第2602号2020年1月20日)の内容

<1〜3面>
20春闘の勝利をかちとれ
一律大幅賃上げ獲得・憲法改悪阻止の闘いの一大高揚を!
中央労働者組織委員会
<4面>
ハイテク・宇宙軍拡を呼号――『新時代の中国の国防』
<8面>
馬毛島基地建設反対闘争 12・20鹿児島
奈良に安倍政権打倒の声 12・7
札幌で日米共同演習反対集会 12・19
<6面>
年頭の決意 中国地方
 地域一般/重工業/マスコミ
<7面>
全学連委員長・書記長 新年の決意
◎新年号「龍虎羆図」解題
<5面>
決裂≠オたCOP25
投稿 中村医師銃撃事件に思う
週間日誌は6〜7面に掲載
 「解放」最新号
























  


20春闘の勝利をかちとれ

一律大幅賃上げ獲得・憲法改悪阻止の闘いの一大高揚を!

中央労働者組織委員会


 二〇二〇年代は、軍国主義帝国アメリカによるイランへの新たな戦争放火によって幕を開けた。暗愚の大統領トランプは、イラクを拠点にシーア派三日月地帯の反米闘争を指揮してきたイラン革命防衛隊の司令官ソレイマニを爆殺した(現地時間一月三日)。この国家テロルにたいして、イランは十六発のミサイルを米軍が駐留するイラクのアサド基地などにぶちこんだ。「英雄」ソレイマニの葬儀に結集した数百万のイラン人民が「アメリカに死を」と雄叫びをあげたこと。イラクの国会が「イラクからの米軍の撤退」を決議したこと。そしてシーア派武装組織が中東全域からの「米軍叩き出し」の闘争に陸続と決起しつつあること。――これらをまのあたりにして青ざめたトランプは、早くも「われわれは軍事力は使いたくない」「誰とでも平和を築く用意がある」などという惨めな敗北宣言を発せざるをえなくなったのだ(一月八日)。
 このイランへの戦争放火に端的なように、「キープ・アメリカ・グレイト」の演出に狂奔するトランプの国家エゴイズム丸出しの軽挙妄動によって、アメリカ発の政治的・軍事的・経済的危機が次々に生みだされ、現代世界は「暗黒の世紀」としての諸相を日々むきだしにしつつある。戦火と圧政により世界各地でおびただしい戦争難民や経済難民が生みだされ、米日欧でも中国でも、富める者と貧しき者との凄まじい分裂が生みだされているのだ。
 この二十一世紀現代を前に向かってきりひらきうるのは、「鉄鎖のほかに失うべきものをもたない」(マルクス)プロレタリアート以外にはありえない。わが反スターリン主義革命的左翼は、この日本の地において、一切の腐敗しきった既成指導部をのりこえ労働運動の戦闘的再生をかちとろうではないか。

T 労働者人民に戦争と貧窮を強いる政府・独占ブルジョア

  A 改憲と大衆収奪に突進する安倍政権

海自P3Cの中東出撃を許すな!
自衛隊中東派遣の第1陣=海自哨戒機が飛びたとうとしていた自衛隊
那覇基地に沖縄県学連が怒りの拳(1月11日、那覇)――詳報次号
 戦争はある日突然に、一発の銃声と愚かな権力者の誤算から勃発する――このことをまざまざと示したのが、トランプの放った国家テロルであった。
 昨年十二月二十九日、米軍は、シーア派武装組織「カタイブ・ヒズボラ」のイラクとシリアの拠点を空爆し、二十五人を殺害した。これへの報復としてイラクの「人民動員隊」がバグダッドのアメリカ大使館への抗議闘争を展開し、敷地内に入って火を放ったりした。逆上したトランプは、国務長官ポンペオや副大統領ペンスらにそそのかされてソレイマニ爆殺を強行したのだ。
 これにたいしてイランは、一月八日、「殉教者ソレイマニ」と銘打った報復攻撃をおこなった。イランは、この攻撃を事前にイラクを介してアメリカに伝え攻撃の直後にもスイスを介して「全面戦争の意志はない」ことを伝えた。「報復」の攻撃をソレイマニの葬儀に花を添える「平手打ち」(ハメネイ)程度の威嚇にとどめたのだ。こうしたイランのしたたかで緻密な対応のゆえに、トランプはこれに飛びつき先の声明を発したのである。
 だが米軍はソレイマニと共にイラクの「人民動員隊」の最高指導者ムハンディスをも殺害したのであって、このソレイマニ爆殺事件を契機に、イランと気脈をつうじたイラクの「人民動員隊」、レバノンの「ヒズボラ」、イエメンの「フーシ」などのシーア派武装諸組織が、中東全域で「米軍叩きだし」の武装闘争をくりひろげるにちがいない。アメリカの中東支配の終焉の日は確実に迫っているのだ。
 けれども、たとえアメリカ自身は中東の石油に依存する必要がなくなっているとしても、中東から逃げ出すわけにはいかない。昨年十二月のオマーン湾での合同軍事演習に示されるように、イランと中国・ロシアとは今や公然と結託している。それだけでなく、習近平政権とプーチン政権はトランプ政権の無為無策に乗じて、シーア派三日月地帯を包みこむ形で、経済上・軍事上の拠点を築き拡大している。まさにこのゆえに、中東における戦争勃発の危機は日々高まり、しかもこれが第三次世界大戦へと燃え広がる危険が増大しているのだ。
 こうしたなかで安倍政権は、ついに日本国軍をオマーン湾・アラビア海・アデン湾に派遣した。一月十一日にはP3C哨戒機二機を送り出し、二月には護衛艦「たかなみ」を差し向けようとしているのだ。
 安倍政権は、日米安保の鎖で締めあげられた世界で唯一のアメリカの属国≠ニして、今まさにアメリカ帝国主義の軍隊に日本国軍を合流させ、対イラン戦争の「参戦国」になろうとしているのである。
 しかもこの政権は、トランプ政権による日本全土への中距離核ミサイル配備の要請を唯々諾々と受け入れようとしている。日本列島を対中国・対ロシアの核ミサイルの要塞にしようとしているのだ。また、「アジア最大の海兵隊出撃拠点」となる辺野古新基地の建設を、沖縄人民をはじめとする労働者人民の反対運動を圧殺して、何がなんでも強行しようとしている。
 このように、安倍政権はいつでも世界中のどこででもアメリカとともに戦争をやれる′R事強国へと日本を飛躍させようとしている。そしてまさにそのために、「戦争放棄・戦力不保持」を謳った現行憲法の制約を最後的に払拭することをねらって、憲法の大改悪に突き進もうとしているのだ。自衛隊の明記による憲法第九条の破棄、戦争に国民を総動員する非常大権を首相に与える緊急事態条項の創設、教育の国家統制の強化――これらを盛りこんだネオ・ファシズム憲法の制定にこぎつけようとしているのが、極悪反動の安倍政権なのである。
 この安倍政権の歴史的暴挙はもちろん、すでに七年の長きにわたりNSC専制支配体制の上に胡座(あぐら)をかくことによって生みだされてきた安倍とりまきの政治エリートどもの汚濁と腐敗がいまや次々に露呈しており、安倍長期政権≠フ末期症状が露わとなっていること――これをのりきるためでもある。安倍政権礼賛の声を巻きおこすための「桜ゲート」や、カジノ経営者でもあったトランプによって押しこまれもした富裕層呼び込みのためのIRをめぐる汚職の露呈などによって、もはや安倍政権は断末魔に陥っている。「史上最低の首相」の汚名返上のために「軍国日本の再興」になんとしてもこぎつけようとしているのが、ネオ・ファシスト安倍なのだ。

