、生き残りの方策を「一法人複数大学」への統合・再編に求め突っ走りはじめたのだ。
 文科省・中央教育審議会は、六月二十八日にうちだした「今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ」において、「21世紀の大学改革」と称する高等教育再編の指針を提示している。そこでは、日本の将来像を「超スマート社会」「IT社会」と描き、その技術的基盤を支える″s刹ウ育・研究の再編に向けて、「一法人複数大学」への統合・再編をうちだしている。少子化によって二〇四〇年には大学進学者数が一二万人減少し、約一二〇大学が「過剰」になり、淘汰される、といわれている。これを絶対的条件として、国際的なIT技術開発競争への立ち遅れに焦燥する独占ブルジョアジーの「大学教育改革」要請を全面的に受け入れた安倍政権の「大学改革」政策に規定されて、各大学はいっそう統合・再編の動きを加速させているのだ。

以下見出し

「生き残り」のための「アンブレラ方式」
安倍政権の運営費交付金削減と「傾斜配分」の徹底化
教職員の削減・非正規雇用化と長時間勤務の強制
「二十一世紀の大学改革」を叫ぶ安倍政権の高等教育再編反対!

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北朝鮮核開発をなお擁護するロシア共労党の錯誤

「反戦集会へのメッセージ」について

 米―中・露の権力者が核戦力増強をかつてないほど激烈に競いあうただなかで、これに警鐘を乱打して今夏の第五十六回国際反戦集会は開催された。世界核戦争を招来しかねないこの危機的現実を全世界労働者人民の団結の力で突破しよう! という反戦集会実行委員会の呼びかけに応えて、世界各国からこれまでになく多くの左翼組織や団体・個人が連帯のメッセージを寄せてきた。
 ロシアの共産主義労働者党からは、今年も、党中央とチュメニ地方組織からの二つのメッセージが送られてきた(本紙第二五三八号に掲載)。わが「海外アピール」に呼応して共労党中央は力をこめて言ってきた――「戦争に反対し、帝国主義に反対してすべての国の労働者は団結してたたかおう!」と。そしてさらに、「アメリカやEU、ロシア、中国の帝国主義者どもの役割の評価にかんして、諸君の意見にわれわれも賛成だ」と。プーチンのロシアや習近平・中国にかんしてこのように彼らが明言したのは、はじめてのことだ。
 チュメニ地方組織からのメッセージも昨年までとはちがう。ロシアと中国の核軍事力強化はアメリカによる攻撃を抑止するために必要だ、と肯定してきたのが、昨年までのチュメニの共労党諸君だった。だが今年は、「核軍拡競争に反対する統一的な闘いを強化することが必要だ」と言明し、ともにたたかおう、と応えてきたのである。
 しかし同時に、今年のメッセージのいずれにおいても彼らが強調していたのは、北朝鮮・金正恩政権の核ミサイル開発への支持であった。このことを看過するわけにはいかない。こうした主張の錯誤については、ともに現下の反戦闘争を推進してゆくと同時に、断固たる批判をつきつけてゆかなければならない。