   労働者人民への収奪の強化

 こんにち安倍政権は、イージス・アショアなどのアメリカ製兵器をトランプ政権の言い値≠ナ爆買いしている。そのうえに、在日米軍駐留費の日本負担分を四・五倍にしろ≠ニいうトランプの途方もない要求をさえ受け入れようとしている。また、日本の軍事費については、来年度予算案において、過去最高の五兆三〇〇〇億円以上を計上している。
 そして、このように軍事費をうなぎのぼりに増えさせる他面において、社会保障費を削減することを画策しているのが安倍政権なのである。安倍政権が掲げる「全世代型社会保障」なるものは、徹底して社会保障の給付を減らし人民の負担を増大させるきわめてあくどいものである。すでに政府・自民党は、七十五歳以上の高齢者の病院受診時の窓口負担を現行の二倍の原則二割負担とすることを決定した。また、年金受給開始年齢を七十五歳以上に引き上げることを目論んでいる。
 元気高齢者≠「高齢者雇用」や有償・無償のボランティアなどのかたちで活用することを資本家どもに勧めているのが、安倍政権なのである。この政権は、「少子高齢社会」における労働力不足を打開するために、高齢者も障害者も病人も母子家庭の女性なども元気なかぎり死ぬまで働け、そして税や保険料を納めろ≠ニ叫んでいるのだ。
 「異次元の金融緩和」も「財政再建」も凄絶なパンクをとげ国家財政危機が進行しているなかで、労働者人民に犠牲を強いることによってこうした危機をのりきろうとしているのが、安倍日本型ネオ・ファシズム政権なのだ。

  B 独占資本家どもの賃金抑制・合理化攻撃

 米中貿易戦争に翻弄され、第四次産業革命への立ち後れとしのびよる不況への突入におびえている日本独占ブルジョアジーは、いま労働者人民にいかなる攻撃を打ちおろそうとしているのか。
 経団連会長の中西は、今春闘を前にして「〔賃上げについて〕一括の議論は意味がない」・「日本型雇用制度の見直し」をこそ労使で議論すべきであると居丈高に主張している。彼は日本の独占資本家どもを代表して、「現下の日本の最大の課題は生産性の向上」であり「付加価値を高めること」であるとまくしたてているのだ。
 この中西発言に示されるように、独占ブルジョアどもは日本政府とともに、日本経済の低成長をもたらしているものは「生産年齢人口」減少のゆえの「人手不足」と、国際的な「第四次産業革命」への立ち後れであると危機意識を露わにしている。そして彼らは、「人手不足」を打開するために「生産性向上」が絶対に必要であるとして、「付加価値を高める」ことのできる企業を増やそうとしているのだ。こうして彼らは、「価値を創造する社会(Society5・0)」を謳い文句にして、従来の「ものづくり」中心の産業構造を「デジタル革新技術」を生かした「成長分野」の産業・業種を中心とするものへと転換することを目論んでいるのだ。
 そして、彼らは「成長産業・業種」を伸ばすために、「新卒一括採用・年功序列・終身雇用制をセットとする従来の日本型雇用システム」を一掃しようと企んでいるのだ。独占ブルジョアどもが外国資本と競って優秀なIT人材を獲得するために、これら「IT職」労働者には職務限定の「ジョブ型雇用」と「成果をより重視した昇給制度」、そして残業規制なし・働かせ放題≠フ「高度プロフェッショナル制度」を適用すること。そしてそのような一部の優秀なIT人材以外の「メンバーシップ型雇用」の労働者の多くを非正規雇用労働者にして低賃金・長時間・超強度の労働を強いること、これを策しているのだ。
 彼らブルジョアどもは、「新時代の日本的経営」の名において、すでに一九九〇年代後半から数多の正規雇用労働者の首を切り非正規雇用労働者を増やしつづけ、さらにその非正規雇用労働者も次々に雇い止めにしてきた。しかも賃金支払い形態を年功部分を縮小ないし廃止した成果主義的なものに変えてきたのである。
 だが、いまなお「長期雇用の正社員」と「年功給」的な定期昇給制度が一部残ってはいる。わがブルジョアどもはこれを最後的に葬りさることを企んでいる。そしていま、春闘を生産性向上のための雇用・人事・賃金制度の大改編をめぐる労使協議の場≠ヨと変えようとしているのだ。

  AIの導入に狂奔する独占資本家

 自動車など日本の製造業の独占資本家どもは、「GAFA」など巨大ICT企業を中心とした自動運転やシェアサービスなどの開発をまのあたりにして、「第四次産業革命」への立ち後れを痛感し危機意識をむきだしにしている。彼らは、いまや「物づくり」だけでなく情報通信サービス企業と提携した新サービスの開発に狂奔している(トヨタの「車の会社からモビリティの会社へ」のように)。彼らは、みずからの生き残りをかけて他業種との提携、不採算部門の切り捨て、下請け・系列企業への生産性向上を命じながらのサプライチェーン大再編などをおしすすめているのだ。
 そして、生産過程においては、部品や生産物などを倉庫や工場から移動させるための運搬型ロボット≠ネどを導入しつつ「余剰」とみなした労働者の首を切り、残った労働者に苛酷な労働強化を強いている。自動車や鉄鋼など技能労働者を要する製造部門においては、一九九〇年代いこう資本家どもが熟練労働者の首を切り・非正規雇用労働者への置き換えを強行してきた。デフレ下で新たな労働者の採用をしなかったことのゆえに、熟練労働者が定年を迎えて労働組織の技術性は著しく劣化し、事故やオシャカが多発している。それゆえ資本家どもは、今日残っている熟練労働者の仕事をAIに「観察」・「学習」させて、この学習したAIに新人労働者を教育させることなども目論んでいる。だが、熟練労働者のカンやコツ≠ノかかわることをAIが習得できるはずもなく、このようなAIによる新人教育≠ヘことごとく破産している。そしてAIに教わり・AIに使われている労働者の労働はさらに苛酷なものとなっているのだ。
 流通機構やサービス業の業務過程にも、資本家どもはIoT・AIをドンドン導入している。「窓口業務」などの事務の業務過程には、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)システムを導入し、「AI一台で三〜四人分の仕事ができる」などと称して資本家が「不要」とみなした労働者の首を情け容赦なく切っている。
 独占資本家どもは、このように直接的生産過程のみならず流通機構・業務過程にもAI・IoTを導入し、そうすることによって多数の労働者の首を切り、残った労働者には労働強度の非合理的増進を強いる二十一世紀現代の合理化≠、いま遮二無二おしすすめようとしている。そして彼らは、一部の「優秀なデジタル人材」(「IT人材」)にのみ高賃金を支払い、他の大多数の労働者には低賃金を強いるものへと、賃金支払い形態を抜本的に改変することを画策しているのである。
 そればかりではない。「配達」など流通サービス業の資本家どもは、「雇用によらない働き方」という「個人請負」の労働者を、極めて安い「単価」(事実上の労賃)を払って酷使している。これら流通業資本家どもは、「雇用契約を結んでいない」などと称して、労働時間の規制もなければ労働災害認定などもない状態に配達労働者たちをたたきこんでいるのだ。

  C 「連合」指導部の春闘破壊と闘う労働者の奮闘

 だが、このような資本家どもの攻撃にたいして、反撃するどころか横並び要求をする春闘はやめます≠ニつき従うことを申しでているのが、「連合」労働貴族なのだ。彼らは、トヨタ労組をはじめとしたJCメタルの労働貴族どもを先頭にして春闘破壊≠フ旗を振らせている。春闘の相場を引っ張った♂゚去から訣別し、いま先頭で国際競争力強化のための労使協議≠フ場へと春闘を変貌させているトヨタ労組指導部――彼らは、二〇春闘において、人事評価を賃金支払いにも反映させて各労働者の賃上げ幅に差をつけるべきことを要求内容に盛りこむことを、いち早く発表した。これを「働きの価値に見合った賃金」要求の先頭バッター≠ノ押したてているのが「連合」指導部なのだ。
 「連合」労働貴族どもは、独占資本家どもがいま労働者の頭上に振りおろそうとしている賃金切り下げ・賃金支払い形態改悪の攻撃も、IoT・AI導入にともなう首切り・配転などの大合理化攻撃をも、傘下組合員に受け入れさせようとしているのだ。
 他方、こうした「連合」労働貴族による春闘破壊≠ニ護憲・平和の運動の抑圧を眼前にしながら、彼らを批判しようともしていないのが、「全労連」の日共中央盲従分子どもなのだ。彼らは「大企業の社会的責任」において「内部留保をはき出させる」ための地域や街頭でのキャンペーンに、そして次の衆院選を展望して「市民と野党の共同」を発展させるための「新憲法署名」集めなどに、二〇春闘をねじ曲げようとしているのだ。
 これら既成労組指導部の闘争歪曲に抗して今二〇春闘を戦闘的に高揚させるために、革命的・戦闘的労働者は、いま「一律にかつ大幅な賃上げを獲得しよう!」の声を巻き起こしつつある。
 昨年、「連合」指導部による「上げ幅追求から水準追求への転換」の画策にたいして、わが同盟と革命的・戦闘的労働者は直ちに批判を開始し、「連合」の内外から春闘の破壊を許すな!≠ニいう声を巻き起こしてきた。この昨年の闘いにふまえ、いま欺瞞的にも「中小重視」などのまやかしの言辞を吐きながら春闘の埋葬に突進しようとしている労働貴族どもにたいして、たたかう労働者は、あらゆる機会をとらえて彼らの主張の反労働者性・犯罪性を暴露し弾劾する追求を開始している。
 また、革命的・戦闘的労働者たちは、資本家どもが事業再編や業務委託を強行しつつ労働者にたいする首切り・転籍・配転の攻撃をかけたり、「働き方改革」と称して不払い残業≠フ強制・労働強度の非合理的増進を強行したりすることにたいして、労組を主体にして断固として反対の闘いをおしすすめ、そのただなかで革命的ケルンを強化・拡大し、それを基礎にして組合を戦闘的に強化してきたのである。
 わがたたかう仲間たちは、「自衛隊容認・改憲論議推進」を唱える右派単産執行部が牛耳る「連合」指導部が、陰に陽に護憲や反戦・平和の運動を抑圧することに抗して、様ざまな工夫を重ねながら「九条改憲許すな!」「辺野古新基地建設反対!」などの反改憲・反戦反安保の闘いを職場生産点からつくりだしてきた。そしていま、わが革命的・戦闘的労働者たちは、<自衛隊の中東派兵阻止! 日米新軍事同盟の強化反対! 憲法改悪阻止!>の闘いを、全学連のたたかう仲間と連帯しながら今春闘のただなかで大爆発させるために奮闘しているのである。