「社会主義国の核武装」を正当化する反労働者性

 北朝鮮政権による核ミサイル開発・製造を、共労党諸君は「正当な政策」と言う。北朝鮮を「社会主義国」と規定し――それについては後で触れる――「社会主義国」が帝国主義の侵略を阻止するために核武装することは当然だと言う。そして「第二次大戦以降、ソ連邦とその核計画の存在によって世界平和は保たれてきた」とも言う。
 こうした主張に貫かれているのは、各国帝国主義とたたかう革命的プロレタリアートのインター・ナショナルな階級闘争の論理ではない。それは米欧帝国主義国家権力者と同断の「権力政治の論理」にほかならない。共労党の諸君がいま主張している論理は、彼らがゴルバチョフと並ぶ裏切り者と罵倒してきたかつてのソ連共産党第一書記フルシチョフとその後のソ連指導部が落ちこんでいた「権力政治の論理」にほかならないのだ。ソ連邦は、帝国主義との核の均衡による平和≠維持するために、核軍拡に狂奔し、莫大な軍事予算を投じた挙げ句の果てに経済的に疲弊し自己崩壊を遂げたではないか。こんにち北朝鮮・金正恩政権は、核ICBMを完成させるために、幾万もの勤労人民を餓死させているのだ。
 そもそも核戦力によって帝国主義権力者たとえばトランプの戦争放火を阻止しうるなどというのは、まったくの幻想でしかない。同様に、権力者どもの「平和外交」――トランプと金正恩との握手――によって平和が実現できるというのも幻想でしかない。「権力政治の論理」にひたりきった権力者どもがふりまくかかる幻想から全世界の労働者階級を解き放ち、戦争を阻止しうる力はみずからの内にあることを彼らに自覚させ彼らの団結をつくりだすことこそが問われているのである。帝国主義の侵略戦争を阻止しうる力は、本質的に、帝国主義国のプロレタリアート・人民による反戦・反権力の闘いにこそあるのだからである。
 今日の世界に生きるわれわれは、まさに核戦争勃発の一触即発の危機に直面している。米・日両帝国主義と、自称「社会主義国」たる中国および北朝鮮とが(プーチン・ロシアと結託しつつ)、東アジアにおける戦争的危機をつくりだしているのだ。われわれは「米―中・露の核戦力増強競争反対!」のスローガンのもとに革命的反戦闘争を推進し、かかる戦争的危機を根底から断ち切る主体的力を創造すべくたたかいぬいているのである。
 ところが共労党の諸君は、北朝鮮の核開発を「勤労者主権の社会主義大国建設」であり「感動的」だとさえ言う。だが、そもそも北朝鮮は「社会主義国」などと美化しうる存在ではないし、「社会主義国」などというカテゴリー自体が、マルクス・レーニンの理論・思想とはまったく無縁なしろものでしかないのだ。
 第二次大戦後のアメリカ帝国主義とスターリンのソ連邦による世界の分割によって生みだされたのが、南北に分断された朝鮮である。南の親米「反共」国家形成に対抗するものとして、スターリンに忠実な金日成がトップに坐りソ連軍をバックにして北朝鮮国家は形成されたのだった。労働者階級の革命的闘争によってではなく、朝鮮労働者人民の意志などは端から無視することのうえにスターリン主義官僚専制国家が形成された。金正恩の北朝鮮国家はその成れの果てというべきものでしかない。この国家を共労党は「社会主義国」と呼び、その核開発を「社会主義建設」と謳うのだ。こうした言辞は、金王朝♀ッ僚専制支配のもとで呻吟する労働者農民にたいする裏切り、分断され敵対する南北の国家のもとにおかれている朝鮮労働者階級にたいする裏切り、と断罪しないわけにはいかない。
 「平和のための闘い」「世界労働者階級の団結」と言いはするものの、朝鮮半島を発火点にする核戦争勃発の危機にたいして、共労党諸君が、この現在直下の危機を世界労働者人民の闘いで突破しようと実践的に立ち向かっているとはとても言えないのだ。むしろかつてソ連邦がアメリカ帝国主義と二大大国として渡り合っていた時代を思いだして「祖国ソ連邦」への愛国心を燃えたたせ、かつてのソ連国家の二面政策(外に向かっては平和共存外交をすすめ内に向かっては対抗的軍拡)を賛美する眼から、今日の北朝鮮を中心にする激動を眺めているにすぎないのだからである。

以下見出し

世界の大国≠セったソ連邦への郷愁
労働者国際主義に立脚した反戦闘争を!

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11・30 G20サミット反対のデモ
(アルゼンチン・ブエノスアイレス)

 FLTIが日本語のスローガンを掲げて安倍とトランプを弾劾!
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