U 既成指導部の賃金闘争放棄を許すな!

  A 「連合」指導部の春闘破壊を弾劾せよ!

   生産性向上を尻押しする労働貴族

  B 「全労連」の「最賃制」要求運動をのりこえて闘おう

   春闘の市民主義的・議会主義的歪曲を許すな!


V 春闘・反改憲闘争の高揚を切り拓け!

  A 二〇春闘の戦闘的高揚をかちとれ!

 すべてのたたかう労働者諸君! 既成労働運動指導部の腐敗を突き破り、いまこそ日本労働運動の戦闘的再生をかちとろう! 今春期、労働戦線において、われわれは次のような諸闘争を創造するのでなければならない。
 まず第一に、「一律大幅賃上げ」をかちとるために二〇春闘の戦闘的高揚をきりひらくことである。
 独占資本家どもが「年功給廃止」を叫び、労働者にたいする賃金抑制を強行しようとしている今日、「連合」指導部どもの格差賃金@e認・賃下げ容認の春闘破壊を許さず、われわれは、「一律に・かつ大幅な賃上げ」をかちとるために奮闘するのでなければならない。
 政府・日銀が「二年で二%の物価上昇」を掲げて大規模な金融緩和にふみだしてから七年。<アベノミクス>の破綻は、いまや誰の目にも明らかになっている。にもかかわらず安倍は鉄面皮にも、株価と有効求人倍率の高さだけをもって「日本経済は好調」と吹聴しつつ、「今こそ好循環をまわしていきたい」などとほざいているのだ。
 だが、「日本の株価が高い」のは、日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とが莫大な公的資金を注入することによってつり上げているからにほかならない(日銀は三一兆円の株を買い占め、日本の株式保有のトップとなっている)。また「雇用が増えている」のは諸企業が非正規雇用労働者を増やすことによって賃金を抑制し利益をあげているからにほかならない。実際、労働者の実質賃金は、一九九七年以来一〇%も低下しているのだ(OECDの調査――これは欧米などの「先進国」のなかで最低である)。
 日本の労働者人民は、今こそ政府の煽りたてる「株高=好景気」の幻想を木端微塵にうち砕かなければならない。労働者の賃上げは、いわゆる「トリクル・ダウン」への期待や「内部留保を吐き出せ」といった資本家への要請によってかちとることは決してできない。まさに労働者が階級として団結し、力でたたかいとる以外にはありえないのだ。
 われわれは、賃金抑制に応じ賃金格差≠労組としても求めるという「連合」指導部の犯罪性への自覚を組合員大衆にうながし・これをのりこえて賃金闘争をまさにプロレタリア階級闘争としてたたかうためにこそ、この「一律かつ大幅な賃上げ獲得」のスローガンを掲げる。そして同時にこのことは、戦闘的労働者たちに賃金制度そのものの階級的本質への反省をうながし、賃金労働者としてのおのれの存在についての自覚をうながす契機をつくるためでもあるのだ。
 またわれわれは、資本家どもにたいして「生産性向上」に労組として協力することを誓う「連合」労働貴族やAIを賛美しその活用論≠謳う「全労連」日共系指導部を弾劾し、二十一世紀現代の合理化≠ノ反対するのでなければならない。
 生産過程・流通機構・業務過程へのAI導入による労働者の首切り・転籍・出向・配転と非合理的な労働強度の増進を、絶対に許すな!
 たたかう労働者は、「働き方改革」・「長時間労働改善」を口実にした資本家どもによる残業代カット・不払い残業の強制や労働強度の非合理的増進にたいして、断固反対しよう! 教育労働者にさらなる労働強化を強いる「一年単位の変形労働時間制」の職場への導入を許すな!
 第二に、安倍政権による労働者人民への大衆収奪強化に反対することである。
 いま日本の人民は、いよいよ貧窮のどん底に追いやられつつある。このことは、昨年十月からの消費税税率の一〇%への引き上げによってすでに小売りの売り上げは七・一%減となり、とてつもない消費減が起きているという事実のなかに示されている。
 そしてこの消費税増税と社会保障制度の改悪によって、日本の労働者人民は年間一兆六〇〇〇億円の負担増(単純計算で一人あたり一万三〇〇〇円の負担増)を強いられることになるのである。
 それだけではない。いま日本の労働者人民の頭上には、かの二〇〇八年の<リーマン・ショック>時を上回る解雇攻撃の嵐が迫っているといえる。なぜならば、いま国際金融危機・世界同時不況が忍び寄りつつあるからである。米・日・欧通貨当局がおしすすめてきた歴史上かつてない金融緩和策、これによりたれ流された厖大なマネーが株と不動産に群がることによってバブル化し、これがいまやいつ何時破裂するかもしれない状況となっている。加えて米・欧・日の金融諸機関は、超低金利のもとで融資によっても国債によっても利益を上げられないがゆえに、いまやアメリカのCLO(多数貸付債権プール型担保証券)に群がっている。この「ハイリスク・ハイリターン」のCLOは、まさに「金融の火薬庫」となっているのだ。かの二〇〇八年のリーマン・ショックにおけるサブプライム・ローンの破綻と同様に、これが破綻するならば、世界は金融破綻と大不況に襲われることになる。そして、日本のメガバンクや農林中金などはこのCLOを世界全体の一五%も保有しているのであって、国際金融危機が現出するならば、日本の多くの労働者たちが路頭に投げ出されることになるのだ。
 すべての労働者諸君! われわれは、ブルジョア的危機の労働者人民への犠牲転嫁を、絶対に許してはならない。今春闘のまっただなかで、今こそ労働者の団結をうち固めよ!
 さらにわれわれは、消費税増税・社会保障制度の大改悪という安倍政権の大衆収奪強化を、絶対に許してはならない。国家財政を軍事費と米軍への「思いやり予算」にジャブジャブつぎこみ、独占資本家どもには法人税減税の優遇をしながら消費税増税・社会保障費削減の大衆収奪を強める安倍政権を、断じて許すな!
 また、独占資本家どもの意を受けて安倍政権が狙っている労働法制のさらなる改悪にたいして、われわれはたたかわなければならない。「雇用の流動化」促進の名のもとに労働者の首切り促進を狙った「解雇無効時の金銭解消制度」の法制化を絶対に阻止せよ! 裁量労働制の適用対象の拡大を許すな! 労働者の諸権利の一切を奪う「個人請負」などの「雇用によらない働き方」の拡大を許すな!
 そして第三に、<改憲阻止・反戦反安保闘争>の大爆発をかちとることである。
 アメリカ・イランの全面戦争の開戦はひとまず先送りされたとはいえ、中東での戦争勃発の危機は日々高まっている。そうしたなかで、トランプ政権につき従う安倍政権は、ついに日本国軍をオマーン湾・アラビア海・アデン湾に向けて出発させた。もはや一刻の猶予も許されない。今こそ「アメリカのイラン軍事攻撃反対! 日本国軍の中東派兵阻止!」の反戦闘争を労働戦線から爆発させようではないか。
 安倍政権による日本国軍の中東派兵、トランプのアメリカとの日米新軍事同盟の強化、憲法九条破棄の三つの攻撃が相互に分離しえない歴史的攻撃として、いま日本の労働者階級・人民の頭上にふりおろされている。われわれは、<中東への派兵阻止・日米新軍事同盟の強化反対・憲法改悪阻止>を相互に密接不可分な一つの闘争課題として設定してたたかうのでなければならない。
 米―中・露の激突のなかで、いま日本帝国主義は、軍国主義帝国アメリカに隷従し、どこまでも運命を共にすることを強いられている。しかもそのうえ、アメリカから米軍駐留費をふんだくられるという、まさに「飼い犬が飼い主にエサを与える」倒錯さえ強制されているのだ。そしてこのことを決定しているのが、日本に付けられた安保同盟という首輪と鎖なのである。それゆえに日本の人民は今こそこの安保同盟をうち砕かなければならない。「反安保」の声をまさに「安保破棄」の意志へと高めていかなければならないのだ。
 われわれは、既成労組指導部の闘争放棄と抑圧をはねのけこの<改憲阻止・反戦反安保>闘争を、労働戦線から燃えあがらせるのでなければならない。
 革命的・戦闘的労働者は、「自衛隊の中東派兵反対」や「憲法改悪反対」の闘いを「反安倍政権」へと集約しよう! そして、ナショナルセンターの枠を超えた労組共同行動として追求し、労働者階級を中軸とした反ファシズム統一戦線を結成しようではないか。

  B 今日版「産業報国会」=「連合」を脱構築せよ!

 「連合」は安倍政権のもとで、いまや「救国」産業報国運動をむきだしに展開している。この「連合」は、日本労働戦線の帝国主義的再編に抗してたたかってきた革命的・戦闘的労働者がその成立に反対したにもかかわらず、ついに一九八九年に結成されたのであった。以来「連合」は、日本型ネオ・ファシズム体制を下から支える今日版「産業報国会」としての役割を果たしつづけてきたのだ。
 すべての労働者は、この「連合」労働貴族どもの過去約三十年にわたる反労働者的犯罪を今一度かみしめ、怒りをこめて弾劾しようではないか。
 第一に、彼らは、独占資本家どもによる労働者への首切り・転籍・出向・配転に協力してきたではないか。一九九〇年代前半のバブル崩壊後の大不況をのりきるために資本家どもがおこなった「減量リストラ」にたいしても、九〇年代後半のデフレ突入に際して「新しい日本型経営」の名のもとに強行された「第二次リストラ」にたいしても、まさに「第二労務部」としてスムーズなリストラ≠ノ一貫して手を貸してきたのが「連合」指導部と企業別労組の労働貴族どもなのだ。彼らは、二〇〇〇年代以降に激増した「ワーキング・プア」を見殺しにし、さらに二〇〇八年のリーマン・ショック後には自動車や電機などの独占資本家どもがこの非正規労働者たちにたいしていっせいに派遣切り・雇い止めを強行したときにも、路頭に放り出された失業者たちを救おうともしなかったではないか!
 第二には、彼らは「連合」発足以来、日本型の賃金闘争である春闘を破壊する策動を、独占ブルジョアどもの意を体しておしすすめてきたのだ。彼らは、「労使協議路線」を「連合」の基本路線とすることによって、いわゆるストなし春闘≠定着化させ、春闘を「要求方式」「戦闘配置」「闘争形態」のすべてにわたって変質させてきたのだ。
 「解雇か賃下げか」と恫喝する独占ブルジョアをまえに、これにひざまずいてあっさりと「戦闘配置」を崩し、「今後要求は産別自決の立場で決定する」などとしたこと(一九九三年)。このゆえに翌年の九四春闘では実質賃金マイナスの超低額妥結という大敗北を喫したのだ。さらに「職務・職能給」を導入しはじめた資本家どもによる賃金支払い形態の大改変にたいして、これに労組の側から呼応し、春闘の賃金要求を「個別賃金要求方式」に転換させたこと(九五年以降)。そして鉄鋼労連などは「賃金交渉は二〜三年に一度でよい」などと主張しはじめ、ついに「賃金交渉の複数年協定」実施に踏みきり(九八年)、「勢揃い・横並び」を破壊したこと。さらに二〇〇〇年には独占資本家どもの「賃下げを伴うワーク・シェアリング」なる提案に唱和し、賃下げを受け入れたのである。
 第三に、彼らは階級協調主義の反労働者的なイデオロギーを絶えず流布してきた。
 「労組は地域における共同セクター」だから「空き缶拾いなどの『共益』」活動を担えとか、労組の役割を「要求型」から「参加型」へと転換すべきだとか(二〇〇〇年)、「労使政は運命共同体」だとか(二〇一〇年・民主党政権時)――労働貴族どもが時どきにたれ流してきたこれらのすべては、労働組合を協同組合やNPOのようなものへと変質させ、労働者階級の階級的団結形態としての労働組合を解体しようとするネオ・ファシズムのイデオロギーなのだ。
 すべての労働者は、こうした「連合」労働貴族どもの数々の犯罪を怒りをこめて弾劾せよ!
 一九五五年以来<企業別労組の産別勢揃い>としてたたかわれてきた日本型賃金闘争は、民同ダラ幹の政策転換路線にもとづく闘争歪曲に抗して革命的・戦闘的労働者が奮闘してきたことのゆえに、一定の戦闘性を呈していた。
 だが、一九七〇〜八〇年代のわが革命的左翼と戦闘的労働者にたいする国家権力の謀略的殺人襲撃を地ならしとして、日本型ネオ・ファシズム支配体制が確立され、「連合」が産業報国会としてこれを下支えするようになって以降、日本労働運動は「ネオ産業報国運動」へと変質させられてきたのだ。そして「連合」傘下の企業別労組は、労組ダラ幹の裏切りにより企業の第二労務部として資本家に抱きかかえられてきた。彼ら労働貴族どもは「労使運命共同体」とか「国難突破」とかの反労働者的イデオロギーを組合員に吹きこみ、闘いの牙を抜いてきたのである。
 もはや明らかではないか。「連合」を脱構築し日本労働運動の戦闘的再生をかちとることは、日本労働者階級の急務なのだ。
 すべての革命的・戦闘的労働者諸君! 今春闘の戦闘的高揚のためにわが同盟の闘争=組織戦術にのっとったフラクション活動をくりひろげ、組合内部の革命的ケルンを強化・拡大しよう。そしてこのケルンの強化を基礎にして既成労組の戦闘的強化をかちとり、「連合」の下から連合型労働運動≠突き破ろうではないか!
 今日版「産業報国会」としての反労働者的な姿をさらけだしている「連合」を、その内側から今こそ脱構築せよ!

 現代世界は、荒廃をあらわにしつつ没落する軍国主義帝国アメリカと、「社会主義市場経済」に根ざした諸矛盾の病魔が全身症状となって顕れつつあるネオ・スターリン主義中国との、生き残りをかけた妥協なき抗争を基軸に展開している。そしてそのもとで、いま世界の各地において、戦乱と貧窮と強権支配に呻吟する労働者人民が反政府闘争に起ちあがっている。資本家どもとその政府による強搾取と収奪にたいして労働者人民が起ちあがっている。また中国では、スターリニスト権力者による血の弾圧に抗して、香港人民が「香港の中国化」に反対して不屈にたたかいつづけている。
 だが、これらの闘いは、闘いの前途を指し示す前衛党もプロレタリアート自己解放のイデーも不在であるがゆえに、階級闘争として自覚的に推進されてはいない。それは、たたかう人民が、スターリン主義の歴史的犯罪とその反労働者性を、それがニセのマルクス主義でしかないことを、いまだ自覚していないからにほかならない。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! われわれ革命的マルクス主義者の責務は重かつ大である。戦乱と貧困と強権支配に呻吟する全世界の労働者人民と連帯して、今春期闘争を断固として推進せよ! そして今こそ反スターリン主義運動の前進をかちとろうではないか!
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『新時代の中国の国防』
ハイテク・宇宙軍拡への突進を呼号する習近平政権


 世界最大の核戦力を背景にして自国の政治的・経済的利害を敵対国家のみならず同盟国にたいしても貫徹するアメリカのトランプ政権に真っ向から対抗して、いま中国の習近平政権は、「宇宙強国」「海洋強国」「デジタル強国」を建設するという軍事戦略にもとづいて、AI(人工知能)や5G(次世代型高速大容量通信)を駆使したハイテク軍拡をおしすすめアメリカに猛烈にキャッチアップしつつある。この習近平政権が新たに策定した中国の軍事戦略。それを改めて明示したのが、二〇一九年七月に発表された国防白書『新時代の中国の国防』である。
 @国際安全保障情勢、A新時代における防御的国防政策、B新時代における軍隊の使命任務の履行、C改革の中にある中国の国防および軍隊、D合理的で適切な国防支出、E人類運命共同体構築への積極的取り組み――これら六章から構成されている白書においては、今世紀半ばまでに宇宙・サイバー・電磁波の領域においてアメリカを凌駕する軍事技術を獲得し「世界一流の軍隊」へと中国軍を強化するという国家意志が鮮明に明示されているのだ。本稿ではその諸特徴を明らかにする。

以下見出し

A <アメリカVS中国中心の国際社会>という政治的構図

B 「智能化戦争に勝てる軍隊」への中国軍の飛躍的強化

  ロシアとの条約なき反米同盟の結成

C 「人類運命共同体」イデオロギーによる粉飾
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全学連委員長・書記長
  新春インタビュー


戦乱勃発の危機を突き破るために最先頭で闘うぞ!


編集局 あけましておめでとうございます。
有木委員長・中澤書記長 おめでとうございます。
編 年明け早々から世界は激動しています。トランプ政権によるイラン革命防衛隊司令官の爆殺、これにたいする反撃としてイラン権力者が敢行したイラクの米軍駐留拠点へのミサイル攻撃……。このときに、全学連はいかにたたかうか――。お二人は、昨年九月の全学連大会において新委員長・新書記長に就任されました。全国のたたかう労働者・学生に向けて決意表明をお願いします!

アメリカのイラン軍事攻撃・日本の出兵を阻止せよ!

有木 私はこの場をかりて、重大な決意を込めてよびかけたい。米―イラン戦争勃発の危機が切迫しています。アメリカのイラン軍事攻撃を阻止する反戦闘争を、日本の地から断固としてぶちあげよう! すでに全学連のたたかう学生たちは、各大学キャンパスにおいて反戦の雄叫びをあげています。一月二十五日には、対アメリカ大使館・首相官邸闘争に決起します。全学連は、労働戦線深部でたたかう労働者と連帯して、革命的反戦闘争の炎を燃えあがらせる決意です!
中澤 いまやトランプのアメリカは、米軍を叩きだせ≠ニ叫ぶシーア派ムスリム人民の反米デモに包囲されている。追いつめられたトランプはイランへの「経済制裁の強化」をふりかざしている。まさにそれは、<中東支配の終焉>が突きつけられ危機感にかられた没落軍国主義帝国アメリカの最後のあがきにほかなりません。このトランプ政権がシーア派ムスリム人民の頭上にミサイルや銃弾を降り注ごうとすることなど、絶対に許せない! われわれは全世界人民の最先頭で起ちあがるぞ!
有木 この重大なときに、日共委員長・志位は、安倍政権にたいして「外交的解決の道に立ち戻る」ようにトランプに求めよ、などと請願しているにすぎない。反戦闘争の組織化をぬきにして、狂気の空爆に踏みきった当のトランプの「理性」にすがりつくとは、あまりにも無力で・かつ犯罪的ではないか! この日共中央の闘争放棄を弾劾せよ!
編 アメリカのイランへの軍事攻撃は、第三次世界大戦の序幕となりかねない。
有木 そうです。イランを公然と政治的・軍事的に支えているのが中国・ロシアの権力者です。まさにアメリカとイランとのあいだで戦端がきりひらかれるならば、米と中・露が激突する世界大的な核戦争へと発展しかねないのだ。
中澤 東アジアにおいても同様です。アメリカによる軍事的圧力と経済制裁にさらされている北朝鮮の金正恩政権は、追いつめられれば追いつめられるほど、ICBM発射などにうってでる衝動を高めるにちがいありません。朝鮮半島においてもいつ戦端がきりひらかれるかわからないのです。
有木 世界中で激突している米と中・露の権力者どもが、中距離核ミサイルや宇宙兵器、AI兵器などの核戦力の開発・配備にしのぎを削っている。今こそ、<米―中・露の核戦力強化競争反対>の革命的反戦闘争を全世界に波及させるために全力でたたかおう!
編 革命的反戦闘争の怒濤の前進をかちとることが、わが革命的左翼の喫緊の課題ですね。それとともに、憲法改悪に突きすすむ反動・安倍政権にたいする闘いも正念場を迎えています。
中澤 中東情勢の激動のもとで、戦争放火者トランプにつき従って中東への派兵をたくらむ安倍政権の犯罪性がこのうえなく露わとなっている。戦火が噴きあがろうとしている現局面で憲法九条を踏みやぶり派兵を強行することは、米軍と一体となった中東での軍事行動の開始以外のなにものでもない。日本国軍の戦地≠ヨの派遣を絶対に阻止するぞ! 一月十一日には、那覇基地からのP3C哨戒機の出撃を阻止するために、沖縄のたたかう学生たちは現地闘争に断固として起ちあがります!

改憲阻止・安保粉砕の大闘争を!

有木 安倍は元日にあらためてみずからの手で改憲をなしとげる野望を披瀝した。世界中で戦争的危機が高まるただなかで、日本をアメリカとともに戦争する国≠ヨと飛躍させるための一大攻撃を絶対に打ち砕くぞ! わが全学連は、たたかう労働者のみなさんとともに日本全国から「改憲阻止」の火柱をぶちあげるために総力をあげてたたかいぬく決意です! 改憲攻撃と一体でしかけられている、辺野古新基地建設、中距離核ミサイルの日本配備の攻撃を粉砕するぞ!
中澤 「桜を見る会」での公費を使った不正接待につづいて、「IR疑獄」の暴露。いま労働者・人民は安倍政権への積年の怒りを噴出させている。キャンパスでも「安倍はヤメロ」の声が充満しています。彼らにたいして「反安倍政権」の闘いへの決起を促すと同時に、闘いのさらなる高揚のために「反安保」・「反ファシズム」の旗幟を鮮明にしてたたかおう、と熱烈によびかけたいと思います。
 たたかう労働者のみなさん! 国会前で・官邸前で、「反安倍政権」の闘いをともに巻きおこしましょう!

反スタ革命的左翼の真価を発揮した昨年の激闘

編 お二人から本二〇二〇年の任務を鮮明にしてもらったところで、次に、昨年の激闘についても話をうかがいたいと思います。
中澤 『解放』新年号のカラー写真特集は圧巻でしたね。一面の暗黒を切り裂くように色鮮やかに輝く真紅の全学連旗。仲間たちと一緒に『解放』をひろげながら、感動とともに責務の大きさをかみしめました。昨年は、どれも重要な闘争ばかりでしたが、なかでも……。
有木 それはなんといっても、北京官僚による香港人民への大弾圧を弾劾した対中国大使館抗議闘争でしょう!
 私たち二人が委員長・書記長に選ばれた全学連大会(九月二十四日)の場において、全国の仲間とともに中国大使館への緊急闘争をたたかう決意を固め、断固として起ちあがったのでした。中国大使館を眼前にして、北京官僚どもへの煮えたぎる憤激と憎しみを燃やしてたたかいぬいたことは、全学連委員長としての・そして反スターリン主義者としての私じしんのバネとなっているのです!
中澤 香港の労働者・学生は、元日から「五大要求」を掲げ一〇〇万人の大デモンストレーションに起ちあがっている。われわれはこの香港人民と断固として連帯してたたかい、ネオ・スターリニスト官僚の圧政をうちやぶる闘いの展望をも鮮明に示しつつ全力でたたかうのでなければならない!
有木 さらにわが全学連は、憲法改悪・安保強化・中東派兵という<三位一体>の攻撃をもろともに打ち砕く闘い、そして「『桜を見る会』での不正接待弾劾! 反安倍政権の闘いを巻きおこせ!」を掲げた闘いなど、まさに獅子奮迅の闘いをすすめてきました。
編 全学連のみなさんは、連続的に巻きおこる歴史的事件と対決し、みずからの思想的強化をもかちとってきたと聞いています。
有木 イランがサウジアラビアの石油施設への的確無比な攻撃を敢行した9・14事件。それは、アメリカのイランへの完全敗北を、さらには半世紀におよぶアメリカの中東支配の終焉を意味する。革マル派の分析・洞察に学びながら、われわれは中東で暴虐の限りをつくしてきたアメリカ帝国主義への怒りに燃えて断固として喝破してきたのです。
中澤 韓国の文在寅政権が日韓GSOMIAの破棄を表明したこと(八月)は、この政権が米日韓三角軍事同盟から離脱する意志を鮮明にしたことを意味する。この激動を東アジアにおける地殻変動として的確に暴きだしてきたことも重要でした。
有木 次々と巻きおこるこれらの事件にたいして、すべての全学連の仲間たちが、――『解放』の諸論文に学びながら――反スターリン主義者にふさわしい価値意識・価値判断にもとづいて主体的に対決するという構えを貫いてきました。まさに、現代世界の危機を突き破ることができるのは、反スターリン主義運動の創始者・黒田寛一さんの思想で武装した、われわれだけなのだ――この確信とバネを闘いの鉄火のなかでうち鍛えてきたのです!

黒田さんの<変革の哲学>をわがものに

編 最後に、全学連の若き仲間たちに、世界に冠たる反スターリン主義運動を担う主体としての決意を一言ずつおねがいします。
有木 ハイ! 身が引き締まる思いです。私は、香港の事態と対決するただなかで、『ソ連圏革命論ノート』を読み、黒田さんがポーランド「連帯」の悲劇からつかみとった血の教訓==ャ\連圏における第二革命>論をわがものにしたい、と心から思いました。「またもや悲劇は招来した。だが悲劇を根絶することこそが問題なのだ。」(『ソ連圏革命論ノート』二五四頁)――この黒田さんの反スタの憤激と熱情をみずからのものにし、内に燃えあがらせる決意です。
中澤 私は、昨年十二月の革共同政治集会において「実践の場所の哲学の実現を」とよびかけられたことを受けとめたい。日々の活動のただなかでみずからの哲学を省察し、<変革の哲学>をわがものにする努力を積みかさねたいと決意しています。『変革の哲学』や、昨年に完結した『マルクス主義入門』シリーズ全五巻をはじめとする黒田さんの諸著作を勉強しながら。
編 すでに本二〇二〇年の闘いは始まっています。戦争・貧困・圧政・地球環境破壊に覆われた<暗黒の二十一世紀>を覆すために、ともにがんばりましょう!
有木・中澤 がんばるぞ!

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決裂≠オたCOP25

昂進する地球温暖化のもとで利害対立を露わにする権力者ども

 地球温暖化を原因とする森林火災、巨大台風、海水面上昇などによる大災害が、世界各地において人民の生命を奪い生活基盤を破壊している。この地球温暖化の抑制を課題とした国連気候変動枠組み条約第二十五回締約国会議(COP25)が、昨年十二月にスペインの首都マドリードで開催された。だがこの会議は、二〇一五年十二月に締結されたパリ協定をヨリ積極的≠ノ実現すべきと主張するEU諸国などにたいして、温室効果ガスを大量に排出している諸国――パリ協定からの脱退を宣言したトランプのアメリカとパリ協定を守ると言いながらも後進国の権利≠主張する中国・インドなど――が対立し、二日間の協議延長にもかかわらず、主要な問題についてなんの合意もできないままに十二月十五日に閉幕した。

以下、見出し

温室効果ガス排出削減を全面拒否したトランプ

米中の政策転換により破綻したパリ協定


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「馬毛島訓練基地の建設反対!」
鹿大生を先頭に緊急抗議   12・20 鹿児島
 昨年十二月二十日、鹿児島県庁前で、馬毛島への米軍機離着陸訓練(FCLP)基地建設をめぐって、防衛副大臣・山本による「地元説明」にたいする緊急抗議行動がとりくまれた(「鹿児島に米軍はいらない県民の会」主催)。鹿児島大学のたたかう学生たちは、結集した「県護憲平和フォーラム」傘下の労組員や市民約八十名とともに断固として起ちあがった。 
緊急抗議行動に決起した鹿児島の労・学・市民
(19年12月20日、県庁前)
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奈良市街に安倍政権打倒の声
「不戦のつどい」で闘う学生が奮闘  12・7
 昨年十二月七日に、奈良市で「不戦のつどい」(主催は「奈良市民連合」)が開催され、労働者・学生・市民二〇〇名が結集した。奈良女子大、神戸大のたたかう学生たちはこの日の闘いに勇躍決起し、「公金を使った不正接待弾劾!」などを訴え<反安倍政権>の闘いの高揚をかちとるために奮闘した。
奈良中心街に「安倍政権打倒!」の声を轟かせる神戸大・奈良女子大生
(19年12月7日)
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